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  • 自分の中の感情に・・・
    ブロークバックマウンテンの名シーンの数々です。

カテゴリー「ブロークバックマウンテン」の27件の記事

2010年6月 6日 (日)

懐かしのジェイク/ブロークバックマウンテン番外編7

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先日観たプリンス・オブ・ペルシャでのジェイクの成長ぶりというか,変貌ぶりにぶったまげて,またまた久々にBBMを再見。こないだ観てから1年半くらいたってるかしら・・・・。

とにかく,目の表情がすごく上手いのよね,ジェイクの場合。濃いまつ毛に縁どられた彼の大きなブルーの瞳はインパクトが強くて,イニスへの抑えきれない愛情や,同性愛が御法度だった時代ゆえの後ろめたさや狼狽,夢が潰えた時の失望や哀しみなど,それら複雑な感情すべてを,まばたきや瞳のデリケートな動きなど,眼の表情の変化だけで表現できてしまうのがすごい。
 
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ジャックの心持ちに感情移入して切なくなったシーンはみんな,彼の眼のアップにやられたんだ~ということが,今回再見して改めて痛感。そして,ジェイクの観せ方を心得ているリー監督の手腕にも感心。ジェイクが最もキュートで美しく見える角度でのショットが多いし,ここぞというときの瞳のアップも的を得ている。

そんなジェイクが,ほんと久々に劇場公開作に登場し,ジャックとはまったく真逆のキャラで我々を再び魅了してくれたのは,ファンとしてはこの上ない喜びだ。

しかし,まさかこういうキャラだとは・・・・・。

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BBM熱に浮かされていた頃には想像もできなかった。ジェイクがゲームが原作の作品でバリバリのアクションキャラを演じるとは。
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これまでの繊細な役どころとは打って変わってアクティブで陽なキャラクターのダスタン王子。ブートキャンプなみのトレーニングを半年もこなして臨んだ作品で,われらがジェイクはその身体能力とプロ意識の高さを見せつけてくれた。やんちゃでお茶目な部分は,素のジェイクを反映してるかも。とにかく,ジェイクがイメチェンというか,どんなジャンルもこなせる万能俳優として認識されたのはファンとしては嬉しい。
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まぁ,わたしとしては繊細キャラのジェイク,そしてお髭のないジェイクの方がいまでも好み,という点は否めないが・・・・それでもBBMの主要登場人物4名がみんな(もちろんヒースも含めて)後の作品で全員演技派として華々しい成功を収めていることはさすがだと思う。特にジェイクには,不慮の死を遂げたヒースの分まで頑張ってほしいという思いが強いので,今回のジェイクのスクリーンでの久々の活躍は手放しで喜びたいところである。

最後はやっぱり,今はなきヒースの画像で・・・・。

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ああ,やっぱり切ない。彼の不在を受け入れられるようになった時の流れそのものが哀しいというか・・・。BBMの中でのイニス=ヒースは,私の中では絶対的な存在なのかもしれない。

2009年2月 9日 (月)

いま,再びイニス/ブロークバックマウンテン番外編6

Cap069
いつごろからだろう・・・・?BBMを鑑賞するたびに,以前と違ってジャック・ツイストより,イニス・デルマーの方に感情移入するようになったのは。それはやはり,ヒースの死がきっかけだろうか。

もともとこの物語は,イニスが主人公の物語なのだけど,ジャックのほうが可哀想に思えて,ついついイニスに関しては醒めた目で見ていたのに,今となってはイニスが可哀想でたまらない思いに襲われる。
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ジャックの一生とイニスの一生・・・・どちらが可哀想かなんて,比べられるものではもちろんないと思うけれど。それでも叶わぬ夢と,望んだ形では報われなかった愛情を抱えて死んでしまったジャックのほうが,それまではいじらしくって,いとおしくってたまらなかった。でも,考えてみれば,自分のセクシャリティを長年受け入れられずに,暗闇の中でもがいていたイニスの人生もまた,なんと可哀想なことか。

