カテゴリー「映画 か行」の69件の記事

2025年8月 9日 (土)

鬼滅の刃 無限城編第一章  猗窩座再来

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劇場公開されて早3週間。なんと4回目の鑑賞完了です!それでもまだ行きたいという気持ちが抑えきれず悶々としております。はい、もちろん原作全巻とファンブックも持ってます。初日の18日の午後に第一回目の鑑賞をしましたが、いつもはガラガラの地方の劇場が高校生や中学生のグループ客でごったがえしていました(;゚Д゚) チケット売り場よりフード売り場の行列がすごかった。

私は騒々しい小学生連れと観るのが苦手なので、2回目はレイトショーに行きましたが、こちらもかなり混んでいて、最終回のお子様おことわり時刻以外は、レイトショーにも子ども連れの家族客も結構いたのでびっくり!上映終了時間が夜の10時過ぎなのに幼稚園くらいのお子さん連れの家族も結構いました。お子さん眠くならないのかしら?でもそれだけ人気だという証明で、制作までのブランクがあっても、オワコンではと心配されても、蓋を開けてみるとやはり!鬼滅は不滅でした。

恐るべし、鬼滅パワー!😃

客層はほんとに幅広くて、お子さん連れの家族一同から若者グループ、中高年グループから中高年単身者までほんと様々。男女差もない。これだけ多様化した多くの層の支持がある映画は珍しいのではないでしょうか。描かれている世界観と家族愛や兄弟愛、不屈の精神や喪失へ感慨などを考えると、年を重ねた層にこそ刺さる作品だからでしょう。

作品を重ねるごとにすさまじくレベルアップして、とどまるところを知らないufotableさんの作画の素晴らしさといったら!無限城というアトラクションの中でジョットコースターに乗っているかのような疾走感と緊迫感、そして美しさあふれる映像は、何度でも観たくなる中毒性があり、私を含めたリピート客が多いのも納得です。

ここで僭越ながら私の萌えポイントをいくつかご紹介。

①劇伴の素晴らしさ 

大好きな猗窩座のテーマがいろんなアレンジで効果的に使われていて悶絶。戦闘シーンは大迫力でカッコよく。そして狛治の回想シーンでは、スローテンポで穏やかなバージョンと、悲哀のこもったバージョンがあり、ストーリーにぴったりでした。それと、義勇さんのテーマは、痣が出現した後の超高速壮絶バトルでのアレンジが美しく疾走感がありました!善逸のテーマも、火雷神のシーンのアレンジが超絶かっこ良かったです。しのぶさんのテーマの戦闘用アレンジも同じく心が震えるものでした。

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②声優さん!

猗窩座の石田さんと童磨の宮野さんが、とにかくお見事で!石田さんは猗窩座のときと狛治の時の声を演じ分けていたし、宮野さんの童磨はほんと嫌なヤツの声で素晴らしかったです。「い〜ぃい夜だね〜えぇ」にヤラれました。
アニオリで義勇のお爺ちゃんカラスの寛三郎が登場してくれたのも嬉しかった。お声は「べらぼう」で忘八のひとりを演じておられる山路さんだなんて最高!「…死ぬなぁ〜」「…ぎゆうぅ〜~」にうるっと来てしまいました。これからもちょいちょい出てくれないかなあ、寛三郎。

③映像美

無限城が想像のはるか上をいく圧巻です。城というより摩天楼で、際限なく広がっていく感じ!その中を柱たちが高速で飛翔し疾走していく目まぐるしさと美しさ。視覚情報の脳内整理が追いつかず、何度もリピートして確かめたくなります。それくらい凄いですよ。あと、狛治の回想シーンの花火の美しさも必見です。

原作をほぼそのまま順番も変えずに映像化してくれたことにも感謝感激。第2章も、第3章も無惨戦もさらに楽しみになりました。私は還暦すぎています。命のあるうちに、見届けたいと願います。
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 3時間弱の上映時間、全編見どころなので、トイレに立つ間はありません。ネットの口コミで尿意が抑えられると評判のボンタンアメを試してみました。確かに少し効き目があったような気がします。

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ちなみに入場特典のポストカードは私は義勇さんでした。わーい🙌🙌🙌

無限城に落ちていく圧巻のシーンから始まり、しのぶVS童磨→善逸の弔合戦→猗窩座再来と息つく間もなく見せ場だらけで片時も目が離せませんでした。童磨を演じる宮野さんの声に痺れ、義勇の闘いの迫力と美しさに見惚れ、猗窩座の哀しい過去に泣きました。公開終了まで、何回でもおかわりできそうです。

2025年6月15日 (日)

金子差入店

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差入店という職業のことも、主演俳優さんの丸山隆平さんのことも全く知らないまま、テレビの番宣から興味を惹かれて劇場で鑑賞。一番の動機は、差入店という職業に対する純粋な興味だった。

