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2012年5月 4日 (金)

アーティスト

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第84回アカデミー賞作品賞・監督賞・主演男優賞の3部門を受賞した作品。

とっても素敵!新鮮!そしてオシャレでハートウォーミングな作品。そして,なんといってもサイレント映画への敬愛に満ちた作品だ。たしかに従来の3Dやなにやらを駆使したハリウッド作品の中では,この作品はシンプルさと凝りようが「異色」なので,かえって目立つだろうな~,よい意味で。
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主演男優のジャン・デュジャルダンさん,よく知らない・・・・と思ったら,フランスのコメディアン俳優さんだそうで。「風と共に去りぬ」のレット・バトラーをお人好しにしたような雰囲気なんだけど,コメディアン俳優だけあって,笑顔がとっても人懐っこくて素敵。

サイレント映画全盛時代の大スターだった彼が,トーキー映画の時代になって没落してゆき,その反対に一躍売れっ子となっていく女優との恋に,煩悶や葛藤を覚える物語。最後はハッピーエンドなんだけど,途中はなかなか切ない展開もあり・・・・。
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ヒロインの女優役のベレネス・ベジョは,アルゼンチン生まれの女優さん。この作品の監督の奥さんだそうで・・・・。明るくて可愛くて,ポジティヴで,そして主人公の男優を一途に愛する姿がとてもチャーミングなキャラだ。

この映画自体がサイレント映画のつくりになっているので,最初はやはり「見慣れない」違和感があり「俳優さんたち,しゃべってよ~」と思わないでもなかったが,すぐに慣れた,というか,絶え間ないBGMや,時にはパントマイムっぽい仕草の役者の演技や,時折入る字幕だけでも十分にストーリーがわかることに驚き,いやむしろそれだけで楽しめる「サイレント映画」というものに「凄いなぁ」と素直に感動し,ぐいぐいと作品の魅力にひきこまれていった。
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特にお気に入りは,この,ヒロインの,タキシードとの独り芝居の場面。とってもロマンチックでそれでいてヒロインの自分の腰に回した片手が,男性の手にしか見えなくてドキドキ・・・。ヒロインの慕情もとても切なく伝わってきて,何度でも観たいシーンだ。

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個人的には主人公の愛犬役のこのワンちゃんに,演技賞あげたいかな。すごくかわいくて健気で。ピストルで死んだ真似とか可愛すぎ。ご主人の命が危うくなったときの活躍ぶりもいじらしくて,ワンちゃん好きにはたまらないキャラ?だ。
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さすがアカデミー作品賞だけの魅力は満載の作品です。私は大好き。とても面白かった。この「面白さ」は,ストーリーの面白さではなく,「サイレント映画ってこんなんだったんだ~!すごい}という面白さなのかもしれないけど。ラストの二人の見事なタップダンスも必見です。元気で優しい気持ちになれる素敵な作品でした。

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映画 あ行」カテゴリの記事

コメント

これ良かったですねえ♪
サイレントが新鮮に感じられる、ちょっとトリッキーな作りがまた上手いなあと思いました。
ななさん仰るように、役者さんの表情とかBGMとかで大体のストーリーが判るようになっているのも良いですよね。

ジャン・デュジャルダン、わたしもレッド・バトラーを思い出しましたよ~。
ただこちらはヘラヘラしすぎですけど(笑)。
ベレネス・ベジョもワンちゃんも魅力的でした!

ほんとストーリーは大したことがないんですけど、ここまで愛すべき良作に仕立てた監督さんの手腕に拍手です。

リュカさん こんばんは!

チャーミングな作品ですよね。
この作品がオスカー取っちゃったのは
「新鮮さ」だったのかもしれませんが
それでも観てハッピーになれる作品っていいですよね。
それにこれ,仕上げるのにけっこう研究や工夫やいろいろ・・・
手がかかってますよね。CGの手間に負けないくらい。
サイレント映画なんて,もちろんじっくり見たの初めてだけど
でもいいもんだなぁ~って思わされました。

>ストーリーは大したことがないんですけど、ここまで愛すべき良作に仕立てた監督さんの手腕に拍手です。
そうそう,ストーリーは大したことないんですよ。
それをここまで没頭できる作品って凄いですよね。
サイレント映画への物珍しさ・・・が大分手伝ってますけどね。

こんばんは!

凄く良かったですね~♪
ジャンさんの笑顔が素敵だったよね!
わたしも好きだわー^^

アギーが賢くて可愛くて!!
超お気に入り♪
ペピーの一人芝居のシーンが一番好きかな♪

こんにちは♪
連休中は楽しく過ごされましたか・・。
で・・この映画私も観たわ☆
良かったよね・・・これ。
最初は心配だったのよね。・・サイレントでモノクロって。
でも慣れるとなかなか面白いよね。
いろんな工夫も、気づくたびにワクワクできるし・・。
<風と共に去りぬ」のレット・バトラーをお人好しにしたような雰囲気主役>
うんうん、まさにそう・・・。
懐かしかったわ・・お顔が。
まさか、今になって劇場でサイレント見るとは
思いもしなかったものね。新鮮でもありました!!
ななさんが次に挙げている「灼熱の魂」これも観たい・・レンタルできるのを楽しみにしたいわ・・

