アンティーク~西洋骨董洋菓子店~
なんて素敵で可愛らしいお話~,
これ大好き!
映画を観てから,原作のよしながふみさんの漫画「西洋骨董洋菓子店」を即購入して読んだ!おおおお~,なんて原作に忠実なんだ!キャラも台詞も雰囲気もここまで原作通りだったとは!これは原作ファンにはたまらん作品だろう。
過去に誘拐され,犯人から毎日ケーキを食べさせられたというトラウマから,甘いものが実は超苦手なオーナー,ジニョク(原作では橘)。彼が「アンティーク」を開いたのは実は「ある目的」もあったのだが・・・・・。ジニョクを演じたチュ・ジフンさん,(麻薬問題で今は大変そうだが・・・・)今作で初見。コミカルでダンディ,そして時にはデリケートなジニョク=橘のキャラを素敵に演じていた。
ジニョクとは高校時代の同級生で,卒業間際にジニョクに告白し,こっぴどく振られた経験を持つ,天才パティシエにして魔性のゲイ,ソヌ(原作では小野)。
フジテレビでTVドラマになった時は,この小野くんの役は藤木直人さんだったらしいが,「魔性のゲイ」という設定がカットされてたそうで,それじゃ~,アカンやろ,小野クンの魅力が発揮できんだろ!と思ったのだが(私は未見です),この韓国映画版では,ちゃんと原作どおり,ソヌ=魔性のゲイのキャラになってて嬉しかった~。
ソヌを演じたキム・ジェウクさん,厨房で働くときはソフトでシャイで癒し系のパティシエだが,いったんクラブに繰り出すと髪形から雰囲気からがらっと美しく妖しく変身して・・・・とってもいい感じ!(原作通りという意味よ)彼とジニョクとの腐れ縁的でどう転ぶかわからないスリリングな関係も原作通り。
そして,ジニョクを「若」と呼んでお仕えする幼馴染のスヨン(原作では千影)。原作の中でも最も好きなキャラだ。彼の純情さ,優しさ,不器用さ,そしてKYさ,頭の悪さ・・・・どれもがみんな愛おしい。TV版ではなんと阿部ちゃんがやってたそうで・・・う~む,阿部ちゃんの千影も似合うなぁ。
ただ,4巻もある原作では,彼のキャラの魅力やエピソードが,これでもかと堪能できるのだが,2時間の映画では,やはりそこらは時間不足。特に彼とソヌとのプラトニック・ラブの顛末はあっさり描かれすぎてて,ちょっと残念。(「雨の中でクルクル
」・・・観たかったのに~)
最後に,ソヌを師匠と崇拝する,元ボクサーの孤児,ギボム(原作ではエイジ)。TV版では,この役は滝沢クンがやってる。
彼は無類の甘いもの好きで,試食と称してお店のケーキを片っ端から食べるシーンがしょっちゅう出てくるが,あんな綺麗なケーキをまるで饅頭でも頬張るように食べられると・・・・ちっとも美味しそうじゃないんですけど~~と何度もつっこみたくなった。菓子職人としての彼の成長物語や,生い立ちのエピソードも,原作ではしっかりと描かれていたのに,映画版ではやっぱり薄くなってたかな?
しかし,2時間の中に,「これだけははずせない」という要のエピソードや,スパイスの効いた台詞は原作通りきっちり盛り込んでくれていて,製作側の原作への敬意が感じられた。というか,よしながふみさんの原作を,ほんとに愛して読み込んでないと,ここまで忠実に作れないと思う。
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2008年 韓国
監督:ミン・ギュドン
出演:チュ・ジフン
キム・ジェウク
ユ・アイン
チェ・ジホ
アンディ・ジレ
今まで俺が食ってきたもんをケーキと呼ぶなら
これはもうおケーキさまさまと呼ぶしかねえっ!!
