三国志
レッドクリフじゃなくて,アンディ・ラウの三国志です。三国志というよりは「新説・趙雲伝」と呼んだほうがいいような・・・・。DVDで鑑賞!
蜀の五虎大将軍の中でも,常勝将軍と呼ばれた趙雲が,まだ無名の一兵士だった時代からその晩年までを描き,人間「趙雲」の生きざまや魅力を堪能できる作品。前半は彼が名を挙げた長坂の戦いをメインにし,後半は晩年の鳳鳴山の戦いにスポットを当てている。
この物語の語り部をつとめるのは,趙雲と同郷の兵士で,趙雲から兄のように慕われていた平安(サモ・ハン)。最初は兄貴分として何かと趙雲の面倒を見ていた平安が,次第に名を挙げてゆく趙雲を嫉妬の混じった複雑な思いで見守るようになり,最後には・・・・という展開を見せるのだが,この平安という人物は三国志演義には存在せず,この作品用に作られたオリジナルキャラだそうだ。
オリジナルキャラといえば,
晩年の趙雲の宿敵となる曹嬰(マギー・Q)。
曹操の孫娘という設定だが,もちろんこの映画用に作られたキャラクター。映画を華やかに面白くするために,あえて女性の司令官を持ってきたのだろう。三国志ファンの方なら,このアレンジには,もしかしたら眉をひそめるかもしれないが,三国志に思い入れのないものとしては,なかなか楽しめた。
マギー・Qは美しく強く,男と互角に渡り合う役がほんとによく似合う。彼女とアンディの一騎打ちも,「ありえん」ようなワイヤーアクションもあったが,エンタメとして楽しめた。
趙雲と言えば何といっても,
阿斗救出で有名な長坂の戦い!
レッドクリフの胡軍さんの活躍も素敵だったが,この作品の趙雲の戦いぶりはもっとエンタメ性を追及し,ほとんどありえないような一騎当千ぶりを見せつけてくれている。趙雲だけでなく,馬の活躍ぶりも天晴れだ!(↑の画像を見よ!)
しかし,後に映る,阿斗の成人した姿(=劉禅)にはちょっとショック。だってとっても無能そうなんだもん・・・。中国では,「阿斗」とは,「小さい頃は優秀だったが、成長すると凡人となった人」とか「無能な跡取り」という意味で使われるとか・・・。
それにしても
アンディ・ラウは美しい・・・凛々しい・・・。ほんの少しのシーンだけど,若き日の故郷の恋人とのエピソードも心あたたまるものがある。
彼女とはその後どうなったのか,ちょっと気になるところだか・・・・。波乱万丈な趙雲が,ちゃんと平穏な家庭が持てた・・・とは思えないよね,やっぱり。
アンディが演じる若いころの趙雲は,もちろんとっても精悍で素敵だが,年老いた白髪の趙雲もまた,超渋くって素敵だ。(白髪も皺もよく似合うのよ~~,このひと)
老いてますます増し加わる品格と,鳳鳴山の戦いで見せた悲壮感に圧倒された。
矢傷を負いながらも「皆の士気が下がる」 と
鎧を脱がなかった趙雲の心意気。
わずかの部下とたてこもる陣営の前には10万もの曹嬰の大軍。目の前で次々と倒れていく部下と打ち明けられる友の裏切り・・・・。
最期のときを覚悟しながらも,誇り高く馬を駆って,敵陣に単身で乗り込んでゆくラストの彼の姿は最高だった。これ,アンディ・ファンにはたまらん映画だろうなぁ・・・。
↑部下を演じたこの方も,なかなか・・・
お題が「三国志」ってのはちょっと詐欺じゃない?という感じもするが,そしておそらく原作の三国志を,都合のいいようにかなり変えてるんだろうが・・・(どこ変えてるかわかんない~)これはこれで,とても楽しめた作品だった。
あ,諸葛孔明は,レッドクリフの金城さんがずっと好み~です。
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おしかけトラバ失礼しました。
いや、本来なら『よろ川長TOM』名義でオススメ座CINEMAの方で紹介すべきだったんですが、レッドクリフをボロクソに書いたのと対比させるためにも本家ブログで紹介した次第でして。