差入店とは、拘置所・刑務所・少年院・少年鑑別所・代用刑事施設に収監や収容されている受刑者、被疑者、被告人などに差し入れる各種商品を販売している商店である。 差入屋・差入所と称する店もある。(ウィキペディアより) 
拘置所等に差入する品物は制限もあり、差入店はそれらを熟知しているのと、面会をしたくない、または出来ないとか禁止されている人に代わって差入や面会も代行してくれる職業らしい。

主演俳優の丸山隆平さん、本業はアイドルグループSUPER EIGHTのベーシストだとは初めて知った。ベーシストとしても非常に高い評価を受けていると知り、彼の演奏動画を検索したりして、さらに感激。そっち方面は全く興味なくて疎かったので失礼しました。

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 とにかく、この丸山隆平さんの演技がめちゃくちゃ良かった。演じる主人公の金子真司は元服役者で、出所後に叔父の差入店を継ぐという設定だが、冒頭に服役中の真司のところに妻の美和子(真木よう子)が面会に訪れるシーンがある。この時の丸山さん、坊主頭で眼光鋭く暴力的で妻に怒鳴り散らしたので、「このひと誰?」と思ってしまい、ポスターや番宣で見た丸山さん演じる真司と同一人物だと気づかないまま物語が始まってしまった。

その後、髪を伸ばし穏やかで控えめで子煩悩な真司が美和子と差入店を営む場面に移行した時、あらかじめストーリーなどノーチェックで鑑賞した私は、ここで初めて丸山さん演じる真司が登場したと勘違い。美和子は服役中のイカレた亭主とは別れ、亭主の子を連れて優しい真司と再婚したのかな?真司は美和子の連れ子を実子のように可愛がっているのかなあ、なんて良い人・・・などと中盤まで勘違いしていた(-_-;)。もちろん途中で、冒頭のあの人も丸山さん演じる真司だったと気づいて、全く別人を演じることのできる彼に驚いたし、一気に鑑賞のテンションが爆上がり。

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演技がすごいといえば、幼女殺人犯を演じた北村匠海さんの怪演も素晴らしかった。最後まで同情できないし救いもないキャラだけど、「君の膵臓をたべたい」の時のピュアな面影はどこにもなく、半目になった瞼や小首を不気味にかしげる仕草のなんと気味の悪いこと。病んだ犯罪者そのものにしかみえなくて、鳥肌が立った。

この作品では、差入店という仕事に対する世間からの偏見も描かれている。世間に後ろ指さされる服役者やその家族に便宜をはかる稼業だからだろうか。店主の真司が前科者だったということが知られ、ご近所の幼女が誘拐され惨殺される事件が起こってからは、妻の美和子は周囲からは軽く村八分的な扱いを受け、息子の和真は小学校でいじめられる。和真の友達でもあった幼女を惨殺した犯人(北村匠海)に差入を続けるという葛藤に苦しみ、自分の家族に向けられた理不尽な偏見や仕打ちへの怒りをあらわにする真司。しかし、「私たちは悪くない」と言い切る妻の美和子の強さとしなやかさに救われ、飄々とした伯父(寺尾聡)の言葉に、ささやかな慰めと希望を見出していく。

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もうひとつ、この作品で描かれる大切なエピソードは、母親に売春を強要されていた女子高生・二ノ宮佐知(川口真奈)と、佐知の母を殺した横川哲(岸谷五朗)との物語だ。佐知はなぜか自分の母を殺した横川に毎日のように面会を申請しては断られていた。佐知がなぜ横川に面会したいのか、そして伝えたいことは何なのかを知った真司は、ルールを破って面会を手助けする。真司が差し入れるものは、時には単なる物品だけではなく、ひとの大切な想いや願いでもあるのだと感じた。

良質な激渋ヒューマンドラマ作品としてかなりお勧めです!

2024年12月18日 (水)

グラディエイターⅡ 英雄を呼ぶ声

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あの、神作・グラディエイターが26年ぶりにまさかの続編!これは駄作に終わろうと絶対に観なければ!と劇場に駆け付けた。26年ぶりでも前作からしっかり話を繋げている。

あらすじ:ローマ帝国が繁栄した時代。静かな暮らしを送っていたルシアス(ポール・メスカル)は、将軍・アカシウス(ペドロ・パスカル)が率いるローマ帝国軍の侵攻によって妻を失い、捕虜となる。アカシウスへの復讐(ふくしゅう)を誓う彼は、奴隷商人・マクリヌス(デンゼル・ワシントン)との出会いをきっかけにローマへ向かう。そこで剣闘士「グラディエーター」となったルシアスは、円形闘技場「コロセウム」で行われる闘いに身を投じる。(シネマトゥディ)

