カテゴリー「映画 か行」の35件の記事

キングダム・オブ・ヘブン(ディレクターズカット)

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公開当時は結構不評で,私も初見時には,さほど感動しなかった作品だが,背景の歴史を勉強し,劇場ではカットされたシーンが入った3時間のディレクターズカット版を観てみると,これがなかなかよかった。劇場版だけでは書き込み不足に感じた登場人物がよく理解できて,深いテーマの壮大な叙事詩だと感じた。

物語の舞台は12世紀のパレスチナ。聖地エルサレムを巡って対立を続ける,イスラム勢力と十字軍。その中でも特に,エルサレム王国の衰退と,聖都の明け渡しにスボットを当てた物語だ。

エルサレム王国とは,イスラムから聖地を奪還した十字軍が,パレスチナに樹立したキリスト教王国のこと。100年もの間,イスラム勢力と和平と共存を保っていたその王国が,異教徒との融和を望まぬ一部の諸侯の暴挙や挑発のせいで再びサラディンの率いるイスラム勢と対立し,その結果,戦いに敗れてエルサレムを明け渡すまでのお話。
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史実に基づいていて,主な登場人物はみな実在した人物だ。追剥(おいはぎ)めいた行いで悪名の高かったルノー・ド・シャティヨンも,シビラの夫で愚王のギー・ド・リュジニャンも実際に,ほぼ映画通りの憎々しい行いをやっている。

しかし物語を面白くするために大胆に脚色されている人物もいて,エルサレム王国の貴族のバリアン・ド・イベリンはフランスで鍛冶屋なんぞしてなかったし,シビラ王女との色恋もフィクションだ。(実際にシビラとロマンスがあったのは,バリアンの前の世代のボードゥアン・ド・イベリンというお方らしい。)リーアム・ニーソンが演じた父親のエピソードも創作だ。実在したバリアンと,映画のバリアンとの共通点は,エルサレム籠城の件だけだそうで。
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バリアンを演じたオーランド・ブルームが,この役にはちと線が細すぎ,その涼しげな表情は小綺麗すぎて,肝心のシーンで何を考えているかわかりにくい。一番の違和感は,何といっても,一介の鍛冶屋にすぎない彼が,なぜに短期間で戦闘の達人になり,類まれなリーダーシップで民を統率していくことができたのか?という点だけど,ディレクターズ・カット版には 「バリアンは過去に騎兵として従軍した経験があった」ことや「戦闘のための投石機や武器なども作れる鍛冶屋だった」とさりげなく触れられていたので,少し違和感が和らいだ。
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そしてこのお方,ジェレミー・アイアンズが演じたティベリウス卿。バリアン側の人間だということはわかっていたが,いまひとつどんな立場なのか不明のまま観ていたが,今回調べてみて,彼は,ボードゥアン4世の摂政だったトリポリ伯レイモン3世がモデルだということがわかった。それにしてもジェレミーってほんとに中世の騎士のコスチュームが似合うオジサマだ。
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そして何と言っても一番印象的だったキャラは,エドワード・ノートンが演じたエルサレム王,ボードゥアン4世。銀の仮面をつけたこの病弱な王は,実際に非常に才能豊かで信仰篤く,武勲の誉れ高い名君だったらしい。ハンセン病に冒されながらも,弱冠14歳の時にサラディンとの戦いに勝利を収め,エルサレムに凱旋し,その後サラディンと講和条約を結んだという。(銀仮面は映画のための脚色らしく,実際の王が仮面をつけていたという記録はないそうである。)

彼はイスラムとは融和政策を取り、映画でも,和平を破ってイスラムの隊商を襲ったルノーに激しく怒るシーンがある。つねに仮面をつけて顔を見せないこの役,別にノートンでなくてもよさそうなもんだが,やはり彼が演じると,目と仕草と声のみの演技にも関わらず,全身から王者の品格や魅力がにじみ出ていて,流石だった。
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対するイスラムの英雄,サラディンも「敵」でありながら,なんとも魅力的に描かれていたので驚いた。その卓越した判断力と,敵に対する寛容さ,冷静さ。

彼が感無量の面持ちでエルサレムに入場したときに,打ち捨てられた十字架像を丁重に扱う場面は,降伏した相手の信じる神にも敬意を払う彼の高潔さをよく表していたと思う。

また,このディレクターズカット版には,シビラと彼女の幼い息子(夭折したボードゥアン5世)との哀しいエピソードも入っていて,劇場版ではいまいち浅かったシビラへの理解も深まった。
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キングダム・オブ・ヘブン ―天の王国―。
罪の赦しと心の平安を求めて故郷を後にしたバリアンが,エルサレムで目にしたものは,欲にかられた諸侯たちの愚かしさと,彼らが犯す新たな罪の数々だった。その中で父の遺言を守り,まことの騎士としての信念を貫こうとするバリアン。
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物語が進むにつれて彼は,天の王国はそれぞれの心の中にこそあるのだという境地に達し,聖地死守のためではなく,仲間の命のために闘えとエルサレムの民を鼓舞する。

