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2009年3月 3日 (火)

イントゥ・ザ・ワイルド

Into_the_wild
そして,僕は歩いて行く
まだ見ぬ自分と出会うために


あらすじ: 大学を優秀な成績で卒業したクリス(エミール・ハーシュ)は車や財布を捨て、自由を手に入れるための放浪の旅に出る。労働とヒッチハイクを繰り返し、アメリカからアラスカへと北上。アラスカ山脈の人気のない荒野へと分け入り、捨てられたバスの車体を拠点にそこでの生活をはじめる。(シネマトゥデイ)

・・・・最初,なかなか主人公のクリスに共感できなかった。
人生も折り返し地点にさしかかるほど年を重ねてくると,さまざまなしがらみに幾重にもがんじがらめに縛られているものだ。家族や社会への責任も,すっかり自分の一部になってしまっている。いまさら無責任に捨て去るわけにいかない。
Cap047
だから家族も資産も自分の名前さえ捨てて,荒野へと放浪の旅に出るクリスの生き方や価値観からは,若さゆえの傲慢さや甘え,無謀さしか感じることができなかった。

しかし,とは言っても,軽快なBGMに合わせて,息を呑むほどの大自然の中を,苛酷かつ気ままな旅をしてゆくクリス・・・・つまりエミール・ハーシュの姿のなんと自然体で魅力的なこと。そこには,共感できないにも関わらず,どうしても目を離すことができないような煌めきがある。

そして,クリスの生い立ちや家庭,特に両親の事情などが明らかになってくるに従って,彼の繊細さや純粋さ,両親に対してためこんだ怒りがなんとなく理解できた。彼にとっては,なんの価値も見いだせなかった偽りの生き方を捨てて,出発した自分探しの旅。美しいけれど人間を拒絶する厳しい大自然の中でのサバイバルは,まさに命懸け。私たち観客は否応なしに彼の旅を追体験し,彼の心に寄り添わざるを得ない。
Cap054
過去のしがらみも,未来の計画もない生き方。
旅の途中で出会う人々との関係は,それぞれあたたかいものではあるけれど,一期一会であり,その絆は永続的ではない。確かになんという究極の自由!責任は自分に対してだけとればよい。しかし,その代償として,文明の見返りも生活の保障も何もない孤独に甘んじなければいけない

・・・・大自然の中で太古の人間のように,ただ「生きる」ためにだけ生きる。そんな生き方は,もちろん私の好むことろではないけれど,それでもそれを追求したクリスの純粋さには,惹き付けられるものがあり,うらやましいと思う自分も確かに存在する。
Cap069
結局,彼の最期は悲惨なものとなるのだが,自業自得と切って捨てる思いにはとてもなれず,彼なりに幸せで豊かな人生だったのだと,素直にそう思えた。

うーん~。なんて深くって哲学的な作品。観る人によってさまざまな感じ方があるし,自分の価値観を問い直したくなる物語だ。確かにこれは,酸いも甘いも噛み分けたショーン・ペンしか撮れない傑作かも。

たとえどんなに煩雑なしがらみであっても,わたしは社会と繋がっていたいし,人との絆や物への愛着を忘れたくはない。そしてそこから生じるプラス面もマイナス面も,まとめて享受したい,という思いを新たにした。だって,やっぱりたったひとりで大自然と生きる必要性をわたしは感じないから。
Cap052_2
・・・・・クリスのような生き方ができるのであれば,
それはそれで素敵だと思うけれど。

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映画 あ行」カテゴリの記事

コメント

私は2008年洋画ベスト1に選んだ映画です。

ま、後半に観て、あまりにも衝撃的だったので…。

圧倒的な映像美でしたよね~。

もう一度スクリーンで観たい作品です。

あなばななさん こんばんは
そうそう,あなばななさんの2008年のベストワンでしたね。
やっとDVDリリースされたので観ることができました。
いやね~,究極の自分探しの旅に出た若者がノタレ死にしたお話と
言ってしまえば身も蓋もないのですが
これをここまで魅力的な「見れる」作品に仕上げたショーン・ペン。
彼のこれまでの人生のアクの強さが,いい意味で実を結んだような
異色の傑作だと思いました。
エミール・ハーシュくんの魅力ももちろんこの作品に華を添えていると思います。

