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    ブロークバックマウンテンの名シーンの数々です。

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2009年2月の記事

2009年2月28日 (土)

コラテラル

Collateral
夜のロサンゼルスの美しさ。その,計算しつくされたスタイリッシュな映像に息をのみながら,マイケル・マンの描く男の美学に酔う。悪役に挑戦したトム・クルーズと,対照的な性格の運転手を演じたジェイミー・フォックスの演技が光る。
・・・・・なぜか大好きで繰り返し見てしまう作品だ。

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この物語,ありえないご都合主義的な展開も見られるけれど,他の作品にはない魅力も多い。そのひとつは,これがある一夜の出来事を描いた物語であるということ。トムが演じる殺し屋ヴィンセントは,一晩で五人殺すことを依頼され,マックスの運転するタクシーを一夜借りきって「ハシゴ酒」ならぬ「ハシゴ殺人」をやろうとするのだ。途中でヴィンセントの正体に気づいたマックスは,何とか逃れる道を探そうと足掻くけれど,ヴィンセントは彼を解放してくれない。

もうひとつの魅力は,アクションでもサスペンスでもなく,価値観が真っ向から対立する二人の男が,一夜行動をともにするうちに,互いに影響を与え合う面白さだ。
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冷徹でニヒルな,現実主義の一匹狼ヴィンセント。

ヒーロー役ばかりのトムの悪役は,意外と新鮮なのだが,銀髪にしていても無精髭をたくわえていても,カッコよさは隠せない。「目立つと困るんだ」みたいな台詞を言ってるシーンがあるけど,いや,アンタ,いるだけで目立つって殺し屋のくせに饒舌で,マックスにあれこれ説教臭いことを言ったり,凄腕のようでいて,依頼されたターゲットの名前や所在を覚えてなくて,マックスに資料を破棄されると途端に窮したりするところが「???」なのだが,(5人の名前くらい暗記すればよいのにね)ストーリーの展開上,そうでないと先にお話が進まないのかもしれない。

善良でやや気弱な運転手のマックス。
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彼は「いつか最高のリムジン会社をやりたい」という夢を持ちながらも,長年しがないタクシー運転手をやっている,考えるばかりでなかなか行動できないタイプだ。冒頭の,検事アニーを乗せるシーンからは,損得を抜きにしてお客のために「誠実でいい仕事」をしようとするマックスの人柄がうかがえる。

ヴィンセントとマックスの,車中で交わされる噛み合わない会話。二人の価値観が正反対であることがわかるが,「善人」の代表のようなマックスの正論よりも,なかば「詭弁」のようなヴィンセントの主張の方が理にかなってるように聞こえるところが面白い。最初の殺人の後の会話・・・・
マックス  「あの男はあんたに何かしたのか?」
ヴィンセント「別に。初対面だ。」
マックス  「初対面なのに殺した?」
ヴィンセント「親しくなってから殺しゃいいってのか?」

・・・・まぁ,すべてこんな感じである。
何と言うか・・・・ヴィンセントの発想や行動は,ステレオタイプの殺し屋とは,一味もふた味も違うすごく個性的なものを感じる。吐き捨てるように言うセリフのひとつひとつが,無駄がなく,彼なりに的を得ているのには,妙な爽快感さえ感じてしまう。
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二人の男の価値観のぶつかり合い。そして,二人とも互いに相手の言動に影響を受け,変わってゆく・・・・この物語の一番の見どころは,そんな人間ドラマのように感じた。

気弱で優柔不断の善人マックスは,何かふっ切れたように,強さと行動力を発揮し始める。それまでも,ヴィンセントに背中を押されて,しぶしぶ無線で上司に悪態をついたりはしたものの,彼が最初にはっきりとした変貌を見せたのは,ヴィンセントの代理で,彼の雇い主に資料をもらいに行ったときだ。最初はビビッていた彼が,腹をくくったその瞬間に,表情に冷静さと凄みが忽然と現れる。ジェイミーのあのときの表情の演技は,何度見ても惚れぼれする。
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その後も,暴走運転でヴィンセントをビビらせたり,逮捕しようとする警官に銃を向けて,少し前に自分がヴィンセントから言われた「俺に楯突ける立場か?」というセリフをキメてみたり・・・・最後は,ヴィンセントに狙われたアニーを助けるべく,ヴィンセントと一騎打ちする「行動的な」男の姿を見せるのだ。

一方,ヴィンセントの方は
どんな変化が彼の心に起きたのか?