Cap048
彼がその人生を通して,
少しずつ,そして確実に失っていったもの・・・・

平穏な結婚生活,世間からの信用,
仕事,収入,ガールフレンドとの関係。

それらを失ったからといって,その見返りに,ジャックとの生活を得たわけでもなく。そして,自分でもなぜこうなったかわからないままに,気がついたら最愛のジャックから「いっそ別れられたらいいのに」と愛想づかしめいたことを言われて逆上し,「お前のせいで俺の人生,ドツボだよ」とヤツあたりのように泣いたイニス。
Cap049
ジャックを思いきることも,居直って一緒に生きることもできなかったイニスの人生
は,中途半端の極みで,どんなにか辛かったろうと思う。そしてようやく一番大切なものに気づいた時には,それはもはや思い出となっていた,という悲劇。

冒頭からラストに至るまでの
イニスの表情の変化,ただよう雰囲気の変化。

不器用で無骨な感じは,若い頃から一貫して変わらないが,年を経るに従って,悩みのせいか,どんどんみじめでくたびれた感じになってゆく。彼の全身から,「後悔」や「葛藤」や「引け目」がにじみ出ているような哀れさに胸が詰まる。そして終盤になって,ジャックへの愛を自認してからのイニスは,ようやく悟りの境地に達したかのように,一種の枯れた雰囲気を漂わせる。
・・・・こんなイニスを,いったいヒース以外の誰が,こんなふうにしみじみと,演じられるというのだろう。本当に,ヒースの演じたイニスのように,心に訴えてやまない演技を他の誰ができるというのか。
Cap062
BBMの地点で,ヒースにオスカーをあげてほしかった。
もし今年,ダークナイトのジョーカー役でオスカーを受賞したとしても,もらって一番うれしい本人は,もうこの世にいないんだもの。とは言え,やはりヒースのジョーカーの素晴らしさが世界的に評価されるのは,なんと喜ばしいことか。・・・・・ジョーカーとの出会いが初ヒースという方は,これをきっかけに,ジョーカーの名演技に勝るとも劣らない,BBMのイニスの演技もぜひご覧になっていただきたい・・・・。

2008年7月 7日 (月)

七夕に想うBBM/ブロークバックマウンテン番外編5

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今年の七夕はよく晴れた。
めっちゃ暑かったけど・・・sun
今夜は,織姫さまも彦星さまも,年に一度の逢瀬を,堪能できることだろう。
ところで七夕というと,BBMファンは,ジャックとイニスを連想しません?
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学校の七夕集会で,七夕の劇とか見たら,
織姫がジャックに,
彦星がイニスに思えてきて・・・・・

彦星も,イニスも牛飼いだし・・・・(馬も羊も飼うけど)ジャックが織姫ってのは,少々無理があるかな?でも,彼のキュートさは,イニスにとって,きっと どんな姫にも負けてない。

Cap002
二人で楽しく いちゃついてて,heart04 ついつい仕事をおろそかにし,父王・・・・じゃなくてアギーレに,楽園を追放されてから,まさに年に一度の逢瀬を,天の原ならぬ山の上で紡ぎ続けたふたり。

七夕の日には,願い事をするものだけど,ジャックとイニスも,満天の星の光を浴びながら,願い事を胸の中で つぶやいたことがあったのだろうか。二人の望みは,いつも肝心なところは,ズレてたけどね。

Cap014
ジャックの願いはただひとつ。
イニスといっしょに生きること・・・・・
う~~ん,健気。いじらしい。
イニスの願いは案外・・・
バレずに関係が続くといいなぁ~~
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だったりして。
う~~ん,なんて単純。
・・・・それにしても,やっぱ,ズレてる,この二人。

Cap016
年を重ねるにしたがい,次第に間遠くなる逢瀬。
一途に思い続けた計画は,悲しい諦めへと変わっていったろうけど。

どうか来年もまた,こうして会えますように。
離れていても,互いの気持ちが変わりませんように。
この逢瀬を阻むような出来事が,起こりませんように。
そして,きっと,いつの日か,きっと・・・・


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流れ星に祈る,ジャックの心の声が聞こえてくるようだ。

2008年7月 2日 (水)

久々の放心状態/ブロークバックマウンテン番外編4

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最近,古いBBMの記事にコメントをいただく機会があって,なんだか無性に再見したくなって,半年ぶりにDVDを引っ張り出した。

思えば,自由になる夜の時間が,ブログ三昧になる以前は(約1年前までは)1週間に1度は観ていたBBMのDVD。もちろん,そのころはさすがに,さわりの部分だけだったけど。

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この春に買った最新のPCで観てみたら,まあなんと。映像がくっきり美しく,音質もよいので,ジャックやイニスの細かい表情や声音が,以前観ていたときよりずっとずっとクリアに読み取れた。

