ウィンター・ソング
美しい金城さんが観れる!と思ってレンタルしたけど・・・・
彼の歌声まで聴けるとは,思ってもなかった!きゃー。
ミュージカル仕立てだったのね,これ。
そして金城さんてば・・・ストーカー入ってるキャラじゃん。
でも,やっぱりとっても綺麗で,切ない役だった・・・・。きゃー。
あらすじ: 女優になる夢をかなえるために、自分を捨てた孫納(ジョウ・シュン)を思い続ける林見東(金城武)。別離から10年後、ミュージカル映画の共演者として再会した林見東と孫納は、映画で演じる男女に自分たちを重ね合わせ始める。(シネマトゥデイ)
現実の物語と,彼らが演じるミュージカル映画と,過去の回想。
これら3つの物語がリンクしながら交錯するストーリー展開。
描かれるのは3人の男女の愛のかたち・・・。
過去の愛をいつまでも忘れられず執着し,苦しむ男。
自分の野望のために愛を簡単に反故にできる女。
愛の消滅を恐れつつも,自分から決着をつけようとする男。
金城さんが演じる林見東(リン・ジェントン)ってかなり女々しいんだけど。あんなにいつまでも(10年!)過去の恋人のことを引きずるなんて(引きずり方もめちゃ暗いのよ),現実にそんな男性がいたら,わたしゃ間違いなくひいてしまいそう。
だけど,演じるのが金城さんだもの・・・・。
その不甲斐なささえもが美しくて・・・。
特に「つぶらな」と表現したくなるような,あの黒目がちの小鹿のような瞳が,ヒロインを見つめる時に辛そうにうるむのを観るとねぇ~,ついつい同情してしまうじゃないの。「いい加減に彼女のことを忘れた方が,絶対あなたのためになるんだけど,あなたの気持ちもわかるわかる,あんな仕打ちをされて,仕返ししたくもなるよねー」って。
・・・しかし金城さん以外の人が演じた場合は,ここまでこの林見東のキャラに好感をもてたかどうかは疑問。いやー,得だね,美形って。何しても,たとえストーカーしても絵になる・・・。
そして,エゴなヒロイン,孫納(スン・ナー)を演じたのは,小さな中国のお針子でヒロインを演じたジョウ・シュンさん。小悪魔的なキュートさと,凛としてピュアな感じの美しさが魅力の女優さん。とても共感できるキャラクターではないのだけど,彼女が演じるとなぜか憎みきれない・・・・でもラストは「結局どっちを愛してるのよ,アンタは?」とつい言いたくなったけど。
スンの現在の恋人で映画監督の聶文(ニエ・ウェン)には,欲望の翼では,素朴で純情な青年を演じたジャッキー・チュン。
・・・・・もうね,この人は歌が絶品!
なんでも「歌神」と呼ばれているほどなので,上手いのは当たり前なんだけど,時には囁くように甘く,時には魂を振り絞るようにパワフルに・・・・彼の自由自在の表現力と,惚れぼれするくらいの美声に聞き入ってしまった。
他の出演者たちもみんなそこそこ器用に歌ってて,声も綺麗なんだけど,ジャッキーは格が違うというか・・・アマチュアのフォークソング歌手とプロのオペラ歌手の違い,みたいな。
あと,ミステリアスな天使役を演じていたのは韓国俳優のチ・ジニ。(チャングムに出てた)中国語で歌うって大変だったと思うけど,彼もまたソフトで優しい歌声が素敵だった。ジャッキーと堂々とデュエットもこなしていたし,なかなか天晴れ。
ストーリーやテーマにはそれほど大感動はしなかったのだけど,粉雪の舞う美しい冬の北京の風景はいかにも静謐で美しく,ミュージカルシーンもきらびやかで楽しい。それになんといっても,劇中で歌われる歌がみんな素敵で,それやこれやで,なんともいえない不思議な魅力を感じる作品だった。・・・・かなり好き。
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原題:如果・愛/Perhaps Love
偽りの愛が迎える結末とは・・あの一杯のラーメンから芽生えた恋は何者にもかえ難い素晴らしい真実だったはずなのに、夢と野望と打算に翻弄されるのか・・
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ななさん、こんにちは~。コメントとTBをありがとうございました!
