チェイサー
最近低迷していたかのように見えた韓国映画界だが,久々に大絶賛を浴びている作品が登場したらしい・・と聞いて,遅ればせながらまだ公開してくれてる,隣県のミニシアターにまで観に行った。それも夜。
なんでも,実在した韓国の殺人鬼ユ・ヨンチョル(10か月に21人を殺害)をモデルにした作品だそうで・・・・。おまけに監督はこれが初の長編映画だというから驚く。(多少ネタばれもしてるので,未見の方はご注意ください。)
あらすじ: デリヘルを経営する元刑事ジュンホ(キム・ユンソク)のところから女たちが相次いで失踪(しっそう)して、ときを同じくして街では連続猟奇殺人事件が発生する。ジュンホは女たちが残した携帯電話の番号から客の一人ヨンミン(ハ・ジョンウ)にたどり着く。ヨンミンはあっけなく逮捕されて自供するが、証拠不十分で再び街に放たれてしまい……。(シネマトゥデイ)
凄い・・・凄すぎる。
やっぱり,こういう重く救いのないクライム・サスペンスを撮らせたら,韓国の右に出る国はないかもしれない。
殺人の追憶やオールドボーイなどもこの手の衝撃作だけど,韓国にはこのレベルの作品を撮れる監督さんが,一人だけでなく複数いらっしゃる,ということに感嘆するし,また俳優さんのレベルもくやしいけど日本よりずっと上だと思う。
だって,この「チェイサー」の主演のお二人って,どちらもイケメンでもなんでもないし,日本じゃそんなに知名度も高くない(と思う)のに,こんな素晴らしい演技をサラリとやってのけるのだから。韓国ではもしかしたら,脇役レベルの俳優さんも,いざとなれば堂々と主役を張れるくらい名優ぞろいなのかもしれない。
特に,犯人を演じたハ・ジョンウの不気味さには,ほんと鳥肌が立った。絶対の愛にも出てた俳優さんらしいが,その時は記憶に残らなかったのに・・・・。
そう,記憶に残らないくらい凡庸な外見で,それゆえに一見,人畜無害に見える犯人。荒々しい面構えの警察の面々のほうがよほど人相が悪いかもしれない。
しかし,怖気をふるう残虐な殺害法(屠殺!)や遺体の処理の仕方などを,まったく普通の口調で淡々と語る彼を観ていると,背筋がじわじわと凍りつくような得体のしれない恐怖を感じる。罪の意識をかけらも持ち合わせていない,まるで呼吸をするのと同じくらいたやすく自然に人を殺せてしまう,こんなモンスターのような人間が本当に実在したとは・・・・。
そして,警察の手を借りずに単身で犯人を「追う」主人公を演じたキム・ユンスクの「内面の変化」を表現する演技もまた,見事の一言に尽きる。
登場したときは決して善人ではなく,刑事崩れのデリヘルの元締めであり,言ってみれば女を食い物にする商売で,生計を立てている最低の男だったジュンホ。打算的で粗暴で,雇われている女性からは,陰でゴミとまで呼ばれていた彼が犯人を追うきっかけになったのは,自分のところの女の子が続けて行方不明になり,犯人に売り飛ばされているのではないか,と疑ったからだった。
ほんとに,自分のことしか考えてないような,傲然とした表情を見せていた彼が,物語が進むにつれて,どんどん変わってゆく。
徐々に明らかになっていく,
犯人の言語を絶するほどの非道さ。
足を引っ張るばかりで役に立たない無能な警察。
風邪で休んでいたミジンを無理やり仕事に行かせた自分。
そして,残されたミジンの幼い娘の存在。
それらを目にするうちに,ジュンホの顔には,恐怖,他人のための怒り,哀しみ,そして自責の念・・・など人間らしい感情が浮かぶようになる。同時に,だらしない印象しかなかった彼が中盤からは,次第に精悍な雰囲気をただよわせ始める。
それにしても,物語は観客の,予想というか期待をことごとく裏切ってくれる展開を見せる。「ええっ?そんなぁ!」と心の中で悲鳴を上げながら,観客は画面から一時たりとも目を離すことができない。
ヒロインのミジンが助かりますように・・・・
ジュンホに負けないくらい,誰もがそれを念じたに違いない。
それなのに・・・優先順位のおかしい警察や,犯人の運の強さやなにやらで,救いのない展開になってしまう。
あのとき,煙草屋のおばさんが余計なことを言わなければ。
警察が通報を聞いてすぐに駆けつけてくれていれば。