どこが繋がっているかというと、ルシアスはアウレリアス帝の娘ルッシラの息子で、前作では少年王子として登場していたが、コモドゥス帝亡き後、命を狙われる危機から救うために母ルッシラにより異国へ逃がされていた、という設定。つまりルシアスは実は皇帝の後継者であり、さらにさらに実はルッシラとマキシマスとの子だった!という設定。そして父マキシマスや祖父アウレリアス帝の遺志を継いで、ローマを悪政から人民の手に取り戻すべく闘う・・・という流れ。

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ルシアスを演じたポール・メスカルさんは今作で初めて見たけど、この画像はショーン・ペンに似てる。

なんといっても、ルッシラ役のコニー・ニールセンが26年の年月を経て続投していただけたのが、この「ある意味都合よすぎる?」続編のストーリー設定に説得力を与えている。実は前作もじっくり見返してみたけど、ルッシラとマキシマスが昔恋仲だったようなことはふんわりと描かれていたが、マキシマスがルシアスの父親だということを匂わせる描写は無かった。そもそもマキシマスにはコモドゥスに殺された愛する妻子、それもルシアスと同じくらいの年齢の息子がいたわけで。マキシマスはルシアスが自分の息子だとは全然知らなくて、ルッシラだけが胸に秘めていた・・・ということになるのだろうか。しかしやはりそこらは続編のための後付けの設定に思えてならないのは私だけだろうか。

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しかし、26年前と大きく容姿も変わらないルッシラが「マキシマスはルシウスの父だ」というのだから、説得力が半端ない。マキシマスの形見の指輪まで登場し、そんなん前作ではチラリとも出なかったやん!とつっこみつつ、コニー・ニールセンの若さにはひたすら恐れ入る・・・。前作のとき33歳の彼女は今作では59歳。スタイルもちゃんと維持していてほんとにお美しい。ぶっちゃけ、私は彼女が続投すると知って続編を観たい!と思ったほどだ。

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今作の悪役というか、ローマの民を苦しめる悪帝は、カラカラ帝とゲタ帝の兄弟。史実ではゲタのほうが弟らしいけど、映画ではどう見てもゲタ(右)は兄っぽい。どちらも狂ってる感が半端ないけど、カラカラのほうがより狂気や闇を感じるキャラで、弟のゲタ帝殺しは史実に基づいている。カラカラ帝って、大浴場を作った人やん、としか知らなかったが、かなりやばい奴だったのね。ペットのおサルはかわいかったけど。

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で、今作で実は最も腹黒く、ローマを手中におさめようという野望を隠し持ち暗躍するもと奴隷だった商人役のデンゼル・ワシントン。彼とコニー・ニールセン以外は知名度の低い俳優を揃えているので、まあ存在感が際立つこと際立つこと。影の主役というか、実は主役を完全に食っていた。

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で、結論だけど、本作は続編としてはよく頑張ったと思う。前作への回想シーンや音楽を効果的に使い、前作との繋がりをしっかりと示したところや、監督お得意の迫力ある戦闘シーンが、いろいろと工夫され、前作に引けを取らなかったところが勝因だろう。・・・ただ、やはり前作をしのぐことはできなかったと思う。いや、前作が神作品すぎたのかもしれないけれど。

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元祖グラディエイターと、本作の違いはやはり、主役のオーラの圧倒的な差だろう。ラッセル・クロウもポール・メスカルもどちらも爽やかなイケメンではない。男臭く、武骨なおっさんキャラであることは同じだけど、ラッセルのセリフ回し、まなざしや表情の動き、立ち居振る舞い、それらすべてから感じる名優のオーラは、やはり別格である。メスカルも鍛え上げた肉体と見事な動きの戦闘シーンは素晴らしかったが、それ以外の演技はどうしたってラッセルにはまだ及ばない。

それに、ストーリーに関しても、前作のマキシマスが剣闘士になり、仇のコモドゥス帝に闘いを挑む理由や置かれた状況が、あまりにも過酷で悲惨で、それゆえに漂う決死の覚悟というか、悲壮感が凄かった。有能なローマの将軍で皇帝の後継者にまでなりかけた彼が、コモドゥスの歪んだ妬心により命を取られかけ妻子も惨殺され、奴隷の身にまで落とされる。絶頂から一転、死の淵にまで沈んだ彼がそこから蘇り復讐を誓って再起する物語は、巌窟王やベン・ハーにも通じるものがあり、結果が悲劇に終わろうとも観るものをひきつけてやまない魅力があった。悪役コモドゥスを演じたホアキン・フェニックスはどこまでも卑劣で、彼が死んだときのカタルシスと言ったらなかった。そういう唯一無二のストーリーが、やはり今作ではどうしても弱かったと思う。妻をローマ軍に殺されたルシアスではあるが、戦で亡くしたのであり、謀りごとによって惨殺されたマキシマスの妻子の悲哀に比べればやはり弱い。