彼らのまつ毛の震えや,吐息の数々。
背景に流れる風の音や鳥の声。水のせせらぎ。

そしてあの,注目のテントシーンも,ずっと明るくて,
なにしてるか,よ~~くわかった。
(別にそこまで見えんでもよいが)

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思えばこの作品に出会ったときから,はや数年の月日がたつ。そして,これからも歳月は,容赦なく過ぎてゆくだろう。

ジャックを演じたジェイクは,
きっと,このころよりずっと大人になったろう。
そしてイニスを演じたヒースは,
もうこの世にはいない・・・。

しかし,スクリーンの中に寄り添う二人は,あの時と少しも変わらない姿で,当時とまったく同じ感動を,私に与えてくれた。ああ,やっぱり,今でもあの山に彼らがいるような・・・・そんな錯覚さえ起こるのだ。
あの山に登りさえすれば,いつでも逢える。
決して色あせない…風化することもない・・・・
彼らの愛に。

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ブログを書くようになってから,好みに関わらず,話題作は観るようになったから,この数年の間に観た映画は数知れない。だけど,BBMを再見してみると,あらためて思う。
もしかしたら,私はこの作品さえあれば,「他の映画が全くなくても生きてゆける」かもしれないと。

こんなに,映画の世界にのめりこむようになったきっかけも,「BBMのような感動を与えてくれる作品にまた巡り合いたい」からなのかも。残念ながら,私にとって,そこまでの作品には,まだ出会えていないけど。

再見したからには,再び彼らの世界に引き込まれてしまって,心は現在,あの山の上をさまよう。きっとしばらく下山できない。
明日は・・・仕事が手につくだろうか。
(でも,しなきゃ,仕事・・・sweat01

2008年1月30日 (水)

愛する人を亡くす/ブロークバックマウンテン番外編3

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愛する人がある日突然,,この世を去ってしまったら,どんな気持ちがするのだろう
ヒース・レジャーにとっては,一介のファンにすぎないわたし。それでも,彼のこれからの活躍をどんなに楽しみにしていたか。これまでの作品の中では,彼に会えても,これから未来に向かって羽ばたく彼を,応援することは もう叶わない。
Header あまりにも早すぎた彼の死に 残されたものは,ただ呆然とするしかない。ヒースの家族や,友人,知人たちのショックと悲しみは,どれほどのものだろう。・・・・・特にジェイクは,どんなにか辛いだろうな。

愛する人が,ある日突然いなくなる。
明日も,そしてあさっても,ずっと一緒だと思っていた絆が,いきなり 予告もなしに断ち切られる。どんなに望んでも,もう二度と会えないのだという哀しすぎる現実に 言葉を失う。

最後に会ったときに交わした会話や,表情などをくりかえし反芻しながら,「ああしてやれば,よかった。」「こうしてやれば・・・・」と,忸怩たる思いに包まれる。
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BBMの物語の中で,ジャックの死を知ったイニスの気持ちもきっと,こんなものだったのかな。
この時のイニスの気持ちを,これまでさんざん想像したり,記事に書いてきたりした。そして,ある程度わかった気になっていた。しかし,実際にヒースに死なれてみて初めて,今まで私が思い描いていた悲しみは,絵空事にすぎなかったと悟る。

訃報を聞いてから,ジャックの実家を訪ねる決心がつくまで,イニスはどれくらいの時間を要したのだろう。眠られぬ夜に,どれほど涙を流したのだろう,ジャックのために。後悔の思いも湧いただろう。特に,最後の会話があんな哀しいものだっただけに。

取り返しのつかない思い。

それは今回のヒースの死に対して,私たちも抱かずにはいられなかった思い。ちょっとした心遣いがあれば・・・・そしてちょっと運があれば彼は死なずにすんだのではないか。もはや思っても仕方のないことだけど。Cap155 それでも時が巡るにつれて,
歳月は悲しみを静かに癒し,思い出はやがて,いつまでも朽ちることのない美しい宝物となる。クローゼットの中のシャツに触れながら,誓いのことばを静かに囁くイニスのように。

今は悲しみに暮れる私たちにも,そんな日が必ず訪れるに違いない。その時が来るまで,ある時は涙し,ある時は静かに思いを巡らせながら,彼のことを悼み続けていこう。

2008年1月25日 (金)

