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2017年3月 9日 (木)

ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ

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1920年代のニューヨーク。敏腕編集者パーキンズ(コリン・ファース)は、F・スコット・フィッツジェラルドやアーネスト・ヘミングウェイらの名著を世に送り出してきた。あるとき、彼は偶然手にした無名の作家トマス・ウルフ(ジュード・ロウ)の原稿を読んでいち早くその才能に気付く。パーキンズはウルフの陰になり日向になり支え続け……。(シネマ・トゥディ)

キングスマンではキレッキレの英国スパイを演じたコリン・ファースが,実在した名編集者を演じる。実話に基づくこの作品の見どころは,コリンの演じるマックス・パーキンズの人柄の魅力と,天才作家ウルフとの親子にも似たあたたかな絆。地味だけど,しみじみと心に残る良い作品だった。

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1920年というアナログな時代,出版社の編集者の仕事って,持ち込まれた作家の原稿(もちろん紙媒体)に目を通し,筆記で添削するという手間のかかるもの(当たり前だが)。パーキンズは,まだ世に出る前の小説家の才能を見抜く目をもち,それまでの編集者とは違って,作品を丁寧に読み込んで助言をする編集者だった。

ジュード・ロウが演じたトマス・ウルフは,自伝的作家で,独創性に富んだ叙情的な文章で綴られた彼の作品は,1920年代後半から1940年代当時のアメリカ文化や風俗を鮮やかに反映している。現在では日本ではあまり知名度は高くないが、存命中は広く知られた作家だったらしい。

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めちゃくちゃな構成と膨大な量ゆえに,出版社をたらいまわしにされていた彼の原稿に天才のひらめきを感じたパーキンズは,大胆な削除も含めた編集作業を行い,処女作「天使よ故郷を見よ」を世に送り出す。ウルフは,登場人物の心情や動作を全て文章にするので,(つまり推敲が出来ないタイプ?)記述の分量などバランス感覚を,パーキンズの編集が補い、ウルフはその点を非常に感謝していたという。

ウルフ自身は周囲に理解されにくく,人を振り回すタイプだったようだ。パーキンズは家族ぐるみで彼を受け入れ,息子を持たないパーキンズと,父を亡くしたウルフの間には,父子にも似た絆が生まれていた。

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「パーキンズなしでは書けない」と言われるのが嫌で,一度はパーキンズの元を去るウルフと,引き留めることはせずに見守るパーキンズ。ウルフが脳腫瘍であんなにはやく命を落とさなかったら,彼は果たしてパーキンズの編集なしでも傑作を生み出し続けることができたのだろうか。

死の床でウルフはパーキンズに宛てて感謝の手紙を書く。彼の死後にそれをオフィスで読むパーキンズが,室内でも脱ぐことがなかった帽子を取る場面は胸があつくなった。

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コリンが演じたパーキンズの,公私に渡って作家の面倒も見る懐の深さと思慮深さがいい。穏やかで,それでいて信念も持っていて。彼を慕い,恩人と思う作家はたくさんいたのではないだろうか。彼がいなかったら,フィッツジェラルドの「グレート・ギヤツビー」や,ヘミングウェイの「日はまた昇る」「誰がために鐘は鳴る」などの名作は,おそらく世に出てなかったことだろう。そう思うと,偉大な業績をなした編集者だったんだなと改めて思った。

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