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2013年6月の記事

2013年6月25日 (火)

華麗なるギャツビー

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原作も未読だし,レッドフォード主演のギャツビーも観ていない。あらすじも知らなかったし,そもそもなぜか私はこれまで,この作品の題名を「華麗なるギャッピー」だと勘違いして覚えていた。ギャッピーじゃなくてギャ「ツ」ビーだったのね・・・(汗)。

で,今回劇場鑑賞したディカプリオ版のギャツビー・・・・こんな切ないお話だったのか。冒頭はナレーションの多さや,きらびやかなだけの画面の展開に少々退屈したけど,すぐに物語にひきこまれ,それぞれ個性的なキャラ立ちが見事な名優陣の演技や,絢爛豪華で美しい映像に大満足できた。

物語の語り部をつとめるニック・キャラウェイ(トビー・マグワイア)の謎の隣人ジェイ・ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)は,宮殿のような豪邸で,毎夜派手なパーティを繰り広げていた。彼が何者でその財力がどこから来たのかいろいろと荒唐無稽な噂は絶えなかったが誰も真相を知る者はなく・・・・。

しかしニックは,やがてギャツビーが,過去に自分の親戚のデイジー(キャリー・マリガン)と愛を誓った仲であり,今は富豪の人妻となっている彼女のために,このような贅をこらしたパーティや社交生活を演出していたことを知る・・・・。
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原題の「The Great 」=「華麗なる」もしくは「偉大なる」ギャツビーというのは,彼の金に糸目をつけない派手な生きざまを表現しているのかと思ったが,観終わって,ギャツビーの偉大さは,その純なところ,一途なところ,そして叶えたい夢に向かってどこまでも力を尽くしたところ・・・なのかもしれないと思った。

彼が実は極貧の出て,一人で運命を切り開いていったこと・・・ギャツビーはまだ一文無しの兵士の時に出会って愛し合った富裕層の娘デイジーにふさわしい自分になりたい・・・ただそれだけのために,彼女を喜ばせるためだけに,財を築き名をあげてきたのだ。
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もうすでにデイジーと結婚したつもりでいたギャツビーが,彼女に見合う財産を築こうとしている間に,忘れ去られたと思い込んだデイジーは釣り合った階級のトムと結婚し,ギャツビーは彼女の邸宅の灯が対岸に見える豪邸から彼女に想いを寄せ続ける。彼女を取り戻すために・・・。ここらへんはちょっとストーカーが入っていると言えなくもないが,ニックのお膳立てで再会を果たしてからのギャツビーとデイジーの恋は再燃する。駆け落ちしたいと言うデイジーにギャツビーは,「僕が君のために築き上げたこの屋敷を去るのは意味がない。」といい,デイジーにトムとの離婚を迫る。

彼女を失ったという過去をなかったものにしたいギャツビーと,現実の生活を捨てる勇気のないデイジー。ギャツビーが純粋?すぎるのか,それともデイジーの愛がさほどのものではなかったのか・・・いややはり,決定的な温度差を生んだのは,目に見えない「階級」の壁なのか。デイジーの夫トムの挑発に乗って,我を忘れたギャツビーがつい紳士の仮面をかなぐり捨てて激高するシーンのデイジーの引きよう・・・・あれは実に印象的なシーンだった。(レオの名演技)
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結局観終わってみれば,ギャツビー邸に訪れて彼をちやほやしていた取り巻きたちや,デイジー夫妻のなんと薄情で俗物なこと。デイジーの罪まで被ってこの世から哀れな退場をしたギャツビーの真実を,ニックだけが知っていて,回想記の題「ギャツビー」に「偉大な」を書き足すラストシーンは見事だと思った。ニックを演じたトビーは雰囲気も人柄もとてもしっくり合っていたし。
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オールバックにすると,丸顔が際立つようになってしまったレオだけど,↑のシーンは前髪が額に落ちかかっていたので若々しかった。タイタニックの頃の美青年の面影はもうないけれど,やはりその演技や存在感はすごい。

2013年6月15日 (土)

オブリビオン

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トム・クルーズ
主演のSFアクション大作。
監督は,トロン:レガシージョセフ・コジンスキー監督

舞台は2070年代の地球。
攻撃してきたエイリアンとの戦いには勝利したものの,地球は放射能汚染により壊滅状態になり,生き残った人類は,土星の衛星タイタンへと移住を余儀なくされていた。そんななか,ジャック・ハーパー(トム・クルーズ)は,相棒で恋人でもあるヴィクトリア(アンドレア・ライズボロー)と地球に残って,監視任務に就いていた。
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ある日,ジャックは,墜落した謎の宇宙船の中で眠っている女性ジュリア(オルガ・キュリレンコ)を発見し,彼女を助けて監視基地に連れ帰る。ジャックはなぜが夢の中で彼女を何度も見た覚えがあり,目覚めたジュリアも彼を「ジャック」と呼ぶ。

大破した飛行船のフライトレコーダー回収のためにジュリアを伴って墜落地点に行ったジャックは,ビーチ(モーガン・フリーマン)と名乗る男に捕らわれてしまう。ビーチからジャックに告げられた事実は驚くべきものだった・・・・・。

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なかなか面白かった!すっかり更新をサボってたわたしが久々に感想をアップしようと思ったくらいだから。物語中盤に大きなどんでん返しがあり,そこから一気に面白くなるし,ストーリーも加速する。ネタバレになるから書かないけど,つまりジャックはとある壮大な嘘をつかれていたわけで,謎の女性ジュリアや敵のように思えたビーチの正体もわかり,ジャックはそれまでと一転して「本当に」地球を救うためのミッションに取り掛かる・・・というお話だ。

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アクションだけでなく,ミステリーの謎解きや夫婦愛の切なさも盛り込まれたバランスの良いSF
だと思う。映像もスタイリッシュで綺麗だし,洗練されている。謎解きの部分も分かりにくそうに思えて,観終わったあとはきちんと伏線も回収されているのですっきりするし,全体の雰囲気がしっとりして,そこはかとない哀しみさえ漂う・・・・哀しみというか郷愁というか。好きだな~~これ。

近未来のどんなクローン技術の洗礼を受けても,記憶を消されても,人間の根底に流れる愛や望郷の思いはやっぱり完全には消えず,本能のように蘇ってくるものなんだ・・・・・。なんだか嬉しいような切ないような。

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ついでにいえば,ハッピーエンドでなければもっとよかったかな。個人的な好みとしては。ラストのあんな形の再会も・・・・無い方がよかったかな…忘れ形見を一人で育てるヒロインという図の方が・・・余韻がね。いや単に好みの問題なんだけど。

ヒロインのジュリアは終わるまでキャサリン・ゼタ=ジョーンズだとばかり思っていた。後で調べたら,オルガ・キュウリ蓮根・・いやキュリレンコ・・・007/慰めの報酬の女優さんだったのね。お顔が細面に変わってて気がつかなかった。
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クローンめいた美しさのヴィクトリアを演じた女優さん・・・誰だろう?と思ったら,「ウォリスとエドワード英国王冠をかけた恋」でシンプソン夫人を演じた人だったのね。最近DVD観たばかり。

それにしても,トムちん,今作でもまだまだ若いね。もう50越えてるとはとてもとても見えないし,最近の出演作はどれもみんないい出来で。・・・・嬉しいなぁ。

ちなみに「オブリビオン」という言葉の意味は「忘却」とか「人事不省」「大赦」とかいうそうな。どれもみなそれぞれがこの物語の内容に当たってる・・・ような。

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