ヒースを悼んで/ブロークバックマウンテン番外編2

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番外編に,こんな哀しい記事を書く日が来るなんて だれが予想できただろう。突然 この世を去った ヒース・レジャー
2008年1月22日 逝去。 享年28歳。
あの日から夜を迎えるたびに,孤独に息を引き取っていった彼に,くりかえし,くりかえし 思いをめぐらせずには いられない。

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ブロークバックマウンテン

この稀有な輝きを放つ物語は,アニー・プルーの原作そのものが,既に素晴らしく完成度の高いものだったと思う。そして,映画化された作品は,原作のよさを全く損なうことなく,そしてそれをとても巧みに膨らませた,見事な出来になっていた。

その中でも,ヒースが演じたイニス・デルマーは、まるで原作の中から、そのまま立ち上がって来たかのよう。スクリーンの中のヒースは,他の誰でもなく,まさに原作に描かれていたイニス本人になりきっていたと思う。
Cap067
イニスはとても複雑なキャラクターだ。

内面に大きな自己矛盾を抱えているのに、そのことに気付かずに、長い間,もがき苦しむ彼。父から刷り込まれたフォビアとしての自分と、ジャック・ツイストを愛する自分。両極端に対峙する,二つの自己の狭間で,いったい自分に何が起こっているかもわからずに,苦悩したり,葛藤したりする。

演じたヒースは,イニスの屈折し,抑制された思いを,あるときは突然の感情の爆発で表現し,またある時は,眉の上げ方や,ちょっとしたまなざしの変化などの,非常に繊細な演技で見せてくれた。
Cap006 物語はイニスの目線で語られることが多かったから,私たちは彼の一挙一動に,イニスと同じように 驚いたり,切なくなったり,うろたえたり,涙を流したりした。

細胞の一つ一つまでがイニスになりきっている
ヒースの迫真の演技に,感情移入せずにはいられなかった。私はイニスより,実はジャックの方に心が惹きつけられたものだけど,もしかしたらそれは,イニスに感情移入するあまり,ジャックを愛したイニスの気持ちになって,スクリーンを追っていた,というのも理由のひとつかもしれない。

彼の演技があったから,この映画はこんなにも,人を感動させたのだろうな,と思う。(もちろんジェイクの演技も)
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本当によい映画は,人の心に深く響き,考え方や人生観まで変えてしまう力を持つ。そしてその力は,国境も時代も超えて万人の心に作用するものだ。そのような作品で,最高の演技を見せてくれる俳優さんって,なんてアメイジングな人たちなんだろう。ヒース・レジャーは,間違いなく,そんなアメイジングなアクターの一人だった。

「ブロークバック・マウンテン」や「チョコレート」や「キャンディ」や「ザ・ダーク・ナイト」・・・。彼は一筋縄ではいかないたくさんのヒーローたちを演じて,その都度 全身全霊で役になり切り,・・・・そして,あまりにも唐突に逝ってしまった。
Cap159
演じることに人生を捧げた彼の魂は今やっと休息を得て,安らいでいるのだろうか。これからもずっと,スクリーンの上で輝くヒースを見たかったけど,それはもう叶わないこと。せめて安らかに眠ってほしいと祈る。

ブロークバックマウンテンは,これまでだって,鑑賞するたびに,切なさに涙が溢れる物語だった。だけど,ヒースのいない今となっては,観る度にその早すぎた死を思い,あらたな涙を誘う物語になるだろう,私にとっては。

それでもヒース・・・・やっぱり言いたい。
こんな素晴らしいイニスを演じてくれて,
本当にありがとう。

私たちは,あなたのことを いつまでも忘れない,
忘れることなんか,できない。

Cap677

2007年12月 9日 (日)

ブロークバックマウンテン(20)

最終章 ~二人への手紙~
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最後は,思い切り感傷的に・・・・。

イニスへ

古ぼけたトレーラーハウスでこれからも一人で生きていくあなた。
窓の外を吹き抜けてゆく風の中に
また 明け方に訪れる夢の中に
よみがえる 懐かしく,いとおしいジャックの面影に
ある時は涙しある時は切ない喜びに満たされているあなた。

・・・そんなあなたにひとつ聞いてもいいですか? 
 
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もし 人生をやりなおせるとしたら
あなたは 再びジャックとの出逢いを選びますか?