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映画館にて「アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜」(@MOVIX京都)
よしながふみの漫画「西洋骨董洋菓子店」を韓国で実写映画化。
おはなし:一流企業を辞めたジニョク(チュ・ジフン)は、小さな洋菓子店「アンティーク」を開く。そこに、"魔性のゲイ"の異名を取る一流パティシエ・ソヌ(キム・ジェウク)が加わり、アンティークは評判の店となる。そんなある日、街で連続誘拐事件が発生し・・・。
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ななさん、こんばんは。
トラックバック&コメントありがとうございました。(*^-^*
原作漫画は4巻あるのですね。
登場人物のキャラクターは大幅にアレンジが加えられている月9版よりも
原作に沿っているこの韓国映画版のほうが好評のようですね♪
投稿: BC | 2009年7月20日 (月) 23時42分
BCさん こんばんは
そうそう,原作漫画,4巻あって主要ストーリー以外にも
いろいろ楽しいエピソードも詰まっているのですが
映画版ではすべてのエピソードを盛り込むことはできなかったようですね。
TV版はきっとエピソードは盛り沢山だったでしょうが
肝心のキャラを変えているのが・・・
ま,私はTV版は未見ですのでなんとも言えませんが
TV版の俳優さんもみんな魅力的なので
そちらも観てみたいです。
でも一番好きなのは,何と言っても原作漫画かなぁ~。
投稿: なな | 2009年7月21日 (火) 22時55分
ななさん、うわっ~~すごいナイスタイミング(^○^)
割と最近、やっと原作漫画を見たんです(なんと図書館に入っていた・・・いいのかな・・・汗)
私は日本のドラマ→漫画→韓国版(途中まで鑑賞)って順番なんだけど、韓国版はジフン君はカッコイイな、合ってるな、って思ったんだけど、その他のキャスト的には、日本のタッキーと藤木君の方が美しい気も少々したような・・・。
とはいえ、そうなのよ!!日本版は、ゲイちっくな部分が極小にとどめてあって、残念なのよね~~。
投稿: latifa | 2009年7月22日 (水) 08時43分
ななさん、こんにちは。
この映画を、しかも原作も見られたということで、とってもうれしいレビューでした♪
しかも写真も満載…。ワンシーンごと思い出してはニヤニヤしちゃいました。
やっぱりここまで原作通りに作ってくれるのは感動ものですね。
だからドラマはおすすめしません…。2、3回しか見ていないのですが、魔性のゲイ要素がなくなったことはもちろん、一番悲しかったのが、千影のキャラが全然変わっていたことです…。
すっごく生意気で、エイジに楯突いたりするんですよ。そんなのちーちゃんじゃない…。
そのドラマへの失望感があったから、よりこの映画がうれしかったのかもしれません。
投稿: リュカ | 2009年7月22日 (水) 22時39分
latifa さん,こんばんは
うふふ~,図書館でこの漫画?置いてる図書館,なかなか粋ですね。
イケメンぞろい,という点では日本のドラマの方が勝ってますよね。
藤木さんもタッキーも・・・・それにわたしゃ椎名さんも好きです。
でもねぇ~やっぱ「魔性のゲイ」を省略しちゃいけないわぁ。
小野さんのゲイっぷりと,千影の純情おバカぶりが,原作の要になってるのにー。
まぁ,ドラマであのキャラをお茶の間に流すのは無理だったのかもしれませんが・・・・。
投稿: なな | 2009年7月22日 (水) 23時55分
リュカさん こんばんは!
これはハマってしまいましたー!特に原作に。
よしながふみさんの漫画って,面白いですね。
なんとも言えませんね,キャラ設定や台詞が。
ドラマは「魔性のゲイ」カットだけでなく
ちーちゃんのキャラまで変えちゃってるんですか!
いやーん,原作の魅力大幅ダウンじゃないですか~
ちーちゃん・・・・韓国版では雰囲気完璧でしたね。
それなのに・・・偉そうなちーちゃんって想像できない・・・・(泣)
ドラマ版は観るのよそうっと。(単純)
きっと藤木さんとか,阿部ちゃんとか,俳優さんの持ち味の方を優先したのかな?
原作漫画を繰り返し読んで,映画もDVD買って楽しみたいと思います。
投稿: なな | 2009年7月23日 (木) 00時04分
こんにちは♪
夏休みが始まりましたね~。
ななさんも何かとお忙しいのでは?
この作品、原作も大好きでテレビドラマも大好きだったの。
テレビドラマは原作の肝心な部分を描いていなかったのだけど、椎名さんと阿部ちゃんのやりとりだけは原作並に面白かったですよ!
