女一人旅のすすめ
こんにちは
親の介護から解放されてはや一年。
フルタイムで仕事しつつ両親をワンオペで自宅介護していたころは、自分のためだけに使える時間なんか皆無で。今はその反動で遅ればせながら「一人旅」を楽しんでいます。とは言え、親のうち一人はまだ施設にお世話になっており、いつ呼び出しがかかってもいいように、車で片道2~3時間の近距離一泊旅行を専門にしています。それでも行き先はいくらでもあるもんですね。私は四国在住なので、四国4県をめぐるドライブ旅行ばかり。少し足を延ばして淡路島や岡山方面にも行きます。海や山の自然を満喫し、美味しいご当地料理に舌鼓をうつ旅です。
女一人旅は過去はなかなかハードル高かったと思います。そもそも泊めていただけないお宿も多かった。しかし!「ソロ活」ブームの到来から、旅館のほうも「おひとりさまプラン」を打ち出すところも増えて来たので、俄然泊まりやすくなりました。ありがたいことです。そこで、私なりに一人旅について体験を踏まえた考察などを書いてみたいと思います。
まず、そもそも予約できるかどうか?というハードルがあります。上の画像の右側のようなビジネスホテルやシティホテルは一人泊客は何の問題もありません。シングルからスイートまで、どのお部屋でも一人だからと言って予約できないことはまずないです。問題は左の画像のような温泉旅館ですね。この画像のお宿は実際に私が泊まった時の写真なので一人客もOKでしたが、こういう旅館や民宿の場合は、もともと複数人を泊める前提のお部屋なので、一人客は採算が取れなくてお断り、というところもありますね。大きな旅館より小規模な旅館の方がこの傾向は多いかも。一人客は儲けにならないんですよね。そう思うと少し肩身がせまいかも😞
泊まりたい素敵な宿が一人客を受け入れてくれるのかどうかは、ひとつひとつに当たるよりも、旅行サイトで条件付きで検索すると一発でわかります。わたしは「じゃらん」で予約することが多いですが、じゃらんだと、検索条件の「人数」のところを「1」にして探すと、一人客OKの宿しか出てこないのでその中から選びます。予約OKであっても、一人客には制限を設けている宿もありますのでそこは注意です。どんな制限かというと・・・。
● 一人客お断りの部屋がある
客室露天風呂付のお高い部屋などに、一人客が泊まるプランがないとかですね。最高級の部屋だけお断りならまだわかりますが、一人客は狭い和室しか泊めないという旅館もあり、そこはさすがに泊まる気が失せますね。最高級に泊まりたいわけではありませんが、いろんなグレードの部屋も一人でもOKという旅館はやはりリピートしています。
● 一人客お断りの食事プランがある
フグ尽くし料理の有名な民宿に泊まろうとしたとき、泊まるのは一人でもOKなのですが、一人だと夕食が普通の会席メニューしか選べませんでした。なんでフグは一人じゃ頼めないの?と思ったのですが、「一人では食べきれなくて無駄になる」そうです。なんでも、フグ一尾で二人分のお料理にしているとか。それなら仕方ないなぁと思いましたね。その他にも、数はとても少ないけれど、一人客には素泊まりか朝食だけのプランしかない高級旅館もありました。まあ、だいたいの旅館は宿泊OKなら、部屋は選べなくても食事はどのプランも選べるところがほとんどですけどね。
食事編
上記のような「食事が選べない」というケースも事情によってはありますが、泊まれさえすればお一人様でも、他の複数客と同じようにすべてのメニューが選べることがほとんどです。それよりも、一人旅の食事の場合、「食事中の周囲の目」が気になる、ということがハードルだったりします。
私は一人行動が長いので、集団の中で一人で食事していても周囲の目は全く気になりませんが、人によっては家族連れや夫婦客、恋人などの中でポツンと食事するのは寂しく感じる人もいるかもしれませんね。憂鬱になったり寂しくてたまらないという方は、そもそも一人旅は向いてないのでお勧めしません。しかし、コロナ禍以来、食事処での食事でも衝立などで個別に仕切ってくれている宿も多く、個室で食べているような雰囲気で楽しめるところも増えてきました。また、対応可能なら「部屋食」を選ぶのもいいと思います。一人でTVなど観ながらゆっくり食事を楽しめます。しかし、この「部屋食」も、人手不足からやっていないという旅館も増えました。「部屋食」は数人から、という宿もありますし。
