女神の見えざる手
DVDで鑑賞。すごく面白く、同時に胸のすくような作品で大満足!
敏腕ロビイスト、エリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)は、銃所持を後押しする仕事を断って、大会社から銃規制派の小さな会社に移る。卓越したアイデアと決断力で、困難と思われていた仕事がうまくいく可能性が見えてきたが、彼女のプライベートが暴露され、さらに思いも寄らぬ事件が起こり……。 (シネマトゥディ)
とにかくヒロインのエリザベスが男前でカッコいい。敵ばかりが味方まで欺く戦略の天才。。今まで強い女性は沢山見てきたが、体力や腕力という意味でなく、気力や知力という点ではまさに最強の女性だった。
ロビイスト(=圧力団体の利益を政治に反映させるために、政党・議員・官僚などに働きかけることを専門とする人々)という職業は、日本では馴染みがないため、ストーリーがわかりにくいかもという心配は杞憂。スリリングで面白く、聞きなれない専門用語を脳内スルーしながらでもストーリーを追える作品だ。ただし、エリザベスが仕掛けた罠の全貌が明らかになり、すべてがひっくり返って逆転ホームランを成し遂げた後、必ず初めから確認のために再見したくなるけれど。DVDだったので私はもちろん再見して二度見した場面がたくさんあった。あ~ここでこれを仕掛けたのね~とかね。
一番感動したのは、彼女が自分のキャリアを賭けてまで闘ったこと。失うものを恐れずに勝利をつかんだこと。その代償に支払ったものも大きかったけれど、仲間を巻き込みたくないために、仲間を欺いて罪をも一人で被ったこと。これを一人でやりとげる精神力はまさに「神」がかっていると感動。
私的な家庭生活は無きに等しく、家族も恋人も友人すら必要としないエリザベス。彼女がどんな生い立ちでこれほどの女性になったのか、彼女の過去まで知りたくなる。同じ名前でもあるけど、男前な孤独な闘いに心身を捧げた強い女性としてエリザベス・ゴールデンエイジのエリザベス女王を思い浮かべた。
キャリアのために手に入れることを諦めた私生活や、手段を選ばぬ方法のために傷つけてしまった部下に対する、彼女の内心の思いがちらりと垣間見える場面もあり、彼女が決して氷の心を持った女性ではないことも描かれていた。
最近のコメント