いやもともと,警察が犯人を釈放さえしなければ。
あの張り込んでた女刑事が,
煙草屋に踏み込んでくれていれば。
そして,ジュンホがミジンからの電話に出ていれば。
仕方がないことだし,実際にこんな不運の重なることってあるのだけど,それでもやっぱり体が震えるくらい悔しかったし,もどかしかった。
事実上の遺言となってしまった,
ミジンからの留守電のメッセージは哀しすぎる。
被害者に関して言えば,ここまで救いがない設定は,すごく後味が悪いものだけど,実在したユ・ヨンチョルの事件でも生還者はたぶんいなかったことや,犯人が他者にもたらす悪を徹底して描いた,という点では,やはりこういう流れでよかったのだろう。(…ハリウッドなら生還させそうな気がする。)
鑑賞後の後味は,苦く重いだけではない。
嫌われ者として生きていたジュンホは,この事件をきっかけに,他者を助けたい,守りたい,という感情を持つ人間へと再生することができた。おそらくこれからは,今までの稼業からは足を洗い,ミジンの遺児の面倒も見ることだろう。ラストシーンでそれが予測できるということは,この果てしなく恐ろしく禍々しい物語の中で,一条の光のように輝きを放つ。
闇が深ければ深いほど,
どんなささやかな光でも,
その存在は際立つものだ。
それを感じることができたことが唯一の救いだったし,この作品にそれを盛り込んだ監督の考え方や手腕にも敬意を表したいと思う。
どうしようもない悪の存在は確かにあるものだし,その反対に,人はどんなきっかけでも再生できる可能性を秘めている。監督はクリスチャンだと,どこかで読んだが,悪の描き方の容赦のなさと,その反面,そんな体験からも再生できる人間を描いていること,などから,「なるほどそうかもしれない」,と納得した。
しかし,怖かった・・・・
ノミと金づちを使った殺害シーンは思わず目をそらしてしまったし,坂道の路地の追跡シーンも・・・迫力もあったが,舞台そのものが不気味このうえなかった。犯人と主人公の格闘シーンも,韓国映画やドラマにありがちな,華麗なアクションではなく,不格好で,死に物狂いで,ほんとに殴り合ってるようなリアルさがあった。(きっとほんとに殴り合っていたのかも)
鑑賞後は,さすがに夜道の山越え(人家もないし)・・・・
すこし怖かったなぁ。
ハリウッド・リメイク・・・このアジア映画特有の泥臭さや気味の悪さを,ハリウッドで出せるとも思えないけど,せめて「ありがちな猟奇殺人犯から,レオが恋人救出に成功したお話」にだけはならないことを祈る!
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まさかこんなサスペンス映画だったとは。
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はじめまして^^ blogに来てくださってありがとうございます!
「チェイサー」怖かったですね(。>0<。) でもななさんおっしゃるように、監督と役者が素晴らしくて、ただのサスペンスとは言えない何かがありましたね。
私は「オールドボーイ」も「殺人の追憶」も怖そうでみてないんですよ(^-^; ハリウッド版で、あの独特の暗さとか、でるでるか、私もちょっと疑問。
>せめて「ありがちな猟奇殺人犯から,レオが恋人救出に成功したお話」にだけはならないことを祈る!
これには大爆笑&同感です!
実はあちらでは触れてないのですが、私もクリスチャンのはしくれです。監督がクリスチャンと聞いて、メル・ギブソンの「パッション」を思い出しました。天上から全てをご覧になって涙を流す神様のイメージです・・・。
ところで、なかなか渋そうな映画をだくさんご覧ですね~。知らないものばかりです。でも、どれも面白そうでした。「ミッション」は知ってましたが、もうだいぶん前のことで忘れた部分がほとんど。久しぶりに記事を読ませて頂いて、改めて感動しました。ありがとうございます。では、長々と失礼しました!
投稿: 虹子 | 2009年6月15日 (月) 13時07分
ななさん、こんにちは。コメントとTBをありがとうございました。
山越えして観に行かれる価値はあったでしょう?