ジャックがあなたに与えてくれた最高の歓びと最大の悲哀を
もう一度,すべて受ける覚悟がありますか?
結果がこうなるとわかっていてもなお,
ジャックを愛する道を望みますか?

・・・・愚問でしたね。ごめんなさい。
わかっています。あなたの答え。
確かにジャックと出逢わなかったら,
あなたの人生は 平穏に過ぎていったかもしれない。
おそらく何も失うこともなく。
けれど ジャックと出逢ったことで,そして彼から愛されたことで
あなたは 自分が何者であるかを知ることができた。
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あなたが味わった苦しみや痛みの全てを
補って余りある程の貴重なものを 
ジャックは あなたにくれたはず。
どんな犠牲を払ったとしても愛し合う価値は十分にあった
今のあなたなら きっと言うことでしょう。
もう一度人生をやりなおすとしたら
今度こそあなたは逃げないで
ジャックと生きる道を探すことでしょう。

あなたは再びジャックとの出逢いを選びますか?

「イエス」と静かに答える
あなたの声が聞こえるような気がします。



ジャックへ

今はもう 風になって 星になって 
空の上からイニスを優しく見守っているだろうあなた。
この世に生きていたときは
「望んだものは 何一つとして手に入らない」と
嘆いたときもありましたね。
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20年前に あの山のふもとで初めてイニスに出逢った時から
どんな時も ひたむきに 
彼だけを見つめ続けてきた あなたの瞳。


・・・知っていましたか?
イニスがずっとあなたを愛していたことを。


イニス自身も気がついていなかったけど
もしかしたら,おそらくあなたよりも 強く激しく
イニスはあなたを 愛していました。 

ジャック,あなたはイニスの人生には
どうしても必要なかけがえのないひとだったのですよ。

彼からの愛の言葉を 
その耳でじかに聞くことはできなかった あなた。

・・・・ああ,あなたに教えてあげたい。
あなたが実家のクローゼットにしまっていたシャツを見たときに
イニスがどんなに あなたを想って 泣いたか。
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その死によって初めて,
イニスの心の中に 永遠の居場所を得た
あなた。
あなたの今いる場所から,感じることができますか?

もはや決して揺るぐことのないイニスの愛を。
イニスの心の中に,そしてまた,

この物語を愛する人たちの心の中に
あなたの優しい面影は いつまでも生き続けて
決して滅びることはないのです。

Cap273
 
この連載に長々とおつきあいいただいてありがとうございました。 
私にとっては特別な思い入れのあるこの物語を,
皆さまと共に語り合うことができたのは何にもまさる喜びでした。
連載は終了しますが,引き続きコメント,TBは大歓迎です。
お気軽にお越しいただければ嬉しいです。

2007年12月 2日 (日)

ゲイネスって?/ブロークバックマウンテン番外編1

こんな記事を読んだので・・・・
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えー,次回の(20)でこの連載は,一応終了の予定ですが,昨日買って読んだ 映画雑誌の中に,とても興味深い記事があったので,ご紹介したり,皆さんの意見も伺いたくて番外編なるものを付け足してみました。皆さんもご覧になったかもしれませんね。

これ,この映画がすごい!って雑誌で,辛口の映画評論とか,スターのゴシップが,ユーモラスな(ほとんど毒舌かも)語り口で紹介されていて,私は結構好きで,時々これで情報を仕入れるんですが,1月号の特集の中に,いじわる オカマ監督というのがありました。(なんか,失礼なネーミングですが,この雑誌はこういうインパクトの強い見出しをつけるんですよー)

それで,内容を要約すると,映画界にはゲイの監督(カムアウト済み)の方が多いそうで,(たとえばフランソワ・オゾン監督とか,ガス・ヴァン・サント監督とか,ブライアン・シンガー監督とか。)彼らは女性のいや〜な部分を描くのに長けているんだそうです。それがゲイ的な感性であると。

作品中に登場する女性は,添え物的な存在だったり,不幸な目にあったり,醜い面を,とことんさらけ出したり・・・。理由は,彼らは女性の美しさに対して別に甘くなったりしないから,かえって女性を観る目が厳しいからですって。女の厭な面も,熟知している(自分の中にもあるから?)し,それを描くのに遠慮なんかしないらしい。この記事を書いたライターさんもゲイの方らしくて,妙に説得力がありました。
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私は上記の監督さんの作品,あまり観てないのでどうとも言えないのですが,その記事には,「ノンケの監督さんの作品の中にも,ゲイ的な感性(オンナに厳しい)を持っている作品がある」とあって,(ゲイ的な感性=オンナに厳しい,かどうかは私は確信ないんですが)その,ノンケが描く至高のゲイネス(ゲイ的感性のことを勝手にこう呼んでる)の筆頭にリー監督のBBMが挙がってました。