ななさん、こんにちは~!
これ、冬に見ると寒いでしょう?^^
なかなか面白かったのだけれど、ラストが悲しかったな・・・。
彼の様な生き方、若さゆえのものもあるのかな~とは思いつつも
素敵だな・・・と思う部分もありました。
でも、実際やる人はそうそういないしね・・・
ヘラジカさんのシーンが印象に残ってます・・・。

ななさん、こんばんは~。
この作品ね~、私はクリスの若さが痛々しかったです。
自由を求める気持ちとか、彼の繊細さが伝わってくるだけに、ああいう行動をとらざるを得なかったのはわかるのだけど……。
若い時って誰しも同じように思う時がありますよね?
で、そんな時期を乗り越えて年を重ねていくんだと思うんです。
なので、もしクリスが生き延びることができていたら……彼は自分のしたことを振り返って 「あの頃は若かったな~」 なんて、笑って自分の経験を話せていたのかもしれない、そんなふうに考えちゃうんですよね。 クリスの失われた未来の可能性を思うと、本当に悲しくなりました~。

こんばんは
このチョイスはショーン・ペンのオスカー受賞記念でしょうか。もらったのは監督としてではなく、俳優としてだったけど

自分は自分にできないことをやってのける人間を、単純に「すごい」と思ってしまうので、それだけでクリスのことを尊敬してしまいます
確かに無謀なところもあったかもしれないけれど、あんな生き方は、そうそう誰にでもできるもんじゃないです

映画を見ながら、昔自分も放浪の旅にあこがれてたことを、気恥ずかしさと共に思い出したりしていました(笑)

あと記事の下の方の巨大耕運機?のスチール、改めて見てしみじみいい絵だな、と思いました

latifaさん,こんばんは
TBもありがとうね~
ほんと,冬に観ると寒さが一段と体感できましたよ。
これって,公開は夏だったのかな?
彼の生き方は,若いもんしかできませんよ。
それか,人生にもう未練がなくなった年になって
何もかも捨ててそういう生き方したくなるかも。
ただし,そのころは体力が残っていませんが。
普通は思っても実行できるもんじゃないよねぇ。
その点,クリスってすごいなぁと思いました。
大自然や野生の動物も素晴らしかったですね。

りらさん,こんばんは
クリスの若さが痛々しかった・・・というりらさんの気持ちよくわかりますよ。
>若い時って誰しも同じように思う時がありますよね?
>で、そんな時期を乗り越えて年を重ねていくんだと思うんです。
うん,確かにそうですよね。
乗り越えて,しがらみや自分の理想に反することとも折り合いをつけていくことが
大人になる,ということかもしれませんね。
もし,クリスが命を落としてなかったら,帰途につき,そしてこの体験を自分の成長の糧として
彼は深みのある大人になったとも思えるんですよ。
物語としては,ああいう終わり方の方がテーマが徹底できていいのだけど
やはり哀しいですよねぇ。


SGAさん,こんばんは。
これねー,公開時から観たいと思ってたのだけど
近くの劇場に来なかったのですよ。
観たいと思ったのはショーンのせいもありますが
エミール・ハーシュくんが観たかった・・・という不純な動機もあり・・・。

>自分は自分にできないことをやってのける人間を、単純に「すごい」と思ってしまうので、それだけでクリスのことを尊敬してしまいます
たしかに,クリスはすごいですよね。
サバイバルを貫く意志や,体力やスキルや・・・それに知性もないと
あれだけのことはできませんもの。

>映画を見ながら、昔自分も放浪の旅にあこがれてたことを、気恥ずかしさと共に思い出したりしていました(笑)
おお~,やはり男らしいですねー,SGAさん!放浪の旅ですか~
私は,大自然の中で隠遁生活をしたいなぁとは思いますが
サバイバルには自信がまったくないので
金と食料はたっぷり持っていきたいなぁ。
でも,人間関係のわずらわしさを捨てて一人っきりになりたいとは,よく思いますよ。
・・・・孤独にだけは強いんです。わたしも。
>記事の下の方の巨大耕運機?のスチール、改めて見てしみじみいい絵だな、と・・・・・
一瞬だけの画像なので保存するのに苦労しましたが
なんとも心癒される雄大な画面ですよね~。私もお気に入り♪