しかしショッキングな映画でしたね。。
この映画にはキリスト教の寓話が多々含まれている、と聞いたのですが、ななさんはどうご覧になったでしょうか?
彼が部屋一杯にイエスの画を描いていたでしょう?
彼の信仰とは、どのようなものであったのか・・・。
その辺りが知りたいと思いました。
よければご意見を聞かせて下さい。
投稿: 真紅 | 2009年6月15日 (月) 15時24分
ななさん、こんばんわ
物語には"if もしも"が本当に多かったですね。
まさに悪夢の連鎖。
どうしてもヨンミンのほうに目が言ってしまいますが
ジュンホの描写も見事でしたね。
ヨンミンとジュンホはがっぷり4つ、対等の存在感でした。
ジュンホが取り押さえようとする警官につっかかる場面は
生々しすぎて演技に見えなかった。
ジュンホのその後が気になりなってしまう物語でした。
この映画を観終わった後、人気のない夜道を歩く気持ちは
想像を絶しますが、この映画の迫力はやっぱり劇場で!
遠足する(笑)価値は十分にあった作品だと思います!
投稿: moviepad | 2009年6月15日 (月) 19時33分
虹子さん,こんばんは いらっしゃいませ!
ほんと怖い,暗い,気持ち悪い,救いのない・・・でも傑作でございました,この作品。
「オールドボーイ」も傑作ですが,好き嫌いがあるのであえてお勧めはいたしませんが,「殺人の追憶」はそんなに怖くないので(不気味で絶望的ではありますが)機会があればご覧になってくださいませ。これも度肝を抜かれる完成度です。
それにしても,「殺人の~」も「チェイサー」も,実在した連続猟奇殺人犯のお話ですが,殺した数もどちらも半端じゃないし,韓国って猟奇殺人の多い国なのかしら?とちょっと思ってしまいました。・・・あくまでも日本と比べての話ですが。
虹子さんもクリスチャンですか?それは嬉しいですね,共感するところがあって。「パッション」を思い出されましたか,なるほど。クリスチャンであればなおさら,「罪」や「悪」の醜悪さを,なんの手加減もなく描きたくなる気持ちってわかるような気がします。そして今の世の中の「神の不在」や「神の沈黙」も。特にそう思える時代ですものね。虹子さんのおっしゃるように,神は天上ですべてをご覧になって泣いておられると思いますよ。
>なかなか渋そうな映画をだくさんご覧ですね~。知らないものばかりです。
もちろんエンタメも観るのですが,どちらかというとマイナー系の,それも一筋縄ではいかない作品が好きなので・・・(´∀`)
「ミッション」は最近やっとDVDを観たのですよ~。「若き日のデニーロ祭り」をやってたもんで・・・でも,クリスチャンとしても感動するいい作品でしたね。
これをご縁に,これからもよろしくお願いします!
投稿: なな | 2009年6月15日 (月) 22時03分
真紅さま,こんばんはー
うんうん,山越えの価値は十分ありましたとも!
>この映画にはキリスト教の寓話が多々含まれている、と聞いたのですが、ななさんはどうご覧になったでしょうか?
記事にも書きましたが,監督さんも信者だとすると,犯人の人間離れした邪悪さや,警察をはじめとする人間の愚かさを,全く妥協も手加減もせずに描き切ったところに「信者」らしさを感じました。それだけ悪を憎むのなら,せめて救いのあるラストにすればよい・・とも思われそうですが,「現実社会はそんなにたやすくなく,苦しみや不条理で満ちている」とも言いたかったのかと。これほど十字架が無力に見えた映画もありませんが,「実際に,今の世界で起こっていることって,そうなんだ」と認識させられました。
それとヨンミンの描いたキリストの磔刑画ですが,殺人犯ユ・ヨンチョルも信者だったことがあったそうで,画家になりたいという夢が色覚異常のために潰えたので,信仰を捨て,神や世を恨むようになったと聞いたことが・・・。映画の中のヨンミンも,似たような設定だったのでしょうか?神に絶望して逆恨みをするようになった場合,その負のエネルギーはひとによっては物凄いと思います。「シークレット・サンシャイン」を少し思い出しました。
以上,わたしの勝手な解釈ですけど,それにしても3人に1人はクリスチャンだという韓国。信者の監督さんが作品を撮る場合,おそらく日本などなら,誰かが入信して救いを得る,という清らかな物語を撮ると思われますが,さすが韓国の監督さんは一味もふた味も違ったものを撮りますね~,その分難解にもなるわけですが。
投稿: なな | 2009年6月15日 (月) 22時23分
moviepadさん,こんばんは!
