BOY A
英国の若手作家ジョナサン・トリゲルの同名小説を,ダブリン上等!のジョン・クローリー監督と脚本家マーク・オロウのコンビが映画化した,ブリティッシュ・インディーズの感動作。限りなく繊細でエモーショナルなきらめきを放ちながらも,答えの出ない重く深いテーマに圧倒される作品だ。
BOY Aとは,その名のとおり,少年Aのこと。
10歳の時に罪を犯し,少年刑務所で14年間を過ごした,ひとりの青年。保釈後の彼は,「ジャック」と名を変え,過去を隠して人生を再スタートさせる。はたして彼は無事に「更生」することができるのか・・・・?
主人公ジャックを演じる,アンドリュー・ガーフィールドが素晴らしい。英国の名門演劇学校出身の彼は,レッドフォードに見出されて,大いなる陰謀で映画デビューを果たしたんだっけ。複雑な心情の変化を,デリケートな表情の演技だけで完璧に表現することができる彼の演技に感服。
思春期のほとんどを,社会から隔離されて過ごしたジャック。そんな彼が外の世界に出た時に,感じる戸惑いや不安の大きさ。新しい体験に遭遇するたびに彼が見せる,痛々しいくらい,おずおずとした反応は,思わず手を差し伸べたくなるほど無防備で,危なっかしくて,そしてまたいじらしくて・・・・・。アンドリュー君の演技のせいか,主人公のジャックには,冒頭から好感を抱き,新しい生活を応援せずにはいられなかった。
彼が起こしたのは,事件当時に「悪魔の少年」とまで呼ばれた,残虐な殺人事件らしいが,そんな事件を起こす人間にはとても見えないジャック。物語の合間に挿入される,少年時代の回想からも,家族から十分な愛を受けられなかった,寂しく内気な少年の姿しか見えてこない。
だから,物語の中盤にさしかかって,彼が職場で同僚たちともうまくいき,恋人もでき,自分の居場所を確かなものにして,やっと普通の青春を謳歌し始めると,「このまま順調にいってほしい・・・,せっかく彼は生まれ変わることができたのだから・・・」と,祈るような気持ちで,彼の笑顔を追い続けた。もちろん,そんなに世の中は甘くはないということは,十分わかってはいたけれど。
そして,やはり予感は的中し,思いもよらないところから,彼の正体は世間に知られることとなる。それと同時に,彼の起こした事件の全貌も観客に明らかにされ・・・・。
真実を知ったとたんに,
掌を返したように彼に背を向けた世間。
行方をくらました恋人。電話1本で彼を解雇した雇い主。絶交を言い渡してきた親友。人命救助した時に撮られた写真が仇になって,世間に彼の顔写真が出回り・・・・。
そしてそれまで彼を応援していた私までもが,事件の全貌を知ってしまった今となっては,世間の反応を,「仕方ないかも」と感じたのだ。たとえ彼が私の知人でも,彼がどんなに好人物(人命救助をするほどに)に見えても,過去の罪を知ったとたんに,たちまち彼から逃げたくなるだろう。
たとえ重罪を犯しても,りっぱに更生できる人間がいる・・・それは事実。しかし,世間は決して彼らの罪を忘れず,赦さない・・・・これもまた事実。
特に,ジャックのような凶悪な犯罪の場合,世間は犯人の贖罪だけを望み,更生なぞ望んでいないのではないか?いや,更生できるとは信じていないのかもしれない。
結局,犯した罪から,
ひとは永久に逃れられないのだろうか。
少なくともジャックの場合,世間には,彼の居場所はどこにもなかった。最後の場面で,彼が遭遇した恋人との会話は,現実のことではないだろう。
ラストの苦い余韻は,あまりにも重くてやりきれない。
人は変わることができるのに・・・・それでもなお,取り返しのつかない罪や,世間の偏見の大きさの前には,更生という言葉は,なんと虚しく響くことだろう。
ジャックにも,彼を受け入れない世間にも,どちらの側にも肩入れすることなく,物語は唐突に終わる。このラストから,私たちはどう答えを出せばよいのだろう・・・。いつまで考えても,正しい答えは出ないような気がする。なんという難しいテーマだろう。
それだけに,なんとも強烈に心に残る。
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BOY A
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ななさん、こんばんは。
この作品は重いですよね。映画を観た後に、こんなにもいろいろと考えさせられた作品は久しぶりでした。
私は少年犯罪に厳しい考えを持っている方なのですが、この作品を観ていて、ジャックに立ち直るチャンスを与えてやってほしいと願っていたことも事実です。
でも、やはり、彼の犯した罪はあまりにも大きかったと思います。「更生」という名のもと、生きていくのはあまりにも都合が良すぎるのではないかと、思ってしまうのです。人を殺すということは、それだけ重いことだと思っています。
ジャック役のアンドリュー・ガーフィールドは良かったですよね。彼の繊細な演技は素晴らしかったです。
投稿: mayumi | 2009年4月26日 (日) 23時44分
ななさん、こんにちは!
