フィリップ、きみを愛してる!
ええ〜,これって実話 とまず仰天。
たったひとこと「愛してる」と恋人に伝えたい,ただそれだけのために,性懲りもなく詐欺と脱獄を繰り返すIQ169の天才詐欺師スティーヴン。嘘みたいな彼のエピソードがみんな実話とは!実在のスティーブン・ラッセルは,実際に懲役167年を科せられて,今もテキサスの刑務所で服役しているそうで。
ジム・キャリーとユアン・マクレガー。このお二人が同性愛の恋人たちを演じる,というだけでも楽しいではないか。(取り合わせの妙が・・・ねぇ)
主人公のスティーブンは,天性の嘘つき。れっきとした犯罪者なのに,詐欺の理由が「恋人に贅沢させたい」一念という彼の生き様は,可笑しくもあり切なくもあり,「なかなか,いいやつじゃん」とか応援してしまう。
先の読めない驚愕の展開(特にその詐欺っぷり!)にハラハラワクワクしながら観て,そしてやっぱり鑑賞後は「実話なんだよね〜,ほんとにこんな人いるんだ」とため息が。
こんな強烈なキャラクターを,ジム・キャリーが,時にはシリアスに,時にはコミカルに,そして時には,お得意の胡散臭さ全開の表情で演じている。
そしてお相手のフィリップ・モリスを演じたユアンの上手さ!いや〜,のけぞりました・・・・可愛いです。しぐさや表情が完全にオネエになっている・・・・!ジム・キャリーをうっとりと見つめる彼のキュートで優しい表情ときたら,まさしく乙女で,なんでこんなに器用なんだ,このひとは。
このユアンの可愛さを見るだけでも,
この作品は一見の価値がありますよ。
最初から詐欺のオンパレードのお話なのだが,ラスト近くのスティーブンの一世一代の大芝居には私も騙された。しかしこれも,やっぱり実際にやったんだなぁ,実在のスティーブン,凄いです。そしてきっと服役している今も懲りてないんだろうなと,呆れつつ感動もしてしまう。
これはラブコメのジャンルの作品だ。とにかく楽しいので観て損はないと思う。ハッピーな気持ちになれる。同性愛描写はあるがそんなに重くなく,どちらかというとコミカルで,キスシーンやダンスシーンは,むしろロマンチックで綺麗。(もちろんお二人の役者魂に感服はしますね。)
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ななさ~ん!こんばんはです。
これすっごく個人的には好きです。あまり期待せずに行ったぶん、めちゃくちゃ楽しめました。
冒頭の雲の妄想ですでに笑ってましたけど、全編通して楽しくて笑えて。時にほろっとするエピソードもまじって。何よりこれが実話に基づいてるってのが…あれだけの頭脳と才覚が他に生かせないあたりが、やっぱり「天才的」な詐欺師なんでしょうね。
ジム・キャリーも上手いですねえ。でもユアンの可愛さは私も衝撃でした。ほんとに可憐な乙女でしたよね。ものすっごいなよなよしてるとか、これみよがしに女性のしぐさを見せるとかはないんですけど、目が!目がもう恋する乙女で。
刑務所で移送されるスティーブンを追っかけるユアンはどこから見ても立派な女の子でした。
最後のスティーブンの行動…それも全てフィリップを愛してて、ただ一緒にいたい、それだけのためなんですよね。不謹慎かもしれないけどあれだけ愛されたり、愛することが出来るのは羨ましいなと思いました。
スティーブンの最初の恋人って「300」で敵の王様だった人ですよね。この方も美形で素敵でした。ラストシーンも好きです。
DVD買っちゃおうかな…
投稿: ろん | 2010年11月17日 (水) 19時57分
ろんさん,こんばんは!
ちょっとお久ですね~。
これ,劇場でご覧になりました?いいなぁ。
切なさと可笑しさのバランスが絶妙で
それでもってこれが実話というからすごいです。
>あれだけの頭脳と才覚が他に生かせないあたりが・・・
実在した天才詐欺のお話っていうことで
私は「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」も思い出しました。
いるんだねぇ・・・ほんとにこんな天才詐欺師が。
ユアンは可憐でしたね・・・もうオジサンなのに
なんであんなに可愛い表情ができるんだろ。
このひともカメレオンですねぇ。改めて感服いたしました。
そうです,目の表情が・・・恥じらっている乙女そのものでした。
>スティーブンの最初の恋人って「300」で敵の王様だった人ですよね。
そうです,あのクセルクセス大王役の人です。
ロドリゴ・サントロさんだったかな?ブラジルの方ですね。
綺麗な筋肉してましたね…プールのシーン。
投稿: なな | 2010年11月17日 (水) 20時27分
こんにちは。
ちょっとご無沙汰しておりました~。
一枚目の画像、二人がハートマーク作っているポスターデザイン?初めて見ました!コレかわいいですね!
いや、かわいいのは言わずもがなのユアンですが……
あのオカマっぷり、見事ですよね。指先とか走り方とかもう可笑しくって!