>物語には"if もしも"が本当に多かったですね。
>まさに悪夢の連鎖。
ほんとにねぇ,やることなすこと,すべて被害者には裏目に出て・・・
ジュンホが感じたのと同じ怒りや焦燥感を
観客もたっぷりと味あわされましたよね。
>どうしてもヨンミンのほうに目が言ってしまいますが
>ジュンホの描写も見事でしたね。
どうしようもない男が,悪魔と遭遇することによって
かえってその対極にある人間性を取り戻していく・・・
その変貌ぶりをセリフなどでは説明せずに,
演技だけで表現したのは素晴らしかったですね。
韓国って,ほんと「どんだけ名優おるねん!」と感心してしまいます。
>この映画を観終わった後、人気のない夜道を歩く気持ちは
>想像を絶しますが、
いえいえいえいえ~~,
歩いてませんよ~流石に。車を運転して帰ったんです。
それでも人家のない県境の山を越えるのは,車でも十分怖かったですけど。
投稿: なな | 2009年6月15日 (月) 22時41分
ななさん、チェイサーアップしてる~~
久々にコメント書ける~~って思ったら
先を越されてしまいました(笑)
いや~~ななさんの文章読んでいて、あの無気味さを
恐さを思い出しました。ほんと、重くて救いようのない
クライムサスペンスは韓国は上手いですよね(^^ゞ
オールドボーイもすごかったけど、これもすごかった(+_+)
ななさん、よく夜にこんな恐ろしい(笑)映画ごらんになれましたね~(笑)
友人は韓国で夜観て、ホテルに帰るのに、やはり恐かったと言ってました(笑)
私も、もしも~とななさんと同じこと考えました。
観客の全てがそう思ったと思います。
万人向けではない作品ですが、凄い作品であることは
間違いないですよね^^
ハリウッドリメイク・・・レオはいいとして、内容が
心配です(ーー;)
投稿: ひろちゃん | 2009年6月15日 (月) 23時20分
ひろちゃん,きゃー,私も久々に作品が被って
嬉しくてお先に訪問しちゃいましたぁ。
これは・・・凄いとしか言いようがない作品で
「オールドボーイ」の時も確か鑑賞後に
「凄い・・・凄い・・・」とウワゴトみたいにつぶやいたのを思い出しました。
でも,オールドボーイはDVDで観たのですが
こちらは劇場で!
大画面だと怖さは何倍にもなるんですよね。
怖いだけでなく,追撃シーンや格闘シーンの迫力もすごかった。
俳優さんが「撮影は一度で勘弁!」と言いたくなるくらい
迫真の演技!あれ,ほんとにすっ転んでいましたよね。痛かったでしょうに。
>ななさん、よく夜にこんな恐ろしい(笑)映画ごらんになれましたね~(笑)
昼間,仕事があったもんで。
それに怖い映画は夜に見た方が盛り上がり(?)ますからね。
>ハリウッドリメイク・・・レオはいいとして、内容が心配です(ーー;)
わたしは監督が誰になるかも,おおいに心配です・・・゚゚(´O`)°゚
投稿: なな | 2009年6月16日 (火) 00時08分
ななさん、こんにちは~♪
本当にものすごい作品でしたよね!
オールドボーイを見た時も衝撃的でしたが、こちらもかなりショックを受けました。
ことごとく、見ている側の希望や予測を裏切ってくれましたよね。
見ていて辛かった・・・
おっしゃるようにそんなに有名でも人気俳優さんが出演しているわけじゃないのにものすごいパワーありましたね。
ハリウッドのリメイク版はどんなになるのでしょう?ラストはハッピーエンドになりそうな予感が・・
投稿: hito | 2009年6月16日 (火) 10時37分
hitoさん,こんばんは!
わたしも「オールドボーイ」と同じくらい衝撃を受けましたよ!