リドリー監督は,この映画を通して,現在のパレスチナ問題を憂慮する気持ちをも表したかったのだろう。この作品が初の歴史大作主演となったオーリーは,ベテラン脇役陣に食われがちになりながらも,なかなかよく頑張ったと思う。
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でもやっぱり彼は,主役を張るよりも,パワフルなオーラを放つ大物俳優の傍らで,涼やかに微笑むのが一番ハマる,名脇役タイプの俳優さんかもしれない。同じ史劇ものでも,トロイのヘタレ王子役の方がなぜか似合ってたし,同じ鍛冶屋でも,「パイレーツ~」の方がハマっていたような。

エルサレム・・・・死ぬまでに一度は訪れてみたい都だけれど,願いが叶う日は来るだろうか。

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きみがぼくを見つけた日

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原題の「タイム・トラベラーの妻」というのが示す通り,これは切ないタイム・トラベラーの愛の物語。邦題の「きみがぼくを見つけた日」っていうのは,ちょっとセンスが悪いかな?まあ,原題を直訳しても愛想がないのだけど。

この作品,アメリカでベストセラーになった原作の映画化だそうで。その昔,NHKの少年ドラマシリーズ「タイムトラベラー(原作は時をかける少女)」で,時空旅行者ものにハマって以来,この手の物語にはどうしても心惹かれるものがあり鑑賞。
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ヘンリー(エリック・バナ)
は,トリップのタイミングや行き先を自分の意志ではコントロールできないタイム・トラベラー。おまけに衣服がいっしょにトリップできないため,行き先ではいつもすっぽんぽんで現れる羽目になり,トリップのたびに身につける衣服をまず確保しなければならない。そのためヘンリーはトリップ先で,たいてい人の家に押し入って服や財布を盗んで逃走することが多くなる。ここらへんがとってもリアルで,タイムトリップってちっともいいことみたいに見えない。かえってやたらと面倒な能力のように描かれているのが新鮮だった。
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こんな風に,なんだかやけに不自由なことばかりの,大変そうなタイムトラベラーの彼が,トリップ先でひとりの少女に出会い,やがて成長した彼女と再会し恋をして家庭を持つことになるのだが,はたして彼と妻のクレア(レイチェル・マクアダムス)は幸せな家庭を築くことができるのか・・・・?

大好きなエリック・バナ。ロマンチックなラブストーリーのヒーロー役にはちょいと年を取ってる感じがしたけど,主役のヘンリーの若いころから40代までを幅広く演じ分けるには,彼くらいの落ち着きのある俳優さんでちょうどよかったと思う。
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また,この物語には,夫婦の愛だけでなく,親子の愛も描かれているので,トロイで「妻子を愛し,守るよき父親」のイメージがある彼には,ピッタリの役だったかも。その反面,ヒロインのレイチェル・マクアダムスは可愛い系で,中年になったシーンでも,やっぱり可愛らしすぎたような気も。

ヘンリー自身の苦悩もさることながら,妻になってからは,クレアも彼の重荷を分かち合うことになる。もちろん,新居の購入のために宝くじの大穴を当てて大金を得る,ということも一度だけやったヘンリーだが,「たまにはそれくらい得することもあっていいのでは?」と大目に見たくなるくらい,彼らの結婚生活,いやヘンリーの人生は,彼の特殊能力から引き起こされるトラブルによるリスクの方が大きい。
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いつなんどき消えるかわからない夫,トリップ先で夫の身に危険なことが起こるかもしれない,という不安,そしてふたりの間の子供について・・・・。家族にタイムトラベラーがいるということは,かくも苦労の種がつきないものか。これまでに小説などでお目にかかったタイムトラベラーたちは,だから家族を持たずに孤独に生きているケースが多かったような。

しかしこの物語のヘンリーとクレアは,それでも愛することを諦めなかった。時空をも運命をも越えた,色あせることのない愛の存在が心を打つ物語だ。特に二人の娘のアルバとのエピソードは,切なくもあたたかい。

それにしても,未来にトリップできるということはヘンリーのように自分の死期もわかってしまうこともあって,それってやっぱり辛いよなぁ・・・と。未来がわからないからこそ,人って無心に頑張って生きていけるのかもしれないな,なんて考えてしまった。
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うーん,どちらかというと完全に女性向けのお話なんだろうけど,そしてこの作品,封切られて間もない時に観に行ったのに,劇場にはお客は私一人という有様だったのだけど(田舎の劇場だからかな?)それでも個人的には大満足して,素直に感動できた作品だった。

 

