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2011年6月の記事

2011年6月18日 (土)

パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉

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観てまいりました,久々にジャック・スパロウ船長を。実は1作目と2作目は劇場で観たけど,3作目は世間の評判があまりよろしくないと聞いてスルーして,DVDになっても観てなかった・・・ので,お話がわからなかったらどうしよう?とか心配しながら観たけど,素直に面白かった~!!!

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1作目も面白かったけど,その次くらいにこの4作目が好きかな・・・・?お話や登場人物の背景や事情が分かりやすく,あまり考えずにテンポよく楽しめた感じ。前作までは回を重ねるごとになんか雰囲気がドロドロとグロテスクになっちゃって,「登場人物,敵も味方も風呂に入ってから出直してくれ~」と思ったものだけど,今作は全体のトーンが明るく観やすくなったような・・・なるほど,監督さん変わったんだ。

例によって下調べ皆無で観たので,始まってしばらくして,「あれ?オーリーもキーラも出てないのね?」なんて頓珍漢な独り言を心の中で呟きながら・・・・
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でも,その今作のヒロインのアンジェリカを演じたペネロペ・クルスがカッコ良くて,美しくて!ふ~~~ん,ジャックの元恋人,そして今は一応敵・・・みたいなキャラ設定なのね。このふたりの駆け引きがまた面白い。

今回のジャック船長の冒険のターゲットは,寿命を延ばす「生命の泉」。言い伝えの聖杯(インディ・ジョーンズみたい)に泉の水を入れ,人魚の涙を加えてで奇跡を起こす・・・というもの。

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だからもちろん今回登場する異形のものは,人魚!妖しく美しく船乗りたちを誘惑するけれど,実は人間を海の底に引きずりこんで食らう,というモンスター。彼女たちが乗組員たちを襲うシーンはこの作品の売り場面のひとつですね。ジャックたちに同行していた宣教師青年が美しい人魚シレーネに恋をして,最後にゃ海の底に「駆け落ち(心中か?)」しちゃう場面も個人的には好き。

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そしてジョニーの演じるジャック・スパロウの魅力はやはりバリバリ健在で。いろんなコスチュームキャラがどれもハマるジョニーだけど,やっぱりこのジャック・スパロウの衣装をまとい,しなやかで俊敏な身ごなしで,食えないキャラクターを飄々と演じているジョニーが一番好きだなぁ。
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似合いすぎ~~~。

今回はちょこっと「恋心(屈折しているが)」まで見せてくれるジャック船長,なんか今までの彼とちがってかわゆいなぁ~とも思ってしまった。

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ジャック船長の宿敵バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)は,今作では悪役というより「善い役」の匂いが・・・。最後にはジャックと手を携えて共通の敵「黒ひげ」を倒したりして,なかなかカッコいいではないかい。でもやっぱりジェフリー・ラッシュの存在感はすごいなぁ・・・。

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前作を観てない人も,観たけど詳細を忘れてしまった人も,「あまり難しいことを考えずに」最初から最後まで楽しく観ることができるアトラクション映画に仕上がっていた。

もちろんこの作品に「テーマ」や「深み」は微塵も期待せず,ただただジャック船長とドキドキハラハラの船旅に出かけたかっただけの私には,大満足の作品だった。仕事帰りのレイトショー鑑賞だったので,少しでも退屈な場面があると睡魔につかまってしまうのは避けられなかったのに,最後まで眠くならずに楽しめましたよ。アトラクションと割り切って楽しむことをお勧めします!

2011年6月14日 (火)

アナとオットー

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どちらから読んでも同じ名前のふたり,アナ(ANA)とオットー(OTTO)。巡り会うべくして出会った運命の相手との間に繰り返される,すれ違いと偶然の奇跡を描いた,なんともピュアで鮮烈な愛の物語・・・これは隠れた名作だ。この度ようやくDVD化された。

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両親が離婚して母と暮らすオットーと,父と死別したアナ。子どものときに出会った瞬間から,運命を感じて惹かれ合った二人。
やがてオットーの父とアナの母の再婚によって,二人は義兄妹となる。アナと暮らしたかったオットーは,母親との暮らしを捨てて再婚した父の家庭に転がりこむ。

やがて二人は,親の目を盗んで結ばれる。夜中にアナの部屋に窓から通うオットーが,そのまま朝まで寝過ごして慌てる日もあったりして…。
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思春期から大人へと移りゆく季節,義兄妹であり恋人でもある二人は,このままずっと一緒に寄り添って,ともに人生を過ごすのだろうと思っていたかもしれない。

しかしそんなある日,一人暮らしのオットーの母が突然の死を迎え,オットーは「母を独りにした」という自責の念から,アナの家族の元を去る。
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それから数年間,二人の人生は別々の道へと。傷心のオットーは自分の住所も仕事もアナたちに知らせず,一方アナは教師の道へと。それぞれに一時的な恋の相手も現れる。それでも二人の心の中にはやはりお互いが生きていて・・・・,後半,まるで「君の名は」みたいに,逢えそうで逢えないすれ違いを体験しながら,物語はスペインから北極圏のフィンランドへと舞台を移す。

