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2009年3月12日 (木)

JSA

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1999年10月28日午前2時16分。
11発の銃声,二つの死体。
共同警備区域(JSA)で何が起こったのか?


朝鮮の南北分断の悲劇を描いた作品の中でも,とりわけ重い余韻を残す傑作だ。監督は,オールドボーイなどの復讐三部作でも有名なパク・チャヌク監督。

Cap005

この作品,もちろん初見ではない。
久しぶりに観てみたわけだけど,事件の真相をあらかじめ知っていて観ると,4人の南北兵士たちの屈託のない交流シーンが切なくて,哀しくて・・・・。それがあんな惨劇につながると知っているだけに余計に,彼らの邪気のない笑顔を観るのが辛かった。
Cap024
禁断の38度線を越えて,
許されざる友情を結んだ4人の兵士たち。

人情味のあふれる頼もしい士官ギョンピル(ソン・ガンホ)と,お人好しで小心者のウジン兵士(シン・ハギョン)は北の朝鮮人民軍の所属。そして除隊を目の前にしたスヒョク兵長(イ・ビョンホン)と,気弱でさびしがり屋のソンシク兵士は,南の国連軍の兵士だ。
Cap006
4人が親しくなったきっかけは,ある夜,スヒョクが誤って38度線を越えてしまい,おまけに地雷を踏んで窮地に陥っていたところを,ギョンピルに助けられたから。

敵でありながら命の恩人という秘密の関係。ギョンピルのあたたかい人柄に惹かれたスヒョクは,彼を「兄貴」と呼んで慕い,石に結びつけた手紙を,境界の川越しにやりとりするようになる。そしてある晩ついにスヒョクは,「帰らざる橋」の38度線を越えて,北の歩哨所の扉を叩く。
Cap028
ギョンピル,ウジン,スヒョク,それにスヒョクの弟分のソンシクも加わって,互いに言葉を交わすだけでも重罪になる4人の兵士たちは,秘かに他愛無い遊びや雑談に花を咲かすようになる。

彼らが心から楽しそうに談笑している場面を見ると,やはり同じ民族なんだよなぁ,と思う。もともとは同じ歴史や心意気を持っていた同胞であり・・・憎みあい,殺し合うような関係であるのは間違っている,ということを感じずにはおれない。
Cap046
とは言っても,ひとたび事が起これば,やはり彼らの関係は
一転して一触即発のものとなる。

あの事件当夜の出来事・・・・
4人が一緒にいるところを北朝鮮軍の上尉に見つかった瞬間に,それまで和気あいあいと楽しかった歩哨所内の空気は,「殺るか殺られるか」という緊迫したものに変わる。本能的に銃をつきつけ合う兵士たち。「所詮は敵なんだ・・・」というスヒョクのつぶやき。
Cap052
4人の兵士のそれぞれの個性と,この事件が彼らに与えたダメージや影響は,はっきりと描き分けられている。

取り乱して引き金を引き,精神のバランスを崩してしまったソンシク。秘密を守ろうと気丈に努力はしたものの,最後は良心の呵責に耐えきれなかったスヒョクの悲劇的は決断。あんなにも親しかったウジンに向けて引き金を引いたという事実は,彼にとって背負いきれないほどの重荷だったのだろうか。
Cap033
そして,ただひとり,事件の最中も,そして事件後も冷静さを保ちづつけたのは,やはりギョンピルだった。常日頃から「実戦で大切なのはいかに速く引き金を引けるかではなくて,冷静さを保つことだ」と言っていたことを,見事に実践してみせた。

彼は事件の直後に,スヒョクとソンシクを逃がす。同志のウジンを無残に射殺したソンシクと,自分に向けて至近距離で引き金を何度もひいたスヒョク(弾切れでなかったら殺されていただろう)なのに。その後は一貫して嘘の供述を述べ,尋問で追い詰められたスヒョクの前ではとっさに渾身の芝居を打って,彼を自供から救う。

日頃は温厚な彼が,事件で受けた心の傷や衝撃は,他の3人に勝るとも劣らなかったと思うのに,いざという時は感情に流されない鋼のような意志の強さは流石だった。
Jsa5
ラストシーン,哀切な曲とともに,この写真が映し出されたとき,いきなり怒涛のように涙が込み上げてきた。板門店を訪れた観光客が撮った一枚の写真の中に,偶然4人が映っている。

北朝鮮側の歩哨に立っているギョンピル。
はるか背後を,こちらに笑顔を向けて行進していくウジン。
南側の歩哨に立っているソンシク。
そして,撮影を防ごうとカメラの前に立ちはだかるスヒョク。

何の罪もない4人に,この後降りかかる悲劇をおもって,エンドロールの間,しばし号泣してしまった・・・・。南北分断の悲劇を描いた作品では,シュリももちろん名作だが,このJSAは,シュリのようなラブストーリーの味付けがないゆえに,一層リアルで重く,やりきれない悲哀を感じる。
Cap041
・・・・この作品が出世作となったイ・ビョンホン
名優ソン・ガンホを前にして気おくれすることなく,堂々たる演技を見せている。トレードマークのキラー・スマイルはあまりないが,精悍さと苦渋に満ちた表情が魅力的だ。

