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2011年6月14日 (火)

アナとオットー

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どちらから読んでも同じ名前のふたり,アナ(ANA)とオットー(OTTO)。巡り会うべくして出会った運命の相手との間に繰り返される,すれ違いと偶然の奇跡を描いた,なんともピュアで鮮烈な愛の物語・・・これは隠れた名作だ。この度ようやくDVD化された。

Cap004
両親が離婚して母と暮らすオットーと,父と死別したアナ。子どものときに出会った瞬間から,運命を感じて惹かれ合った二人。
やがてオットーの父とアナの母の再婚によって,二人は義兄妹となる。アナと暮らしたかったオットーは,母親との暮らしを捨てて再婚した父の家庭に転がりこむ。

やがて二人は,親の目を盗んで結ばれる。夜中にアナの部屋に窓から通うオットーが,そのまま朝まで寝過ごして慌てる日もあったりして…。
Cap007
思春期から大人へと移りゆく季節,義兄妹であり恋人でもある二人は,このままずっと一緒に寄り添って,ともに人生を過ごすのだろうと思っていたかもしれない。

しかしそんなある日,一人暮らしのオットーの母が突然の死を迎え,オットーは「母を独りにした」という自責の念から,アナの家族の元を去る。
Cap014
それから数年間,二人の人生は別々の道へと。傷心のオットーは自分の住所も仕事もアナたちに知らせず,一方アナは教師の道へと。それぞれに一時的な恋の相手も現れる。それでも二人の心の中にはやはりお互いが生きていて・・・・,後半,まるで「君の名は」みたいに,逢えそうで逢えないすれ違いを体験しながら,物語はスペインから北極圏のフィンランドへと舞台を移す。

スペイン映画=赤というイメージとは正反対に,この作品の全編を彩るのは,ひんやりとした透明感のある「青」。オットーを演じたフェレ・マルティネスの繊細な表情と,アナを演じたナイワ・ニムリの情熱的な黒い瞳。二人の間に起きた同じ出来事が,アナとオットー,それぞれ異なった視点から交互に語られる。

Cap017
運命の相手
互いのために作られた相手
ソウルメイト。
たしかにそんな二人ならば,どんなに離れていても,また運命の糸によって引き寄せられるに違いないと・・・・そんな愛の神秘についていろいろと考えさせられる物語だった。それだけにラストがハッピーエンドでなかったのが納得いかないけれど。

Cap018
鑑賞後は,哀しいけれど美しい余韻が,静かに胸に満ちてきた。

たったひとりの運命の相手,それがハッピーエンドで結ばれない相手だとしても巡り合ってみたいと,そんな感傷的な気持ちにさせられた物語。

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映画 あ行」カテゴリの記事

コメント

こんにちは♪
先日はお気遣いのコメントありがとうございました。
やっとこの映画DVD化しましたね。うれしい。
運命をテーマにした映画ってよくあるけれど、
その中でも私はこれが一番好き。
やっぱり、幻想的なイメージ魅力なのかな。
いろいろな伏線で繋がっているのも
素敵でしたよね。スペインって確かに赤いイメージよね、それがこんな青っていうイメージの映画になっちゃうんだから不思議。
<たったひとりの運命の相手,それがハッピーエンドで結ばれない相手だとしても巡り合ってみたい>
う~~ん、ななさんの言葉に感動しちゃったよ。
信じられる純粋さも失いたくないよね☆

みみこさん こんばんは

体調はその後いかがですか。
この作品は最近までその存在すら知らなかったけど
たまたま「名作のDVD化」って知って
内容が私好みだったから観てみたのね。
掘り出し物!でした。
運命の赤い糸とか,すれ違いとか私も好きなテーマだけど
この作品は雰囲気がいいですね。
あと,俳優さんもよかった・・・。ナイーブな感じで。
北欧の作品かと思いながら観て
スペイン映画だったのでびっくりしたわ。
たった一人の運命の相手って結ばれて当然と思っちゃうけど
こんな風に切ない運命もあるんですよね,リアルでも。
それでも出会わないよりは出会ってみたいなって
ハッピーエンドでなくても
体験する悲しみや苦しみも引き受けたいなって
年甲斐もなく思ってしまいました。

ななさん、こんにちは!
この映画、丁度上にコメントがある、みみこさんからブログ開始した当時に教えてもらったの。
ずっと見たくて、でも見れなくて・・・。
今回見れて、ほんとうに嬉しかったー。
内容といい映像といい、凄く好きな映画で、今年のベスト10に必ず入って来そうです。

ななさんは、ラストが・・なのね?(^^ゞ
解るわぁ~。あそこは是非ハッピーになってもらいたかったものね。
でも最初のシーンで、なにやらいや~~な予感がしてたので、やっぱりそうか・・・って、少し覚悟が出来ていたのと、アナの妄想シーンで、2人が出会えるショットがちらっと写ったこともあり、私的にはこれでも大丈夫だったわ^^
何度も繰り返して見たい、そんな映画でした。

latifaさん 感想お待ちしていましたよ~

latifaさんもこの作品,お気に入りになったのね!
私も大好きになりました。
そうそう,内容も映像も
そして俳優さんの雰囲気もとっても好きです。
なんかとても繊細でみずみずしくて
切ないラブストーリーですよね。ちょっと現実離れしてるけど
そこがまたいいのかもしれない・・・。
ラストもねぇ,あそこまでいったから
ぜひぜひハッピーエンドになってほしかったけど
結ばれなかったからこその余韻もあるのでしょうね。
そう,何度も繰り返してみたい作品だし
観るたびに新たな発見や感動もありそうな作品だよね。

確かにスペインといえば「赤」というイメ-ジがありますが、この映画の「青」はどこかフランス映画のような雰囲気さえ感じさせてくれましたよ。

ほんと、これは隠れた名作ですね。

にゃむばななさん こんばんは

スペイン映画という雰囲気がなかったです。
とても静謐で…オシャレで。
そうそう,青を基調としているので
それに後半舞台が北欧に移るので
スペインというよりはフランス映画のような雰囲気でしたね。

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