・・・ゲイネスを持った監督の筆頭株がアン・リー。ノンケなのに,男のかわいさ,女の汚さを描かせたら,天下一品。「ブロークバックマウンテン」は,女さらけ出す主人公の嫁たちに注目を。(←本文より抜粋)・・・だって。うーん,リー監督ってそうかなあ?男のかわいさを描くのが天下一品ってことは深く同意しますけど。
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確かに,アルマやラリーンは,常識で考えたら,彼女たちの方が同情されてしかるべきなのに,大多数の方がイニスたちの方に感情移入してしまったのは,彼女たちが嫌な女に見えたから・・・?ではなかったな,私の場合は。

私は単に,イニスとジャックに肩入れしてしまって,彼女たちの悲しみにまで目がいかなかっただけなんだけど。でも,リー監督,たしかに,夫にコケにされた場合の女心の細かい襞のすみずみまで,描いてくれましたね。鬼気迫るほどに。

これは,妻たちを演じた二人の女優さんの名演もあるのだけど,イニスに向かって不満を募らせていくアルマなんて,客観的に観たら,ほんとに醜い表情を惜しげもなくさらけ出していました。でも,この物語の場合は,「だから女って嫌なのよね」という感情は起きず,かえって痛々しさを感じましたね,私は。
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ラリーンの,お高くとまっているようでも,内心に孤独を抱えていて,プライドの鎧でそれを隠してる様子も,ひたすら哀れに見えました。

リー監督は,ゲイネスを持ってらっしゃるかどうかは知りませんが,女性的な感性を持ってらっしゃるなあ,とは思います。女性の気持ちをよく知ってますね。(←何故だ?)でも,彼の他の作品を観ても思いましたが,女性に向けるまなざしは,あたたかいと感じましたが,どうでしょう?

それに,気になるんですが,ゲイの方って,ホントに女性を観る目は厳しいものなんですか?・・・すみませんね,変な記事で。

2007年11月26日 (月)

ブロークバックマウンテン(19)

尽きせぬ魅力
42 思いつくままに開始した このBBM連載。まさかこんなに回を重ねるとは,思ってもいなかったです。ただ イニスとジャックに対して溢れる思いを,映像と共に残しておきたくて,始めた記事でした。

それでも,回を重ねるうちに訪問してくださる方や,共感してくださる方も出てきて,それはとても励みになりました。さすがに少々息切れもしてきたので,キリのいい数字でもある次回の(20)で,一旦終了させていただく予定です。Cap269_2
前置きが長くなりましたが、今回のテーマはBBMの魅力について。この物語が好きなわけや,感動する理由は,観る人によって,それぞれ微妙に違うと思います。それはきっと、その人の価値観や人生観,体験などが反映されるから。

BBMのファンはみんな,大なり小なり,イニスたちの物語を辿りながら,自分の人生を振り返って考えることを迫られるような気がします。そこがこの物語のすごいところであり,奥深いところなのでしょう。
・同性愛と,それに制裁を与える社会や時代。
・報われなくても,愛さずにはいられない愛の絶対的な力。
・人生の選択と,選び取ったものに対する責任。
・伝えられなかった愛が引き起こす慚愧の思い。
・ソウルメイトの存在
・自分らしく生きることの大切さと、それができない場合の悲哀
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私の場合は,ソウルメイトの存在について一番考えさせられました。どんなに長い歳月も,遠く離れた距離も,決して壊すことがてきなかったイニスとジャックの愛。それは、歓喜だけでなく、激しい痛みをも彼らに与える愛であり,逃れることができない,宿命的な愛だったと思います。彼ら自身も,自分の意志ではどうすることもできず,圧倒的な愛の力に 引きずられていたのかもしれません。 
Cap272 私は,こんな激しく切ない愛があるのかと感動し,それと同時に,自分の今までの人生,そしてこれからの人生のことを思って何とも寂しい気持ちになりました。・・・・なぜなら私は、彼らのように全身全霊で誰かに恋い焦がれた経験がないから。(ありきたりの恋は体験したことがあるけど,障害があれば,すぐに消え去るほどの恋でしたね,今思えば)

