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2009年2月17日 (火)

誰も守ってくれない

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未成年による凶悪犯罪の場合,警察が容疑者の家族を保護する場合がある・・・。それは,報道や世間の目にさらされ,非難や苛酷な詮索を受けた家族が,自殺するケースがあるからだそうだ。・・・・・これは,容疑者の妹である少女と,保護役の中年刑事の物語。

少し,誇張してるんじゃないの?現実の世界では,ほんとにここまでやるの?
という違和感は最後までぬぐえなかったけれど,意図的に大げさに演出しているのかもしれない。

マスコミと警察の車が繰り広げるカーチェイスなんぞ・・・・警察はともかく,マスコミがあんなに高度な運転技術を持ってるなんて・・・・?それに,匿名が基本のネット人間って,あそこまで集団で行動するかしらん?とかね。

そうは言っても,冒頭からラストまで,緊迫した息もつかせぬ矢継ぎ早な展開で,観客をぐいぐい引き込む作品だ。
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逃げても逃げても,執念深く居所を突き止めて現れる野次馬やマスコミ。ネットによって瞬時に広まる情報は,規制しようがない。容疑者逮捕の瞬間から,家族は一瞬にして崩壊,いや消失というべきか?それはもう見事なくらい,跡形もなく木っ端微塵になる。

突然,問答無用で家族も学校も友達も奪われ,見知らぬ刑事と逃げ回らなければならなくなった沙織。彼女がまだ15歳だということを考えると,「何であたしがこんな目に!」といわんばかりの反抗的で無礼な態度や言動も,もちろん見てて気持ちのよいものではないが,この場合は仕方ないのかな,とも思える。
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保護されてしかるべきは容疑者の家族ではなく,被害者の家族では?と誰もが考えがちなこの問題に対して,せめて犯人の妹の沙織に可愛げがあり,兄の犯した罪を悲しんだり,勝浦刑事をひたすらに頼みにしたりでもすれば,好感度もアップしたのかもしれないが,沙織には「保護の目的はしょせん家族の情報提供」「警察は母親の自殺を阻止できなかった」等のさまざまな思いもあったのだろう。

終盤に至るまで勝浦に心をゆるさなかった沙織が,ようやくラストで「今までありがとう」という言葉を口にすることができたシーンでは,こみ上げてくるものを感じた。
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役者はみな,心に迫る素晴らしい演技を披露してくれていた。
目力が印象的な志田未来さんは,これからの活躍も楽しみだし,佐藤浩一さんの演技をじっくり観たのは初めて だけど,さすがだなぁ,と感激。

そして,過去の犯罪の被害者の家族を演じた柳葉敏郎さんの存在感。年月を経て,怒りや悲しみを穏やかに封印したかのように見えた彼が,一度だけ本音を叫ぶ,あのシーンには言葉を失った。

松田龍平さん・・・・短髪が似合ってカッコよかった。彼が演じる三島刑事と勝浦刑事とのやりとり,頻繁に出てくる「背筋が凍る」という合言葉のような台詞が気に入ってしまった。

どの立場に立って鑑賞するかで,賛否両論の作品だろうけれど,それにしてもネットは怖いなぁ~,時には恐ろしい凶器になると,ブログをやる身としては人事ではなく,それこそ背筋が凍った

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映画 た行」カテゴリの記事

コメント

奇しくも先日ブログ炎上で初めて脅迫罪で数人が書類送検されてましたが、本当にネット世界は怖いです。
そしてマスコミも。

あのカーチェイスもマスコミならやるときはやるんちゃうか?と私は思いました。マスコミから良識が欠けたとき、この映画が現実になるような気はしましたね。

こんにちは。
これは辛い映画でした…。少女に嫁されたあまりに過酷な運命を思うと。周囲の追い詰めがすごくて…絶句です。
ちゃんと似た状況の被害者側の家族の方(ギバちゃんたち)も登場させていたのも、一方的になっていない描き方でよくできていたと思います。 双方の苦しみが判るからこそ、何の関係もなく犯人家族を糾弾するネットの人間やマスコミには恐ろしさを感じました。
そんなリアリティの中、あのカーチェイスは余計だと思いました。
あの少女がお礼の言葉を言ったシーンは何だか救われる感じがしました。が、かなり気分が落ちた作品です。