そうそう、この映画「なんともいえない不思議な魅力」がありましたよね~。
私は、チ・ジニの役回りがいま一つ理解できなかったんです。
でも、それ以外は過去の回想や現在がわからなくなることもなく、楽しめました。
ジョウ・シュンってホント顔が小さいと思いませんか? かわいいよね。。
TB、最近ココログさんは全滅なので、またダメかも? ごめんね。
ではでは、また来ます~。
投稿: 真紅 | 2009年4月21日 (火) 12時02分
こんにちは、ななさん♪
この作品、金城さんにひたすら没頭してたような…。
ですよね、あまりに粘着質で本当にこんな人居たら怖い(T_T)
友達なら、説教したくなります。
でも、金城さんだからオドオドした感じも、再会後の恨み節も許せました。
歌声を聴けるって言うのもお得でしたね(≧∇≦)
でも、昨日レッドクリフⅡを観て来ましたが。トニー・レオンにやられちゃった…。ありゃ?
いつも、ミーハーコメントでごめんなさい。
投稿: 百香 | 2009年4月21日 (火) 15時58分
ななさん、こんばんは♪
大好きな作品です。金城クンのストーカー、おっしゃるように金城クンだから許せちゃったりします(笑)
>金城さん以外の人が演じた場合は,ここまでこの林見東のキャラに好感をもてたかどうかは疑問。
いやぁ、同感、同感!!
そして歌が素晴らしかったですね!
特に張學友。これを機に好きになりました。来日コンサートのときは足を運んだほどです。
実は今ストーリーを思い出そうとしても出てきません。あんなに好きな作品なのになぜ…。
もう一回観てみましょう。
投稿: 孔雀の森 | 2009年4月21日 (火) 20時37分
真紅さま こんばんは!
>チ・ジニの役回りがいま一つ理解できなかったんです。
わたしもー。
癒し系の雰囲気と歌声で,いい感じだしてましたが
役割が???別にいなくてもいいんじゃ?なんて思ったわ。
だって,すごい魔法を使うわけでもなく
登場人物たちに何か重要な示唆をするわけでもなく・・・
ジャッキーとデュエットして,
ラーメン(みたいなの)を出すくらいしかしてなかったような。
でもときどき,キラリと光る台詞をおっしゃってましたが。
彼を天使と言われても・・・はて。
>ジョウ・シュンってホント顔が小さいと思いませんか? かわいいよね。。
小猫ちゃんみたいで,金城さんと同じく
彼女も何やっても許せちゃったわ。
投稿: なな | 2009年4月21日 (火) 21時04分
百香さん こんばんは!
コメントありがとー。
この作品の金城さん,美しさも暗さもピカイチでしたね。
>あまりに粘着質・・・・
普通,10年も思い続けませんよ。切り替えますよー
それだけ裏切られ方がショックだったのか・・・・
にしても,毎年戻ってきて未練たらたらのテープを録音するなんて・・・
ああ~,やだやだ。
>金城さんだからオドオドした感じも、再会後の恨み節も許せました。
それは言えてる!反対に母性本能をくすぐられました。
金城さんの歌声を聴けたのも嬉しかったです。
ジャッキー・チュンにはそりゃ及ばないけど,でも彼の声もスキ
>レッドクリフでトニーさん
わかりますよ~,その気持ちも。特にⅡのトニーさんは
渋さも全開でとってもカッコよかったから。
投稿: なな | 2009年4月21日 (火) 21時16分
孔雀の森さん,こんばんは!
