グレタ GRETA
アマゾンプライムでレンタル鑑賞。
火サスのようなサイコ・スリラーものだけど、これがまた好きなジャンルでツボにはまった。何といっても監督がニール・ジョーダン。描き方が抜群にうまい。先読みもできるベタなストーリーだけど,とにかくハラハラドキドキで怖い怖い・・・。
あらすじ:ニューヨークの高級レストランでウエイトレスをしているフランシス(クロエ・グレース・モレッツ)は、地下鉄に置き忘れられたバッグを発見する。持ち主で夫を亡くしたグレタ(イザベル・ユペール)の家まで届けたことをきっかけに、二人は互いの孤独を埋めるように親しくなっていく。ある日フランシスは、グレタの家の戸棚を開くと自分が届けたものと同じ届け主の名前入りのバッグが大量に並べられているのを目にする。(シネマトゥディ)
誰かが置き忘れた(かのように見えた)バッグをほんの親切心から持ち主の家まで届ける・・・それがすべての悪夢の始まりになるとはいったいだれが予想できようか。最愛の母を亡くしたばかりの主人公が、母親と同じ年代の親切そうな女性に心を開いてしまうのはごくごく自然ななりゆきだった。その女性がまさか「女青髭」並みのサイコパスなストーカーだったとは!
イザベル・ユペールは年齢を重ねても魅力的な女優さんのひとりで大好きだ。素敵なマダムを演じることもあるがこのような「怖い悪女」を演じることも多い。実は彼女は若いころにも「沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇」で、平気で人を殺す歪んだ人格の女性を演じてセザール賞最優秀女優賞を受賞している。そしてこういう役を演じる彼女は半端なく怖い。この作品でも彼女の演じるグレタの、狙った獲物を地の果てまでも追いかける執念と狂気をどんどんエスカレートさせていく様が圧巻だ。悪趣味なくらい怖いシーンは「指切断」(;゚Д゚)のシーンと「箱に監禁」のシーン。
この手の作品がお好きな方には一押しだ。目が離せない疾走感すら感じる恐怖。ヒロインが囚われてしまってから、グレタが周囲をうまく欺くやり方のなんと手馴れていて巧みなこと。救出の手はなかなかヒロインにたどり着かず、グレタの家にせっかくたどり着いた探偵もあっさり殺されてしまうという恐ろしさ。最後は「持つべきものは善き友」なんだなぁと感動する救出シーンにたどり着いてようやく一息・・・。サイコスリラーの王道ともいえる物語だけど見ごたえがありました。
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