仰るように私も『趙雲子龍伝』のほうが絶対、いやむしろかえって人気が出たのではないかと思うのです。
どうせ『三国志』がらみを観るのは三国志ファンがほとんどでしょうし、趙子龍知らずしてファンは名乗れませんし。
とまれ、高評価でよかったよかった。
投稿: よろづ屋TOM | 2009年9月 3日 (木) 14時04分
よろづ屋TOMさん,お久しぶりです。
TB、コメント嬉しいです。
「ブツクサ徒然草」からのTBだったので,
この作品も評価が高くないのかとどきっとしましたが
そんなことなかったんですね~
私もこの作品はおおいに楽しめましたし感動もしましたよ。
趙雲ってほんとカッコいい生き様の武将だったんだなぁって
あらためて思いました。
「三国志」という題はそぐわないと思いますが
2時間弱の映画に,趙雲の魅力を上手く凝縮している作品だと思いました。
投稿: なな | 2009年9月 3日 (木) 23時11分
ななさん♪
『三国志』という邦題、
今思うに、『レッドクリフ』という大軍を前に
真っ向勝負に出るぞ~という
意気込みがあったのでは?(笑)
まぁ、題名はさておき
アンディ・ファンにはたまらん映画でした♪
サモ・ハンの平安も彼だから許せる感じでしたし、
大御所、新人入り乱れての配役も楽しくて
お気に入りの一本になりました♪
投稿: ひらで~ | 2009年9月 4日 (金) 15時56分
ななさ~ん、こんばんは!
「レッドクリフ」といい、本作といい、
やっぱり「三国志」は、群を抜いて
人気のある歴史ものですよね。
以前は、歴史ものは国内外を問わず、
まったく興味がなかったのに、寄る年波の
せいか(笑)最近、面白くて!
でも、中国史は弱いので、一度しっかり
本で読みたいと思ってます。オススメ本って
ありますか!?
それにしても、ななさんの記憶力を分けてほしい~アンデルセンの話を、タイトルまで
しっかり正確に覚えられていて!!
わたしなんて、2日前の夕食すら、すぐに
思い出せませんよ・・・
投稿: JoJo | 2009年9月 6日 (日) 22時22分
ひらで~さん こんばんは
そうですね~,この作品の邦題は
「レッドクリフ」をとっても意識したんでしょうねぇ。
別に「趙雲伝」でも十分客は呼べたと思いますが。アンディだし。
>大御所、新人入り乱れての配役も楽しくて・・・・
わたしは,この作品,アンディとマギーしか知りませんでしたー。
サモ・ハンさんとやらは初見だし
張飛や関羽や孔明を演じた俳優さんも
みんな同じ顔みたいに思えてしまった・・・・。
アンディはいくつになっても,またどんな役でもカッコいいですねぇ。
投稿: なな | 2009年9月 6日 (日) 22時54分
JoJoさん こんばんは~
三国志ってほんとハマるとたまらない(そうです)ね~
かく言う私は,実は原作に関しては未だに「三国志音痴」なんですよー(汗)
レッドクリフ公開時に,書店に並んでいた三国志の単行本を手に取りはしたけれど
漢字の氾濫を観て読む気をなくし
小学校時代の児童文学全集の三国志を読もうともしたんですが
こちらはストーリー端折りすぎで面白くなかったのですぐに挫折・・・。
歴史小説はもっぱら外国のものが好きで(イギリス王朝史とか)
日本と中国のものは読んだことないですね~,トホホ。
漢字がいやなんですよ~~(おいおい)
中国も文革時代のものなんか,興味はあるのですがねー。
わたしの記憶力!
とんでもない,さっき食べたメニューすら忘れてますよ~。
人の名前も顔も最近めっきり覚えられなくなってるし・・・
アンデルセンはきっと若いころに読んだので覚えてたんでしょうね。
投稿: なな | 2009年9月 6日 (日) 23時11分
こんにちは~~♪
コメント遅れました!!
もう、もう このアンディは反則なんですよ~~!!