いやぁ,金城ファンには外せない作品と知りつつ
今まで未見だったのが不思議な作品なんですが。
べたべたの素直すぎるラブストーリーかと思って敬遠気味だったのですが
こんなひねった愛憎劇なら,もっと早く観りゃよかったです
金城さんにせよ,張學友にせよ,男って純情ですな,女性より。
張學友の歌声にはやられました。CD買いたいです。
コンサート行かれたんですか,いーなぁ。
>実は今ストーリーを思い出そうとしても出てきません。
きっとあんまり進展のない,どうどうめぐりのようなストーリーだったからでしょう。
お話も過去やミュージカルにしょっちゅうリンクするので
本筋の印象が薄かったですよー( ̄▽ ̄)
金城さんの泣き顔と張學友の歌声ばかり強烈でしたわ。
投稿: なな | 2009年4月21日 (火) 21時49分
ななさん、こんばんは~♪
これ、ミュージカル仕立てということで少々心配でしたが
金城ファンとしては大満足の1本でした☆
だってだって、小鹿の瞳のアップ画が盛り沢山なんですもの(笑)
おまけに歌声も堪能出来たしね
(でも歌うと声がちょい高くなるのね…)
実は金城くんのアイドル時代のCDを持ってるんですが、
やはり歌声より、話す時の中太の甘い声がいいかな?(^^ゞ
それにしても、ジャッキーさんの歌は凄かった!
>アマチュアのフォークソング歌手とプロのオペラ歌手の違い,みたいな。
ほんと、ほんと~ 舞台版ミュージカルなんてやったら
迫力あるでしょうね~ ジャッキーさん♫
でもまぁ… 個人的には金城武あっての本作でしょうかね。
ところで・・・
だぁ~ 
きゃー!!金城くんの横にななさんが!!
イメージ通り、知的で美しいななさん
お会い出来て嬉しい!
投稿: Any | 2009年4月22日 (水) 00時42分
お邪魔します~
そうそう、女々しいのよね・・・笑。
そして暗い・・・・爆笑。
10年間の月日、他の恋愛していた方がず~といいのにって、アドバイスもしたくなったけど。
まあ、金城さんだから許せるか・・・っていう結論ですべてクリアーかな・・この映画は。
ジャッキー・チュンさんって、私、この時まで
知らなくって・・恥。
名前観たとき、ジャッキー・チェン(違うだろ・・)も出ているのか
と思ったくらいで・・・。
いや~~でも、あの歌声にはしびれますよね。
なんだかんだ言っても、この映画、私も
好きだったりします。
でも前作の「ラブソング」のほうがもっと好きだったな・・。
投稿: みみこ | 2009年4月22日 (水) 08時51分
Anyさん こんばんは!
「金城堪能作品」ですよねー,これ。彼が出てる作品って
確かに「いいのよー,彼さえ観れれば」って作品が多い・・・。
>小鹿の瞳のアップ画が盛り沢山・・・・
この作品は特にねー,金城さん美しかった。
でも風景の映像も,他の俳優さんも(ジョウ・シュンとかも)みんな最高に綺麗に撮られてたから
きっと撮影も優秀なのね。
金城さんの声,歌うとキーが上がりますね。
それはそれで大好きですが
やはりしゃべる時のいくぶん深みのある低めの声が私も好きです。
ジャッキーの歌は初めて聴きましたが,「さすが歌神!」と思いましたよ。
それまでは「神」って大袈裟ちゃうん?と不遜なことを考えていましたが
ごめんね,ジャッキー,土下座!です。
>きゃー!!金城くんの横にななさんが!!
あら,ほんと,その位置は金城さんの真横ですね。
言われて気がついてなぜか焦ってしまった・・・・
知的と言われることは少ないのでありがとうございます。
投稿: なな | 2009年4月22日 (水) 20時28分
みみこさん,こんばんは!
すごく後ろ向きな考え方のキャラでしたね,金城さん。
>10年間の月日、
>他の恋愛していた方がず~といいのにって、アドバイスもしたくなったけど。
ほんとほんと!その方が建設的よねー
>まあ、金城さんだから許せるか・・・っていう結論ですべてクリアーかな・・
そうなのよねぇ
彼が演じたらストーカーだろうが殺人鬼だろうが
赦せちゃいますよ。
>名前観たとき、ジャッキー・チェン(違うだろ・・)も出ているのか
>と思ったくらいで・・・。
あはは,まぎらわしいよね,この二人。
私も過去の「欲望の翼」のキャスト名にジャッキー・チュンがあったとき
なんでアクション俳優が
シリアスなカーウァイ作品に出てるんだろ?と最初は勘違いしてましたわ。
投稿: なな | 2009年4月22日 (水) 21時16分
こんばんは~。
この映画は、映像が美しいよね~。
そしてやはり金城さんにつきる!
