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2010年7月 2日 (金)

誰がため

Flammencitronen01_2
ただ「生きる」ためなら降伏を。
だが「存在する」ためなら戦いを。


マッツ祭り第2弾は,デンマーク映画のこの作品。
第二次世界大戦中の,ナチス・ドイツ占領下のデンマークで,その勢力に敢然と立ち向かった二人のレジスタンスの生きざまを描いた物語。実在した彼らのコードネームは,フラメンとシトロン。その任務は,レジスタンスグループの上司の命を受けて,対独協力者たちを暗殺すること。
Flammenogcitronen_erik_aavatsmark_2
徹底した反ファシズム主義のフラメン(トゥーレ・リントハート)は祖国を思う純粋で一途な信念から,そして心優しい家庭人でもあるシトロン(マッツ・ミケルセン)は,愛する家族を守るために,レジスタンス運動に身を投じる。

Cap223
そんな二人が,ある標的と対峙したことをきっかけに,自分達の任務に対して次第に疑惑と迷いを感じるようになる。上司が暗殺リストの中に,ナチスとは関係のない者を紛れこませていたことを知って愕然とするフラメン。そして,何よりも守りたかった妻子に活動が理解されずに去られてしまうシトロン。いったい自分たちは何のために,そして誰のために戦ってきたのか・・・・。
Cap237
それでも今更後戻りはできず,信念を貫いて戦い抜く道しか残されていなかった二人は,不純な上層部の駒として動かされることを拒み,彼らの命に背いてゲシュタポの最有力者を狙い,その結果,それぞれ壮絶な最期を遂げることになる。時代に翻弄された二人の辿った道は,まことに哀切に胸に迫ってくるものがあった。

Cap216
フラメンを演じたトゥーレ・リントハート
彼の出演作で日本でも目にすることができるのは,この作品の他はドイツ映画の青い棘(アウグスト・ディールの恋人ハンス役)と,ハリウッド映画の天使と悪魔(ヴァチカンの書庫で窒息しかけたスイスの衛兵役)の2本。「青い棘」ではドイツ語を,「天使と悪魔」では英語を流暢に話していたが,北欧風のお名前だなぁ,と思っていたら,案の定デンマークの俳優さんだった。
Cap239
ちょっと顎がとんがりすぎているような気がしないでもないが,金髪で白皙の,いかにも北欧美男子,というたたずまい。180㎝ある長身は,銃を構えるシーンでもとても絵になる。「天使と悪魔」でも,チョイ役なのに不思議な存在感があったが,この「誰がため」の彼は,演技派でもあることを見せつけてくれた。凛としたところと,デリケートなところが共存している雰囲気がぴったりだ。

Cap240
そして,お目当てのマッツが演じたシトロン

もう~ね,この役はやっぱりマッツしか演じられないでしょ,というくらいはまってた。強さと優しさと,そしてちょっぴり哀れを誘うところ・・・。父親のような包容力もあるのに,不思議とその反面,母性本能もくすぐられてしまう繊細さもある,そんな彼の魅力が全開のキャラだった。

Cap226
殺人に対して強い逡巡を感じていたシトロンが,フラメンが負傷したとき,彼の代わりに標的を倒し,その勢いで妻子のために強盗までしたのに,あっさり妻には三下り半を突き付けられてしまう・・・。

その語の彼は,次第に冷徹な暗殺者の表情を身につけていく。そんな風に,フラメンは最初から最後まで苦渋に満ちた表情が多かったけれど,マッツって,汗と涙がほんとによく似合う。今回の作品では特に。
Tore
フラメンとシトロン。
日常のありふれた幸せをほとんど犠牲にして共に戦い,最後には孤立無援になる二人。彼らにしかわからない苦悩ゆえにか,ふたりの絆は最後まで堅く,シトロンの死の3日後に,フラメンも襲撃の際に自ら命を絶つ。違った時代に生きていればこのような運命を背負わずともすんだろうに,と痛ましい思いがよぎるが,やはりナチの圧政時代に,信念を貫いた人物の物語には,感動を覚えずにはいられないし,このような人々は,きっと欧州各国にまだまだ沢山実在していたのだろうな,とも思った。

Cap254
余談;この映画,いろんな場面でビールbeerがたくさん出てくる。酒場のシーンはもちろんのこと,密談や作戦会議の場でも白昼でもテーブルの上にはビールやワインの酒瓶が。ちょっとググってみたらデンマークはビールの消費大国で,みんなお酒が大好きで,昼間だろうがお仕事中だろうが飲むそうな。ビールも安いらしいし,・・・・・なんとなくうらやましい。

09_11_2303_2
↑オマケ
トゥーレとマッツの仲良しツーショット。劇中ではこんな楽しそうな二人の笑顔は見られなかったけれどね。

 