こんにちは
自分は一番最後の主人公が気付く、
「Happiness is only real When Shared」
という言葉が印象的です。
喜びは、一人では感じることはできないんですよね。
誰かと共有して、初めて喜びや幸福感は実感できる。
そのとおりだと思います。

これ、ブロガーのみなさんがおすすめしていて
私も早く観たいんですが、なかなかレンタル屋にいけなくて・・

>・・・・・クリスのような生き方ができるのであれば,それはそれで素敵だと思うけれど。

自由はスキだけど、インドア&シティ派の私は大自然な中では生きていけないと思う。笑
DVD借りたら、クリスの生き様を私も体験したいです。

亮さん こんばんは
いつもコメントありがとうございます。
>喜びは、一人では感じることはできないんですよね。
>誰かと共有して、初めて喜びや幸福感は実感できる。
まさにそうですよね。
誰かと共有するとき喜びは倍になり
哀しみは半分になる・・・という言葉を聞いたことがあります。
自分の本質を見つめなおすために,孤独になることも必要ですが
やはり誰かと感情を共有するために
人間は存在するのだと思います。

アイマックさん,こんばんは!
そうそう,これ,皆さんの評判いいですよね。
私も気に入りました。
何かしら,必ず自分なりにいろいろ考えさせられる物語でした。

こういった作品,今まであんまり見たことないので新鮮でもありましたよ。
>自由はスキだけど、インドア&シティ派の私は大自然な中では生きていけないと思う。
うんうん,わたしも。私はインドア&カントリー派ですけど。
アウトドアライフって,超苦手です。
キャンプとか野外での炊事なんてキライ~~~。

これ!これ!本当に見たかったのですー!!劇場で。本当にすごい忙しくて見られなかったのです。後悔~~。ショーン・ペン監督作品。どんななのか見てみたい。それと荒野の映像。DVDかな。見てみますね!

 ななさん、こんばんわ~

この映画は結局劇場で3回見てしまいました、去年のベスト1か2です!ショーンの鮮やかな演出が見事で、エミールくんが超よかったです、脇の役者というか登場人物も皆よくて(特にK・キーナーが良かったな)・・・、これがハッピーエンドなら「ロードオブドッグタウン」以上の青春映画でしたが・・・、
 男子ならわりとこのクリスの気持ちわかるような気がします、旅に出たい気持ち、でもってクリスって純粋で優しい!家族に文句や暴力ではなく自分から出て行ったわけだし、結局家族が嫌で旅に出た(それだけではないでしょうが)クリスは最後に家族の大事さが理解できたわけで・・・ほんとに生還していればかなり立派な大人になれたでしょうに・・・
話が前後しますがクリスの優しい性格が随所に出てましたね、自分の電話代をあげちゃったり、ヒッピー夫婦とのエピソードや女の子との出来事やラストの老人とのエピソード・・・、とにかくこの映画を見た時の印象はピュアな映画でした、そして両親や妹側からも描いてました、両親も変わっていき、ほんとにクリスが生還していれば・・・(素晴らしい家族になったであろう)と思ってしまいます、それが切ないですね。
 こんな変なコメントでは全然伝わりませんが、僕の大好きな映画です!
 あっ、それと原作「荒野へ」を読もうとしてますがまだ買ってません(クリスと違い行動力なしの自分で
す)

ロボさん こちらにもありがとう!
これ,いいですよ~,感じ方は十人十色だと思いますが
雄大な映像の美しさと,クリスの生き方に圧倒されますね。
DVDレンタル開始されたばかりです。今はまだ新作扱いかな?