オールドボーイは特にラストで一気にガツーンとやられましたが
この「チェイサー」は最初から最後までガツン,ガツンとやられっぱなしでしたね。
やっぱり凄いなぁ…韓国映画。
傑作と呼ばれるものはラブストーリーでもクライムサスペンスでも
中途半端が無くって恐ろしいほどテーマを徹底的に突き詰めて
観客を酔わせてくれますね。
この作品はいささか悪酔いして,いつまでも二日酔の頭痛が残りそうな酔い方でしたが。
ハリウッドのリメイクは,期待はまったくしてないのですが
やっぱり「どんな風に料理するのかな?」と興味はありますね。
投稿: なな | 2009年6月17日 (水) 01時03分
ななさん、こんにちは。
トラックバック&コメントありがとうございました。(*^-^*
>脇役レベルの俳優さんも,いざとなれば堂々と主役を張れるくらい名優ぞろいなのかもしれない。
そうですよね。
韓流ブームや海外進出に流される事なく
本国で脇役ながらも地道に映画出演してきた俳優が
大役を得た時に発揮する内に秘めたエネルギーというのは大きいのかもしれないですね。
P.S.
相互リンク嬉しいです。
私のブログにもななさんのブログをブックマークしますね♪
今後も楽しくお話出来ればと思います。
ヨロシクお願いしますね。(*^-^*
投稿: BC | 2009年6月17日 (水) 12時24分
>記憶に残らないくらい凡庸な外見で,それゆえに一見,人畜無害に見える犯人。
そうなんですよね。これが一番怖いんですよね。
犯人っぽい人よりも犯人に見えそうにない人が、さらりと殺した人数を訂正するところなど、身震いするほどでしたよ。
投稿: にゃむばなな | 2009年6月17日 (水) 21時00分
ななさん、こんばんは。
いやすっごい映画でしたね!
犯人役の人の存在感ったらなかったです。
わたしも『絶対の愛』では全く印象に残ってなかったのですが…
そして展開も容赦なし。
でも、
>闇が深ければ深いほど,
どんなささやかな光でも,その存在が際立つものだ。
というななさんの言葉に何だか救われました…。
あの子供は本当に一筋の光です。
それから余談ですが、テンプレ変えられたんですね。
今回もかわいいです♪
投稿: リュカ | 2009年6月17日 (水) 21時18分
BCさん,こんばんは!
>韓流ブームや海外進出に流される事なく
>本国で脇役ながらも地道に映画出演してきた俳優が
>大役を得た時に発揮する内に秘めたエネルギーというのは
>大きいのかもしれないですね。
まったくその通りだと思います!
韓流がレベルが高いのは,主役級の俳優さんの頑張りだけでなく
どの作品も脇役さんがきちっと仕事をされてるからだと思ってました。
もちろん,主役級の俳優さんも素晴らしいのですけどね。
早速リンクさせていただきました!
これからもアジア映画について(もちろんそれ以外も)
楽しくおしゃべりできたら嬉しいです!
投稿: なな | 2009年6月17日 (水) 21時27分
にゃむばななさん こんばんは
実際のユ・ヨンチョルは,ヨンミンよりはちょっと男前だったようですが。
>犯人っぽい人よりも犯人に見えそうにない人が、さらりと殺した人数を訂正するところなど、身震いするほどでしたよ。
そうそう,警察でのあの一見従順そうな表情。
犯行を淡々と自供しながら,ときどき愛想よく笑ったりして
「何なんだ!このひと」とぞ~っとしました。
ハリウッドリメイクするなら,犯人役は誰が演じるのでしょうね?
レオはオーラありすぎだから,無名の演技派を持ってくるかな?
投稿: なな | 2009年6月17日 (水) 21時35分
リュカさん,こんばんはー
ね,ね?ヨンミン役のひと,「絶対の愛」では重要な役だったのに
印象に残ってないよねぇ~。
あれは女優さんの方がキャラ的に強烈だったからかしら?
この作品は・・・実話ということもあって
きっとヨンミンの方が主役とも言えるのでしょうね。
それにあんなめちゃくちゃインパクトの強い役・・・
人間の皮を被った悪魔みたいな役ですよね。
どうやって役作りをしたのでしょうか?