この映画は、どの立場にたって観るかによって、感じることが大きく異なりますよね。
加害者の家族・被害者の家族、それぞれ、一つの事件をきっかけにして、大きく人生が変わるわけですから。
あと、個人的に思ったことは、ネットですよね。
ネットで情報を公開している以上、自分に悪気はなくても誰かを傷付けている可能性があるんだってことを感じました。
恐ろしい凶器になるかもしれない・・・・    背筋が凍る思いです。

確かに、ちょっと誇張が気になりました。
最後のほうはマスコミからネット批判にすり替え気味だったのも気になりました。
なんだかんだいって「知る権利」を盾に、ギリギリまでやらかしてくるマスコミの方が怖い気がします。

こんにちは~

一つの事件が起こった時に与える影響がどんなに大きいか、どれだけの人たちが巻き込まれるのか、普段目にしない裏側を改めて知り恐ろしかったです。

加害者の家族も被害者だ・・という理論は頭では解るけれど(特に今回のような妹のような立場の場合は)被害者やその家族にしてみたらただ許せないだけですよね。被害者家族の気持ちをイタズラにかき乱すだけなような気も。

犯罪を犯す前に、自分の家族がその後置かれる立場をちらりと頭によぎるといいんですけどね~

にゃむばななさん こんばんは!
>奇しくも先日ブログ炎上で初めて脅迫罪で数人が書類送検されてましたが・・・・・
「ブログ炎上」そのものも,最近増えてきている気がします。
匿名というのは,なんでもありの世界で,エスカレートすると怖いですよね。
>あのカーチェイスもマスコミならやるときはやるんちゃうか?
気持ちとしては躊躇なくやるかもしれませんね~
でも,あそこまでの運転技術はなぁ~?あそこだけアクション映画みたいでした。
昨今の報道合戦はスピードも命になってきていますから
カーチェイスに備えて運転技術を磨いているマスコミさんもいるかもしれませんね。


リュカさん こんばんは!
これは邦画しか観れない(つまり字幕が苦手)な母親を連れていったときに
チョイスした作品です。自分ひとりならあえて選ばない作品かな?
社会派のテーマはちょっと苦手なんですよ。
確かに現代の,無視できない問題を,これでもかと描き切った作品で
重いものがありましたね。
>被害者側の家族の方(ギバちゃんたち)も登場させていたのも、>一方的になっていない描き方でよくできていたと思います。
ギバちゃん夫婦の描き方がとってもよかった。
緊迫したやりきれない物語の中で,沙織がお礼を言うシーンはウルっとしてしまいました。

ついつい社会派映画を観に行ってしまうんです。映画から考えることも結構好きなので。。。 これもそうでしたね。
警察とか家裁が来た時に次々と行われた手続き。あれはすごいですね。 実際にあんなことするのか?? ネットのよもやまの問題もそうですが、個人の意思を一切無視したあの手続きこそ問題ですよ・・・。 

亮さん こんばんは!
私はどちらかというと,被害者の立場で観てしまうので
ギバちゃんの本音の叫びを心の中でうなずきながら聞いていましたよ。
もちろん,加害者の家族に何の罪もないのはよくわかってるんだけどね。
ネットは・・・・怖いですよねぇ。これを観てつくづく思いました。
ネットが普及してなかった時代と違って,便利にもなったけど
その分,副作用のように現代人の心は病んできているのかもしれません。
ブログをやる者としては,まったくひとごとじゃないです。
幸い,今までネット関係で不快な思いをしたことはないんですけど
ネットで情報を発信する立場としては,十分思慮深くあらねばと自戒させられる作品でした。

感想やコメントで評価が分かれていること自体が、この問題の難しさを表しています。
その中で、できるかぎりニュートラルな描き方を貫いた良作だと思います。
出演者もそれぞれの魅力が生かされていました。

古いメディアとネット社会は、本作では違う立場として扱われていましたが、
決まった方向へ一気に流れていくという点では同質の怖さがあると思います。
せめて個人のレベルだけでも
一度立ち止まって考えられる目と心を持ち続けていたいものです。

ななさん、こんばんは^^
そうですね。どの立場で?どの視点で?・・・というところで
感想も異なる作品なのでしょうね。
私も違和感拭えぬ演出が幾つかありました。
同じくカーチェイスもそうだし、沙織の彼氏の件とか・・・
でも、ななさんが書かれている様に、
意図的に大袈裟に描いた部分もあったのかもしれませんね。
志田未来ちゃんの眼差し、リベラの歌声も印象的でした。

『ベンジャミン~』のTB、
何度かチャレンジを試みましたが今回はどうかな?