スペイン映画=赤というイメージとは正反対に,この作品の全編を彩るのは,ひんやりとした透明感のある「青」。オットーを演じたフェレ・マルティネスの繊細な表情と,アナを演じたナイワ・ニムリの情熱的な黒い瞳。二人の間に起きた同じ出来事が,アナとオットー,それぞれ異なった視点から交互に語られる。

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運命の相手
互いのために作られた相手
ソウルメイト。
たしかにそんな二人ならば,どんなに離れていても,また運命の糸によって引き寄せられるに違いないと・・・・そんな愛の神秘についていろいろと考えさせられる物語だった。それだけにラストがハッピーエンドでなかったのが納得いかないけれど。

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鑑賞後は,哀しいけれど美しい余韻が,静かに胸に満ちてきた。

たったひとりの運命の相手,それがハッピーエンドで結ばれない相手だとしても巡り合ってみたいと,そんな感傷的な気持ちにさせられた物語。

2011年6月 7日 (火)

太陽に灼かれて

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黒い瞳
や,12人の怒れる男の巨匠,ニキータ・ミハルコフの1994年の最高傑作。このたび16年ぶりに続編の「戦火のナージャ」製作に当たって本編もDVD化されたので購入!ミハルコフ監督作品は「12人~」しか観ていないのだが,実は私は「イースト/ウェスト 遥かなる祖国 」以来,オレグ・メンシコフが大好きなので。   

Cap101
1936年の夏,10年ぶりにマルーシャの家にやって来た,かつての恋人ドミトリ(オレグ)。マルーシャは彼が去った後,ロシア革命の英雄コトフ大佐(ミハルコフ)の妻となり,ナージャという愛くるしい娘をもうけていた。突然のドミートリの出現に心を揺らせるマルーシャ。そしてドミトリの出現によって何かを覚悟するコトフ大佐。
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「ずっとここに帰って来たかった」と微笑み,ピアノを弾き,ダンスを踊り,一緒にサッカーに興じ,娘のナージャを可愛がる陽気なドミトリ。しかし彼は実は,スターリンの秘密警察の一員であり,突然の帰郷にはある目的があった

マルーシャをめぐる二人の男性の,政治的な背景も絡んだ愛憎劇。セリフで多くを語らない3人の秘めた心のうちが,わずか一日という設定の中で徐々に明らかになってゆく。
Cap068
燦々と降り注ぐ太陽の光に彩られたロシアの黄金色の大地と,そこに暮らす人々の牧歌的な雰囲気が大変のどかで美しい。しかしだからこそ,そんな平和な田舎にも忍び寄る,スターリンの大粛清の嵐は,言いようのない悲劇性を帯びて,観客の胸に重く切ない余韻を刻み付ける。

Cap112
イースト/ウェスト~」でもオレグのピアノ演奏シーンや社交ダンスシーンにうっとりしたが,本作でもピアノを弾く彼とタップを踊る彼が楽しめる。しかしなんといってもやっぱりその演技力が圧巻で,強烈なキャラでもあるゆえか,終始一貫して彼の存在感が際立つ物語だ。

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この作品のオレグは,中盤から正体を露わにし,さながら天使から悪魔へと大変貌を遂げる。かつて愛した女性の,幸せな生活を根こそぎ崩壊させる使命を帯びて,切望していた帰郷を果たすドミトリ。

ドミトリには恋人を奪われた怨念を晴らすための,秘めた復讐心はあったのか・・・それともやはりこれは彼にとって非常な心の痛みを伴う使命だったのか・・・。いやいや彼には選択の余地などなく,これは悲劇的な宿命としか言いようのないものだったのだろうか。
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ラストのあのシーン・・・・浴槽につかって手首を切るドミトリの虚ろな表情は,彼の心境を雄弁に語っているような・・・(しかし,続編でまた登場する彼。え?自殺していなかったの?未遂?・・・・それを言うなら処刑されたはずのコトフ大佐も,実は脱走して生きていた,という設定に続編ではなってるらしい)

美しい風景の中に漂う不気味で不穏な空気・・・・そんな中で唯一,天使のように汚れを知らないナージャの可愛らしさ,無邪気さが涙を誘う。
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ナージャを演じたのは,ミハルコフ監督の実の娘のナージャ・ミハルコフ。コトフ大佐役の監督とのツーショットは,実の親子ならではの親密で愛情にあふれた雰囲気がにじみ出ていて,それにやはり親子なのでどことなく似ている。

続編では成長したナージャを,やはり成長した彼女が演じているそうな。こちらは舞台が第二次世界大戦で,生き別れていた父娘の再会を掛けた絆の物語だそうで。またまたオレグにも会えるし,ぜひ鑑賞したいなぁ。ただ,壮大さや迫力は続編の方が上かもしれないが,切なさは絶対この本編が勝ってるだろうと思う。

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