限りなくダークで救いのない物語ですが
どんな中にも光はあるのだと信じたいですね。
ハッピーエンドのお話は癒されるので好きですが
こんなお話も今の時代は「世相をリアルに」映し出してて
ある意味とても正直な物語かと。直視するのは痛いですけどね。
テンプレ,今回は思い切りラブリーに~~~
投稿: なな | 2009年6月17日 (水) 21時47分
こんばんは。
今日、『ノーボーイズ、ノークライ』を観てきました。
この映画は妻夫木聡とハ・ジョンウが共演。
実は、ハ・ジョンウは
脚本の中に書かれているイメージとは違う解釈の演技をしていて、
でもそてが一貫しているということで、
脚本家も密かに興奮したそうです。
この『チェイサー』の成功の要因。
それは
もちろん監督の手によるものが大半を占めますが、
ハ・ジョンウのような才能ある役者をキャスティングしたことも、
大きいかもしれませんね。
投稿: えい | 2009年6月17日 (水) 22時32分
こんばんは~
これ凄かったですね。
凄惨なんでもう2度と観ないとは思うんですが、それでも文句なしにいい映画でした。
普通にいい人に見える人間が猟奇殺人者だったっていうのも、ありそうなので。。。
何を信じていいのかわからなくなってしまいそうです。
投稿: rose_chocolat | 2009年6月17日 (水) 23時29分
こんばんは、
一言で言って「鮮烈」
こんなに恐ろしくてハラハラする映画は久々に観ました。
これが処女作というのだから恐れ入ります。
今年はポン・ジュノ、パク・チャヌクの新作もあり、韓国映画からは目が離せません。
いや~、韓流ドラマしか観てない人には、韓国映画の本当の実力を知って欲しいですね。
投稿: ノラネコ | 2009年6月17日 (水) 23時52分
えいさん,こんばんは!
『ノーボーイズ、ノークライ』観たいですぅ。
ハ・ジョンウさん,注目度が一気に自分の中であがってます。
>ハ・ジョンウは
>脚本の中に書かれているイメージとは違う解釈の演技をしていて・・・
そこらへん,どう違うのか詳しく知りたいなあ。
韓国の役者さんも,監督さんも,自分の信念がしっかりしてる方ばかりですよね。
日本との気骨の違いは,やはり軍隊のある国だからでしょうか。
甘いだけの韓ドラしかご存じない方々に,ぜひこういう韓国映画の本当の力を観てほしいですね。
あ,韓ドラも作品によっては非常に高水準だとも思いますが・・・
投稿: なな | 2009年6月18日 (木) 00時38分
rose_chocolatさん こんばんは!
>凄惨なんでもう2度と観ないとは思うんですが・・・
わたしはDVD買うかも・・・です。てへ。
韓国映画のDVDって特典が詳しいのが多いので・・・
特に「オールドボーイ」や「殺人の追憶」の特典は見ごたえありました。
役者さんの役作りの秘話や,監督さんの思いなど
知りたいことがいっぱいです。
普通の顔した猟奇殺人犯・・・現実の社会でも存在しそうで怖いね。
投稿: なな | 2009年6月19日 (金) 00時10分
ノラネコさん こんばんは!
>一言で言って「鮮烈」
>こんなに恐ろしくてハラハラする映画は久々に観ました。
ですよね~~!!
私的には「殺人の追憶」以来かな?
あちらは最後まで犯人の顔が見えない不気味さに押しつぶされそうでしたし
こちらは最初から犯人の顔がわかってるゆえに
周囲がそれに気付かないことへのもどかしさで押しつぶされそうでした。
韓国映画,勢いを取り戻しましたねぇ
ソン・ガンホの「こうもり」も何気に楽しみなんですけど。
投稿: なな | 2009年6月19日 (金) 00時16分
ななさん、こんばんは。ついにご覧になったのね~。
ノミと金づちのシーン、怖いですよね~。私も思わず目を閉じてしまいましたよ。なんでそんな殺し方なんだよぉ~と。
そしてミジン。ホント、彼女の努力は一体何だったんだ・・・と思うぐらいにやりきれなさすぎます。ホント、あの売店のおばちゃん余計なことを・・・。あと、あの女刑事は一体何をしていたんだ!?一番悪いのはパトカーで寝てた連中か・・・?