この映画、凄く印象に残っています・・・。
>アンドリュー君の演技のせいか,主人公のジャックには,冒頭から好感を抱き,新しい生活を応援せずにはいられなかった。
これ、私も全く同じでした。あの男の子が演じたからこそ、同情的な目で応援しながら見ちゃった・・・。
大いなる陰謀は未見なのだけれど、面白いのかな~?
全然映画と関係ない話題でごめんね・・。おとついかな?新聞に載っていた事件で、6年前だかに父を殺して少年院に行って出所した少年が、最近母も殺して、今回は無期懲役になったそうなの。。。 死刑にすべき!とまでは思わないけれど、無期懲役って15年くらいでまた外に出て来るのよね・・・?現在彼は23才位。そうなると40才くらいからシャバに出る。 こういう人が普通に社会で生きて行けるのか?と思うと、大丈夫なのか・・・?と心配になってしまうわ・・・。それと同時に、どんな事情があったにせよ、両親を2人殺してる人がご近所に住んでいたら・・って思うと、やっぱり怖いわ・・。
投稿: latifa | 2009年4月27日 (月) 08時36分
mayumiさん,こんばんは!
うーん,ほんとに重いテーマでした。
語り口はさわやかなのに,内包されたテーマの重さに
ラストは押しつぶされそうでしたよ。
答えが出ないってことがまた,やりきれなくて・・・。
>私は少年犯罪に厳しい考えを持っている方なのですが・・・
私もどちらかというとそうですよ。
少年犯罪って,やはり異常性を感じるものも多いので
更生は無理なんじゃ?とかいう先入観もありますしねぇ。
でも,この作品ではやはりジャックに哀れさも感じてしまって。
>やはり、彼の犯した罪はあまりにも大きかったと思います。
>「更生」という名のもと、生きていくのはあまりにも都合が良すぎるのではないかと、思ってしまうのです。
うん,わかりますよ。被害者の遺族の身になってみれば
更生する資格なんかない,とさえ言いたくなってしまう・・・
過去を捨てて生きることは,罪もまた帳消しにすることみたいで
それは虫がよすぎると思われても仕方ないかもね。
ジャックがあんなキャラクターだったから,彼に同情もしたのですが
そうでなかったら,私も100%世間に味方していたでしょうね。
投稿: なな | 2009年4月27日 (月) 23時44分
latifaさん,こんばんは!
「シークレット・サンシャイン」に勝るとも劣らないくらい,ずっしりとくる作品でした。堂々めぐりで答えが出ません・・・
>大いなる陰謀は未見なのだけれど、面白いのかな~?