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キッズ・リターン

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俺達,もう終わっちゃったのかな。
馬鹿野郎,まだ始まっちゃいねえよ。

北野武監督の作品,初めて鑑賞。はい,食わず嫌いでした,これまでは。これは,梅蘭芳(メイランファン)で初めて知った安藤政信さんのデビュー作だと聞いて観たくなったのでレンタルしてみたわけだけど。

・・・・好きです。この作品,
なんか,めっちゃいい。

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しかしこれって,青春映画の範疇に入るのだろうか?そう言われればそんな雰囲気もあるし,描かれている背景もそうだけど,テーマはもっと重いものが芯にあるような,ずっしりとした手ごたえを感じる作品。ハッピーエンドでもバッドエンドでもない,不思議なほろ苦い余韻が後を引く。

二流進学校の落ちこぼれ生徒だったマサル(金子賢)とシンジ(安藤政信)は昔からの親友同士。冒頭,成人した二人が偶然再会するところから物語は始まり,昔のように自転車に二人乗りして過去を回想する・・・というストーリー展開だ。

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授業をサボッたり駅でカツアゲしたり,酒や煙草をやったり・・・・ほどほどに不良な二人は,教師たちからも眉をひそめられる存在。そんな彼らに転機が訪れたのは,二人してボクシングを始めてからだった。

もともとは,「自分を殴り倒した相手に勝ちたい」という動機から,マサルがシンジを誘って始めたボクシング。しかし皮肉なことに才能があったのは,シンジの方だった。ここから,いつも一緒だった二人の道は大きく分かれてゆく。シンジはプロのボクサーを目指して特訓の毎日,一方マサルはジムを辞めてヤクザの世界へと。
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それぞれが,自分の進むべき道を見つけ,夢に向かって歩き出したのだ。傍らにマサルのいない孤独感を噛みしめながらも,キツイ練習に耐えて試合に勝ちぬいてゆくシンジと,親分に目をかけられ,どんどんのし上がってゆくマサル。

上り調子の頃に一度,子分を連れたマサルがジムへシンジを訪ね,懐かしさにシンジは思わず目を潤ませる。そしてマサルは言う。「お前がチャンピオンになって,俺が親分になったら,また会おう。」と。

しかし,世の中は,そして人生は,決してそんなに甘くない。

その後の彼らの無残な挫折を,容赦なく描き切るところが,きっと北野監督らしいのだろう。もっとも,この作品は,北野監督があのバイク事故から驚異の生還を果たした後の作品で,「死」を描く監督には珍しく,「生きる」ことをテーマにした作品らしい。それまでの「人が必ず死ぬ」北野作品をひとつも観てないので,比べることはできないけど,この「キッズ・リターン」のマサルとシンジの物語も,決して甘くはないし,優しくもない。むしろどちらかというと,残酷な物語かもしれない。
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シンジは親切そうに何かと近づいてくる,うだつのあがらないジムの先輩の助言を信用して才能を潰されてしまい,マサルは目をかけてくれた親分の死後,調子に乗りすぎた彼を快く思わない組員に叩きのめされる。学生時代に落ちこぼれだったマサルもシンジも,どこか世間知らずな弱さを持ち合わせているキャラクターだから,努力だけではどうにもならないこともそりゃあるだろう

彼らの他にも,高校時代の同級生の中には,お笑いタレントを目指す二人組や,喫茶店の女の子に恋する大人しい男子学生など,それぞれ夢を実現させようと頑張った脇役たちのサイドストーリーも描かれていて,成功するケースもあり,悲劇に終わるケースもあり・・・。

物語が進むにつれて,じわじわと心に広がる,人生のままならなさ,夢の実現の難しさ。そして,明暗の分かれ道。淡々と流れてゆくストーリーの中に,誰でも大なり小なり体験したことのある,「人生の苦さ」が散りばめられていて,ちょっと痛い。
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それでも,ラストの二人の台詞「俺達もう・・」「まだ始まっちゃいねえよ」の持つ明るさに,一気に救われると言うか,癒されるというか。いい台詞だなぁ・・・・。この台詞を言わせたいがために,二人のこれまでの物語があったのかなぁ,なんて思ってしまうくらい,印象的でいつまでも心に残る名台詞だと思う。

マサルを演じた金子賢と,シンジを演じた安藤政信の取り合わせが最高!雰囲気もルックスも全く違うタイプで,ふたり揃うと絵になる。特にこの作品がデビューという安藤政信の素人臭さが,まるで真っ白なキャンパスのようで,繊細な表情のひとつひとつも,演技と思えないほど自然で,なんだかとても心地よかった。ボクシング・シーン,お疲れ様でした!

