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2010年11月の記事

2010年11月27日 (土)

クリスマス・シネマ

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キリスト教の暦では,いよいよアドベント(待降節)に入りました。クリスマス・シーズンになると思い出したり,観たくなるシネマはいろいろありますが,私の場合は・・・・。

アイズ・ワイド・シャット
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ストーリーもテーマも,クリスマスとはまったく関係ない衝撃的でエロティックなものだが,物語が進行するのが「クリスマスシーズンのある一夜の出来事」なので,私の中では妙にクリスマスとこの作品は結びついている。夜のニューヨークの街並みや,主人公たちの住む高級マンションやクラブなど,どの場面にもみられる華やかなクリスマスの飾りつけがとにかく綺麗で。当時夫婦だったトムとニコールの美しいラブシーンも何度見てもため息が。

クリスマス・キャロル
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クリスマスストーリーの金字塔と言えばこれでしょう。
もっとも私はこのジム・キャリーの作品は観ていないけど。(CGキャラって苦手なので)映画というよりは,この時期になると必ずディッケンズの原作を読み返したくなる。

若草物語
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ウィノナ・ライダーが主演の作品。貧しくとも心豊かなマーチ一家。
4姉妹と母親の間に繰り広げられる美しい物語は,クリスマスの朝から始まる。これ,ローリー青年役に若き日のクリスチャン・ベールが出てる。素敵です(ベールが)
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恋におちて
  記事はこちら
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これもストーリーはクリスマスと関係ないけど,主人公たちの出会いがクリスマスプレゼントを買いに立ち寄った本屋だったことや,別れた後の偶然の再会シーンもまたクリスマスシーズンの同じ本屋だったりして,クリスマスになると観たくなる作品のひとつ。・・・・ま,これは季節を問わず,いつ観ても素敵な作品なんだけど。

スモーク  記事はこちら
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ブルックリンの下町で煙草屋を営むオーギーと,彼の店に出入りする人々の人生模様をさりげなく描いた作品。これはなんといっても,ラストに語られるオーギーと盲目の老婆のクリスマス・エピソードがいい。家族の絆とか,人情の温かさとかについて,しみじみとした感動が味わえる。

皆さんにとって,
クリスマスになると観たくなる映画って何ですか?

2010年11月22日 (月)

ずっとあなたを愛してる

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私の好きな女優さんのひとりである,クリスティン・スコット・トーマス主演のフランス映画。

彼女が演じたジュリエットは,我が子殺しの罪で15年の刑に服した女性。刑を終えた彼女が,フランスにいる年の離れた妹レアのもとに身を寄せるところから物語は始まる。

刑を終えて出所してきた人間に対する世間の風当たりの強さと,更生の難しさ。これはBOY Aでも扱われたテーマであるが,今作はそれに加えて,迎える家族の葛藤や煩悶,そして心の繋がりの回復から再生までを描いた作品だ。

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ほとんどノーメイクのC・スコット・トーマスは,積年の痛みと哀しみを,心の奥にじっと秘め続けてきたかのようだ。その孤独の深さは誰にも理解できないだろうと思わせる,どこまでも暗い彼女のまなざしと,時折見せる,どこかがひどく痛むかのような表情。

彼女自身,肉親にさえも自分の本心を決して見せようとしない。カウンセラー達に何度か発せられる「何が分かるの?」という彼女の台詞からは,同じ痛みを経験したわけでもないのに不用意に触れてほしくない,という彼女の気持ちが伝わってくる。

彼女はなぜ最愛の息子を手にかけたのか。
それは十分情状酌量の対象にもなる理由からだったのに,彼女は法廷でも家族に対しても,一言の釈明もせず,自らを罰する道を選ぶかのように重い刑に服し,その結果血を分けた両親さえも,そんな彼女を見放す。
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そして,殺人者の姉の存在を世間に隠して生きてきた妹のレアは,姉を厭う夫に気を遣いつつ,最初は腫物に触るように姉に接するが,遠い昔の懐かしい姉妹の幸せな記憶が蘇るにつれて,二人の心は次第に寄り添っていく・・・。

言いようもないほどに重いテーマを扱いながらも,おおげさな展開も演出もなく,まるで静かに流れる水のように淡々と進む物語の静謐な雰囲気は,いかにもフランス映画らしい。

ずっとあなたを愛してる。

この邦題の示す「愛」とは・・・・。
自らの手で天に送った最愛の息子への,慙愧のこもった母の愛のことなのか。いやそれよりもむしろ,どんなに拒んでも断ち切れない絆に支えられた姉妹の愛のことなのだろうか。