いや・・・(^-^;あまり面白くはないです・・・
でもアンドリュー君の,セリフは少ないのに,表情だけでしっかり感情の変化を感じ取らせてくれる演技は,一見の価値がありますよ。この作品でも。
>おとついかな?新聞に載っていた事件で・・・
怖いですよね・・・。そんな事件があるから,少年の凶悪犯罪の更生は無理!という価値観が生まれるんですよね。そりゃ,更生できる人も必ずいるわけだけど,どこにも保証がないわけだから,みんな自分の身を守りたい故に,前科のある人からは当然逃げたくなるのは当たり前ですよね。
「少年犯罪者は異常者だから矯正できない」という考えは,残念ながら誰もが持っているのではないでしょうか。被害者が同じ青少年のケースも多いから,犯人は社会から憎まれる度合いも強いですしね。
この作品って,「更生は無理」だということを描きたかったのかしら?とまで思いましたが,そこまでマイナスのテーマを投げかけたのでは勿論なくて,犯罪者の更生の困難さをリアルに訴えたかったのかもしれませんね・・・・
投稿: なな | 2009年4月27日 (月) 23時59分
ぼくもまさかこんな苦い幕切れが待っているとは
思ってもいませんでした。
このまま順調に行ってほしいと、
ほんとうにそう思ってしまうほど、
魅力的な側面を持ち合わせている主人公だけに、
なんともやり切れませんでした。
投稿: えい | 2009年4月28日 (火) 23時44分
ななさん、こんばんは^^
この映画試写会で観たんですが、最初は
内容からして睡魔がきちゃうだろうなあなんて
思っていたのですが、観始めたら、睡魔なんて
来ないくらい、キツイ映画でしたσ(^◇^;)
観ている時も観終わっても、何も答えが出せず
難しいテーマの映画でした。それだけに、ななさんが
言われるように心に残るのかもしれません・・・
罪を犯して更生する人もいますが、刑期を終えて
出てきてもまた罪を犯すひともいるわけで、
そのような世の中に生きていると、やはり私も
ジャックの過去を知ったら、逃げてしまうと
思います。。。
>結局,犯した罪から,ひとは永久に逃れられないのだろうか。
それが過失だったとしても(ジャックの場合は
ちがうかもですが)、殺人を犯したら、その罪から
は、永久に逃れられないと私は思います。。。
投稿: ひろちゃん | 2009年4月29日 (水) 03時40分
サイト運営し始めた者なんですが、相互リンクしていただきたくて、コメントさせていただきました。
http://hikaku-lin.com/link/register.html
こちらより、相互リンクしていただけると嬉しいです。
まだまだ、未熟なサイトですが、少しずつコンテンツを充実させていきたいと思ってます。
突然、失礼しました。
yYg2DziS
投稿: hikaku | 2009年4月29日 (水) 16時54分
こんばんは!
ななさん、この映画地味ながらスッゴイ心に響いた一作でした。
>結局,犯した罪から,ひとは永久に逃れられないのだろうか...
上...ですが...映画を観終わって、男の子を持つ母親ってこともあり彼に同情してしまった私です。
エンディングの後彼はどうしたのでしょうね??
投稿: margot2005 | 2009年4月29日 (水) 20時09分
えいさん,こんばんは
>このまま順調に行ってほしいと、
>ほんとうにそう思ってしまうほど、
>魅力的な側面を持ち合わせている主人公だけに・・・
そうですよね。ジャックが「いい青年」だっただけに
そういう印象をすべてチャラにしてしまう過去の事件が
世間の目が,やりきれなかったです。
自分も含めて世間の人たちの先入観って,こういうケースでは変わらないんでしょうね。
投稿: なな | 2009年4月29日 (水) 20時49分
ひろちゃん,こんばんは
>観始めたら、睡魔なんて来ないくらい、キツイ映画でしたσ(^◇^;)
うん,私も地味な作品かと思ってたら
地味は地味なんだけど一瞬たりとも目が離せなかったですね。
アンドリュー君の表情の演技がよかった・・・ということもあるのでしょうが。
「これから先,どうなるんだろう」(つまり,「いつバレルか?」と思って)
ずっと息を詰めて観てしまいました。
更生って可能でないといけないのでしょうけど
世間を震撼させるほどの犯罪って・・・
やはり「無かった」ことにはできないですよね。
その人が本当に「生まれ変わる」ことはできるとは思うんですけど
自分も含めて世間が受け入れてあげれるか?ということは難しいです。
保釈→再犯というケースもよく聞きますしね。
投稿: なな | 2009年4月29日 (水) 20時56分
hikakuさん,こんばんは
リンクのお誘い,ありがとうございました。
また後ほど,検討させていただきますね。
投稿: なな | 2009年4月29日 (水) 20時58分
margotさん,こんばんは!