北野監督作品,これを機会にもっと観たくなった・・・。

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ココ・アヴァン・シャネル

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シャネルブランドには何の思い入れもない私。あ,でもアイシャドーや頬紅は愛用してるけど,お洋服は特に・・・・。それでも一応私も女性なので,シャネルの成功譚には興味津々で劇場で鑑賞。

貧しい孤児の少女ガブリエルが,
天下のシャネル」になるまでの物語。

彼女はなぜ,いかにして,あのような偉業を成しえることができたのか。・・・それ,もちろん私もすっごく知りたかったんですけどね。結論から言うと,物足りない感じが否めない残念な映画だったと思う。(記事はちょい辛口です。)
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ココの生い立ちについて予備知識も全く入れてなかったので,彼女があれほど寄る辺ない,不遇な身の上だったとは,この映画で初めて知ったし,カフェの歌手やお針子をして生活の糧を得ていたことや,さして愛してもいない年上の富豪バルサンにパトロンになってもらうなど,けっこう屈辱的な生き方を強いられてきたんだなぁと,そのあたりは興味深く観ることができた。

また,英国人カペルと恋に落ちながらも,最終的には「誰とも結婚しないわ」と仕事の道を選んだのも,いかにも気丈で誇り高いシャネルらしい生き方だなあ,と納得した。よく知らないが,この時代ってきっと,女性が仕事だけで自立するのは稀だったはず。あえて道なき道へと踏み出す勇気のある彼女だからこそ,後にファッション界に革命を起こすこともできたのだろう,と思う。
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しかし,しかしである・・・・。私はもっと別のものが観たかったのだ,この作品で。
シャネルならではの才能の芽生えと,その開花をうかがわせるようなシーンとか。世間が彼女の才能を発見し,それを受け入れ,拍手喝采するまでの軌跡とか。シンプルで機能的なシャネルスーツでファッション界に革命を起こした彼女の,純粋に「仕事面」での葛藤や苦労とか。
そんなものをじっくりと見たかった。

確かに彼女が,ごてごてした花や羽根飾りのドレスを嫌い,男装に近い服装を好んだ点や,彼女の作る帽子が人気になったことなどは描かれていたが,ドレスのデザインをするようになってからはまったく駆け足で,気が付いたら成功してました,って感じで,ちょっと残念。
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それにしても,仕事中のココのくわえ煙草は,やけにカッコよかったな・・・。まあ,私が期待してた方向とは違う点にポイントが置かれていただけで,作品としてはよくまとまっていたと思う。

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96時間

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父の愛が,
パリの街を暴走する。

元CIAの工作員が,パリで誘拐された愛娘を単独で救出する,ノンストップ・タイムリミット・アクション!

あらすじ: 17歳のアメリカ人少女キム(マギー・グレイス)が、初めての海外旅行で訪れたパリで何者かに誘拐される。その事件のさなかにキムと携帯電話で話していた父ブライアン(リーアム・ニーソン)は、自らの手で犯人たちから娘を奪還しようと決意。アルバニア系の人身売買組織だと判明した犯人一味のもとへ単身で乗り込む。(シネマトゥディ)
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これ,いい!
従来の救出アクションにはない,パンチの効いた魅力がある!
なにがいいかって,とにかく主人公であるブライアンのキャラが素敵なのだけど,彼の一番の魅力って,やはり「意外性」だろうか?

公式サイトの宣伝文句にも,父の激変を目撃せよ!というのがあるが,まさにその通りで,冒頭から20分くらいまでは,温厚で娘にデレデレのただの親父にしか見えなかったブライアンが,事件が起こり,娘の救出に乗り出してからは,人が変ったように精悍な一匹狼のような活躍を見せる。
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ブライアンが犯人に電話で宣言した,「俺には闇のキャリアで身につけた,特殊な能力がある。お前らが恐れる能力だ。娘を返すなら見逃してやる。だが返さないなら,お前を探し,お前を追い詰め,そしてお前を殺す。」という台詞を聞いた時は,ハッタリかましてる~,と思ったもんだが,(だってそんなに万能な人間に見えなかった・・・)いやいやそこから先の彼の暴走ぶりはその台詞の通りだった・・・そしてその無限にも見える特殊能力も!

瞬時に発揮される正確な分析力や観察力,そして判断力はまるでジェイソン・ボーンのようで,電光石火の戦闘力や殺傷力は,スティーブン・セガールも顔負けで。「娘を救うためならエッフェル塔でも壊す」という台詞も「彼なら本気でやりかねん・・・」と思えるほど。

特に,最初からいかにも強面の俳優さんではなく,柔和な雰囲気のリーアム・ニーソンが豹変するわけだから,すごいインパクトがあって面白いのだ。前半と後半はまるで別人を観ているようだ。
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父の執念と怒りは凄まじい。
救出のためなら,何人でも殺す。どんな手も使う。
「そこまでやるか?」と,目を背けたくなるような残虐で非道なことだって,あのいつもは笑顔の優しいニーソンが,「時間がないんだ!」と鬼のような形相で何のためらいもなくやってのける。