で、ヨンさまによる韓流ブームには乗らなかった私なのに、2年前に偶然見たドラマでチュ・ジフンにハマってしまったので、この映画はとっても楽しみにしていたの。
ところが麻薬事件で地元映画館は早々に上映中止を決定しちゃって・・・。
どうしても見たくて特急に乗って京都まで見に行ってきました。
映画の前にメイキングビデオや写真集を見すぎていたせいで、初見の楽しさは感じられなかったのが残念。
でも、韓国映画の新しい魅力が出ていたと思います。
投稿: ミチ | 2009年7月23日 (木) 23時50分
ミチさん こんばんは!
はーいヽ(´▽`)/夏休みですー ちょっと仕事楽です。
おかげで夏バテ気味だった体調も戻ってきました。
>テレビドラマは原作の肝心な部分を描いていなかったのだけど、
。
>椎名さんと阿部ちゃんのやりとりだけは原作並に面白かったですよ!
おお,そうなんですか。阿部ちゃんのトボケぶりも好きだけど
私は実は椎名さんけっこう大好きで・・・ああいうタイプ
やっぱりドラマも観てみようかなぁ。
で,ミチさん,京都まで行かれたのね~~凄い凄い!
わたしはジフンさんは初見だったけど
完璧なスタイルと端正なお醤油顔にうっとりしましたね。
>韓国映画の新しい魅力が出ていたと思います。
少女マンガの世界,韓国映画にけっこうマッチしてましたね!
投稿: なな | 2009年7月24日 (金) 22時34分
はじめまして。
アンティーク。韓国映画になってたんですね!知りませんでした。
日本版ドラマはMr.Childrenが音楽を全面担当するということで、そこばかり気にしていて、内容はあんまり覚えてません…。映画版の主題歌は…やっぱり韓国の人が歌ってるんでしょうね。
ボクもブログをやっています。よろしかったら遊びに来てください。
投稿: 松柴 | 2009年8月 4日 (火) 12時57分
松柴さん はじめまして
そうですね,ドラマ版の音楽はミスチルだったそうで・・・
といっても,私はドラマ版は観てないのですが。
韓国映画版の音楽は・・・・
あまり印象に残ってない・・・(汗)
歌つきの曲はエンドロールに流れたっけ?
どちらにしてもミスチルではありませんでした~(←当たり前)
松柴さんもブログなさっているのですね。
また後ほどおじゃましますね!
投稿: なな | 2009年8月 5日 (水) 19時22分
ななさん、こんにちは!
うわー。自分がこの記事にコメント書いていたのを忘れていて、思わずビックリ!
やっと2年遅れで見ました^^
いや~~良かった。面白かった。凄く良く出来ていたと感心しちゃいました。
>小野くんの役は藤木直人さんだったらしいが,「魔性のゲイ」という設定がカットされてたそうで,それじゃ~,アカンやろ,小野クンの魅力が発揮できんだろ!と
そうそう。そこの部分は、しっかり映画では描いてくれてましたね。
ただねぇ・・・全然好みのルックスじゃなかったのが悲しかった~~。
チュ・ジフンは、椎名さんよりもハマってたと思いました!
映画の出来には、ほぼ満足☆
投稿: latifa | 2011年5月11日 (水) 14時44分
latifaさん こんばんは!
おお、、公開からこれ,2年もたったんだ~!
ほんとだ、2009年の夏の記事だもんね。
>凄く良く出来ていたと感心しちゃいました。
そうでしょ~,原作漫画の肝心要なところだけ
上手く抽出してくれてるので感動しましたよね。
>ただねぇ・・・全然好みのルックスじゃなかったのが悲しかった~~。
あはは,私も映画の小野クンのキャラは満足でしたが
ルックスはちょっと違うような気がしてましたよ。
もっとこう・・・妖艶な感じの役者さんがよかったよね。
なんたって「魔性のゲイ」なんだから。
でもおっしゃるように,映画の出来には満足なんでよしとしよう。
久々に原作漫画を読んで美味しいケーキが食べたくなりました。
投稿: なな | 2011年5月12日 (木) 22時54分