いろいろ書いたけれど、今作でマキシマスが「ルシアスの父」として再び蘇り、作品の中の重要な役割を果たしたことはやはり前作のファンとしては嬉しかった。

2024年2月28日 (水)

コヴェナント約束の救出

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ジェイク・ギレンホール目当てに鑑賞。結果、ものすごくよかった!彼はどの作品でもうまくこなすが、最近の作品ではこれが最高傑作かもしれない。兵士の役は、彼のはまり役のひとつだけど、本当にリアルで緊迫感に溢れた骨太の演技だった。

あらすじ
2018年、アフガニスタン。タリバンの武器や爆弾の隠し場所を探す部隊を率いる米軍曹長ジョン・キンリーは、優秀なアフガン人通訳アーメッドを雇う。キンリーの部隊はタリバンの爆発物製造工場を突き止めるが、大量の兵を送り込まれキンリーとアーメッド以外は全滅してしまう。キンリーも瀕死の重傷を負ったもののアーメッドに救出され、アメリカで待つ家族のもとへ無事帰還を果たす。しかし自分を助けたためにアーメッドがタリバンに狙われていることを知ったキンリーは、彼を救うため再びアフガニスタンへ向かう。映画.comより引用)

アフガニスタン問題を取り扱った社会派の一面もしっかり見せつつ、純粋に戦闘ものとして、緊迫感や臨場感の溢れるアクションを堪能できる作品でもある。実際、私が鑑賞した劇場内は年配の男性客が多かった。しかし戦闘を楽しめるだけではなく、深く感動できるヒューマンドラマでもあるのが、今作のすごいところだと思う。

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アフガンの通訳アーメッド役の俳優さんはちょっとショーン・コネリータイプのおっさん(失礼!)なのだが、この人がめちゃくちゃいい!寡黙でタフで、強くて内に秘めたる奥深さがたまらなくカッコいい。上官であるがそれまで一面識もなく、何の義理もないアメリカ人のキンリ―を、険しい山道を手押し車に載せて命がけで運んでいくシーンは何度も胸が熱くなる。どうしてそこまで・・・と思うわけだが、実は彼の心情は彼自身のセリフで語られることはない。アーメッドもタリバンを憎んでいること、何度かキンリ―がアーメッドを信頼してその忠告などを聞き入れてくれた上官であったこと、そしてキンリ―の青い瞳がタリバンに殺された息子の目に似ていたこと・・・などが実は理由のひとつになったのかもしれないと思った。

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さて、邦題に「約束の救出」とあるが、これはちょっと違うんじゃなかろうか?と思う。なぜなら、キンリ―とアーメッドの間では実際では何の約束も交わされていなかったからだ。何週間もの逃避旅を経てようやくキンリ―が米国基地に保護されたときは彼は意識もなかったまま搬送されたので、アーメッドに礼すら言う間もなく、「この恩は忘れない」という意思を伝えることもできなかったと思うから。

従って、キンリ―がアーメッドを救出に向かったのは、約束したからではなく恩義(報いるべき義理)を感じたためだった。事実、劇中でも何度かキンリ―が「恩義」というセリフを口にし、「このままでは夜も寝られない」ほど苦しんでアーメッドのために奔走し、ついには妻に背中を押される形で命を懸けた救出劇を決意している。恩義を返すという考えが、なんとなく日本的で武士道っぽく、キンリ―とアーメッドの関係にしっくりくるようで、個人的にそこもとても惹かれるツボだった。

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アフガニスタンでのアーメッドとの再会シーン。現地人に変装したキンリ―がようやく見つけたアーメッドにさりげなさを装って近づき、話しかける。名も呼ばず、名乗りもされないのにアーメッドはキンリ―だと気づき、彼が何のために帰ってきたか悟りながらも、第一声は「…その服似合うな。」いや、もうたまらんシーンでした。周囲の目や耳をはばかる必要があったとはいえ、どちらもポーカーファイスすぎて。そしてもうここで以心伝心、阿吽の呼吸というか、語り合わなくても十分に深い絆の自覚が両者に存在していたんだと感じた。

二人の心の交流や、命を懸けて恩義を返そうとする漢の生きざまが非常に感動的であるが、次から次に無限に湧いてくるタリバン兵との銃撃戦やカーチェイス、あわやここまで、と思った絶妙な瞬間に現れる米国戦闘機の助けなど、手に汗握る観どころも満載だ。

2023年11月14日 (火)

ゴジラ-0.1

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生きて、抗え。

劇場で鑑賞。あまりに気に入ったので迫力満点になる4DXでも鑑賞した。これまで観たゴジラ作品のなかで一番好きかもしれない。

正直、「シン・ゴジラ」のあとどんなゴジラを作るつもりなのか、あまり興味はなかったが、背景設定が終戦直後であること、ヒーローが神木隆之介さんだと知って鑑賞意欲をそそられた。彼が名優で出演作にハズレなしだから、というのと時代背景の設定が面白そうだったから。そしてこれが見事に当たった!