彼はアクション俳優ではなかったはずだが,とにかく身体が大きいので,アクションが映えまくるのだ。私はこの意外性に痺れた。
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そして,娘が無事に救出されると,再び,優しくってちょっとシャイでくたびれた感じの親父に戻るブライアン・・・・。この二面性がたまりません。もちろん今回の件で彼のことを一番見直した,というか惚れなおしたのは,助けてもらった娘のキムだろうと思うけれど。

パワフルで爽快な作品だ。全米でヒットしたのも納得。リュック・ベッソン・ワールドの若くない一匹狼の男ってやっぱり最高にカッコいい!新境地を開いたリーアム・ニーソンにも拍手!

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グエムルー漢江の怪物ー

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いつか感想を書きたいと思いながらも,今日まで延ばし延ばしになってしまった作品。DVDは持ってはいないけど,もう何回レンタルして観返したことか。それくらい,私にとっては惹きつけられる作品だ。

あらすじ: ソウルを流れる大河の漢江(ハンガン)に、謎の怪物“グエムル”が現れ、次々と人を襲う。河川敷で売店を営むパク家の長男カンドゥ(ソン・ガンホ)の中学生の娘、ヒョンソ(コ・アソン)も怪物にさらわれてしまう。カンドゥは妹ナムジュ(ペ・ドゥナ)らとともに病院に隔離されていたが、携帯電話に娘からの連絡が入ったことから一家で脱出を試みるが……。(シネマトゥデイ)

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韓国では記録的なヒットを記録したが,日本では賛否両論で,「否」の方が多かったのじゃなかろうか。きっとこれは国民性の違いなんだろうなぁ,と思う。

韓国映画びいきの自分でも,「あれ?この表現や演出って,日本じゃブーイングかも?」と思うシーンがけっこうあった。特に深刻なシーンの合間に散りばめられた「笑いを取る」シーン。

・・・・正直,
日本人はこんなところで笑いたくはないだろう。
深刻な気分に水を差されるような興ざめな気持ちになる。でも,韓国映画では,けっこう「泣き」のシーンと「笑い」のシーンが隣り合わせに出てくることが多くて,これは韓国特有の感性なのだろう。
同じアジア人種で,顔こそよく似ているものの,日本人と韓国人の喜怒哀楽のスイッチは,かなりズレている・・・と改めて感心する。
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あと,怪物の大きさや容貌が怖くないとか期待外れだった,というかたもいらっしゃったと思うが,私はこの怪物,けっこう好きだ。なんというか,天を突くような巨大な怪獣よりも,これくらいの手頃な大きさ(恐竜サイズ?)の怪物に追っかけられる方が,リアルで怖いような気がする。事実,怪物が初めて登場するシーンは,とてもインパクトがあった。まるで走る魚拓のような怪物が,防波堤の上をすごい速さで,迫ってくるあの場面は忘れられない。
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それに,どっちにしてもこれは,怪獣を見せたかった作品ではなく,怪物は「庶民の生命を理不尽に脅かすもの」の象徴であり,社会を風刺した映画なんだろうな,と感じていた。そこらへん,日本も含めた他国の支配や,南北分断,軍事政権時代などで苦労してきた韓国の国民にしかわからない理解のツボがあり,だからあんなにヒットしたのだろう。韓国では,一見平和に思える現代でも,いつ何時どんな不穏な政情になるかわからない,という緊迫感が,国民の意識の底にはあるのではないかと思う。

この物語の中では,アメリカは無論のこと,自国の政府の対応も全くの「役立たず」あるいは「悪者」として描かれているが,それはきっと,韓国を操ってきた外国や,軍事政権時代に庶民を苦しめた自国政府への抗議が込められているのだろうか?
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だから結局,国民は政府にも警察や軍隊にも頼ることができず,頼みの綱は「家族の絆」のみ・・・・なのだろうか。そしてその家族を,スーパーマンのようにカッコいい能力を持つ存在として描かず,その反対にヘマばかりする,どこか抜けたキャラクターに設定しているのも,「実際に怪物に遭遇したら,みんなこんなもんなんだ」というリアリティを感じさせる。

韓国の観客たちは,やることなすことすべて裏目に出るカンドゥ一家の孤軍奮闘ぶりを,ハラハラしたりくすくす笑ったりしながら見守りながら,彼ら一家の受けた受難に対して,何か共感するものを感じるのかもしれない。
結局さらわれた娘が生還できなかったのも,誰の手も借りずに家族の手で復讐を成し遂げたことも,何かを象徴しているかのようだ。
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情けないけど,一生懸命な「庶民のお父ちゃん」を演じさせたら右に出る者のいないソン・ガンホ。まったく似合わない金髪に染めた彼のカッコ悪さが,今回もなんと魅力的なことか。