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映画 さ行」カテゴリの記事

コメント

お久しぶりです。昨年でしたか、衛星かどっかで途中からやってるのに気づいてチラ見したら結局最後まで観て嗚咽してましたねえ。
逆に劇場で初めて観たときは現実を模した物語のあまりの過酷さに水を浴びせられたような衝撃の方が大きくて…もっとも、シュリに影響されて韓国語をかじり、この頃には朝鮮半島の文化もかなり知ってたのですが、それでも映画で観ると…。
これに呼応するように北朝鮮側でも似た話が作られたの、ご存じですか?ただしラストは結局韓国兵士がスパイだったことに気づいて…ってなイルソン洗脳的展開なんですけどね。

それにしても冒頭の検死のシーンなどは本物使ってるの?と思うほど死後硬直がリアルで見てられませんが、韓国映画での死の描写を見てしまうと日本のが学芸会に見えてしまっていけませんねえ。

この映画でソン・ガンホのファンになりましたね。
何といっても最後に敵であり友人でもあるイ・ビョンホンを救うために「金正日将軍万歳」と繰り返し叫ぶシーンは圧巻でした。

あの迫力、本当にシビれましたよ。
個人的には今でもアジアNo.1俳優はソン・ガンホです。

よろ川長TOMさん こんばんは!
もう8年くらいも前の作品でしょうか?
劇場でご覧になったとはうらやましいです。
確かに,これを初めて観たときは,まさに茫然としてしまいました。
シュリもそうでしたが,シュリは悲恋物語の要素もあったので
まだそちらのエンタメ性がありましたがこれはとことんリアルに思えました。
ソン・ガンホさん演じる北の古参兵士の心意気の見事さと
シン・ハギョン演じるウジン兵士の哀れさがとても心に残ります。
>これに呼応するように北朝鮮側でも似た話が作られたの、ご存じですか?
いや,知りませんでしたが,ラストを聞く限りでは,いかにも北朝鮮らしい終わり方ですね。

こういう傑作を観ると,日本映画の政治もの,戦争ものが確かに子供だましにも思えてきます。


にゃむばななさん こんばんは!
私もこれでソン・ガンホのファンになりましたよ。
その前にシュリを観ていたのですが,その時はそんなに・・・。
その後,「殺人の追憶」「グエムル」「大統領の理髪師」・・・どれも素晴らしいですね。
>敵であり友人でもあるイ・ビョンホンを救うために「金正日将軍万歳」と繰り返し叫ぶシーン・・・・
あのシーンは私も圧倒されました。
>個人的には今でもアジアNo.1俳優はソン・ガンホです。
演技力に関して言えば,( ̄ー+ ̄)私の評価もそうかもしれません。


ななさん こんにちは♪

>このJSAは,シュリのようなラブストーリーの味付けがないゆえに,一層リアルで重く,やりきれない悲哀を感じる。

そうでしたねぇ。
『シュリ』も秀作ですが私はこちらの『JSA』のほうが好きです。

キャストがまず素晴らしかったですね!
軍服姿でも光っていたイ・ヨンエの美しさ!
ソン・ガンホは言うまでも無いですが、シン・ハギュンもかなり存在感のある演技で良かったですよね。
韓国俳優の奥の深さを感じさせられる作品でした。

ななさん~、こんばんは(^○^)
私はこの映画、自分のお気に入りの映画です。
って書くと、よもやビョンホンのファンなのか?って勘違いされることが多くて、違いますっ!と強く否定するんだが(むしろ、ビョンホン氏は、ナルシストっぽくて、ちょっと苦手なのよ)
私は、シン・ハギュンさんとソン・ガンホさんは好きです☆

シュリでは感動とかしなかったんだけれど、この映画は、凄く好きなのです。韓国映画にしちゃ~珍しく恋愛部分が無かったのもむしろ良かった。
もともと、こういう敵対する関係なのにもかかわらず、親交を・・ってのに、すんごい弱いんです・・。

>事件の真相をあらかじめ知っていて観ると,4人の南北兵士たちの屈託のない交流シーンが切なくて,哀しくて・・・・。
 そ~~なのよね!!だから最初見た時より、2回目以降に見ると、そこらあたりが、じ~んと来ちゃう・・。

なぎささん,こんばんは

これはよかったですね~
初見時もかなり感動しましたが
こうしてだいぶたって観直してみると
あらためてその完成度の高さや,俳優陣の素晴らしさに唸ります。
ラストカットが秀逸でしたね~,あの余韻をなんと言いましょうか・・・
>ソン・ガンホは言うまでも無いですが、シン・ハギュンもかなり存在感のある演技で良かったですよね。
シン・ハギョンさん,この作品では特に強烈な印象を残しますよね。
それはそうと,パク・チャヌク監督の新作「こうもり」にソン・ガンホが吸血鬼役で出るそうですね~
これにはシン・ハギョンさんも出るそうで,期待してしまいます~。

latifaさん こんばんは~
latifaさんもこれが大好きなんですね!
別にビョンホンさんのファンでなくても,惹かれるところの多い作品ですよね。

私はビョンホンさんの作品の記事をけっこうアップしてますが
彼の大ファンというわけではなく,顔だちなどはかえってそんなに好みではありません。
彼の声と演技が好きなんですよね。

