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2011年11月24日 (木)

ひまわり

Sophia03_300dpi
まだ映画ファンでなかった思春期の頃に,テレビの洋画劇場で観た。大人の恋愛の機微も戦争の悲哀も何も知らなかったにもかかわらず,なぜか号泣してしまった作品。人生の深みも痛みも,狂おしい恋も未体験の青少年をも,泣かせてしまうこの名画の魅力は,確かにただものではない・・・。
Cap001
 

戦争によって引き裂かれたイタリアの夫婦の哀しい物語。

ナポリの海岸で激しい恋に落ちた配管工のアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)とお針子のジョヴァンナ(ソフィア・ローレン)。第二次世界大戦が勃発し,12日間の新婚休暇後,狂人のふりをして兵役を逃れようとしたアントニオの努力も虚しく,彼はロシア戦線に駆り出されてしまう。
Cap007

終戦後も戦場から帰らず,消息を絶ったアントニオの生存を信じて,ジョヴァンナははるばるロシアまで赴く。しかしようやく探し当てた夫は,酷寒の戦場で生死の境をさまよう体験で記憶を無くし,命の恩人のロシア娘と結婚し,可愛い子供までもうけていた。傷心を抱えて逃げるようにイタリアに帰ったジョヴァンナのもとに,数年後に今度は記憶を取り戻したアントニオが訪れるが,ジョヴァンナには既に新しいパートナーと子供がいた…。
Cap015

当時初めて観たときは,マストロヤンニはただのおっさんに見えたし,ソフィア・ローレンは,すぐにけんか腰に怒鳴る,こわいオバサンにしか見えなかった。その上,お話が半分しか記憶に無く,後半の,アントニオがジョヴァンナに逢いに行くシーンからエンドロールまでは,全く覚えていない。この作品は,ロシアの田舎駅での別離のシーンで完結していたと,長い間記憶違いをしていた私は、残りの場面は眠っていたのだろうか?

Cap013
・・・・それはさておき,そんな浅い理解力しかなかった小娘の私でも,あのドラマティックで哀愁溢れるテーマソングを背景に,駅で二人が別れるシーンでは涙が止まらなかった。そしてあの,風に揺らぐ地平線まで続く一面のひまわり畑。愛し合っているのに添い遂げられなかったアントニオとジョヴァンナ,ふたりの運命を根こそぎ変えてしまった戦争,彼らを縛る現在の家族としがらみ・・・・・
Cap031
誰が悪いわけでもなく,すべての幸せを破壊したのは戦争。どんなに理不尽で苦しくても,どうしようもないことってあるのだな・・・と,私に初めて教えてくれた恋愛映画が,これだったような気がする。嵐の夜のジョヴァンナのアパートでの再会シーンで,彼からの新婚のプレゼントだったイヤリングをつけて迎えるジョヴァンナと,遅すぎたロシア土産の襟巻を渡すアントニオの,口には出せないそれぞれの想いが切なかった。

口に出せない思いを残して二人が駅で別れていくシーンは二つある。ひとつはロシアの片田舎の駅,そしてもうひとつはミラノ駅。
Cap040
汽車で去っていくのは,ロシアの場面ではジョヴァンナで,ミラノ駅ではアントニオだ。いたたまれない気持ちで汽車に飛び乗るジョヴァンナを,アントニオが唖然と見つめるロシアのシーンも,胸がつぶれそうな思いになったが,ラストのミラノ駅で,万感の思いを秘めつつも静かに別れていくシーンは,これが本当にふたりの生涯の別れとなると思うだけにやるせなさは言いようもない。
Cap045
汽車の窓からジョヴァンナを見つめるアントニオの痛切な表情。二人の視線はしっかりと絡み合ったまま,やがて汽車が動き出すと同時に感極まったように号泣するジョヴァンナに,こちらもいつ観ても号泣してしまう。
Cap048

※卵24個を使って作るスパニッシュ風のオムレツのシーンも初見時から覚えていた。え~,あんな作り方のオムレツもあるんだ!と印象的だったから。今では私も時々このオムレツを作る。卵は6個くらいしか使わないが・・・中にポテトや玉ねぎ,ベーコンなども入れて。映画と同じようにフライパンにお皿でふたをしてひっくり返す。食べるたびにこの映画を思い出す・・・・。
Cap005