殺人の追憶の監督さんの作品だから,この作品にも,何気に同じ俳優さんが出ている。カンドゥの弟ナミル役は,最有力の容疑者だった青年を演じたパク・ヘイル。(今回,雰囲気が全く別人!)・・・・その他にも,「殺人の追憶」でガンホに取り調べられた容疑者役の俳優さんが何人もチョイ役で顔を見せていた。

一家が逃避行をするときのBGMが「蒲田行進曲」のようなおどけた曲(エンドロールにも流れる)で,お気に入り。
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宮廷画家ゴヤは見た

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絵筆が暴く,愛の裏側ー
2枚の肖像画に描かれた少女と神父の
数奇な運命とは?


アマデウスミロス・フォアマン監督の,文芸歴史サスペンス。
今回の舞台は,18世紀の激動のスペイン。
ハビエル・バルデムがてっきりゴヤの役かと勘違いしていたら,彼は神父ロレンソの役だった。ま,この物語のゴヤはあくまでも「目撃者」かつ「語り部」の役割であり,ほんとうの主役はロレンソのようなものだから,そのキャスティングでよかったのだろう。
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ゴヤが描いた2枚の肖像画・・・・
天使のように清らかな乙女イネスと,
威厳に満ちたロレンソ神父。

この二人に起こった出来事とは・・・・。

しかし,観終わってみると,これは二人の恋愛がテーマの映画ではなく,もちろんゴヤの伝記映画でもなく,カトリック教会の異端審問の現実を暴いた作品だった。ゴヤが「見続けた」のは,異端審問の嵐に翻弄されて人生をズタズタにされたイネスの生涯だったのだ。

ある日突然,些細なことがきっかけで,隠れユダヤ教徒の疑いをかけられて拘束されたイネス。拷問にかけられ,自白させられた彼女は,その後なんと15年間も牢内に囚われの身となる。
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彼女の父トマスが,娘を救うために,神父のロレンソを自宅に招いて行った,「拷問による自白の信憑性を確かめる実験」には言葉を失った。娘を思う父親の強い気持ちに心を打たれるとともに,審問の理不尽さを見事に証明してみせたことに感心した。

しかしそこまでしても,イネスの解放はおろか,教会はロレンソまで葬り去ろうとする。どんなことがあっても,信条を曲げようとはしなかった当時のカトリック教会には,激しい怒りを覚える。
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この物語に,美しく崇高な愛なぞは存在しない。


とりわけロレンソは信念に生きる男ではあったが,愛に生きる人物ではなかった。彼がイネスにしたことは愛情からではなく欲望からのものだろうし,彼女が彼の娘を産んだことを知ってからも,保身のためか事実を闇に葬ることに汲汲としていたように思う。
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一方,哀れなイネスはロレンソを愛したのか?

もちろん愛したかもしれない。しかし,あんな極限状態の中で,唯一すがるしかなかった相手に対する選択肢のない行動とその後の執着を,愛と呼ぶのはあまりにも酷い。彼女の獄中での15年間を支え続けたのは,ロレンソに対する愛情より,引き離された娘への狂おしいまでの母性愛だったろう。
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ロレンソを演じたハビエルは,己の信念のためには,他のものを攻撃,排斥することに何の躊躇も感じない憎々しいキャラクターを貫録たっぷりに演じている。最初は神父として異端審問の指揮を取ったのに,イネスの件で教会を追われてからは,フランス革命の思想に心酔し,教会を糾弾する側になって実権を手にするロレンソ。しかし,彼もまたフランスの勢力が英国軍に追われると,今度は責めを負う立場へと転落し,悲惨な最期を遂げたのは自業自得というべきだろう。

処刑される彼の姿を,群衆にまぎれて冷静にスケッチするゴヤの射るようなまなざし。彼は,ロレンソがイネス母娘にした仕打ちを思い返していたのだろうか・・・。

ナタリー・ポートマンの演技は圧巻だ。
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少女時代の美しさもまた光り輝いていたが,長い獄中生活から解放されたときの,見る影もなくボロボロになった姿が凄かった。(一瞬,ナタリーだとわからなかった)あんな容貌になり果てるなんて,彼女の獄中での15年間を想像すると可哀想で可哀想で,心が痛む。

ラストシーンで,ロレンソの遺骸について歩くイネス。

彼女の心は,とうに壊れてしまっている。拾った赤子をわが子と思い抱きしめて,息絶えたロレンソの手を握り,ようやくこれで家族が揃ったとでも言いたげな,幸せそうな彼女の姿と,その後ろをやはり彼女を見守りながら歩いていくゴヤ。やりきれないほど哀愁の漂うラストだけど,イネスの心だけでも平安を取り戻したのが,せめてもの救いだろうか。
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なんとも壮絶で,理不尽で,哀しい物語である。