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映画 た行」カテゴリの記事

コメント

ななさん、こんばんは
マッツ祭りですか(笑) 近所ではそろそろ夏祭りの練習でさわがしくなってきましたが
それと意識せずマッツ出演作品をちょこちょこ見てきたわたしですが、今作のマッツ一番普通という気がしました。ほかの作品では英雄や天才を演じることが多いですよね
シトロンもフラメンも平和な時代だったら、普通に電気屋さんやコックさんをやって、穏やかな一生を送ったことでしょう。でもいざ大事なものが奪われそうになったら、憤然として牙をむく。それがデンマーク男の気質ってやつなんでしょうかね・・・

あと二人とも、本当に女運がないなと(笑) そのへんにも親近感を感じました~

マッツ祭!
この映画は観てないですが、ちょっと気になりますね。
記事を読むかぎり、なかなか感動してしまいそうです。
これは、見たい作品ですね。

こんばんは。

マッツ・ミケルセン、「爽やかな笑顔が似合わない人」っていう私の好きなタイプの観点で語らせていただければ◎!の御方です(*^_^*)。
いえしかし、爽やかな笑顔がバッチリ似合いそうなトゥーレ・リントハートも中々素敵でしたね。(要するに私は誰でもいいのか!?)

マッツさんは普通にされていても多分「哀感」を纏っちゃう感じですよね。ななさんの仰る「母性を刺激」っていうの、分かります(*^_^*)。

ドラマラスに仕上げられているのに、決して現実との乖離を感じさせない、骨太の作品でした。

SGAさん こんばんは

そうなんですよ,世間はそろそろ夏祭りですよね。
でもわたくしはこんな具合に
不定期に「好きな男」祭りをやっております。
マッツ祭りはだいぶ前から開催したかったのですが
今年は特に「タイタンの戦い」以来彼の作品に
触れる機会が多いもので・・・・。

>今作のマッツ一番普通という気がしました。
そうですね~、でも彼って結構普通の役も多いんですよ~。
メジャーでない作品が多いので
知られてないだけかもしれませんが
普通の役で細やかな演技を披露するのが
上手い俳優さんでもあります。
もとアスリート(ダンサーだったらしい)ので
アクション系の派手な役もこなせますが。

フラメンとシトロンの女運の悪さ・・・
確かに!でもSGAさん
そんなところに親近感を感じなくても・・・・
私が彼らの恋人や妻なら
決して裏切ったり捨てたりはしないんですが
実際に彼らは女性には恵まれなかったですね。

ななさん、こんばんは。
レジスタンスというと、フランスのイメージが強いのですが、これはデンマークのレジスタンスのお話。デンマークにレジスタンスがいたなんて知りませんでした。・・・映画ってホント、歴史の勉強になります・・・。

で、フラメン&シトロン。刹那的でビジュアル系のフラメン(笑)と、苦労人のシトロン。正反対そうな二人なのに、お互いに信頼を寄せている姿は良かったですね。

それにしても、雰囲気のある作品でしたね~。戦時中を描いたもので、こういうのはちょっと珍しいかも、と思いました。

亮さん こんばんは

デンマークの俳優さんも映画も
なかなか水準高いですよ。
特にこの物語は史実に基づいているので
歴史の勉強にもなりますね。
ナチスドイツに立ち向かった人々の知られざる話を
またひとつ知ることができた感じです。

ぺろんぱさん こんばんは

>「爽やかな笑顔が似合わない人」っていう私の好きなタイプ・・・
えええ~?ぺろんぱさんのタイプって面白いかも。
たしかにマッツは爽やか系ではないなぁ・・・
シブい系ですよね,どっちかというと。

>普通にされていても多分「哀感」を纏っちゃう感じですよね
そうなんですよね~。あんなに体がデカイのに
深刻そうな憂い顔がよく似合います。
「男は黙って・・・」という感じもするんですが
案外女性に振り回されるキャラクターも多くって
母性本能を刺激されちゃいますわ。
トゥーレも爽やか系というかこの方は童顔っぽいんですが
やっぱりちょっと憔悴したような表情の役がよく似合って
ハリウッドなんかにはいないタイプですね。

mayumiさん こんばんは

ナチスの台頭したところどこでも
実はレジスタンスは存在したのかもしれませんね。
デンマークの歴史なんぞまったく無知だったので
この作品はほんとに勉強になりました。

>ヴィジュアル系のフラメンと苦労人のシトロン・・・
ほんとに。
年齢も10歳ほど差があったようですが
正反対のタイプの二人が親友として
出口がなくても突き進んでいく様子には心打たれました。
ほんと,雰囲気のある作品ですね。この雰囲気大好きです。