ハリウッドリメイク、どうなりますかねえ・・・。ここまで悲惨だとアメリカのお客さんは入らないような気がするので、ラストは変えちゃいそうですね(汗)。
投稿: | 2009年6月19日 (金) 00時56分
はっ。しまった。名無しでした・・・。↑
投稿: mayumi | 2009年6月19日 (金) 00時57分
ななさん、お久しぶりぶりでごめんなさい。
これ見たい! ほんと、この手のサスペンスは韓国ピカ1
ですよね。これはレンタルが待ち遠しいです。
楽しみに待ちます(^_^)v
投稿: アニー | 2009年6月20日 (土) 00時43分
mayumiさん,こんばんは!
DVD待ちかとあきらめていたら,今頃やってくれてる劇場があって。
これを大画面で観れるとは!迫力も緊迫感も凄かったです。
そうそう,あの要らんこと言いの煙草屋のおばちゃんと
役立たずの女刑事と爆睡警官たち・・・
全員に観てて青筋立ちましたよ~
ハリウッドリメイクは,きっと被害者生還に変えるかもですね。
こんだけ感情移入させといて,結局だめだった・・・というオチは
ハリウッドではそんなにないですもんね。
・・・あ,「ミスト」があったか!
投稿: なな | 2009年6月20日 (土) 21時27分
アニーさん
こちらこそすっかりご無沙汰~~(*^ω^*)ノ彡
その後,体調はいかがですか?
これ,きっとアニーさん気に入ると思うよ~
韓国映画はこの手の作品,ほんと上手いです。
日本のクライム・サスペンスが子供だましに見えちゃう。
投稿: なな | 2009年6月20日 (土) 21時30分
はじめまして。もう1ヶ月以上前に観た映画ですけど、このイタさ加減はかなりヘビーでした。初めから最後まで、ハラハラしどうしでした。最後は助かって欲しい・・というこちらの気持ちを無視して(?)、いたぶり、怖がらせ、感情を揺さぶらせまくる・・全くこの監督は只者ではないですね!どうすれば観客が感情を揺さぶらるのか?を計算しています。アッパレな人です。
飛行機で高々1時間もかからない(船で3時間ですから
、博多は)お隣の国は、凄いの作りますね。私は、殺人の追憶より好きですね。では、また!
投稿: みちしるべ | 2009年7月 3日 (金) 20時15分
みちしるべさん,こんばんは はじめまして!
コメントいただいてとっても嬉しいです。
みちしるべさんも韓国映画お好きですか~
私も大好き・・・というか,よく脱帽するような作品に出会うので
韓国映画って凄いなあ・・・と常々思っています。
あの国は名監督さんの宝庫だと思うのですが,まだ隠れてたんですね~,こんな大物が!
>全くこの監督は只者ではないですね!
>どうすれば観客が感情を揺さぶらるのか?を計算しています。アッパレな人です。
才能もさることながら,徹底してこだわり,
ノンストップでやりとげるパワーも凄いとおもいます。
日本の監督さんにはいないタイプかな?
こと映画に関しては,またまたお隣の韓国から目が離せなくなりました。
投稿: なな | 2009年7月 4日 (土) 22時40分
ななさん、こんばんは
わたしも電車で一時間かけて神奈川の藤沢というとこまで見に行きましたが・・・・ すごかったですね・・・・
劇場を出たあとの日の光がやけにまぶしかったです
これまでスクリーンに様々なシリアルキラーが登場してきましたが、ユンミンもその「ノミとトンカチ」と共に、我々の記憶に残るキャラとなるでしょう。実話が元というのがまたシャレにならん
しかし怖いと同時にとてもエキサイトする映画でもありました。やっぱりこの主人公がさえない小悪党というのがいいんですよね。普通ポン引きなんて主人公にしないと思うんですけど、そんなゴミのような男に少しずつ親しみをわかせていく脚本・俳優はすごいと思います
逆にまるで「もう最初からこうすることに決めちゃってたから」とでも言いたげな脚本の非情さには、ほとほと参りましたよ・・・
レオ様は先日マンガ『AKIRA』の映画化をすすめていたのですが、「どうしても納得のいく状況が整わない」ということで断念したとか。その辺からして制作にはかなり誠意ある姿勢を見せているようです。でもわたしもリメイク版は見るかどうかわかんないな・・・・(笑)
投稿: SGA屋伍一 | 2009年7月26日 (日) 21時34分
SGAさん,電車で1時間もかけて行かれたのですね~。
帰りはどんより~とした気分になったのでは?