彼にはマックスほどの顕著な変貌は見られないが,それでもトムの押さえた表情の演技(特に目)からは,マックスの言動が,ヴィンセントの心の「痛いところ」を突き,その心に揺らぎを生じさせたことが伝わってきた。「あんたには,人間として必要な決定的な何かが欠けてる。いったいどういう育ちをすれば,あんたみたいな人間になるんだ?」とマックスから言われた時のヴィンセントの表情が忘れられない。
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マックスの方はともかく,ヴィンセントの方はマックスにほのかな友情,というか連帯感のようなものを抱き始めていたようにも思えた。これほど友情が似合わない男もいないのだか・・・・。孤高であることを求められる「殺し屋」という仕事に就きながら,実はヴィンセントは,「誰よりも孤独を恐れる人間」だったのかもしれない。地下鉄で死後6時間気付かれなかった男の話は,そのまま彼の「孤独への恐怖感」を表わしているようだ。

ジェイミーの名演技にはもちろん唸るけれど,キャラクターとしては,やはり私はヴィンセントに,「切なさ」や「哀れさ」のようなものも感じてしまう。特にラストは。
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トムのガンアクションのカッコよさや,場面場面にマッチした最高の音楽,何気に脇役で出てくるジェイソン・ステイサムマーク・ラファロハビエル・バルデムなども豪華。そして,眠らない街ロサンゼルスの見事な夜景の数々は,この作品のもうひとつの主役ともいえるほど印象的だ。

2009年2月23日 (月)

第81回アカデミー賞発表!

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待ちに待った第81回オスカー受賞式。
今年は邦画からもおくりびとがノミネートされたり,ヒース・レジャー悲願の受賞なるか?という話題もあり,いつも以上にこの日が待ちきれなかったです。そして,今年も素晴らしい作品がしのぎを削り合いましたね。ダークナイトが作品賞も監督賞にもノミネートされてないのはいまだに??な気持ちが残る私ではありますが・・・・・。それは置いといて,では,まず主な受賞結果から・・・・。

crown作品賞
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スラムドッグ$ミリオネア

crown主演男優賞
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ショーン・ペン『ミルク』

crown主演女優賞
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ケイト・ウィンスレット『愛を読むひと』

crown助演男優賞
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ヒース・レジャー『ダークナイト』

crown助演女優賞
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ペネロペ・クルス『それでも恋するバルセロナ』


crown監督賞
ダニー・ボイル『スラムドッグ$ミリオネア』

crown外国語映画賞
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おくりびと』(日本)

ヒースが受賞しなかったら暴れようかとtyphoon(どこで?)思っていたけど,見事受賞して嬉しい!もちろん,生身のヒースにオスカー像を受け取ってほしかったけど・・・・。そうそう,「ベンジャミン~」はもっとがんばるかな~と期待してたんだけどね・・・・・。

「おくりびと」の受賞はほんとに快挙だね!おめでとう,モックン!この作品,素晴らしくって大好き。世界中のひとに観ていただいて,日本の様式美や感性について知っていただきたいな。
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私は仕事でもちろん生中継は観てないのだけど,今年の受賞式の司会をつとめたヒュー・ジャックマンが歌って踊るパフォーマンスを披露し,おおいに盛り上がったそうで・・・・(観たかった~)

受賞作の中で鑑賞済みなのって「ダークナイト」と「ベンジャミン・バトン」と「おくりびと」だけな私。「ミルク」や「愛を読むひと」が早く観たいです!特に「ミルク」!taurus
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ブランジェリーナも惜しかったね・・・・weep
でも,やっぱりどこから見てもパーフェクトカップルで溜息がでちゃう・・・・。

