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2011年12月 5日 (月)

黄色い星の子供たち

Cap135_2
ナチス・ドイツ時代のフランス,親独政策をとったヴィシー政権のもと,1942年に起きたヴェル・ディヴ事件(ユダヤ人大量検挙事件)について,生存者の証言を基に製作された真実の物語。自由と啓蒙,人権を謳ってきたフランスが,自国に住むユダヤ人をドイツに引き渡し死に至らしめたこの出来事を,フランス政府は1995年まで,「ヴィシー政権はフランスではない」として長い間責任を認めようとしなかったという。
Cap146
ヴィシー政権時代,ユダヤ人に関する法の制定などによって,身分や権利を剥奪されつつあったフランス国内のユダヤ人たち。1942年7月16日,パリに住んでいたユダヤ人13000人が一斉検挙された。ドイツは当初30000人の検挙を指示していたが,それに抵抗した一部の官僚や警察官たち,当日ユダヤ人たちを匿った一般市民が大勢いたので,予定していた数には至らなかったという。
Cap143
検挙後のユダヤ人たちのうち,子供連れの家族約8000人は,一時的にヴェル・ディヴ(冬季屋内競輪場)に収容される。その後彼らは,フランス国内のドランシーなどの収容所に送られ,成人男子,成人女子,子供の順にドイツへと移送され,絶滅収容所で殺害されることになる。検挙された13000人のうち,生存者は400人だったという。
Cap138

親とともに一斉検挙され,ヴェル・ディヴで飢えと渇きや病気に苦しみ,収容所ではひととき家族と共に過ごせても,その後唐突に親と引き離され,子供たちだけで収容所に取り残されたのち,何もわからないまま死の旅へと連れ去られていった子供たち。

一時的に送り込まれた収容所でも,「まだ,フランスに居るから大丈夫だ。まだ家族一緒にいられる・・・」とフランスを信じようとしたユダヤ人たち。政府がどんなに恐ろしい計画を持っていたか,その時はまだ知る由も無く。
Cap148_2
「逃げて,生きると約束して」と言い残した母の言葉を守って移送前に脱出し,生き残った少年ジョー・ヴァイスマン。検挙から収容所生活までをジョーとともに過ごした親友のシモン・ジグレールと弟のノエル(ノノ)。特に幼いノノの無邪気さと天使のような可愛らしさ。母の死も自分の運命も理解できないノノの無垢な瞳に何度泣かされたことか。
Cap139
最後に子供たちがようやく移送されることになった日,死の収容所へと自分を連れていくトラックに向かって,「ママに会える!」と一番先に駆けていくノノの姿には哀れで涙が止まらなかった。
Cap169
当時のフランス政府の犯した取り返しのつかない大罪。何の罪もない自国民(中にはフランスのために戦った軍人のユダヤ人も多くいたのに)を,死刑執行人に引き渡すような無慈悲な真似だ。こんな事件があったことを,詳細に世界に知らしめてくれただけでも,この作品の意義は大きいと思う。恥ずかしながら私もまったく知らなかった。ヴィシー政権がナチスに協力したことは何となく知っていたけれど。
Cap149
それでも看護婦のアネットをはじめとする,勇気ある人々の行いにもまた,感動させられる作品だ。検挙の日にユダヤ人を匿った多くのパリ市民。通行証を偽造して渡してくれる職人。ドイツ兵に逆らってまでヴェル・ディヴのユダヤ人たちに水を与えた消防士たち。元ジャーナリストのボッシュ監督は,この映画で,ヴィシー政権の罪とともに,ユダヤ人を最後まで守ろうとした勇敢なフランス国民の存在も伝えたかったのでは,と思う。
Cap179
女性監督ならではの感性なのだろうか,登場する子供たちのいじらしさや愛らしさは格別で,こちらもついつい母親目線で鑑賞してしまう。こんな子供たちに苦しみを与えるなんて「仕事だから」と,当時の政府側の人間は冷徹に割り切れたのだろうか・・・・・。戦争が彼らの良心を麻痺させてしまったのだろうけれど。
Cap168_2
突然,強制的に引き離される親と子・・・・
この世にこれ以上の悲劇があるだろうか。
幼い子供にとっては,またその母親にとっては,それは死をも超える痛みだろう。それぞれのシーンでの,子供たちの訴えるようなやるせないまなざしが,いつまでも心に焼き付いて忘れられない。

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コメント

ななさん、こんばんは。
所用で数日出かけておりまして、お返しが遅くなりました。
この映画は大好きなフランス映画であり、ジャン・レノも出演ということもあり公開されるやシアターに駆け込んで観た作品でした。
心にしみる良い映画でしたね。

フランスはレジスタンスに燃えた国でしたからユダヤ人を庇護する彼らの姿には素晴らしいものがありました。

医師ダヴィッド、看護士アネット、二人の想像を超える働きは観る者に感動を与え、主軸となるユダヤ人少年ジョーの存在、そして演じるユゴ・ルヴェルデはトレヴィアンでした。
ラストは泣けました。今年度のマイベストに入れたいです。

margotさん こんばんは!

私もこの作品は予告を観た地点から観たくて・・・
ほんとに珍しく,隣県のミニシアターで上映してくれてて
行く機会をうかがっていたのですが
結局多忙のため行けなかったのでひたすらDVD待ち・・・
私もこの作品は今年のマイベスト10にランクイン決まりです。

>フランスはレジスタンスに燃えた国でしたからユダヤ人を庇護する彼らの姿には素晴らしいものがありました。
検挙時に10000人以上ものユダヤ人を匿ったパリの人々や
あの消防士たちの姿には心を打たれました。

それに子供たちがみんなとてもきれいで可愛らしく
フランスの子供たちってやっぱり
天使かお人形さんみたいだなぁと・・・
ジョー役のユゴくんも素敵でしたが
ノノ役のマチューちゃんの愛らしさも格別でした。

こんにちは♪
この作品、早くも今年のマイベスト入りを確信できるほど、私の中では突き抜けている作品でした。
おっしゃるように、子供たちの姿が印象的に映るのは、
やはり女性監督ならではの感性ですね。
親から引き離される子供たちの姿には、ほんとうに
やりきれなさを感じました。
また、人々の勇気にも頭が下がる思いです。
検挙のことを知らせたり、ユダヤ人を匿ったり、
通行証を手渡したりしたのがばれたら自分たちの身に
危険があるのは百も承知のはずなのに。
歴史的事実を一つ知ることができたのは、大きなことでした。
ご紹介、ありがとうございました。

孔雀の森さん こんばんは!

ご覧になられましたね~~
高評価でとてもうれしいです!
早くも来年のベスト入り決定ですか~~。
そうですね,暗く厳しい現実も描いていながら
やはり作品全体に子供たちへの優しくあたたかい視点が感じられ
これは女性監督の母性のなせるわざかなぁと。
それだけに,親子が引き離されるシーンや
奪われた親をひたすらに恋い慕う子供たちには
胸がつぶれるような思いがしました。
その反面,彼らを命の危険を冒してまで守ろうとしたフランス国民にも
感動を覚えましたね。

この映画を観なければこの史実を知ることはなかったでしょう。
先日まで公開されていた「サラの鍵」もこの事件を扱った作品ですね。

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