2015年 マイべストシネマ
拙ブログにいらしてくださっている皆様にとって,2016年がさらに幸多い年となりますようお祈り申し上げます。
さて,独断と偏見によります2015年ベストシネマ,ブログに感想はほとんど書いてはいないのですが,今年も一応選んでみました。皆様とお気に入りの作品が被っていると嬉しいな。なお,劇場でなくDVDで鑑賞したものが多いので,劇場公開年は2015年でない作品もあります。
1位 キングスマン
DVDで遅ればせに観て,迷わず今年の1位に即決した作品。飛び切りおしゃれでクールでユニークで面白いスパイ映画!なんといってもあのコリンが初のアクション映画に。英国の高級テーラーが実は最強のエージェント集団だという設定が素晴らしい。音楽も役者も,映像もアクションも最高です。英国紳士らしく,秘密兵器が傘だったり万年筆や高級時計だったりするのも気に入りました。あの殺人靴かっこいい~~~
コリンのアクションシーン(パブと教会)かっこよかった・・・・・内気な王様を演じた彼が体を絞ってトレーニングして,惚れ惚れするような麗しい殺しっぷり。これをコリンにやらせようと考えた監督も,受けて立ったコリンも凄いです。しかし高級スーツもビシッときまって,最高に渋くて美しいオジサマです,このお方。ということで,このお正月はコリン祭り。英国王のスピーチや真珠の耳飾りの少女や,シングルマン,「ブリジット・ジョーンズの日記」を再見してみようっと。
2位 セッション
異色だけどなんとも鮮烈な感動を与える作品でした。感動というか・・・・ラストシーンの息詰まるような展開とカタルシスは凄かった。あのラストですべて持っていかれた感じでした。主演のお二人の白熱した演技に拍手。音楽を扱っているけど音楽がテーマの物語ではなく,手に汗握る壮絶なバトル物語でした。
3位 ナイトクローラー
最初から最後まで衝撃的な作品でした。モラルの欠如した主人公からなぜか目が離せない・・・・面白さがかえって癪に障るほど。ジェイクの演技には唸らされました。
ここから以下は,順位は無しで,ジャンルごとのお気に入りを挙げてみます。戦争・ホロコースト部門
ふたつの名前を持つ少年
実話なんですよね,これ。ポーランドのゲットーから逃げ出したユダヤの少年が名前をユレクと変えて,親切なポーランド人の農場などを渡り歩きながらひたすらに逃げて生き延びるお話なんだけど,少年の試練や健気さや逞しさだけでなく,彼を助けた人たちのあたたかさに心を打たれます。
アジア映画部門
妻への家路(中国)
チャン・イーモウ監督作品。文化大革命で抑留されていた夫が帰ってみると妻は認知症になっていた・・・・。これも実話,というか原作があるんですよね。また読んでみたい。老け役のコン・リーの演技が光っていましたね。ラストまで観て,ああ結局最後まで・・・と切なくなりました。夫婦の絆や愛がしみじみと身につまされる作品。
ドラマ部門(2作)
真夜中のゆりかご
デンマークのスサンネ・ビア監督作品。主人公の刑事が愛妻との間にできた一人息子を事故で亡くしたときに取った行動とは・・・?ヒューマンドラマのようですが,最後まで観ればこれはよくできたサスペンスでもあるとわかります。ビア監督らしく,不条理や不測の出来事に対する人間の愚かさや弱さもじっくりと描かれています。重い内容ですがラストにほのかに光が射すような救いが描かれています。
おみおくりの作法
イケメンも出てこない,大きなドラマもありません。ロンドンで,身寄りのない人たちの葬儀を担当している地方公務員の男性のお話です。地味に淡々と進むストーリーはまるで主人公のジョン・メイのキャラクターや人生そのもののようです。・・・・・このまま終わるのかしら?と思っていたら,ラスト数分でぐわ~っと感動が来ました。あたたかく優しい余韻に浸れる作品です。ラブストーリー部門
めぐり逢わせのお弁当
間違って配達されたお弁当箱がつなぐプラトニック・ラブ。顔も知らない相手に恋心を抱くという展開が,新鮮でもありもどかしく切なくもあり。成就するのかしないのか結末は鑑賞者に委ねるその奥ゆかしさも好き。
アクション部門
ラン・オールナイト
中年を過ぎてから無敵のオヤジを演じるようになったリーアム・ニーソン。今回は正当防衛で親友のマフィアのボスの息子を殺害してしまったことから,息子ともどもボスとその一味から命を狙われる殺し屋を演じます。96時間シリーズと似ているかと思いきや,一夜限りの逃亡劇という展開や,相手役がエド・ハリスであり親友という設定がノワールの香りが漂っていて良かった。ホラー部門
ネスト
スペインのファンフェル・アンドレスとエステバン・ロエル監督作。ホラーというよりサイコスリラーなのだけど,かなり…怖い。自宅アパートから一歩も出ないで暮らしていた外出恐怖症のモンセという女性がアパートの階段から転落した隣人男性カルロスを部屋に引き入れ,怪我の手当をするようになり・・・・。ミザリーに少し似ているけど,その他にも切なさや恐ろしさが詰まった作品。スペインのホラーやサイコは,怖いけれど映像が洗練されていて美しいので私的には好き。
以上,10作品でした。007スペクターやミッション・インポッシブルやジュラシック・ワールドなど,満足度100%の大作も楽しみましたが,ベストはやはりちょっと捻った作品を選んでしまいました。今年もたくさんの素晴らしい作品に出会えたらと思っています。
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