まりっぺさん こんばんは!
映画は息もつけないほどの急展開でしたね。
実際はこれほどひどくないことを願いつつ観てしまいました。
>「知る権利」を盾に、ギリギリまでやらかしてくるマスコミの方が怖い気がします。
確かに・・・・ネットも怖いですが,現実に行動力があるのはマスコミの方ですからね。

hitoさん こんばんは!
平穏な日常生活を送っている時には,予想もできないようなことを
いろいろ知って衝撃を受けましたね。
>加害者の家族も被害者だ・・という理論は頭では解るけれど・・・
でも,加害者の家族と被害者の家族を同列に置くのは
やはり私も「それは違うんじゃないかなぁ・・・」と。
犯人が未青年の場合は,どうしても親の責任も問われると思います。
被害者の立場を経験したひとがこの作品を観たら,
複雑な気持ちになったかもしれませんね。

>犯罪を犯す前に、自分の家族がその後置かれる立場をちらりと頭によぎるといいんですけどね~
まったくそう思いますね。


rose_chocolatさん,こんばんは!
社会派のテーマ,お好きなんですね~
私はそっち方面にヨワイのですよ。政治経済なんか特に・・・・

>警察とか家裁が来た時に次々と行われた手続き。あれはすごいですね。
確かに。それも事務的にパパパ~!とやられちゃって
考える暇も与えないみたいで,呆気にとられました。
実際にあるのかなぁ・・・・あんなこと。

クラムさん こんばんは
>できるかぎりニュートラルな描き方を貫いた良作・・・・
そうですね,容疑者の家族の立場だけでなく
ギバちゃん夫婦を登場させ,その心情を吐露させたことで
被害者の家族の立場も描いていたと思います。

>決まった方向へ一気に流れていくという点では同質の怖さ・・・
現代では,一気に流れていく速さも,加速するばかりですね。
立ち止まって考えることがますます困難になっていますが
その姿勢は持ち続けたいですね!

Anyさん,こんばんは!
これは,賛否両論,というよりはいろんな感じ方ができる作品でしょうね。
カーチェイスや,彼氏の取った行動は,「ありえん」感じもしましたが
物語としては面白さを増す役割を果たしていました。
社会派の作品でありながら,そこらへんはしっかりエンタメしてました。
志田未来ちゃんはいい女優さんですね~
眼だけで演技ができてましたよ。
それにリベラの歌声!透明感が素晴らしかったです。

ななさん、こんにちは!
これ、今さっき見たばかりなのだけれど、こういう題材は、私の凄く興味のある事なので、凄く引き込まれてみました。
 
色々思うことはあったけれど、これからあの少女の人生は、どうなっちゃうんだろう・・・・って、凄く心配になっちゃったなあ・・・。
お母さん、逃げちゃダメだよ~ 娘もいるのに~!って思ってしまった・・・。

佐藤浩市も松田君もカッコ良かったので、視覚的にも楽しめました(^^ゞ
脇役にも結構大物の役者さんがいたよね~。
あと音楽効果もなかなか良かったと思いました。

latifaさん こんばんは

これは衝撃的な問題提起作でしたね。
加熱するマスコミやネットの暴走とか
ここまで酷いのか、と戦慄しました。

こないだの新型インフルエンザ騒ぎで
ネットで吊るしあげられた渡米した高校生とか
この映画のことを思い出してしまいましたよ。

お母さんはもうちっと頑張ってほしかったなぁ。
こんな事態になると,親でさえ子供を守れない,と言いたかったのかな,作者は。

松田さんカッコよかったですね。佐藤さんの演技はいつも安心して観れますし。
>音楽効果もなかなか良かったと思いました。
透明感あふれる綺麗な歌声の主題歌が心に残りました。

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