登場人物のだれもが,大なり小なり悲惨な運命をたどる物語かもしれない。・・・そんな時代だったと言ってしまえばそれまでだけれど,監督はこの時代のスペインの悲劇をありのままに描きたかったのだろうか?ゴヤという一人の証人の目を通して。

そしてこれは,「アマデウス」で,あの神童モーツァルトを,大胆にも「いけすかない性格」のキャラとして描いてみせたフォアマンらしい,残酷さや辛辣さも備えた作品かもしれない。(ラストシーンの子供たちの場違いに明るい歌声を聴いて思った。)
しかし今回もまた,歴史上の出来事を通して,人間の心に潜む闇や,弱さ,哀しさ等を,重厚に描いているのが見事だ。
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映像や音楽の格調高さも素晴らしく,
ゴヤが作品(特に版画)を製作するシーンなどもリアルに描写されているので,絵画に関心のあるかたは,そちらの面でも興味深く楽しめると思う。

じっくりと,何度も観直したい作品のひとつだ。

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彼が二度愛したS

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シャレた邦題と,豪華キャストに惹かれてDVDで鑑賞。

あらすじニューヨークの孤独な会計士ジョナサン(ユアン・マクレガー)は、ある日ハンサムな弁護士のワイアット(ヒュー・ジャックマン)と出会い、身分の高い人たちのためだけに存在する秘密クラブに誘われる。そこでジョナサンは女性たちとの情事にのめり込んでいくが、そんな中ミステリアスな美女(ミシェル・ウィリアムズ)と知り合い……。(シネマトゥデイ)
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主要キャストの三人がみな,
「らしくない」キャラを演じていたのが新鮮。

七三分けの髪と眼鏡で,地味な会計士を演じたユアン
弁護士で実は悪党という嫌な役のヒュー・ジャックマン
ファム・ファタールを演じたミシェル・ウィリアムズ

三人とも器用な役者さんだから,それなりにハマっていたのはさすがだ。特にブロークバックマウンテンでもっさりした主婦を演じたミシェルは,今作では別人のような妖しい雰囲気をまとっていた。
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もちろん彼女は正統派の美人ではないので,クールビューティというよりはブリジット・バルドー系?キュートさも漂う雰囲気が,女慣れしていない会計士の心を虜にしたのだろう。

お話はまるで火サスのようで,ヒューの演じる詐欺師が,真面目で面白みのない人生を送っていた会計士を騙して大金をせしめようとたくらむ物語だ。ありがちな動機,ありがちな犯人像,ありがちな共犯者とありがちなラスト・・・・目新しい点は特には見当たらないので,サスペンス通には物足らなく感じる作品かも。
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私はストーリーが平凡でも,地味オーラをまとった素朴なユアンや,楽しんで悪役を演じているようなヒューが堪能できたのでそれで満足したけど。・・・・終盤近く,会計士になりすますためにヒューまでが七三分けとダサ眼鏡ルックを披露してくれる。

映像は洗練されていて美しい。
あと,お金持ち御用達の秘密クラブの会員女性に,シャーロット・ランプリングマギー・Qがチョイ役で!なんと豪勢な。特に「ウォール街の美女」を演じたシャーロット・ランプリングの存在感と貫録は必見。マギーも美しかったし。
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凝ったサスペンスやどんでん返しを期待せずに,俳優さんを楽しむ目的で観ればそう失望もしないかも。サスペンス要素に期待すると拍子抜けするかもしれない。

それにしても,もうすぐ封切られる天使と悪魔でカメルレンゴを演じるユアンの演技が楽しみだー。(結局ソレが言いたかったのか,自分。)

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グラン・トリノ

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今更ながら・・・イーストウッド翁はすごい!
監督としてもだが,俳優として・・・この作品で彼が演じた頑固老人ウォルト。これほど惹きつけられるキャラクターは初めてかも。

それにしても,グラン・トリノって,何のことかと思ってたら,車rvcar の名前だったのか!
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あらすじ:
妻に先立たれ、息子たちとも疎遠な元軍人のウォルト(クリント・イーストウッド)は、自動車工の仕事を引退して以来単調な生活を送っていた。そんなある日、愛車グラン・トリノが盗まれそうになったことをきっかけに、アジア系移民の少年タオ(ビー・ヴァン)と知り合う。(シネマトゥデイ)