一生忘れられない作品になりそうです,私も。
>映画を観終わって、
>男の子を持つ母親ってこともあり彼に同情してしまった私です。
わたしもジャックに同情はしたのですが・・・
だってまるっきり邪気なんかないキャラでしたからね。
でも,彼を受け入れない社会もまた,「仕方ないかな」とも思いました。
相反する思いに心が乱れる作品でしたね。
投稿: なな | 2009年4月29日 (水) 21時01分
ななさん、こんばんは!
私はこの作品は、去年とっても心に残った作品でした!
久しぶりにどっしりと心に響く作品を見たようで、思わず奮えたのを覚えています。
ななさん、ところで、お願いをしてしまって申し訳ないのですが・・・
今、ココログさんとはあまりTBの送受信が上手くいかないことが多いようです。
大変申し訳ないのですが、記事のURLを入れてくださいませんでしょうか?
ご面倒をおかけしてしまって、申し訳ありません。
投稿: とらねこ | 2009年4月30日 (木) 03時15分
ななさん、こんにちは~。コメントとTBをありがとうございました。
この映画ね、どーしても観たかったんですよ。
もうDVDになったのかな? とても考えさせられました。
本作でのアンドリューくんは本当に「完璧」ですね。。
繊細な演技ができる役者さんだと思います。
私も、信頼してた人が過去に重罪を犯してたと知ったら、やっぱり怖いかな。。
被害者家族のことを考えると、「更生」って軽く言えないとも思うし・・・。
難しいですね。
TBが届いてないかもしれないんですが、いつもすみません!
ではでは~。
投稿: 真紅 | 2009年4月30日 (木) 10時22分
こんばんはー。
この作品は映画館で観賞しましたが、映画的カタルシスのない結末と「じゃあもし自分がアンドリュー君の周囲の人間の立場だったらどう行動するか」を考えたときの絶望感に打ちひしがれてトボトボ帰宅したことを覚えています。まさに「仕方ない」の連続で、「社会とはこういうもの」であることを痛切に感じさせられました。
刑法第39条(心神喪失者は無罪とする)問題や差別問題、そしてこういった元犯罪者の問題は、結局は「共生」という着地点しかないことは明らかなんじゃないかと思っています。彼らを隔離するのもコロスのも社会を健全なものにする行動にはなりえず、結局はどちらか一方に振れすぎないようにバランスをとるシステムを構築するしかないかと。となると、キモは「制度」よりも「教育」である可能性は高いわけで、そういう意味では私(や、ななさん)にも一定の役割というか責任が発生してくる問題のような気がしています。
投稿: マサル | 2009年4月30日 (木) 21時19分
とらねこさん,こんばんは
>久しぶりにどっしりと心に響く作品を見たようで、思わず奮えたのを覚えています。
透明感も感じる雰囲気をまといつつも
ヘビー級の重さを持った作品でしたね。
どんな後味にせよ,
こんなにも深く鑑賞後に考えさせられる作品は傑作ですね。
TBはご迷惑をおかけしてます~~
ライブドアさん宅にはもう完全にTBが飛ばないので
いつも送るのは最初から諦め状態です。
今度から記事のURLを入れさせていただきますね!
投稿: なな | 2009年4月30日 (木) 21時53分
真紅さま,こんばんは!
まだ新作扱いですがDVDになってます。
前から気になってたので早速レンタルしましたよー。
>本作でのアンドリューくんは本当に「完璧」ですね。。
「大いなる陰謀」での彼はそんなに印象がなかったのですが
この作品で彼の演技派としての才能に驚きました。
レッドフォードも絶賛したそうですが
次回作も大作らしいですね。楽しみ。
しかし,ほんとにこれは答えが出ない作品でしたね。
いや,私自身の答えは出てるんですが
救いにもなりゃしない答えでした。
ところで真紅さま,しばらくブログを休止されるそうで・・・
とってもさびしいですが,再開を楽しみにお待ちしてますので
お休み中に英気を養ってくださいね!
投稿: なな | 2009年4月30日 (木) 21時59分
ななさん、こんばんは。
わたしもななさんと同じく、あの少年に心を痛めつつも、本当に罪を犯していたのだと知ってからはとても複雑な胸中になりました。
>たとえ重罪を犯しても,りっぱに更生できる人間がいる・・・それは事実。
しかし,世間は決して彼らの罪を忘れず,赦さない・・・・これもまた事実。
ここ、まさにわたしも感じたことでした!