ななさん、こんばんは☆彡
GWはいかがお過ごしでしたか?
私は大掃除の予定が小掃除になりました(苦笑)

さて、この作品ですが、ななさんも気にいられたようですね。私も好きな作品でした♪
サイレントを1本きちんと観た事がない私ですので、ななさんと同じく、最初は、違和感があったのですが、そのうちに
惹き込まれていました♪

そそ、アギーちゃん、ワンちゃん好きにはたまらないですよ~。ピストルバンもかわゆいけど、あやまるのもかわゆい(*^.^*)ラストのほうで主人公のために一目散に走る姿に
涙しちゃいました(T^T)

本当に素敵な作品で、後味もサイコーでした\(^O^)/

みすずさん こんばんは!

あのワンちゃん,アギーっていう名前だったのね?
女の子なのかしら?
名演技でしたねぇ・・・・
いじらしくてうるうるしちゃいました。

>ペピーの一人芝居のシーンが一番好きかな♪
私も!
これ,自分もやってみたい~~恋人の背広で。(←あほか)

みみこさん こんばんは

連休はすごい遠出はしなかったけど
県内の範囲でそこそこ楽しめたかな・・・
お掃除や冬物のお洗濯にも時間は費やしたけど・・・。

この作品,薄味ではあったけど
オスカー獲るだけのオーラは十分でしたね。
新鮮と言うかなんというか・・・

>最初は心配だったのよね。・・サイレントでモノクロって。でも慣れるとなかなか面白いよね。
そうそう!私もサイレントってつまらなそう~と
危惧していたけど,程なく「凄い!」と画面に釘付けだったもの。
その感動だけでも拍手喝さいを贈りたいですわ。

「灼熱の魂」これいいですよ。
衝撃的ではあるけどね・・・でもこんな衝撃も初めて。
お勧めです。

ひろちゃん こんばんは!

GW,今年はけっこうまとまったお休みが取れたけど
遠出は自重しました。だって渋滞すごいんだもん。
>私は大掃除の予定が小掃除になりました(苦笑)
同じかな~~ 冬物お洗濯も中途半端になっちゃった。

さてさて,この作品チャーミングでしたね。
サイレント映画の魅力,初めて味わわせていただきました。
それがとっても新鮮でしたね。
そして犬好きにはたまらないアギーちゃん!
私は猫好きですが,猫好きにもたまらなく可愛かったなぁ。
猫にはない忠誠心も羨ましかったです。

後味の最高の作品・・・まさにそうですね。
そんな作品がオスカー獲ってくれてうれしいかな。
暗いニュースが続くこのごろですから。

サイレント映画界の人間模様をサイレントで見せるというだけでも面白いのに、夢の中では音がするという真のサイレントにあるまじき(笑)トリッキーな表現もあって、とても興味深い作品でした。
ヒロインの一人芝居のシーン、妙に魅力的でしたね。あれはインパクトありました。

SOARさん こんばんは

お返事がすっかり遅くなってごめんなさい。
「物珍しさ」に惹かれて最後まで楽しく観れた作品で
この満足度ならオスカーもありかな・・と。

>夢の中では音がするという真のサイレントにあるまじき(笑)トリッキーな表現もあって、
ところどころ有音にしていたのが
とても効果的で面白いと思いました。
ヒロインの一人芝居,ドキドキしちゃいました。
妙にエロティックで・・・。

こちらにも。正直わたしはアカデミー作品賞にノミネートされた作品では『戦火の馬』が一番よかったです。でもまあこちらが作品賞を取ったのもわかる気がします。なにより今の時代にあえてサイレントをやろう、というチャレンジ精神というか心意気は素晴らしいな、と。
ところでわたしひとつよくわからなかったところがあるんです。ジョージさんが助けられたおまわりさんに再会したあと、急に自殺を図ろうとしますがあれは何がそんなにショックだったんでしょうね? ななさん、わかります?

SGAさん こちらにもありがとう。

作品賞受賞ということで,これだけは劇場で観たかったのですが
観てよかったです。
私の好きなタイプの感動ではないけど
爽やかでハートウォーミングな感動を受けました。

>今の時代にあえてサイレントをやろう、というチャレンジ精神というか心意気は素晴らしいな、と。
うんうん,この作品の魅力は一番はやっぱりこの点ですよね。
希少価値と言うか努力賞と言うか・・・・
それでもお見事な作品でした。

>ななさん、わかります?
いや~~,私もわからなかったですね。
おまわりさんの台詞がサイレントだったので
余計にわかりませんでした。
なんであんなにショックを受けたのかな?

タキシードの場面が好きなんですね。
あれは衣装や腕の長さとかも綿密に計算したカットのような気がしました。
モノクロ&サイレントということで、1つ1つを正確に描写しないといけませんよね。

rose_chocolatさん こちらにもありがとう。

>衣装や腕の長さとかも綿密に計算したカットのような気がしました。
おお!そうですよね。
そこまでの綿密な準備があったからこその
あの秀逸な場面になったのですよね。
台詞のないサイレント映画が感情を伝えるには
現在の映画にはない技術や演技や計算があったはずですよね。

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