いやでもキュートでたまりません。なりきり演技凄いです、ユアン。
最後わたしもすっかり騙されました。
これ本当に実話っていうのが驚きですね。
塀の中に閉じ込められているはずなのに、悲壮感が映画から全く伝わってこないのが良いです。
今でもフィリップの笑顔を青空に描いているんでしょうね……
投稿: リュカ | 2010年11月17日 (水) 23時54分
リュカさん こんばんは!
あ,リュカさんに言われて初めて
二人がハートマーク作ってるって気がついた!
いやぁ,可愛いね。
刑務所の制服姿なのがまた変にキュートです。
刑務所にいるのにどっちも幸せそう・・・っていうのもいいね。
この作品,バックに流れるラブリーな癒し系の音楽もまた好きでした。
>塀の中に閉じ込められているはずなのに、
>悲壮感が映画から全く伝わってこないのが良いです。
けっこう大変な人生なのに
悲壮感が感じられない主人公スティーブン・・・
それは演じるジム・キャリーのせいなのか
実在したスティーブンもこんなキャラなのか。
とにかくここまで突き抜けられると
清々しくっていけないわ!
投稿: なな | 2010年11月18日 (木) 21時18分
ななさん、こんばんは
今年もまだ少し残ってますけど、ミニシアター系作品のマイベストはこれと『プチ・ニコラ』になりそうです
本当にユアンもそろそろいいオヤジのはずなのに、大した乙女っぷりでありました。そしてジム・キャリーとあんなことやあんなことや。彼らの役者魂にほとほと感服いたしました
わたし前もって「現在服役中」というの読んでいたのに、終盤本当にスティーブンが死んでしまったと思って不覚にも泣きそうになりました。それがすぐ次のシーンで「はーい」ですから。オレの涙を返せ(笑)
投稿: SGA屋伍一 | 2010年11月18日 (木) 23時11分
SGAさん こんばんは
最近忙しくはないのですが
別のことに気が取られてブログを放置気味で
ご心配をおかけしておりますが
このブログに関しては閉鎖とかはまずないと思うので
末永く見守っていてやってくださいませ。
で,この作品SGAさんがえらく気に入られたようで
私も嬉しいですわ。
「プチ・ニコラ」もとっても気になるところ・・・。
>ユアンもそろそろいいオヤジのはずなのに、大した乙女っぷりでありました
そうなんですよ~
若くないのにあんな恋する少女の表情ができるユアン
すんごい俳優さんだと思いました。
私もスティーブン死んじゃったと思いましたよ。
そして「はーい」の場面では
ユアンと同じく「最低!」と怒り狂いたくもなりました。
でも実際に恋人がそこまでして会いに来てくれたら
私もメロメロになってしまいますね・・・。
投稿: なな | 2010年11月19日 (金) 00時49分
こんばんは。
コメントとTBをありがとうございました!(*^_^*)
>お得意の胡散臭さ全開の表情
そうそう!
派手なスーツに光モノで、っていういでたちが実に似合ってました。胡散臭過ぎて!^^;
>ハッピーな気持ちに
そうですよね。
そして、こんなにも人を愛せるスティーヴンが羨ましかったです。
投稿: ぺろんぱ | 2010年11月19日 (金) 19時49分
私もラスト近くの展開には完全に騙されましたー
「えー!!」って声出ちゃったもん。思わず。
確かに詐欺は悪いことだけど、スティーブンラッセルさんが脱獄を繰り返すのは愛ゆえなのだから
懲役167年とかそんなのもう許してあげてほしいです。
物語は驚きの連続で、ユアンのかわいさにも驚き。
おねえっぷりが絶妙なんですよね〜
だからかわいい♪
投稿: kenko | 2010年11月19日 (金) 20時15分
ななさん、こんにちは~!
最初のポスターかな?ハートの形をしてる写真、これは初めて見ました。凄く可笑しくて面白い画像ですね♪
この映画はテンポも良くて、2人の役者さんの演技っぷりも凄いし、しかも実話!ホントに凄く楽しめた映画でした。今年見た映画の中でも、かなり面白さ度上位に来てる映画です。
PS 祖谷渓谷の秋の沢山の写真も、楽しく拝見させて頂きました~。とっても綺麗。
今年は例年になく、紅葉が綺麗な年だそうですね。
投稿: latifa | 2010年11月20日 (土) 11時27分
ぺろんぱさん こんにちは!
ジム・キャリーって,オーバーアクションでコメディを演じているのが一番ハマる俳優さんだと思うんですが,何でもこなせる器用な役者さんですね。確かに面白いけれど切ない役でもありました。
あんなにも人を愛せるのもひとつの才能ですが,それに自分の全てをつぎ込むスティーブンはすごいです。あえて「素晴らしい」とは言いませんが…┐(  ̄ー ̄)┌
投稿: なな | 2010年11月22日 (月) 09時22分
kenkoさん こんにちは!