こんばんは!
TBありがとう!
さてマッツは一時期夢中になった俳優ですが「タイタンの戦い」でがっくりと来ました。「キング・アーサー」や「カジノロワイヤル」のマッツはクールでしたがね。
わたし的にはしっくりとくる家庭的なマッツが好みです。

デンマークのレジスタンスを描いたこちらの作品は素晴らしかったです。
「天使と悪魔」でスイス衛兵隊が似合っていたフラメン役のトゥーレ·リントハートが光ってましたわ。
デンマーク映画史上最高額の製作費をかけただけあって、ヨーロッパ内のロケーション・シーンも見応えがありました。

margot2005さん こんばんは

わたしも家庭人を演じるマッツが
エンタメ作品のマッツより好きですね~
エンタメ作品は彼でなくても演じられるけど
繊細な家庭人のマッツは
彼にしか出せない味わいがありますからね。

>「天使と悪魔」でスイス衛兵隊が似合っていたフラメン役のトゥーレ·リントハートが光ってましたわ。
そうですね。私もこの作品のあと
「天使と悪魔」をレンタルして
再度彼のスイス衛兵役をチェックしなおしましたが
結構出番が多くって,確かに存在感あります~
厳密には美男子というわけではないのですが
雰囲気やスタイルが好いですね~、トゥーレ。
今後もスクリーンでどんどんお目にかかりたいもんです。

ななさん、こんばんは~♪
今日も暑い暑い一日でしたね・・・
さてさて、ようやくこの作品を観賞できました。
アホな私の頭では、途中出てくる組織の多さを把握しきれず、彼ら二人の対処の仕方も納得する前にどんどんいってしまうという感じで泡食ってしまったのですけど、いい邦題でしたねえ。
ほんまに誰のための?なんのための?という哀しみにため息がでました。
なんだかほっとけない、心配になってしまう二人だし。
おお、まっつ~、私が食べさせてあげるから大丈夫だ!と何度思ったことでしょう!
役者の魅力に寄りかかってちょっと脚本に突っ込みどころが多くないかな?なんてことも感じないわけではなかったのですけど、見ることができて良かったです。
青い棘のハンスは、こんな演技をする方だったんですね~♪
正統派の男前ではないけれど、なんだか目で追ってしまう俳優さんですね☆

武田さん こんにちは

お待ちしていましたよ~
邦題はセンスが抜群ですね。
「青い棘」や「ぼくを葬る」などと並んで
言葉の響きも奥深さも秀逸な邦題でした。
デンマーク人でない我々としては
この時代のレジスタンスグループの名前や関係など
ちょっとわかりづらいところもありましたね。
まあ,それも主役のお二人の魅力に免じますが。

>おお、まっつ~、私が食べさせてあげるから大丈夫だ!と・・・
ほんとそうですね。彼の奥さんは
彼の愛情深い魅力がわかってなかったのかしら?
わたしが彼の妻や恋人ならなぁ・・・と
何度も悔しく思いましたわ。

トゥーレはいろんな役が演じられるけど
ちょっと腺病質なキャラが似合うんじゃないかしら。
ああ見えて,彼の親戚(父だったかしら)には
司教さまがいたりして
宗教一家の中で育ったらしいです。
まっつとのコンビもタイプが違うので
お互い引き立てあっておりましたね。
まっつやトゥーレの作品,これからももっと見たいです。
北欧の俳優さんも侮れませんね~

ななさん、こんにちは!
これ、先日見たんです・・が・・・
2回とも途中で睡魔におそわれてしまい・・・
なんか、こう・・ハマれない映画でした。
それで、ななさんのこの記事が、すっごく助けになりました。結局ハッキリと解らない部分がありつつも、再度最初から見直す気力もない・・って状態で・・
でも、ミッツさんお目当てに見たので(爆)理解出来ないままってのも悲しいな~と(恥)

>ちょっと顎がとんがりすぎているような気がしないでもないが,金髪で白皙の,いかにも北欧美男子,というたたずまい。
 言えてます。基本ハンサムなんだろうけど、な~んかミッツさんほど、ハートに入って来ないというか。見た事あるけど、どこだっけ?って気になってたら、そっかー青い棘だったか・・と、それも解ってスッキリ(^^ゞ

latifaさん こんばんは!
体調の方はいかがですか?

この作品は,本国のデンマークでは
背景が周知されてるから
もちろんヒットして当然ですが
我々異国のものはとにかくレジスタンスグループ間の
関係その他もろもろがわからなくて
それにあの,シトロンの恋人役の女性の立ち位置とかも謎で
わかりにくかったですよね。
私は主演の二人,マッツとトゥーレが好きなので
それだけの勢いで観てしまいましたが。

トゥーレはそうそう,青い棘のハンスですわ。
あの作品の役柄は微妙でしたが
今作のトゥーレはなかなかカッコよかったですよね。
何気に好きなタイプです。

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