人間は更正できるんだろうか、それを世間は受け止めるべきなんだろうか。
当事者である被害者以外はそうするべきとも、このドラマを見て思いはしたのですが、やっぱり答えを出すことはできません。だってあんな惨い殺人を犯して、あの少女は帰ってこないのだから…。
役者さんが良いだけに本当に頭をフル回転にして考えさせられた映画でした。
投稿: リュカ | 2009年4月30日 (木) 22時55分
マサルさん,こちらにもありがとうございます。
>まさに「仕方ない」の連続で、「社会とはこういうもの」であることを痛切に感じさせられました。
そうなんですよねー,それが事実だと思い知らされたわけですが
それでよいのか?と問われるとやっぱりやりきれなくて・・・
>元犯罪者の問題は、結局は「共生」という着地点しかないことは明らかなんじゃないかと思っています。
うん,理想は確かにそうなんですよね。
それはわかっているのですが,実現するケースはまだまだ数少ないですよね。
>キモは「制度」よりも「教育」である可能性は高いわけで、
>そういう意味では私(や、ななさん)にも一定の役割というか責任が発生してくる問題のような気がしています。
おおおー,またまたそんな大変なことを!
でもそれもそのとおりだと思います。
偏見や無知やその他もろもろの障害を打ち破るための啓発は
教育が担うものなのでしょうね。
となると,その責任を負っているわたしのような立場のものは
ジャックを受け入れる側に迷わずはっきりと立たねばならないのかもしれません。
投稿: なな | 2009年5月 1日 (金) 21時51分
リュカさん こんにちは
答えの出ないテーマを扱った映画としては最たるものかもしれませんよね。
>人間は更正できるんだろうか、それを世間は受け止めるべきなんだろうか。
>当事者である被害者以外はそうするべきとも、このドラマを見て思いはしたのですが、
>やっぱり答えを出すことはできません。
本当はイエスと答えたい問題であり
そうすべきことはわかっているのですが
それでも感情面ではどうしても
こういった類の犯罪者を受け入れられないのが普通でしょうね。
それが更生の芽を摘むことになるとしても
どうしようもない・・・というのが現状です。
だからこそ,ジャックのケースのような犯罪は
ぜったいに犯してはいけない・・ということだけは強く感じました。
投稿: なな | 2009年5月 2日 (土) 13時46分
ジャックの居場所・・この社会にはなかったですね~・・。
あのまま誰にも彼の過去が知られず、普通の生活ができたとしても、彼の心の中では、過去を抹殺しての今の生活が、本当に生きていると言えるのか、ってところまで来ちゃってたし。
贖罪は求めても、更正は求めてないのかもしれない・・というななさんのお言葉、凄く納得したりしました。
自分の胸に手を当てて考えてみると、結局はそう言うことなのかもしれない、と思います。
どんよ~~りした気持ちを引きずってしまいましたが、そういう考えさせられて、見たことを忘れられそうにないと言う意味で、傑作だと思います。
投稿: メル | 2009年5月13日 (水) 11時25分
メルさん こんばんは
難しいテーマに真っ向から取り組んだ作品で
観たこちらも,ドツボにはまってしまいましたよねぇ。
極論かもしれませんが
更生って,可能か不可能か,それを世間が期待するかしないかって
限度があるんじゃなかろうか?と思いました。
どんな罪を犯しても確かに更生は可能だと思いますが
世間がそれを喜ぶかどうかってね・・・・
もちろん被害者は,身内が惨殺された場合は犯人に求めるのは
更生より「償い」だと思いますし
関係のないわれわれだって,あまりにも理不尽な重罪を犯した人を
更生しました!のひとことで受け入れられるはずはないと思います。
人間の「赦す」能力はそんなに高くないですから・・・
神はどんな罪人でも赦す・・・しかし人間はそうではない・・・哀しいけれどそれも事実で
だからこそ罪を犯してはいけないんだと思いました。
投稿: なな | 2009年5月15日 (金) 22時58分