彼を堪能する映画ですよね~なんたって歌も聴けるし♪
あんな貧しいカッコも、あんまり見れないし・・・
歌神ジャッキーが上手すぎて、浮いてしまうのが難だけど。
ちょっとレトロなミュージカルシーンが、私は好きです。
投稿: マリー | 2009年4月26日 (日) 21時06分
マリーさん こんばんは
撮影はクリストファー・ドイルだったかしら?
さすがの美しさよね~~。
でも風景よりも何よりも美しい金城さん・・・
今より少し若いしね。
>あんな貧しいカッコも、あんまり見れないし・・・
そーよねぇ,貧乏ルックの金城さん,「20面相」の平吉も貧乏だったけど
あの時代はみんなそんな感じだったからねー庶民は。
ストーカーでも貧乏人でもやっぱり麗しいですね。
>歌神ジャッキーが上手すぎて、浮いてしまうのが難だけど。
わはは,「下手で浮く」ってのはあるけど
ひとりだけ「上手すぎても」浮くのよねぇ。
投稿: なな | 2009年4月27日 (月) 01時05分
こんばんは。
今度はこちらにお邪魔しちゃいました^^;
こんな風に金城クンの映画について色々お喋りできるなんて、
とっても嬉しいです^^
前に何かで読んだんですが、金城クンは撮影に入る前、主人公の林見東を”嫌な奴だ”って監督に言ったら、
「その”嫌な奴”を、嫌な奴じゃなく観客が感情移入できるような”繊細で深みのある男”にするために金城武を選んだんだ」って監督が言ったそうです^^
確かにこの役、金城クンじゃなかったら「ちょっと、怖い?」って感じですよね(笑)
チ・ジニ演じる天使の役は、3人の主人公のドロドロとした愛憎劇を観ることになる私達観客にとっての、
また、自分の側からしか物事を見れなくなってしまっている主人公達にとっての、
ワンクッション置いた案内人という役まわりで、私はとっても良かったように感じてます。
”愛憎劇”って観ていてあまり心地良くはないですもんね。それが、あのほんわかした独特のムードでそれとなく導かれると、
主人公達はそれぞれ過去の自分と相手に対して素直に向き合えるし、
観ている私たちも「そうよ、相手のことも考えてあげてよ」って何だか気持ちが優しくなる感じ・・そんな気がいたしました。
「ウィンターソング」も「ラブソング」も大好きな映画です*^^*
ちなみに私は毎晩、金城クンのCDをタイマーでセットして聞きながら寝ます^^
広東語より北京語の響きが好きです。もう耳がとろけます~(笑)
ゴメンナサイ、また長くなってしまいました^^;
投稿: ちー | 2009年9月25日 (金) 21時36分
ちーさん こちらにもありがとうございます。
この作品ってストーリーというよりは雰囲気が大好きです。歌も金城さんの美しさも~。
そうですか,監督さんは主人公に共感できるようにあえて金城さんを起用したのですね。彼が演じると役に深みが・・・というよりは,この頃の彼は特に美しいのでそのお顔に見とれてしまって,それで何でも許せちゃうような感じもありましたが。
もちろんこの作品の金城さんの演技も素敵ですが最近の彼(特にウォーロード)に比べると,まだまだ若いなぁ!これからもますますいい俳優さんに成長してくれそうですね。おとぼけからシリアスから,アクションまでなんでもこなせる大物俳優になりつつありますね。
チ・ジニさんの役は確かにこの作品のムードメーカーというか,上手く全体のバランスを取ったり雰囲気を和らげたりするキャラでしたね。
>ちなみに私は毎晩、金城クンのCDをタイマーでセットして聞きながら寝ます^^
おお~いいですね。金城さんの子守唄。私は彼の歌声はこの作品で初めて聞いたのですよ。とても優しくて甘いですね。
>広東語より北京語の響きが好きです。
広東語は語尾がちょっと甲高く上がるけど,北京語は落ち着いた響きがありますね。
投稿: なな | 2009年9月26日 (土) 01時23分