イニスJrさん こんばんは
劇場で3回も観たのですか~!それはすごい。
確かこの作品,私は劇場では見逃したけど
イニスJrさんが絶賛されていたのを覚えててレンタルしてみたのですよ。
エミール・ハーシュくん,可愛いカッコよかったです。
脇役もみんなよかったですね。ウィリアム・ハートも出てたし・・・
>これがハッピーエンドなら「ロードオブドッグタウン」以上の青春映画でしたが・・・、
そうですね,こういう終わり方も考えさせられて嫌いではありませんが
ハッピーエンドだと,一気に爽やかさが増して,それはそれで凄く魅力的な作品になったと思います。
ショーン・ペンですから,爽やかな作品を撮るはずはないのですが・・・・

男の子なら,クリスのように放浪したい,という気持ちは誰もが持っているのかもしれませんね。
その点,女性は保守的というか,ひとところで巣を作ろうとする生き物ですから・・・。
両親に対しては怒りを抱いていても
クリスのピュアなところや優しいところは
旅の途上で出会うみんなから愛されていましたね。
両親との和解も,彼が生還を果たせばきっと実現したはずなのに,残念ですよね。
原作も買ったのですか~,そっちの方も興味をひかれます。


 

こちらにも。
私も、エミール・ハーシュくんが観たかった・・・という動機でしたが・・・・・笑
後半のあの迫真の演技にはもう目が釘付けでした。
痛々しくって・・・。
私もななさん同様、彼の生き方には共感できずに
いましたよ。やっぱり、彼を取り巻く家族の気持ちも
理解できるからね・・・。
でも、話自体は興味深く、どんどんのめり込んで観ていました。ミルク確か出演していますよね。
これまた、全然違う容貌だけど・・笑
楽しみですよね。

みみこさん こんばんは
こちらにもありがとう。
みみこさんもエミール・ハーシュくん目当てでごらんになりましたか。
この作品の彼,今までで一番魅力的だったですね。
それだけにラストに近くなると痛ましかったですが。

彼の生き方は共感はできないものの
素晴らしい映画でしたよね。
そうそう,この繋がりなのか
ショーン・ペンの「ミルク」にも出てるみたいですね。
「ミルク」もとっても観たい作品なんですよー。

こんばんは ななさん おひさしぶりです。
こんなコメントすると それを言っちゃあ、と思われそうですが・・・

彼が 文明の恩恵や裕福な人生を捨ててまで 大自然に生きた結果 飢えや 野草の毒で弱り切って悲しい最期を迎えた・・・

あまりに無謀としか言えませんね。

実家が嫌ならまだ よそに引っ越して一人暮らしをしたほうがよかった。

アルバイトで普通に食いつないぎながら 大学で学んだことは捨てて 別の分野で 手に職の技術や知識を磨いて その分野での仕事に就けばよかった・・・

 社会との接点を断ち切るなんて 飛躍し過ぎ・・・かな。

>結局,彼の最期は悲惨なものとなるのだが,自業自得と切って捨てる思いにはとてもなれず
 そこまでは ボクもなれませんね。確かに無謀ではあるんですが 同時に大自然の自由にあこがれを持ち その過酷さに責任を持つ彼は 人として輝いてたところもあったのも事実です。

でも これ 本作の撮影を担当したエリック ゴーティエ、 同じロードムービー系統の「モーターサイクルダイアリーズ」でも 撮影の担当なんですよ。

「モーター~」のように 誰か 相棒といっしょに旅に出てたらまた違ったんじゃないかな。いっしょにいる相棒と協力しあえば まだ死なずに済んだかも。

zebraさん おひさしぶりです。お元気ですか

またまた古いレビューにお越しくださりありがとうございます。
書いた本人はすっかり作品の詳細を忘れてしまっていて
再度自分のレビューを読み返したりして記憶をよみがえらせました。
今となってはエミール・ハーシュくんの美しさしか覚えてないかも・・・(苦笑)

>あまりに無謀としか言えませんね。
たしかにそうかもしれませんね。
というか,やろうとしても無理だろってイメージがやっぱり強いかもしれません。
私個人としては,今の生活や家族を捨てちゃいたくなるとき,実はあるのですが(発作的に)
でもそれでも文明から遠ざかろうとは思いません。
大自然でサバイバル・ホームレスなんてぜったいにやりたくないです。
もともとアウトドア派じゃないので・・・・引きこもりならやれるかも・・・です。

ところでエミール・ハーシュ君ってこういう無謀な自由奔放な役が似合うのか
昨年くらいにDVDで観た「ある愛へと続く旅」でも,無謀といえば無謀な悲しいヒーローを演じておりましたよ。

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