2009年2月21日 (土)

チェンジリング

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ある日突然消えた息子。
5ヶ月後に帰ってきた彼は別人だった・・・・・。

1928年のロサンゼルスで実際に起きた,
ひとりの母の物語。

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さすがイーストウッド監督!と拍手したくなるような,重厚で安定した完成度の高い作品だった。子供を失ってもあきらめずに戦う母の物語,という点では,フォーガットンを少し思い出したが,こちらはもちろんSFネタではなく,ほぼ100パーセントに近いくらい事実に基づいているお話だ。

・・・・しかし,予告編から勝手にミステリーかと思っていたら,バリバリの社会派の作品だった。イーストウッドだから当たり前か。1928年当時,汚職にまみれていたロサンゼルス市警が,自分たちの無能さをカムフラージュするために,別人の少年をクリスティンに押しつけて,事件を解決しようとした,というもの。チェンジリング(替え玉)という題の通りだ。
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ロサンゼルス市警の卑劣なやり方は,にわかには信じられなくて,少しは脚色が入っているのかと思ったら,ほとんど事実で,劇中の登場人物も実名だそうだ。クリスティンを支え,腐敗しきった市警に対して,敢然と戦いを挑んだ熱血牧師グスタヴ・ブリーグレブ(ジョン・マルコヴィッチ)や,クリスティンの最大の敵となったJ・J・ジョーンズ警部など,事件の関係者はみな実在の人物なのだ。

アンジーが迫真の演技で見せたクリスティンの苦悩や,母親の強い愛情や執念。
ジョーンズ警部の狡猾さや非情さに中盤は文字とおりはらわたが煮えくりかえる思いになった。実話というけど,これ,ちゃんと勧善懲悪で終わるんだろうか??と最後までハラハラした。イーストウッド監督の作品はバッドエンドもあるからな~,と心配したが,大丈夫,そこはちゃんと「ザマ見ろ」と拍手喝采したくなる展開が終盤には待っていた。
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しかし,この物語,脚色をほとんどしてないのに,ストーリー自体がすごく面白いし,胸を打つものだった。事実は小説より奇なり,という言葉を思い出す。ロス市警の実態や,あきらめずに立ち向かったクリスティンたちの闘いや,この事件で明るみになった,連続殺人犯ゴードン・ノースコット事件など,どれも強烈に心に迫るものばかりで,155分間の上映時間中,一瞬たりとも集中力が途切れることはなかった。おそらくテンポや見せ方も上手いのだろうけれど。

・・・・・もっとも,ラスト近くになると,今にも終わりそうなのに,なかなか終わらない感じがしたけれど。(こちらも「いよいよウォルターが見つかったのか?」と場面が変わるたびに緊張した。)
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エレガントで気丈な母親を演じたアンジー。
素晴らしい演技だったが,私はやはり「めちゃ強い」アンジーが好きなので,この作品の中では,彼女が精神病院の医師に「くそったれ」と悪態をつくシーンと,刑務所でノースコットに詰めより「地獄に堕ちろ!」と言う場面の彼女が好き。わたしもあの場面では彼女と同じセリフを心の中で叫んでいたから。

しかし,アンジー,いくらなんでも痩せすぎのような気も・・・・。この作品では憔悴した感じを出したかったのかもしれないけど,顔もこれ以上痩せると,目と唇kissmarkばかり目立っちゃうよ~~。

2009年2月20日 (金)

オアシス

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私は,ストーリーやテーマに惹かれてではなく,監督さんの手腕や俳優さんの名演技を観たくて,作品を選ぶときがある。このオアシスも,そういった作品のひとつだ。
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障害を持った人の恋
というテーマは,これまでも取り上げられてきたかも知れないけれど,これは重みがまったく違う愛さえあれば障害があっても幸せになれる,などという,ロマンチックな作品ではない。障害に関して,一点の妥協も美化もしていないリアルな描き方には,言葉を失う。そこから生まれる愛の物語には,切ない,とか感動した,とか言う表現すらも不適切に感じるくらいだ。障害者の描き方があまりにもリアルすぎて,一歩間違えれば大顰蹙を買う恐れもあったろう。

