イーディ、83歳はじめての山登り
アマゾンプライムで鑑賞。30年間、夫の介護に縛られてきた人生からようやく解放された女性が、娘時代に父親と登る約束をしたスコットランドの山になんと83歳で登る、というヒューマンドラマ。
いや~~~素朴で地味なお話なんです。演じる役者さんも日本ではたぶん知名度が低いと思われる。イーディを演じたシーラ・ハンコックさんはイギリスの女優さんでなんとお年は89歳!それで自転車乗ったり登山したりする演技、お元気すぎて脱帽です!
うちの母は一つしか違わないけど、もう杖歩行です。((+_+))
何が共感したって、実は今自分も両親の介護中で自分の人生が全く歩めてないから・・・。口に出して誰にも言えないけれど(ここで言ってるけど)正直、解放されたらやりたいことや行きたいところ・・私にもありますよ。そしてその時自分も老いていて実現には遅すぎるんじゃないかと焦る気持ちも。でもこの作品は、いくつになっても遅すぎることはない、って背中を押してくれるんですよね。そこがすごく嬉しく感じる物語でもありました。
まあ実際に83歳で本格的な登山なんて、簡単に実現できないのは当たり前で、そこは都合よく?物語のそこここで助っ人が登場します。夜行列車でたどりついたスコットランドの駅で彼女にぶつかって転倒させた青年ジョニー。彼は登山用品店の店員で、イーディのガイドを引き受けてくれるのです。
ジョニーを演じたケビン・ガスリーさんはちょっとジェームズ・マカヴォイに雰囲気の似ている俳優さん。初めは謝礼金目的だった彼ですが、たぶん根っから親切で誠実な人柄。頑固でプライドの高いところもあるイーディと時には衝突しつつも「ここからは、一人で登りたいの。」と言い張るイーディから一旦は手を引くものの、どうしても心配で後を追うなど、好青年ぶりにはこちらも胸が熱くなりました。いい子やぁ~~~~。
そのほかにも湖のボートでエンジンをかけてくれた女性とか、遭難しかかったイーディがたどり着いた山小屋で一晩黙って泊めてくれたおじさんとか。とにかくいい人に巡り合えるイーディ。これは、それまで暴君の夫と親の心子知らずの典型のような娘に尽くすだけの人生だったイーディに、神様がくださったご褒美のようにも思えました。
スコットランドの山岳地帯の自然の雄大な美しさも堪能できます。映像がとても洗練されて美しい。
人生の黄昏どきに、やり残したことがある人達に特におすすめの物語です。
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