ウォッチメン
自分の好みかどうか心配ではあったけど,他に観たい作品もなかったので・・・という消極的な理由で鑑賞。なんでも映像化不可能,と言われていた超人気グラフィックノベルを,300のザック・スナイダー監督が映画化した作品だそうで・・・・。
ニクソン政権が3期にわたって続き,アメリカとソ連の冷戦は,核戦争一歩手前まで緊迫していた・・・という設定。かつてのヒーロー,コメディアンが顔のない男に殺され,トレードマークのスマイルバッジに血がしたたるシーンから始まる。誰が,何のためにウォッチメンたちを暗殺するのか?元ヒーローのロールシャッハたちは,陰謀を解き明かすべく活動を開始する・・・・。
見終わってみると,何だか知らないけど,
めっぽう面白かった んですケド。
劇場に行く時はなぜかいつも風邪をひいて体調が最悪という私が(本日もそう),3時間近い上映時間中,一度も睡魔に襲われなかったので。
私がハマるツボっていろんな種類があるが,この作品は,いつもと違うツボにハマったみたいだ。第一に,複数のヒーローが実在する世界,という設定が面白かった。そしてそのヒーローたちが決して万能でも正義漢でもなく,欠点や狂気を持った人間くさいキャラである,というところも。
ネタばれ厳禁なので,感想は書きにくいし,たとえ解説できたとしても,この面白さは観た人にしかわかるまい。ストーリーもだが,ヒーローたちの個性や過去が,それぞれとても興味を惹かれた。見ようによっては犯罪者とそう変わらない,この多彩なヒーローたちを好きになれるかどうかで,この作品の評価は変わるのかもしれない。
私が一番好きなのはロールシャッハ。・・・たぶんこの作品で一番カッコよかったと思う。その信念や妥協しないところなんかが。演じた俳優さんは,リトル・チルドレンで小児性愛者を演じたジャッキー・アール・ヘイリー。・・・このひと,名優だなぁ。貧相な外見とは裏腹な,凶暴さや強さに圧倒される。 信念を曲げなかった彼の最期には胸が熱くなったりして・・・・。
そして,バットマンか?とつっこみたくなるこのヒーローは,ナイトオウル 。演じるパトリック・ウィルソンはちょっと太って,柔和な感じ(特に目)がヒーローには似つかわしくないのだが,ヒーローの中では,一番善良さや優しさを持っている感じがした。・・・このひともアクション俳優という感じではないのだが,新境地を開拓したなぁ。
紅一点のシルク・スぺクターを演じたマリン・アッカーマン。顔はまあ,ものすごい美形というわけでもないが,スタイルがとにかくカッコいい!アクションも華麗そのものだ。彼女のお色気シーンはなかなか迫力があった。
元科学者で,不幸な事故により,超人的な力を授かったDr.マンハッタン。彼は人間の力をはるかに超越したパワーを持ち,この作品の中でも特に印象的なヒーローだった。ある意味,悲劇のヒーローと言えるかもしれない。その破壊力の絶大さには似合わないソフトな優しい声に萌え~~~ しかし,しょちゅうすっぽんぽんで画面に登場するのは何とかしてほしかった・・・(眼のやり場に困る!そんなにハッキリ見せんでもいい!)ちゃんとスーツを着るときもあるのにね・・・・もしかして観客へのサーヴィスなのか???
そして,この物語のキーマンでもあるオジマンディアスを演じたマシュー・グード。マッチポイントで,お気楽な御曹司を演じていた英国の役者さんだ。え?いつのまにこんな役を?とびっくり。彼は長身で小顔なので,8等身どころか12等身くらいに見えるのだが,また痩せてスタイルのよいこと!「世界一頭のよい男」は「弾丸をもつかめるくらい俊敏」って・・・嘘やろ~。でも彼のアクションはめちゃめちゃカッコよかった!先日,マシューが主演の英国の文芸映画を観たけど・・・全然別人だった。
この作品,相当グロいシーンが出てくる。残酷描写へいちゃらの私でも目を覆いたくなるほどの,悪趣味な残酷さ。だから,露出する骨とか,切断される手とか,そっち系が苦手な方には鑑賞はお勧めしない。
・・・・ラストは私はちょこっとホロリ,ジーンときた。感動するかどうかは個人の好みだと思うけど,よくぞ作った!お見事!といえる作品であることは間違いない。
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