陸の上よりむしろ海で闘うゴジラ。
悪役に徹し、これまでで一番怖いゴジラ。
対抗する人間たちの絶望感は半端ない。

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特攻隊を逃げ出して生き残った過去に罪悪感とトラウマを抱えた主人公と、彼を取り巻く登場人物たちのヒューマンドラマも結構深い。ヒューマンドラマに惹きつけられる理由は、やはり神木隆之介さんの演技の功績が大きいと思う。冒頭の意気地のない表情、悪夢や罪悪感に苛まれる怯えた表情、そしてゴジラに特攻を仕掛けるときの最高の目力。いやはや、素晴らしかった。何度でも観たい表情だ。髪型も素敵💛

敗戦直後の傷ついた日本の本土に、まるでトドメを刺すかのようにゴジラが襲いかかる。いかなる攻撃も跳ね返し、熱線で破壊尽くすゴジラの脅威を前に、これまでも多くを失いながら生き残ってきた人々は、どう闘い、未来に向けて生き続けるのか。これは、まだ自己の中では戦争が終わっていない人々が、ゴジラとの死闘を通して未来に希望を繋げる物語だ。そこがとても新鮮だった。政府は頼れないから一般人で作戦を立てるというところも。

ゴジラを倒すワダツミ作戦はちょっと無理すぎてツッコミどころも満載だし、一般の船舶たちが救援に駆けつけるシーンは、ダンケルクを思い出したけれど、展開が面白くて迫力満点で文句なし。作戦がいよいよ佳境に差し掛かるタイミングで、あのゴジラのテーマソングが流れ始めた時は、正直鳥肌がたった。

今までと少し毛色の違ったゴジラ-1.0。激しくお勧めです。ぜひ劇場でどうぞ。車酔いの心配がなく予算に余裕のある方は4DXもなかなかいいですよ~~~。

2020年11月14日 (土)

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編

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もはや社会現象となっていますね。「鬼滅の刃」
コロナ禍で一時落ち込んだ映画産業の救世主にもなりました。映画公開に先駆けてTVでもアニメが放映されたりして、いまや老いも若きも男女関わりなくファンの数が激増。ここまで広い世代を魅了するなんて、すごいことだと思います。ストーリーも面白くキャラも個性的で魅力的なのですが、広い世代にまで人気を博したのはやはり描かれている「家族愛」とか「人生観」とくにかつて国民的ドラマとして一世を風靡した「おしん」にも通じる逆境に負けるな!というメッセージに励まされたり共感したりするところも、ポイント高いんじゃないかと思います。
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公開後一週間目の週末に劇場まで足を運びました。予約が取れない、とも聞いていたので、鑑賞予定日の予約がスタートした夜中の0時にポチして席をゲットしましたよ~。おひとりさま鑑賞なので基本的にはどこにでも潜り込みやすいのですが。親子連れやお友達と鑑賞する場合は並びの席をとらなければいけないので苦労するみたいですね。公開から1か月ほどたった今では混雑具合や予約の取りやすさはどうなっているのかなぁ。何度も劇場に足を運んでいるヘビーなファンもたくさんいるみたいですね。

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感想はというと、もちろん鑑賞前にコミックで「無限列車編」を予習していったのですが、やはり実際に動きや音、そしてBGMのある映像は迫力も説得力もカッコよさも桁違いに面白うございました。(←当たり前)

コミックを読んで、このシーン映像化が楽しみ~と思っていたのは実は伊之助の夢のシーンだったりするのですが(炭治郎たちを子分にしてご満悦の伊之助と兎の耳の禰豆子が可愛い)その他にもこのシーン、絶対映像化されたら泣くという場面もあって、それはもちろん炭治郎の夢のシーン。失った家族に再会た炭治郎が、夢とわかっていて「ここにいたいなぁ」とつぶやく後ろ姿の切なさ。ええ、泣きましたとも。この場面しっかり泣かせていただきました。
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あとですね、このシーン、実際の動きを観てみたいと楽しみにしていたのは、無限列車内の闘いももちろんなのですが、何といっても、猗窩座と煉獄さんの一騎打ち

実は私は柱の中では煉獄さんが一番好きなんですよね。強くて責任感があってめちゃポジティブで兄貴肌で統率力があって、最高じゃないですか。こういう人が同僚にいたら最高ですね。少し強引かもしれませんがそれでもどこまでもついていっても間違いがない、と思わせてくれるし、何より尊敬できますよね。煉獄さんが母から受け継いだ、弱き人を助けることは強く生まれたものの責務、という言葉、何と強く優しい考えなのでしょうか。

