私が、生きる肌
皆さんの2012年度のベスト作品にランキングされていたのでDVDで鑑賞。凄いですね,この作品。こんなストーリーだったとは・・・・。ありえない設定と,予測のつかない展開,そしてアルモドバル監督特有の,美しく妖しい映像美・・・・ヒロイン(エレナ・アナヤ)のまるで人間離れした硬質な肌や肢体の美しさ・・・いろいろと見どころ満載の作品だった。
画期的な人口皮膚の開発に従事していた天才的な形成外科医ロベル(アントニオ・バンデラス)が行った復讐劇。それは復讐と同時に,事故で喪った愛妻の「完璧な肌」を創造したいという実験のためでもあった・・・。
亡き妻への執着や復讐心のために,道徳心も神を畏れる心も亡くし,禁断の実験に没頭する主人公の医師ロベルと,誰も想像できないような数奇な運命をたどるヒロイン,ベラ。そして綿密な準備と執念で着実に計画を進めるうちに,ロベルの心に芽生える新しい愛・・・・。これは果たして許され,受け入れられる愛なのか?
ロベルの取った復讐の方法が,通常では考えられないほど常軌を逸しているところは,作品の方向や雰囲気はまったく違うけど,韓国映画のオールドボーイのような衝撃的な面白さがあった。
ロベルによって創り上げられていく「完璧な美女」は誰だったのか・・・それが明らかになる中盤から後は,「いったいこのお話はどういうふうにケリがつくのだろう?」と戦慄を覚えつつ画面から目が離せなかった。
観終わったあと,すぐにもう一度最初から見直したくなる作品。ベラの台詞や仕草,そこに秘められた本当の感情を,冒頭から再度じっくりと確認したくなるのだ。ストーリーの面白さから言うと,一級品の作品。好き嫌いは分かれるかな?私はかなり好きかも。
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» 映画 私が、生きる肌(2011) 衝撃的!です。 [ザ・競馬予想(儲かるかも?)]
毎回凝ったストーリー構成で楽しめるペドロ・アルモドバル監督の作品だが、意外にオチが大したことが無くて殆ど印象に残らない作品もあるが、今回紹介するアルモドバル作品の私が、生きる肌は衝撃的な結末が用意されており、忘れたくても忘れられない映画だ。
世界的...... [続きを読む]
» 『私が、生きる肌』 (2011) / スペイン [Nice One!! @goo]
原題: LA PIEL QUE HABITO/THE SKIN I LIVE IN
監督: ペドロ・アルモドバル
出演: アントニオ・バンデラス 、エレナ・アナヤ 、マリサ・パレデス
試写会場: ブロードメディア・スタジオ月島試写室
公式サイトはこちら。[2012年5月26日公開]
映画レビューサイ...... [続きを読む]
ななさん、こんばんは。
先日は、ありがとうございました。
本当にご無沙汰しており、申し訳ありません。
お元気でいらっしゃいますか。
あっという間に、2013年も半年が過ぎようとしてますね。
この映画、面白そうですね。
書きたいことだけ書いて日常に戻る日々で、映画の情報もほぼ入れることなくきていたのですけど、やっぱりたまには出歩かないといけませんね。精神の散歩というか。
ありがとうございます。
この映画、ぜひ借りてみます。そしてまたお邪魔させてください。
おやすみなさいませ。
投稿: 武田 | 2013年6月17日 (月) 00時57分
武田さん こんばんは
お越しいただいて嬉しいです。
ほんとうにご無沙汰してしまいました。
私の方もこの2年ほどはいろいろとあり
それでもなんとか守られながら日々を過ごしています。
映画を観るのも記事をアップするのも
またブロガーさん宅にお邪魔するのも減るばかりで
自分のブログさえ開けない日も増えてきていたのですが
またゆっくりでも更新していけたらと思うようになりました。
この作品,武田さんならどんな感想を持たれるか
とても楽しみです。
私の方もこれからちょくちょくお邪魔しますね。
またお話いたしましょう。
投稿: なな | 2013年6月17日 (月) 20時53分
ななさん、こんばんは♪
教えてくださったこの作品、ついに昨晩見ることができました。
かなり面白かったです!!
1時間過ぎるあたりまでは、まさかこんな展開が待ち受けていようとは露とも思わずでしたので、(えー!?)でした。
で、ますます目が離せなくなり…
ほんと、見終わってすぐにもう一度見たくなりますね。
ベラの一挙手一投足を確認したくて…。
アルモドバルらしい色彩や音楽へのこだわりも素晴らしく、久しぶりにやっぱり映画はいいなあとしみじみすることができました。
この愛は…、やっぱり愛ですよね。
薄っぺらではないので、エンドロールを見ながら(あの時、新聞を目にしなかったらどうだったろう?)とかいろいろ考えだして止まらなくなってしまいました^^;
めったに出会えないような作品を教えてくださって、ありがとうございました♪
投稿: 武田 | 2013年7月 2日 (火) 19時47分
武田さん ご覧になったのですね~~
嬉しいです。
>1時間過ぎるあたりまでは、まさかこんな展開が待ち受けていようとは
でしょ~~。これって,後半からぐっと目が離せなくなるよね。
えええ~~そうだったのか~!と。
二度観したくなる作品です。ヒロインの顔や行動とか。
そうですよね・・・これもたしかに愛ですよね。
こんな,特殊な歪んだ愛も私は嫌いではありません。
あくまでも小説や映画の世界限定ですが。
しかし現実社会で遭遇すると私でも引いてしまいそうですが・・・・。
アルモドバル監督って
やっぱり一筋縄ではいかない御仁ですよね。
なんだろう・・・強烈なんだけど切ない後味もあるのよね。
投稿: なな | 2013年7月 6日 (土) 00時57分
私もこれは結構好きです。
監督の「寓話」ってことでは、それこそ『・・ピエタ』に引けを取らないように思います。
あり得ないんだけど観客を煙に巻くのがお見事でした。
投稿: rose_chocolat | 2013年8月25日 (日) 07時39分
rose_chocolatさん こちらにもありがとう
>監督の「寓話」ってことでは、それこそ『・・ピエタ』に引けを取らないように思います
そうそう,これこそありえない設定で
残酷童話のようでした。
でもありえないお話なのに誰にも感情移入もできないのに
それでもぐいぐい観客の興味を引っ張っていく監督の手腕はお見事でしたね。
投稿: なな | 2013年8月25日 (日) 22時30分