>韓国映画にしちゃ~珍しく恋愛部分が無かったのもむしろ良かった。
うんうん,そうですよね。
恋愛ものも韓国はうまいけど,恋愛のないヒューマンものはもっと上手い・・・。
「殺人の追憶」とか「大統領の理髪師」とか「シルミド」とかね。

最近はいい韓国映画が減ったけど,またこういう作品たくさん出るといいなぁ。
パク・チャヌク監督のようなひとに頑張ってほしいですね。


もう少し前の映画ですね。さすがにこれは記事に書いてません
公開当時黒澤明の『羅生門』に似ている、という評価を読みました。でも謎解きよりも印象に残ったのは、せっかく築けた友情が一瞬にして崩れ去ってしまう悲しさでございました
あと大の男がそろって何をやるかと思えば、ヒジョーにたわいもない遊びだったりとか(笑) まあ何もない前線ではあんなことしかやることがないんでしょうけど

南北分断ものは、わたしも本作、『シュリ』『シルミド』『トンマッコルへようこそ』と見ました
『シルミド』はこれまでに見た中で最も救いのない一本。『トンマッコル』は逆にこれまで見た中で、もっとも救われた一本です

SGAさん,こんばんは!コメントにお越しいただいてありがとー。
そうそ,これは古い作品ですわ。
ビョンホンもガンホもまだ有名でなかったころですもん。
>公開当時黒澤明の『羅生門』に似ている、という評価を読みました。
うんうん,「真相は藪の中・・・」というあたりが似てますね。
そこらへんはサスペンスとしても面白かったです。
>大の男がそろって何をやるかと思えば、ヒジョーにたわいもない遊びだったりとか・・・・
ほんと,しょーもない小学生が喜びそうなゲームやってましたね。
でも酒盛りするわけにはいかないし,あんなもんしかできなかったのかもしれませんね。
彼らの遊びのシーンは微笑ましかったです。

南北分断もの・・・「シュリ」はエンタメ性はピカイチでしたし
「シルミド」はあまりに悲惨で再見したくないくらいですね。(実際再見できてません)
「トンマッコル」は寓話?っぽいのか?と思って未見なのですが
今度レンタルしてきたので近々観ようと思ってます。

■パクチャヌクって、この時には癖なかったんだなあ〜とつくづく感じる一本ですね(以降はご存知の通り)。ラストで帽子を取ってニヤリと笑うソンガンホの顔面演技は、殺人の追憶のラストと双璧ですね、北朝鮮兵士がするだろう?顔の仕草
の上手い事!今更ながら彼の技術力(勿論、他の力もありますが)の高さに驚かされます。

また、シンハギュンもいい味出してましたね〜
彼いい役者さんです。

イビョンホンは垢抜けてませんでしたね、彼、今は一皮むけましたね。

みちしるべさん こんばんは!

そうですね,復讐三部作を撮る前ですから。
このJSAも衝撃作だし,とっても上手いなぁと思うんですが
ドロドロしたものやエグさはないですもんね。
オールドボーイを初めて観た時
「JSA」の監督と聞いて,ちょっと信じられなかったですもん。
作品の雰囲気が違うから。

このJSAのときからチャヌク監督作品には
ガンホは無くてはならない存在になったのでしょうね。
ビョンホンのカッコよさもさることながら
この作品ではやはり一番生きざまがカッコいいのは
ガンホの演じるギョンピルでした。
チャヌク監督でガンホさんとハギョンさんの出る「渇き」
劇場で見逃したのでDVD待ち遠しいです!

お薦めのこの映画、ほんとに感動っていうか、ショックというか、
とても心に残る作品でした。
ゆっくりと写し出されるラストシーンの1枚の写真・・・
あれには参りましたweep
これもDVD買ってしまいました^^

>彼の大ファンというわけではなく,顔だちなどはかえってそんなに好みではありません。
>彼の声と演技が好きなんですよね。

あはッ、私もそうかもなんです(笑)
声、素敵ですよね~^^ 
でも声と演技から入って、インタなど拝見して、彼の人柄の良さや頭の良さなどに触れ、段々オチていきました(笑)

「甘い人生」「悪魔をみた」「グッド・バッド・ウィアード」の解説も拝見して、
そうそう、そうなんだよね~と、またまた再確認!
多分、以前にも拝見してたはずなんですけど、
完全スル~してたっぽいです(汗)

こちらにもありがとうございます。

これはビョン様のファンでなくとも
ぜひお勧めしたい問題作で
いろいろと考えさせられる作品ですよね。
監督のパク・チャヌクさんは「復讐三部作」などの
もっともっと重くエグイ作品を多く撮ってる方なので
このJSAはまだ「薄め」の味付けかもしれません。

若いころのビョン様,初々しいのですが
ソン・ガンホなどベテラン先輩俳優(当時)と互角で渡り合えているのは
やっぱりすごいなぁと。

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