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そして上弦の参、猗窩座、こちらも十二鬼月の中では一番好きな鬼なのです。この場面では悪役っぽいですが(いや鬼なんだから基本悪役ですが)実は人間時代の哀しすぎる過去と鬼になった経緯を持ち、後日、無限城で炭治郎たちと闘う際には、最後に人間時代の思い出や心を取り戻し、闘うのをやめて自爆して去っていくという男気も見せるのですよ。

ですから大好きなこの二人のド迫力の死闘。もう伊之助じゃないけど「ワクワクが止まらない」状態でした。そして事実ものすごくカッコよく迫力満点のバトルシーンでしたね。映画館のわたしの隣の席は見知らぬ男性だったのですが、この二人のバトルシーンが始まるやいなや、なぜか号泣していましたね。え?もう泣くの?まだ煉獄さんやられてないよ・・・でもきっとこの先の展開も知っているファンだからこその涙だったのでしょうね。ちなみに私はバトルシーンは手に汗握り、背筋を伸ばして見入っていたので涙がでるひまもなかったです。心の中では正座して観てましたね、このバトルシーン。煉獄さんが死ぬ場面と炭治郎たちが号泣する場面はわたしも涙腺が崩壊しました。とにかく大満足の作品。あっぱれ、お見事の一言につきます。

あ~~~~、もう一度観たいなぁ・・・。

2020年10月18日 (日)

グレタ GRETA

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アマゾンプライムでレンタル鑑賞。
火サスのようなサイコ・スリラーものだけど、これがまた好きなジャンルでツボにはまった。何といっても監督がニール・ジョーダン。描き方が抜群にうまい。先読みもできるベタなストーリーだけど,とにかくハラハラドキドキで怖い怖い・・・。
あらすじ:ニューヨークの高級レストランでウエイトレスをしているフランシス(クロエ・グレース・モレッツ)は、地下鉄に置き忘れられたバッグを発見する。持ち主で夫を亡くしたグレタ(イザベル・ユペール)の家まで届けたことをきっかけに、二人は互いの孤独を埋めるように親しくなっていく。ある日フランシスは、グレタの家の戸棚を開くと自分が届けたものと同じ届け主の名前入りのバッグが大量に並べられているのを目にする。(シネマトゥディ)

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誰かが置き忘れた(かのように見えた)バッグをほんの親切心から持ち主の家まで届ける・・・それがすべての悪夢の始まりになるとはいったいだれが予想できようか。最愛の母を亡くしたばかりの主人公が、母親と同じ年代の親切そうな女性に心を開いてしまうのはごくごく自然ななりゆきだった。その女性がまさか「女青髭」並みのサイコパスなストーカーだったとは!

イザベル・ユペールは年齢を重ねても魅力的な女優さんのひとりで大好きだ。素敵なマダムを演じることもあるがこのような「怖い悪女」を演じることも多い。実は彼女は若いころにも「沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇」で、平気で人を殺す歪んだ人格の女性を演じてセザール賞最優秀女優賞を受賞している。そしてこういう役を演じる彼女は半端なく怖い。この作品でも彼女の演じるグレタの、狙った獲物を地の果てまでも追いかける執念と狂気をどんどんエスカレートさせていく様が圧巻だ。悪趣味なくらい怖いシーンは「指切断」(;゚Д゚)のシーンと「箱に監禁」のシーン。

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この手の作品がお好きな方には一押しだ。目が離せない疾走感すら感じる恐怖。ヒロインが囚われてしまってから、グレタが周囲をうまく欺くやり方のなんと手馴れていて巧みなこと。救出の手はなかなかヒロインにたどり着かず、グレタの家にせっかくたどり着いた探偵もあっさり殺されてしまうという恐ろしさ。最後は「持つべきものは善き友」なんだなぁと感動する救出シーンにたどり着いてようやく一息・・・。サイコスリラーの王道ともいえる物語だけど見ごたえがありました。

2020年5月31日 (日)

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件

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台湾ニューシネマの旗手といわれた天才監督エドワード・ヤンの映画史上に残る傑作。アマゾンプライムで配信されたのでようやく鑑賞。上映時間4時間という長尺の作品だが、おうち鑑賞ができたので休憩をはさみつつ二晩かけてゆっくり味わえた。1961年の6月に台北の牯嶺街で実際に起こった未成年の少年による殺人事件をもとにしている。交際中の少女を衝動的に刺殺してしまった少年の心中は、一体何が起こっていたのか?

