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2012年12月17日 (月)

ジェーン・エア

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ジェーン・エアは,小学校の図書館で借りて初めて読んで以来,大好きな小説。何度も映像化はされているみたいで,実際わたしもシャルロット・ゲンスブールがヒロインを演じた映画を観たこともあるけど,それよりも本作の方がキャストが好きかも。

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特にジェーンを演じたミア・ワシコウスカが,原作のジェーンの雰囲気に最高にピッタリだと思う。この物語の魅力の一つにもなっている,ジェーンの個性的なキャラクター。不遇な生い立ちや美しくない容姿にも関わらず,いや,それだからこそと言うべきか,彼女は聡明で確固たる意志を持ち,困難をも孤独をも恐れず,教師として自立を目指す。そんな彼女の性格や生き様は,同じ女性としてとても魅力的だ。

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財産と地位を持つロチェスター氏が、身分違いで美しくもない小娘のジェーンに対して抱く愛。華やかな社交界に身を置き,秘めた暗い過去も持つ彼は,儚そうに見えて実は誰よりも強靭な芯の強さを持つジェーンの内面に惹かれたのだろうか。

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原作では,決して美男子ではなく,武骨な容貌だと書かれているロチェスターを演じたのは,正統派イケメンのマイケル・ファスベンダー。しかし,顎鬚と陰鬱な表情と演技力で,彼もまた原作通りの申し分ないロチェスターだったと思う。

ミアが演じたジェーンは初々しく,頑ななまでの純粋で一途で,そしてマイケルの扮したロチェスターは,偏屈で傲岸で,同時にセクシーで魅力的で,この物語はもちろんジェーンの波乱万丈の半生記であるのだけど,情熱的で切ないラブストーリーの一面も十分に味わうことができた。

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わたしが原作でも一番好きな場面・・・それは,ロチェスターに隠された狂人の妻がいることを知ったジェーンが,中止になった婚礼の夜,必死で引きとめるロチェスターを置き去りにして館を後にする場面だ。ロチェスターの狂おしいまでの嘆きや懇願,そしてそれを心の中で号泣しつつも敢然と振り切って去るジェーンの葛藤と哀しみ・・・この場面の原作の描写はふたりの心理が手に取るように切なく激しく伝わってくる秀逸なものだけど,映画のこの場面のミアとマイケルの演技も素晴らしかった。

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そして館を逃げ出したジェーンが辿りついた牧師館の主であるセント・ジョン・リバースを大好きなリトル・ダンサージェイミー・ベルが演じている。生真面目でストイックで理想に生きる青年牧師。彼はジェーンを愛しているわけではないが,宣教師の伴侶として最適な彼女の資質を見込んでジェーンに求婚する。リトル・ダンサーで可愛かった彼ももうすっかり,演技派のいい俳優さんになったなぁ。この作品ではちょっと報われない地味な役だけど・・・・。

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この作品は84回アカデミー賞の衣装デザイン賞にノミネートされただけあって,この時代の衣装や調度品などの雰囲気も楽しめる。

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コメント

これちょうど借りてきてるんすよ!(^^)!

なかなか面白そうっすね

早く観なくては・・・

ジョニー・タピアさん こんばんは
めっきり寒くなりましたね。もう年の瀬ですから当たり前か・・・
これ,レンタルされてるんですか?
なかなかいいですよ。この原作は再三映像化されてるけど
このミア版のジェーンが一番好きです。

おひさしぶりですー!
ずーーっと更新さぼってて、いま薄い記憶をたよりに
手抜き更新しているところ・・・コメントありがとうございます♪

私は原作も過去の映像作品も全く知らなくて、
ただミア・ワシコウスカとファスベンダーというキャスティングに惹かれて観に行きました。
ワシコウスカちゃんかなり好きで・・・ファスベンダーも素敵だし。

そうそう、ジェイミー・ベルも地味な役ながら出てたし、ジュディ・デンチもよかったですね〜

kenkoさん こんばんは!

わたしも最近更新が月イチとかになってます。
年末だから年間ベストとか書かなくちゃって
最近少し頑張ってるけど お互いぼちぼち行きましょうね~

ミアちゃんは私はちょっとグゥイネス・パルトロウを思い浮かべるけど・・・若いころの。好きな女優さんです。これからが楽しみですね。
ジェイミー・ベルもかなり好き。彼が出てる作品は結構無条件で観ますね。「リトル・ダンサー」の第一印象がよほどよかったせいもあるけど,でもやっぱり子役だけに終わらず成功しているのは上手いんでしょうね。

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