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ジュリエットとレアが寄り添って座り,ピアノを連弾しながら歌うシーン。その中の歌詞の「むかしからずっとあなたを愛してる。あなたのことは決して忘れない」という言葉。

忘れたわけではない・・・・断ち切られたわけでもない。
ずっと心の奥で想っていた,あなたのことを。

その事実を少しずつ確認してゆく姉妹の姿が心を打つ。

いつだれが陥るかわからない理不尽な災難や,何をもってしても癒しようのないほど深い心の傷。それでもなお「愛してくれる存在」がもたらす奇跡は,ゆるやかに,しかし確実に,ひとを再生の道へと導いてゆくのだろう。ジュリエットの表情に次第に灯がともり,本来の美しさを取り戻してゆくのが嬉しい。

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特にラストシーンの,ジュリエットが息子殺害の真相を初めてレアに打ち明けるシーンは圧巻。それまで彼女がひたすら秘めてきた深い深い悲しみが,打ち明けることで解放されてゆく場面は涙なくしては観れない。

妹のレアの他にも,ジュリエットを温かく見守るミシェルや警部の存在(そして,あの,話さないけど何もかもわかっているかのようなお爺ちゃん!)にも,とても心癒されるものを感じた。人は孤独なようでいても,やっぱり一人ではないんだなと,静かな感動が満ちてくる秀作。姉妹を演じた二人の女優の,繊細な感情を表現した演技が素晴らしい。

2010年11月16日 (火)

フィリップ、きみを愛してる!

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ええ〜,これって実話 とまず仰天。
たったひとこと「愛してる」と恋人に伝えたい,ただそれだけのために,性懲りもなく詐欺と脱獄を繰り返すIQ169の天才詐欺師スティーヴン。嘘みたいな彼のエピソードがみんな実話とは!実在のスティーブン・ラッセルは,実際に懲役167年を科せられて,今もテキサスの刑務所で服役しているそうで。

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ジム・キャリー
ユアン・マクレガー。このお二人が同性愛の恋人たちを演じる,というだけでも楽しいではないか。(取り合わせの妙が・・・ねぇ)

主人公のスティーブンは,天性の嘘つき。れっきとした犯罪者なのに,詐欺の理由が「恋人に贅沢させたい」一念という彼の生き様は,可笑しくもあり切なくもあり,「なかなか,いいやつじゃん」とか応援してしまう。

先の読めない驚愕の展開(特にその詐欺っぷり!)にハラハラワクワクしながら観て,そしてやっぱり鑑賞後は「実話なんだよね〜,ほんとにこんな人いるんだ」とため息が。
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こんな強烈なキャラクターを,ジム・キャリーが,時にはシリアスに,時にはコミカルに,そして時には,お得意の胡散臭さ全開の表情で演じている。

そしてお相手のフィリップ・モリスを演じたユアンの上手さ!いや〜,のけぞりました・・・・可愛いです。しぐさや表情が完全にオネエになっている・・・・!ジム・キャリーをうっとりと見つめる彼のキュートで優しい表情ときたら,まさしく乙女で,なんでこんなに器用なんだ,このひとは。
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このユアンの可愛さを見るだけでも,
この作品は一見の価値がありますよ。

最初から詐欺のオンパレードのお話なのだが,ラスト近くのスティーブンの一世一代の大芝居には私も騙された。しかしこれも,やっぱり実際にやったんだなぁ,実在のスティーブン,凄いです。そしてきっと服役している今も懲りてないんだろうなと,呆れつつ感動もしてしまう。


これはラブコメのジャンルの作品だ。とにかく楽しいので観て損はないと思う。ハッピーな気持ちになれる。同性愛描写はあるがそんなに重くなく,どちらかというとコミカルで,キスシーンやダンスシーンは,むしろロマンチックで綺麗。(もちろんお二人の役者魂に感服はしますね。)

2010年11月14日 (日)

祖谷渓谷の秋

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車で1時間半ほどの距離にある,秘境・祖谷渓谷に紅葉を見に行ってまいりました。ここへは毎年この季節になると一度は出かけます。今日はあいにく曇り空で,紅葉が青空に映える様子は撮れませんでしたが,下界とはレベルの違う色鮮やかさで,冴え冴えとした空気のもと,美しい秋を堪能できました。

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はるか下に渓谷を望む景色は絶景です。

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下界では見れない燃え立つような「真紅」です。

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ここの名物は,祖谷そば,あめごの塩焼き,かずら橋などです。平家の落人の里としても有名です。紅葉はちょうど今が見ごろに入ったところ。立ち寄る機会があれば皆様もぜひ。

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