ウォルト爺さんの偏屈ぶりときたら,筋金入りだ。

最近の若者のファッション,息子一家の言動,隣人のアジア人一家の存在,しつこく訪問してくる教会の神父・・・・彼にとっては,何もかもが気にいらない。話しかけられれば,とびっきりの憎まれ口で答え,ときには犬のように低く唸ることも・・・・。彼は朝鮮戦争での苛酷な戦いの体験があり,アジア民族には容赦のない偏見を抱いている。
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何といおうか・・・・もう,この一筋縄ではいかない頑固爺さんを,まるで演技とは思えないくらい自然に演じているイーストウッドが凄いのである。渋く枯れた味わいが,なんとも魅力的なのである。身内からは嫌われるタネになっている毒舌までが,「お見事!」と言いたくなるくらい決まっているのである。特に行きつけの理髪店のイタリア人店主との毒舌合戦は楽しい。

お話自体は中盤まではそんなに大きな動きはないものの,この,イーストウッド演じるウォルトを観ているだけで満足している自分がいた。「次にどんな言動をやらかしてくれるかな?」と待ち構える感じだ。
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そんなウォルトと隣人のモン族一家との交流。
アジア人に対して偏見の塊だったウォルトが,次第に彼らとの絆を強めていくあたりは,微笑ましい。最初食べ物に釣られる・・・というあたりも可笑しくて。

特に若者タオとの,親子にも似た友情は,心温まるものがある。(タオ役の青年の素朴さがまたよい)。人生の先輩として,ウォルトはおそらく実の息子にも伝授しなかった処世術をタオに教えたりする。

このまま平和に終わるはずないよな~と思っていたら,やはりタオ一家とチンピラとのトラブルが起こって,ウォルトはある決断を迫られることになる。
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ダーティハリーのような活躍をするのかと思っていたら・・・・
ウォルトのとった解決策には泣けた。その気骨と潔さ・・・・彼は結局,最後の最後まで心憎いまでにカッコよかった。

イーストウッド作品にしてはソフトな部類の物語なのだろう。
さりげなく,あたたかく,笑いも,涙もほどよく散りばめて。エンドロールの歌の1番を歌っているのはイーストウッド本人?味わいのあるハスキーボイスを聴きながら,しばらく席を立てなかった。

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クローズZEROⅡ

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前作のクローズZEROが,
より突き抜けてパワーアップpunch

今回は源治の成長物語かなぁ。

鈴蘭のテッペンを取ったはずの源治,実は全校をまとめることはできてなくて,芹沢軍団とは未だに対立,下級生の猛者たちも,源治をまだ鈴蘭のリーダーとは認めてなくて・・・・。
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そう,いつの世もバラバラの勢力が一致団結するために必要なのはやはり共通の敵!annoyってことで。

そんなわけでメインとなるのは,因縁のある鳳仙学園と鈴蘭との戦いだ。しかし鈴蘭みたいなヤクザ高校がまだ他にもあるなんてーcoldsweats02 しかもこの鳳仙の生徒たちの服装もかなりぶっ飛んでて・・・・。ライトグレーの制服に坊主頭の軍団。それでも幹部クラスにゃ髪がある。それぞれ個性的な髪型や雰囲気を持っているので見分けがつきやすく,名前も覚えやすかった。
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特に,天気にかかわらずいつも傘をさしている,一見優男風,実は残虐きわまりない漆原凌のキャラが不気味。上地雄輔扮する筒本を病院送りにするほど痛めつけたりしたけど,最後は芹沢と一騎打ち。

それと,この美藤竜也を演じた三浦春馬クンって・・・
こんな子いたのね。妖しい魅力があって,とっても綺麗。
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われらが小栗クンは,前半はちょっと情けない。

それまで結んできた鳳仙との休戦協定を破る原因は作っちゃうし,芹沢時代と何かと比較されて人望はないし,はやる心の部下たちや,父親から「しっかりしろや」とハッパをかけられても「・・・・・うっせぇよ」としか言わないし。

力の誇示だけじゃ鈴蘭はまとめられない。
ハートが伴わなければ誰もついてこない。

それがわかった時に初めて,
源治パワーが生き生きと始動を始める。
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単身で鳳仙に乗り込む源治のカッコよさ。
そしてはじめて源治を自分たちのボスだと認めてついていく鈴蘭の猛者たちの潔さ。特に芹沢と源治の間に芽生える友情はいいねぇ。

喧嘩シーンは
すごいですよーーーー!

今回は校庭だけでなく,教室や廊下,階段での乱闘がメインなので,閉塞感も手伝って,迫力は前作の3倍くらいになってる。素手での喧嘩にも関わらず,みんな血まみれで,お岩さん顔負けにご面相になってのバトルだ。
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小栗くんのアクションの冴えも一段と磨きが・・・・
もちろん山田孝之さん演じる芹沢も。無敵だね,このひと。それに実は精神的には源治よりオトナって感じで,その男気に惚れぼれする。

しかし,黒木メイサは前回よりもっと「必要なのか?」と首をかしげたくなるキャラだった。

喧嘩だけが人生だ!って物語なんだけど・・・・
なんだろうなぁ,この半端でない爽快感は。

・・・・ちょっとクセになる。

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