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2009年製作の英国映画。DVDで鑑賞
とにかく・・・美しいです。ベン・バーンズ。
カスピアン王子の時には,割れ顎が何気に気になったのだけど,今作の彼の美しさはもう・・・スレンダーな長身に,19世紀の英国紳士のファッションがなんとも華麗に似合うこと!
美しさにも感動したが,彼の演技力もなかなかのもので,ドリアン・グレイという比類なき美貌の持ち主の青年のうちにある,ナイーブな善の面と傲慢不遜な悪の面・・・・その真逆の表情を上手く演じ分けて見せたのに感心した。
原作はオスカー・ワイルド。
画家のバジルが描いたドリアン・グレイの肖像画。不思議なことにモデルのドリアンは,どんなに年月を重ねてもその若さと美貌がまったく衰えない。しかしその反面,彼の肖像画は,ドリアンが悪徳を重ねるたびに醜悪な外見へと変貌していく・・・という,ややオカルトめいたストーリーである。
この映画に出てくる肖像画,とくに美しく繊細な目元が,ベン・バーンズに生き写しで・・・・あの肖像画,自分のお部屋に飾りたい~~~もちろん一番最初の,爽やか清らかなヤツだけど。
ベン・バーンズって,酷薄な表情も気弱な表情も,どちらも似合う美形なので・・・・ドリアンの中にある,善良で繊細な面も,悪魔に魂を売り渡すほど邪悪な面も両方キマってたような・・・・。
そして,この作品で重鎮の役をしているコリン・ファース。逆説的見解を持ち,無垢なドリアンを最初に悪の世界に導いたくせに,いつまでも若さと美しさをを失わないドリアンが自分の娘と恋仲になった時,彼の肖像画の秘密をつきとめて断罪するヘンリー・ウォットンを演じているが,中年になってからの彼の演技の幅の広さをこの作品でも十分に楽しませてもらった。彼の英国紳士の高貴な風格と確かな演技力にいまさらながら感嘆。最近ほんとにいい仕事してる,コリン。
今までも何度か映像化されてきた作品だろうけど,この「ドリアン・グレイ」はなかなか文芸作品に仕上がっているのではないだろうか。ストーリーやテーマはシンプルなんだけどね。悪魔の陣営に堕ちた人間がどういう末路を辿るかと言う,普遍的なテーマを描いているから。でもこの作品の最大の魅力はやはりもなんといっても役者陣かな。
英国のイケメン好きには必見作品です
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