96時間
元CIAの工作員が,パリで誘拐された愛娘を単独で救出する,ノンストップ・タイムリミット・アクション!
あらすじ: 17歳のアメリカ人少女キム(マギー・グレイス)が、初めての海外旅行で訪れたパリで何者かに誘拐される。その事件のさなかにキムと携帯電話で話していた父ブライアン(リーアム・ニーソン)は、自らの手で犯人たちから娘を奪還しようと決意。アルバニア系の人身売買組織だと判明した犯人一味のもとへ単身で乗り込む。(シネマトゥディ)
これ,いい!
従来の救出アクションにはない,パンチの効いた魅力がある!なにがいいかって,とにかく主人公であるブライアンのキャラが素敵なのだけど,彼の一番の魅力って,やはり「意外性」だろうか?
公式サイトの宣伝文句にも,父の激変を目撃せよ!というのがあるが,まさにその通りで,冒頭から20分くらいまでは,温厚で娘にデレデレのただの親父にしか見えなかったブライアンが,事件が起こり,娘の救出に乗り出してからは,人が変ったように精悍な一匹狼のような活躍を見せる。
ブライアンが犯人に電話で宣言した,「俺には闇のキャリアで身につけた,特殊な能力がある。お前らが恐れる能力だ。娘を返すなら見逃してやる。だが返さないなら,お前を探し,お前を追い詰め,そしてお前を殺す。」という台詞を聞いた時は,ハッタリかましてる~,と思ったもんだが,(だってそんなに万能な人間に見えなかった・・・)いやいやそこから先の彼の暴走ぶりはその台詞の通りだった・・・そしてその無限にも見える特殊能力も!
瞬時に発揮される正確な分析力や観察力,そして判断力はまるでジェイソン・ボーンのようで,電光石火の戦闘力や殺傷力は,スティーブン・セガールも顔負けで。「娘を救うためならエッフェル塔でも壊す」という台詞も「彼なら本気でやりかねん・・・」と思えるほど。
特に,最初からいかにも強面の俳優さんではなく,柔和な雰囲気のリーアム・ニーソンが豹変するわけだから,すごいインパクトがあって面白いのだ。前半と後半はまるで別人を観ているようだ。
父の執念と怒りは凄まじい。
救出のためなら,何人でも殺す。どんな手も使う。
「そこまでやるか?」と,目を背けたくなるような残虐で非道なことだって,あのいつもは笑顔の優しいニーソンが,「時間がないんだ!」と鬼のような形相で何のためらいもなくやってのける。
彼はアクション俳優ではなかったはずだが,とにかく身体が大きいので,アクションが映えまくるのだ。私はこの意外性に痺れた。
そして,娘が無事に救出されると,再び,優しくってちょっとシャイでくたびれた感じの親父に戻るブライアン・・・・。この二面性がたまりません。もちろん今回の件で彼のことを一番見直した,というか惚れなおしたのは,助けてもらった娘のキムだろうと思うけれど。
パワフルで爽快な作品だ。全米でヒットしたのも納得。リュック・ベッソン・ワールドの若くない一匹狼の男ってやっぱり最高にカッコいい!新境地を開いたリーアム・ニーソンにも拍手!
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