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映画 は行」カテゴリの記事

コメント

ななさん、こんにちは♪
本当に、観る映画がかぶらなくて(苦笑)
この作品も実は未見なの(汗)
父が好きな作品ですし、名作ですから、いつかは観ようと思ってはいるのですが、私の好きなエンタメ作品じゃないから、なかなか鑑賞できなくて(汗)

いつかは、観たいとは思っているので、ななさんの感想は、ななめ読みさせて頂きました。
私が観たら、号泣しそうだわ(汗)

今日の夕食は、かに玉なんですが、スパニッシュオムレツ食べたくなりました^^

師走に向かっていろいろとお忙しいと思いますが
ななさん、体調に気をつけてね(^^)

ひろちゃん こんばんは!
コメントありがとう~~ ほんとに被らないね・・・
というか,最近私が全く劇場で新作観てないので
旧作DVD,それもマイナーものや
超旧作ばかりの記事が続いてるからなぁ。

冬休みになったら少しは劇場に行くかも・・・
でも被らなくても遊びに来てくれて嬉しいですhappy02
この作品,お父様がお好きなんですね~
お父様世代だと,リアルタイムで劇場でご覧になったかな?
「自転車泥棒」とか「終着駅」とかの監督さんの作品だから
泣かせるツボは心得てて,ほんとにクライマックスのシーンは
音楽の効果もばっちりで誰しも涙腺が緩むと思いますよ。
「ちょっと泣いてデトックスしたいな~」と思った時に
必ず選ぶ映画です。

スパニッシュオムレツ美味しいですよね。
オリーブオイルをたっぷり使って作ります。
でもカニ卵も大好き~~
卵料理って目がないんですよ,わたし。

ななさん、こんばんは。
この作品って、確かに前半部分はわりとドタバタなんですよね。だから、私も当初観始めた時は「これが名作か・・・」と思ったのですが、途中からの怒涛の展開に涙が止まらなかった記憶があります。
ななさんのレビュー読んでいたら、またそれが思い出されてちょっとうるうるしてしまいました。
ジョヴァンナも、アントニオも、そしてロシアの奥さんも、誰も悪い人がいないだけに、切ないお話でしたね。

mayumiさん こんばんは

そうそう,この作品,出だしの恋人たちのシーンは
ドタバタだし,ちっともロマンチックな雰囲気じゃないし
ジョヴァンナはやたらと気が強そうだし・・・・
私も「ふーーーん?」なんて思いながら観てて。
でも彼女がアントをロシアに探しにいくあたりから
激しすぎる彼女の性格も容貌もしっくりと来て
そしておっしゃるように怒涛の展開に涙,涙・・・・。
マストロヤンニのちょっとくたびれたセクシーさも
後半の彼の苦悩する姿にはぴったりでした。
ロシアの奥さんも可憐で,
アントニオを一途に愛している様子が伺えて
ほんとに誰も悪くないのに・・・と切なかったです。

ななさん、こんにちは!
これは~~!!思わず反応しちゃいました。
私も、ななさんと同じだったの。子供の頃見て、ずっとブランクがあったんだけど、先日BSで放映してくれたのを、何十年ぶりに見た!
昔見た時の印象と、今見たのとでの感想の変化、ななさんの感想読みながら、同じ!って箇所が一杯あったわ(^0^)

>それはさておき,そんな浅い理解力しかなかった小娘の私でも,あのドラマティックで哀愁溢れるテーマソングを背景に,駅で二人が別れるシーンでは涙が止まらなかった。そしてあの,風に揺らぐ地平線まで続く一面のひまわり畑。

そうそう。これに尽きるよね。
昔も、そして今見ても、オープニングの音楽と、上記の部分、それらは素晴らしいって思ったわ。

ななさん、こんばんは^^
私も思わず反応しちゃいました。
随分昔に観たっきりなんですが、あのひまわり畑を泣きながら帰るシーンがラストじゃなかったんですね(爆)
その後があったんだぁsweat01
これはもう一度観なおさなきゃいけないです(笑)
オムレツ!そうでした、記憶が甦ってきました。

この二人のコンビの「昨日・今日・明日」も面白かったと記憶してますが、こちらもすっかり内容、忘れてます^^;

latifaさん こんばんは!