1960年代初頭の台北。主人公の少年、小四(シャオスー)の両親は中国本土からよりよい生活を夢見て台湾に移ってきた外省人。しかし一向によくなる兆しもない生活や、大陸へ帰ることもできない現実を前にして、彼ら外省人の世界には不安や閉塞感が充満していた。物語は小四が建国中学昼間部の受験に失敗し、夜間部への進学を余儀なくされるところから始まる。
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複雑で不安定な当時の台湾の世情を背景に、実年齢よりずっと早く大人にならなくてはならなかった少年たち。建国夜間部の小四の友人たちは「小公園」という不良グループに属し、「217」グループと争っていた。「小公園」のリーダーのハニーは、対立するグループのボスを殺して逃亡中で、グループの中では跡目争いも生じていた。そんな中、小四はハニーの彼女の小明(シャオミン)という女学生に出会い、彼女に恋心を抱くようになる・・・。

陽光のあふれるのどかな昼間の風景よりも、圧倒的に夜のシーンが多い作品だ。固定撮影による長回しの映像。闇の中から現れて闇の中に去っていく登場人物。あるときは窓の外から、またある時はなんと押し入れの中から映し出される風景。声だけの演技。なによりも光と影のコントラストが際立っていた。闇のなかに灯る電球やろうそくの明かりがはっと息をのむほどに美しいのは、闇が深いからこそだと気づく。実際に自分がそこにいて眺めているのでは、と錯覚を起こしそうな強い臨場感。こんな映画は初めてだった。

確かに4時間は長い。しかし不思議と飽きなかった。小四を取り巻く環境や家族、友人、そして彼の小明に対する気持ちの揺れや変化などを、細やかに至近距離でずっと見守ることによって、最終的には彼の純粋ゆえの狂気や怒りも理解できたような気がする。小四の心情を吐露する台詞は多くはないけれど、何が彼を追いつめていったのか、物語そのものが丁寧に語ってくれている。だからこそ必要な4時間なのだ。実は二度続けて観てしまった。合計8時間。三日がかり。でもそれだけの値打ちのある作品だし、4時間のうちで無駄なシーンはひとつもないと感じたから。そしてDVDも買った。DVDの映像はさらに美しかったから。ストーリーをじっくりと味わうだけでなく、映像も楽しむ作品であるから。
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思えば物語の始まりから、小四は挫折や失望の連続だった。受験の失敗。教師による度重なる理不尽な叱責。不良グループとの軋轢と小明との葛藤。彼を愛し、支えようとしてきた両親もまた、外省人ならではの切実な悩みを抱えて苦しんでいた。そして極めつけは、彼にとって全く納得のいかない退学処分と、親友の子馬と小明との関係。努力しても誠意を尽くしても、事態は思うように展開してくれないこの時代の台湾ならではの現実を前にして、根は内向的で真面目な彼は、自分でも気づかないうちにじわじわと心中に怒りをため込んでいったのだろう。

世界を変えたい、変えることが可能だと信じたのは若さゆえの純粋さがもたらした幻想にすぎないことを、小四は少しずつ悟ってゆく。「この世界は自分が明かりを灯してみせる」とささやかな夢を持っていた彼が、最後には大切にしていた懐中電灯の代わりにナイフを手にすることになる。恋敵の小馬に向けるはずだったナイフを、まさか最愛の小明に向けることになるとはおそらくその時は思いもせずに。

「一生離れない。守ってあげる」
「誰も要らない。信用できない。」
「僕だけが君を救うことができる。僕は君の希望だ。」
「私を変えたいの?私はこの世界と同じで変わらない。」
小四と小明の、決定的にかみ合わないやりとりが切なく痛々しい。

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小四を振り回したかのようにも見える小明は、いわゆる「魔性の女」だったのだろうか?二つの不良グループのリーダーが彼女を取り合い、刃傷沙汰まで起こしたその魅力。病気の母と二人、居候や住み込みで生きてきた彼女は「小明、早く大人になってね。(=大黒柱になってね。)」と言う病弱な母からの精神的な依存を諦めを持って受け入れ、母の治療代のために若い医者と恋仲になる計算高さやしたたかさも持っていた。それとともに、「たくさんの男性から告白はされるけど、何か問題があるとみんな去っていく。」という哀しみも抱えていたと思う。彼女は彼女なりに、小四よりはるかに大きな苦労を重ねてきたのかもしれない。彼女からしてみれば、小四に「守ってあげる。」「僕が君の希望になる。」と言われても、「あなたに何ができるのよ?」と内心感じたことだろう。

衝動的な犯行のあと、茫然自失して小明に「起きてよ。」と何度も訴える小四。警察署で小明の返り血に染まったシャツをぬごうとしなかった小四。悲しくて、切なくて、たまらないシーンだった。