騙されましたよね〜。
でもビックリもしたけど嬉しい驚きで
きっとユアンのフィリップも
同じ気持ちになったでしょうね。
殺人でもないのに
懲役167年ってねぇ〜。
楽しいしちゃんと感動もする
まさにハートフルな作品でしたね。
投稿: なな | 2010年11月22日 (月) 09時27分
latifaさん こんにちは!
この作品のポスターは何種類かあって
どれも楽しいんですが
特にこのハート型にジャンプしているのは
可愛さ全開でお気に入りです。
私もこの作品,
今年度のランキング上位になりそう。
紅葉の写真にも感想ありがとう。
今年はきっと紅葉を楽しめる期間も
短いとは思うけど見れてよかったわ。
投稿: なな | 2010年11月22日 (月) 10時39分
こんにちは♪
私も皆さん同じく最初のポスター画像に
目がいってしまいましたよ。可愛いよね~~
<ジム・キャリーとユアン・マクレガー
このお二人が同性愛の恋人たちを演じる,というだけでも楽しいではないか>
そうそう!!そうなのよね。
まさかこの2人の組み合わせが実現するとは・・
さらに、愛し合っているし…笑
ラブコメものって、いつも
きまりきった展開だったりするけれど、これは
全然違うものね。涙も感動もあって・・
もう大好き。
悲しい結末だけれど、そう感じさせない主人公の
前向き姿が好きだったわ~~。実話恐るべしだよね
投稿: みみこ | 2010年11月25日 (木) 14時37分
「事実は小説より奇なり」とは言いますが、本当にこんな凄いことをする人がおられることにびっくりでしたよね。
しかしこんな凄い愛を見せられると、これから他の恋愛映画が薄っぺらく見えてしまうことは・・・ありませんでした。
やっぱり男女の愛を描いた映画と同性の愛を描いた映画は微妙に違いますからね。
投稿: にゃむばなな | 2010年11月25日 (木) 22時12分
みみこさん こんばんは
うふふ,トップのポスター,かわいいでしょ・・・
いい年したオジサンふたりがハート作ってねぇ。
>まさかこの2人の組み合わせが実現するとは・・
誰が考えたんだ…この取り合わせって思ったけど
観終わって「たしかに主役はジム・キャリーしかできん!」
と思ったわ。
ユアンは・・・何にでもなりきれるのね。
あの「オビワン」がねぇ・・・。
こんなに先の読めない異質の雰囲気のラブコメ(それも同性愛だし)
初めてで楽しかったわ。
これが実話というのだから,唖然としつつも楽しくなっちゃった。
投稿: なな | 2010年11月26日 (金) 19時43分
にゃむばななさん こんばんは!
>本当にこんな凄いことをする人が
>おられることにびっくりでしたよね。
スティーブンの能力にもキャラクターにも吃驚!
あの才能をもっとほかのことに使えって思いましたが・・・
「世界仰天ニュース」「奇人変人」レベルの人ですよね。
>こんな凄い愛を見せられると、
>これから他の恋愛映画が薄っぺらく見えてしまうことは・・・ありませんでした。
あはは。
たしかにこの二人のケースは特異すぎて
他の恋愛映画と比べられるもんではないですね。
投稿: なな | 2010年11月26日 (金) 19時49分
J.キャリーもE.マクレガーもそのものって感じでしたよね。
ただ同じゲイでも性格が違うということで、
スティーブンはやはり極めてJ.キャリー的でした。
あそこまで一途な思いになれること、それを受け止めること。
ちょっと切ない悲喜劇でした。
投稿: クラム | 2010年11月28日 (日) 01時01分
クラムさん,こんにちは!
>ただ同じゲイでも性格が違うということで
うふふ,性格というよりは
タチ(男役)とネコ(女役)の違いなのかも~~。
>スティーブンはやはり極めてJ.キャリー的でした。
J・キャリーはどうしても本人らしさが出てしまいますよね。
それに比べるとユアンは天晴れ!でした。
ほんとに可笑しいけどほろりとする
喜悲劇でしたよね。
投稿: なな | 2010年11月30日 (火) 23時05分
ななさん、こんばんは^^
こちらでこの映画のこと拝見して、
スティーブンが実在の人物で今も刑に服してるって読んでたのに、
そんなことすっかり忘れてしまって、あの迫真の演技に私も見事だまされてしまいました(笑)
ユアンはほんとに可愛かったです^^
「普通じゃない」のユアンもキャメロンを前にしてオタオタする優男の役で可愛かった記憶が・・
投稿: ちー | 2010年12月 3日 (金) 20時37分
ちーさん こんばんは!
>すっかり忘れてしまって、
>あの迫真の演技に私も見事だまされてしまいました(笑)
あはは,そうですか~
そうだよね,私もきっと知ってても忘れてて
騙されてしまうと思うわ。
ユアン,可愛かったでしょう?
これで彼が若ければそんなに驚かないのだけど
けっこうオジサンなのに
表情が十代の少女なのよね。
いや~,役者ってすごいなぁ,と感動しました。
彼のためにあそこまでしたくなるスティーブンの気持ちちょっとわかるわ。
投稿: なな | 2010年12月 4日 (土) 17時40分