反応してくださって嬉しいです!
そうですか~,latifaさんも昔の印象と
今観たときの印象が違うのね~
これは本来は「オトナの悲恋もの」だから
それに戦争の背景とかしっかり把握してた方がいいし・・ってこともあって
青少年には完全に理解は無理なんでしょうね。
それでも泣くところではしっかり泣けちゃうって
「一番言いたいこと」はちゃんと世代を越えて伝わるんだから
凄いパワーのある作品なのかもしれません。

>昔も、そして今見ても、オープニングの音楽と、上記の部分、それらは素晴らしいって思ったわ。
音楽(マンシーニ?)の力は大きいでしょうね。
ドラマティックで哀愁たっぷりのあの旋律・・・一度聴いただけで大好きになりました。

おお,なんと!
ちーさんも私と同じ勘違いを~happy01

>あのひまわり畑を泣きながら帰るシーンがラストじゃなかったんですね(爆)
>その後があったんだぁ
もしかしてそこで本当に
ぶった切ったTV放送を観たのかな?二人とも・・・
まさかねぇ。
でもこれを観たのは深夜に近い時間帯だったから
あのロシアの駅の別離のシーンで,「これでジ・エンド」と
私が勘違いしてもう寝ちゃったのかも・・・。

そうそう,その後があって,その後のお話の方が
私たちの年代には
より深い切なさが感じられるかもしれません。
失った年月や生活の重みって,
もう取り返しがつかないんだなぁって
そんな悲しさを感じるのですが,そんな気持ちは
思春期には到底理解できませんでしたから。
年取ってから再会し,それでも別れるしかない二人って
その辛さやどうしようもない事情は,
私のように中年を過ぎるとよくわかります。

ちーさん,もうすぐジェイに会いに行きますよね!
またお土産話をよろしくね!

こんばんは。

ソフィア・ローレンの映画できちんと観たと言えるのは恥ずかしながら本作くらいです。

>これが本当にふたりの生涯の別れとなると思うだけに

ここを読んでて胸にこみ上げるものがありました。

拙ブログでも過去にちょっとだけ触れたことがあるのですが、ソフィアの育った家庭は貧しく、それでも「大女優になる」という夢をノートに書き綴り、結果的に彼女は夢を実現させたそうです。
いろんな国々で年代や性別を超えて今なお多くの人たちを魅了してやまない本作を、彼女は立派に演じたのですね。(しみじみ・・・)



ぺろんぱさん こんばんは!

私もソフィア・ローレンの作品,これっきゃ観てないです。
マストロヤンニの作品もこれしか観てないや・・・・
このお二人以外の配役は,この作品は考えられないけど。
でも不思議とふたりのファンにそれからなったりはしなくて
あくまでも「この作品」のお二人に魅了されました。
ソフィアの激しさとマストロヤンニの中年の色気・・・
決して今風の爽やかイケメンと美女ではないのに
このドラマティックな悲恋物語の主人公たちとして
とてもピッタリだったように思います。
演技力やオーラもあるのでしょうね。

>いろんな国々で年代や性別を超えて今なお多くの人たちを魅了してやまない本作・・・・
そうですよね。万人の胸を打つ作品だと思います。


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 1970年/イタリア  監督/ヴィッドリオ・デ・シーカ  出演/ソフィア・ローレン      マルチェロ・マストロヤンニ  ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの共演作の中で最高傑作と言われる今作。監督は「自転車泥棒」「終着駅」のヴィットリオ・デ・シーカ。  第二次世界大戦。厳しい戦局の中、ロシアへと出兵し、消息を絶った夫のアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)の生存を信じる妻のジョヴァンナ(ソフィア・ローレン)は、夫を捜しにロシアへと旅立つ。彼女はようやく彼を探し出... [続きを読む]

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