一人で食事するのは周囲の目は全然平気~~~の私でも、宿の食事が会席料理やフレンチのコース料理だった場合、一人だと料理の合間の間が持たないという居心地の悪さを感じることはあります。料理と料理の合間の空白の時間、次のお料理を待つ間、連れがいれば料理の感想などおしゃべりできますが、一人だとボーッと待つしかなく。会席やフレンチのテーブルでスマホを触るのもお行儀が悪いし。そんなときはお品書きをゆっくり読んだり、窓の外のお庭や海山の景色をぼんやりと眺めたりして過ごしています。だいたいのお宿はあまり待たせることなく次のお料理を運んできてくださることが多いですけどね。
あと、ブッフェ形式の食事の場合、一人客はお料理を選んでいる間、お財布の入ったバッグ等を席に放置できないからちょっと不便です。連れがいれば交替でお料理を取りに行けるけど、それが出来ないので。席は使用中の札を置いておける宿も多いし、札がないときはハンカチでも置いておけばよいのですが、貴重品の入ったバッグはさすがに置いておけません。私はそんな時用に、腕に引っ掛けるタイプのミニバッグを持参し、食事処専用にしています。スマホと財布が入る大きさで、腕に掛けたまま両手でお盆を持てる軽さなので、持ったままお料理を取りに行けます。
⚫一人旅のメリット
最後に一人旅の良いところについて。これはもう、連れに気兼ねすることなく、自由気ままに予算や行き先やスケジュールが立てられる、この一言につきます。私は観光型の旅よりも滞在型の旅が好きで、温泉旅館でまったりするのが好きなので、観光巡りやお土産より宿代に予算を割きたいタイプなんです。友人や家族と行くと、どうしても観光巡りを最大限頑張るプランになりやすく、それはそれで別の楽しみがあるにしても、気に入った場所でゆっくり時間を取ったり、同じ店でじっくりとお土産選んだり、という立ち止まりができにくく、不完全燃焼感があります。食事や宿の値段も相手の希望や価値観とのすり合わせが必要だし。その点、一人旅なら、すべて自分でカスタマイズできます。旅の道中の感動を共感できる相手がない寂しさや、トラブル対処もすべて自己責任というデメリットはあれど、一人行動が好きで慣れている人にとっては、メリットの方が限りなく魅力的です。
一人旅をスタートさせるきっかけは、まだ親の介護中ではあったけど、どうしても用事で東京に行かなければいけなくなった時に、恐る恐る飛行機を自力で予約し、ホテルもとってこわごわ出かけたことがきっかけでした。その時、目的地まで一人で飛行機や電車でたどり着いた達成感が心地よく、自信にもつながりました。それまでの旅行は友達とのグループ旅行も職員旅行も、会計や写真係はやったことがあったけど手配はみんな人任せ。今にして思えば、連れて行ってもらった旅行では、どんな宿に泊まり、どんな交通機関を使ったのか、詳しく覚えてさえいないのです。これは非常にもったいないことをしたなぁと思いました。
あと、一人旅のもうひとつの醍醐味は、旅先での一期一会の出会いです。一人が好きなので基本は知らない人にアクションを起こすタイプではないのですが、連れのいない旅だと、どうしても宿のスタッフや観光地の人とコミュニケーションが増えるのです。連れとの旅は連れ同士で会話して完結してしまうところが、一人だとレストランスタッフや中居さん、タクシー運転手さんが気を遣って話しかけてくれることも多いのです。そこで会話が弾むことも。高知の民泊に近い宿にお邪魔したときは一日一組だけの受け入れで、女将さんが台所でお茶を淹れてくれ、意気投合してなんと2時間もおしゃべりしてしまいました。お遍路さんの多い宿に泊まったときは、食事処で顔を合わせた同じく一人客と会話を楽しんだことも。
こんなに手軽に一人旅ができるようになったのも、じゃらん等の予約サイトの充実、駅探アプリやカーナビの存在が大きいです。この三種の神器がなければ、身動き取れませんから。ほんとうにありがたいことです。これからも元気で一人旅を楽しんでいきたいです。明日は何が起こるかわからないからこそ、今日を悔いなく楽しもうと思える年齢になったからかもしれません。
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