この映画の公開がなかったから、東京まで飛行機に乗って行き2回鑑賞~。白髪アンディに号泣したのは言うまでもありません(爆)
それが随分遅れて、地方にも来たんです。勿論通いました~~♪
「三国志」とは名ばかり、でも別にいいの~アンディ趙雲がステキだから!!(笑)
長坂の戦いなんて~息する暇がなくて酸欠で死んじゃうかと思った(身体に悪い~)
レッドクリフには、趙雲の栄光が描かれていたけど
実際にはこういう辛い日々がほとんどだったのでしょうね。
争いって本当に虚しいものですね。
ななさん、サモ・ハン・キンポー未見ですか?
大昔「燃えよデブゴン」シリーズで大人気だったんですけど~
カンフー映画には必ず出てるのですよ~。
こういうシリアスな役にびっくり!です(笑)
投稿: マリー | 2009年9月 7日 (月) 12時58分
マリーさん こんばんは!
ほーんと,このアンディは反則ですねー
最初から最後までカッコよすぎです。
>東京まで飛行機に乗って行き2回鑑賞~
うわあー,すごい!
でも,はるばる観にいった甲斐がある作品ですよね。
>長坂の戦いなんて~息する暇がなくて酸欠で死んじゃうかと思った(身体に悪い~)
あはは,ほんとにあの戦いは,私も画面にくぎ付けでした。
もっとも私の場合は,お口をポカーンと開けて見入っていたので
酸欠にはならなかったけど…口が渇いた(爆)
>レッドクリフには、趙雲の栄光が描かれていたけど
>実際にはこういう辛い日々がほとんどだったのでしょうね。
この作品には趙雲の栄光だけでなく悲劇も描かれていて
ヒューマンドラマとしても見ごたえがありましたね。
サモ・ハンさん,初見です。ドリフの高●ブーさんに似てるなぁって思いました・・・
しかし・・・「燃えよデブゴン」って・・・・すごいネーミングですね。
投稿: なな | 2009年9月 8日 (火) 20時47分
こんにちは~
ななさんの「新説・趙雲伝」、いいですね~
三国志というと、どうしてもメインキャラを想像してしまいますから。
後になって思えば、趙雲にこういう外伝があってもいいかなあ、と。
そうそう、一番最後の写真のアンディ・オン。
もっと出番があってもよかったと思うのですよ。
投稿: 孔雀の森 | 2009年9月 9日 (水) 09時23分
こんにちは。
なかなか時間がとれず、こちらに伺うこともできなかったんですが、やっと一段落、こちらのブログを読み漁ってしまいました。
この映画、私も観ましたよ。
びっくりするほど、物語の展開が速いですよね。
個人的には、結構好きでした。
三国志が好きだってのもあるんですけどね。
原作とは大きくことなるけど、まぁ、三国志、それもありなんです。
なかなか楽しい作品でした。
投稿: 亮 | 2009年9月 9日 (水) 22時01分
孔雀の森さん こんばんは!
趙雲にスポットを当て,平安目線でのストーリー展開は
なかなか面白く,楽しむことができました。
>一番最後の写真のアンディ・オン。
アンディ・オンさんというのですね~
みんなが鉄兜みたいなのを被ってる中で,一人だけ長髪で
なんだかとっても目立っていました~
彼のエピソード,もっと観たかったですね。
投稿: なな | 2009年9月10日 (木) 20時50分
亮さん こんばんは
お忙しいのに,いつも時間を見つけて遊びに来てくださってありがとうございます。
私の方こそなかなかお伺いできなくてごめんなさいね。
これを劇場でご覧になったのですか?うらやましいです。
闘いの場面などの迫力は大画面で観たかったですね~
>原作とは大きくことなるけど、まぁ、三国志、それもありなんです。
そうなんですか~,三国志ほどのスケールの大きな物語になると
脚色してもやはり面白さは損なわれないのでしょうね。
何でもアリ!の雰囲気もある物語ですし・・・・。
これを機会にいろんな「三国志」映画を見比べてみたくなりましたよ。
投稿: なな | 2009年9月10日 (木) 20時56分