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小四を演じたチャン・チェンは好きな俳優さんだ。初めて彼をスクリーンで観たのはレスリー・チャンとトニー・レオンが主演のブエノスアイレス。レスリーによって振り回され疲弊したトニーの心を癒す寡黙な若者を好演していた。瞳が綺麗で長身が素敵な俳優さんだと思った。小四を演じた少年のときからその瞳は変わっていない。彼にとってこの作品がデビュー作で、小四の父と兄は彼の実際の父と兄であることも初めて知った。

まぎれもない大傑作で、他の作品とは一線を画する作品だと思う。多少きつくても映画館の暗闇の中で大画面で観るとさらに感銘を受けたと思う。

2019年6月 7日 (金)

THE GUILTY ギルティ

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事件解決のカギは電話の声だけ。
88分、試されるのはあなたの<想像力>。
いや~、満足度100%というだけある凄い作品だった。何が凄いって、主人公の警官の演技が最初から最後まで電話室での電話のやり取りのみで進行するというスタイル。これって密室での独り芝居に近い難易度。それなのに、主人公の声音や台詞、表情の変化のみで緊迫したストーリーが手に取るようにわかるのだ。観ているこちらも、主人公と相手の電話の会話のみで映像を脳内に描かなくてはならないのだが、いやもう、要求される集中力が半端ない。しかしそこがなんともスリリングなのだ。

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主人公のアスガーは過去にある事件を起こして第一線を退き、現在は緊急通報指令室のオペレーターを務めている警察官。ある晩担当した一本の電話から犯罪の匂いを感じ取ったアスガーは、「誘拐されていると思われる」相手の女性や、その家族とのやり取りだけで事件を把握し、パトカーへの出動要請や非番の同僚へ偵察を依頼するなど、すべて電話だけを頼りに事件を解決しようとするが・・・。
 アスガーの声音、表情、相手の女性やその夫の声や息遣いに目と耳を凝らし、
電話の向こうで起こっている事件を脳内に思い描く88分間。思い描かれる犯罪劇は受話器から聞こえてくる情報によって二転三転し、大詰めには思わず息をのむようなどんでん返しも用意されていて、本当に面白い。サスペンスの要素だけにとどまらず、アスガー本人の抱えている悩みや問題が徐々に明らかになっていくところはヒューマンドラマとしても十分考えさせられるものがあった。
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そしてなぜこの作品の題が「ギルティ(有罪)」なのか、ラストになって腑に落ちる。無駄なものが全くない、精巧な構成の見事な作品だ。

2018年8月17日 (金)

君の名前で僕を呼んで

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何一つ忘れない。

愛し合いながらも、許されない未来を抱えた恋人たちの、ひと夏の関係を描いた物語。17歳の少年エリオの成長物語でもあり、モーリスを彷彿とさせる美しさと切なさに満ちていた。

17歳のエリオは、アメリカの大学教授の一人息子。オリヴァーは、エリオの父の教え子で、課程論文を執筆中のアメリカの大学生。彼らは、エリオ一家がひと夏を過ごす北イタリアの別荘で出会う。オリヴァーが父のアシスタントとして別荘に招待されたからだ。自由気ままで自信に満ちたオリヴァーに軽い反発を感じたエリオだったが、次第に彼に惹かれていき・・・・。

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今と比べて同性愛が禁断だった時代。二人の恋は周囲に悟られてはいけない期限付きのものだった。年上のオリヴァーは特にそれをよく心得ており、まだ思春期の無垢なエリオに対して責任や痛みも感じていて、最初はあえて距離を取ろうとする。エリオもまたガールフレンドを作って彼女ともいい関係を結ぶのだが、オリヴァーと気持ちを確かめあってからは、一気に彼にのめりこむ・・・。

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誰にも打ち明けることができず、祝福もされず、いつか終わることだけが決まっている恋。それは、刹那的な煌めきや美しさに満ちた切ない恋だ。ひと夏の関係が終わりに近づき、オリヴァーがアメリカへ去る前に、両親は二人を小旅行に送り出す。実は何もかも感づいていて、それでも息子を責めたり非難したりすることなく、温かく見守ったエリオの父は、おそらく過去に踏み出すことができなかった恋の思い出があったのかもしれない。
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駅での別れはとてもやるせない。名残を惜しむ長い抱擁の間、二人とも再会を誓う言葉を口にすることはない。おそらく恋人として会うことはもう叶わないと二人ともわかっていたから。 将来、エリオにはガールフレンドが、オリヴァーには妻が、それぞれにとって世間からみて違和感のない伴侶が現れることはわかっていたから。

まるで美しい音楽のような、絵画のような作品。同性愛とかは関係なく、深く激しく愛し合った相手を生涯の伴侶に選べなかった体験のあるひとには、心揺さぶられる物語だろう。ラストがとても素晴らしい。オリヴァーの電話に涙するエリオの心の中を、あえて台詞では語らないところが深い余韻を残す。

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