魂が共鳴しあうソウルメイトに,今後出会えるとも思えません。それに,本音を言うと,私は彼らのように,苦しみと背中合わせの愛を,体験するだけの勇気はないと思います。だからこそ彼らの愛は,手の届かない美しい星のように煌めいて思え,彼らを思うときはいつも,あきらめの混じった切ない憧れの感情に襲われます。
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BBMは不思議な映画です
観る人の心の一番奥にまで届き、そこに納められている,それぞれの愛の記憶や,大切にしている感情を揺り動かすのです。時には遠い昔に封印して、忘れ去っていたものさえも鮮やかに思い出させる力があるような気がします。

十人いれば,十通りの感動がきっとあるのでしょう。

ウィスキーを酌み交わしながら(ワインでもいいけど)この物語を愛する人たちと,BBMの魅力について語り合えば,きっと夜が更けるのも忘れるくらい,盛り上がることと思います。

2007年11月21日 (水)

ブロークバックマウンテン(18)

ジャックの優しさ
Cap020_2 今回はジャックの人柄や行動について(言いたいことはたくさんある(^O^) (16)でイニスのことは 腐れ縁を呼ぶ男だなどと 表現しておきながら,ジャックは優しいだなんて言うと ちと不公平な気もするけど。

でもジャックも 繊細なだけのキャラじゃなく,(この繊細さは,ジャックというより 演じたジェイクの持ち味かな)いい加減で 勝手なところもありますよ。(けなしてるんじゃないよ)
あの有名?な「羊食べよ」発言とか,ラリーンとの離婚計画とか聞いてると「何や、こいつ〜ええ加減な」とか思うもの。
Cap032
でも、でも、よく考えてみたら,彼はロデオ乗りなんだよね。ああいうスリリングな競技を好むジャックの行動パターンは刹那的で 結果オーライなところも,そりゃあるはず。石橋を叩きまくって,結局渡らないイニスと違って,ジャックは,まず行動を起こす

恋を仕掛けたのも,4年目の再会のお膳立てをしたのも,そして片道14時間かけて,イニスの元へ駆けつけるのも,全部ジャックの方。

時には「お気楽」としか受け取ってもらえない発言(テキサスに住めば?とか)もあり,あまり屈託がない性格のように 思われがちなジャックだけど何てナイーブで優しいんだろう・・・と思う場面もたくさんあって,そしてイニスもまた,自分でも意識しないで,心の中ではジャックの行き届いた優しさに甘えていたんじゃないかと思う。

私がジャックの優しさをいじらしく感じた一番のシーンは,あの再会の後の山でのたき火の場面。「一緒に牧場をやらないか?」というジャックの提案に,「あり得ない」と答え,封印してきた自分のトラウマを語るイニス。
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・・・・我慢するしかない。耐えられる限り。
これを聞いたジャックは,一言もイニスを責めることなく,深い悲しみのこもったまなざしで,イニスをじっと見つめながら,彼の横顔に手を伸ばして,優しく小突くように撫でる。自分の提案を退けたイニスに,もどかしく辛い思いを抱きながらも,イニスのどうすることもできない気持ちを 思いやるかのように。

最後の日のあの諍いでも,堰を切ったように長年の思いをぶちまけたけれどイニスが泣き崩れると,たまらなくなって駆け寄ってしまうジャック。このときの I’m sorry はジェイクのアドリブ。(ジェイクはテントのシーンといい,アドリブでI’m sorryと謝ってばかりいる。彼もまた,優しい・・・。)何だろう,この母のような懐の広さ,包容力
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自分の感情に正直に生きる,直情的なところもあるのに,愛する相手のためには自分の感情を殺してまで,相手を思いやることができるジャック。愛に不器用なイニスに比べると,その点では彼の方がずっとオトナだったかもしれない。

それにきっと,ジャックはどんな我慢をしても,イニスとの関係を失いたくなかっんだろうな。イニスもまた,そんなジャックを,どんなにか愛していたことか。(・・・・彼が死んでから気づいたけど) ああ,やっぱり切ない。このお話,どこを切り取っても,誰の視点で見ても,切なさがあふれてる。まるで切なさの宝庫のような物語だなあ。(涙)