しばらく自分も殴られたような気分が抜けませんでした・・・・
>ユンミンもその「ノミとトンカチ」と共に、我々の記憶に残るキャラとなるでしょう。
・・・こういう凶器で殺人を繰り返す殺人鬼って,初めて観ました。
・・・・怖すぎ。
>怖いと同時にとてもエキサイトする映画でもありました。
あのリアルで激しい鬼ごっこもさることながら
主演のデリヘル店長が人間的に再生していくあたり
どんどん感情移入している自分に気がつきました。
怖いサスペンスでもありながら,ヒューマンドラマでもありましたね。
リメイク・・・レオはいいんですが,監督がス●セッシさんなら,観ません・・・。
投稿: なな | 2009年7月27日 (月) 17時57分
こんにちは♪
ようやっと書きました〜
韓国映画に関しては経験値の低過ぎる私・・・
むちゃくちゃ見応えありました!
観てよかった。
あまりに救いのない展開にはハネケ映画をちょっと思い出しましたが、
ハネケにはない熱さに燃えましたし、ラストのかすかな光には(ほんのちょっぴりですが)癒されました。
ハリウッドリメイク、ディカプリオっていかにもですね
それなりに毒が抜けてそれなりに面白い映画になりそう
投稿: kenko | 2009年8月26日 (水) 15時38分
kenkoさん,こんばんは!
レビュー,お待ちしておりましたよ。
なかなか・・・書くにも気合のいる作品ですよね,これ。
後味の悪さはハネケにも通じるところはありますが
ハネケのような「意地悪」な香りはなく
もっとストレートに「悪」を描き切ることで
かえって「悪」に対する作り手の「怒り」のような
正義のパワーを感じました。
>ハリウッドリメイク、ディカプリオっていかにもですね
ほんとに!ディカプリオってこんな感じの作品好きですねぇ。
もちろん追っかけるデリヘルの元締めの役をやりたいんでしょうね~
>それなりに毒が抜けてそれなりに面白い映画になりそう・・・
全く別物のエンタメになりそうなイヤな予感もするんですが
過度な期待はせずに待とうと思います。
投稿: なな | 2009年8月27日 (木) 20時15分
ななさん、こんにちはー!急に寒くなってぶるぶるです・・。
インフルの方、ななさんち方面はいかがですか・・。
この映画、DVDを待ちわびて、やっと見れました!
すごく迫力と勢いがあって、面白かったです~。
普通の男性(知名度の無い俳優)が主役2人っていうのが凄く良かったと思いました。
あと、一番脱力したというか、ガーン!と来たのは、やっぱりあの女性の事です・・・。
ああいう風に期待させて、どすーんとこっちを突き放す・・っての、韓国映画で時々ありますよね。
>。(…ハリウッドなら生還させそうな気がする。)
これ、笑っちゃいました。絶対そうなると思います。
http://latifa.blog10.fc2.com/blog-entry-796.html
投稿: latifa | 2009年11月 5日 (木) 09時56分
latifaさん こんばんは
私もこれ,劇場で観たけどDVDになってすぐに
もう一度レンタルして観たわ~
何度観てもすごいな!って感じてしまう。
一度観始めたらもう最後まで一気に観ちゃう作品よね。
>ああいう風に期待させて、どすーんとこっちを突き放す・・っての、韓国映画で時々ありますよね。
容赦ないバッドエンドね~
でもそこが麻薬のようにやみつきになる韓国映画のパワーですよね。
ハリウッドリメイク,きっと気が抜けたものに仕上がるんじゃないかと
今から心配です~。
インフルの方はうちの学校にもようやくやってきました。
別に待ってたわけじゃないけど
周辺の学校が軒並み学級閉鎖なのにうちだけ無事だというのも
ヘンに落ち着かなかったりして・・・。
私も風邪ひいてますが,インフルではないと思うわ。
latifaさんも気をつけてね!
投稿: なな | 2009年11月 5日 (木) 19時59分