主人公のジョンドゥは,社会に適応できない前科者。
ヒロインのコンジュは,重度の脳性小児麻痺。


ソル・ギョングの演じたジョンドゥは,刑務所を出たばかり。場の空気や相手の気持ちを読むのが苦手で,衝動的でもあり,(軽度の広汎性発達障害あり?)そのせいかトラブルばかり起こし,家族の鼻つまみものになっている。彼は兄の身代わりになってひき逃げ犯として刑に服したのに,出所してきた彼を家族は歓迎しない。
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また,脳性麻痺のコンジュは,家族である兄夫婦から,人間としての扱いを受けていない。兄たちは,彼女の名義で入居できた快適な身障者用アパートに,自分たちだけで引っ越し,コンジュだけをひとり元のアパートに置き去りにしている。

とにかくソル・ギョングとムン・ソリ,ふたりの演技が圧巻だ。二人とも,まったく別の人格を「演じて」いるというよりは,「なりきって」いる。

常に洟をすすり,全身で貧乏ゆすりをしているような,落ち着きのない仕草で,ジョンドゥというキャラクターを体現して見せたソル・ギョング。そして,表情も体の動きも,まさしくほんものの脳性麻痺患者そのものに見えたムン・ソリ。演技後は,骨盤や脊椎にゆがみが生じたというほどの,まさに全身全霊の演技だ。
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互いを「将軍」「姫」と呼び合い,二人がひそかに育む愛情を,周囲の人間は決して理解しない。特にコンジュのような重度の障害者が「誰かを恋する」可能性があるなんて,ましてや「誰かから恋される」ことがあるなんて,誰も思ってもみないのだろう。そんな偏見は,劇中の人物だけでなく,映画を見ている自分自身の心の中にも,確かに存在しているのだと気付かされる。

思い立ったら子供のように行動せずにはいられないジョンドゥが,ムン・ソリを外にデートに連れ出すシーンがあるが,電車やレストランで,二人に向けられる世間のまなざしは驚くほど冷たい。インタビューでムン・ソリさんが「韓国では障害者は健常者から隔離されているので,・・・・」という意味のことを語っていたが,その点,日本はバリアフリーが進んでいるので,あそこまで露骨に冷淡な態度を取ることはない(・・・と信じたい。)

コンジュのジョンドゥへの純粋な思いは,時折彼女の空想の映像として挿入される。健康になった自分がジョンドゥとふざけたり,愛の歌を歌ってきかせたり,踊ったりする場面。健常者となんら変わりのない,恋人への思いや願いが感じられて切ない。二人の心の中では,誰に理解されなくても,一緒にいるひとときこそが,オアシスなのだと思い知らされる。
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二人の愛は最後まで周囲には理解されず(たぶんこれからも理解されないだろう),彼らは理不尽な力によって引き離されることになる。ここらへんの容赦のない展開が,いかにもリアルで,胸をえぐられるようだ。二人の愛の行為も,世間からは,前科者のジョンドゥが強姦事件を起こしたとしか見てもらえず,コンジュは誤解を解こうにも、それを告げるすべも持たない。

こんな救いのない物語だけど,ラストは,ほんの少し希望が感じられるような優しい終わりかただ。刑務所のジョンドゥからコンジュへあてた手紙。二人の絆はまだ断ち切られていないことをそっと示唆してくれるラスト。・・・・彼らが幸せになれる日がくるかどうか,それはわからないけれど。こんな風に,ささやかな陽の光が射し込むような終わり方は,同監督のシークレット・サンシャインのラストにも雰囲気が似ていた。

2009年2月17日 (火)

誰も守ってくれない

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未成年による凶悪犯罪の場合,警察が容疑者の家族を保護する場合がある・・・。それは,報道や世間の目にさらされ,非難や苛酷な詮索を受けた家族が,自殺するケースがあるからだそうだ。・・・・・これは,容疑者の妹である少女と,保護役の中年刑事の物語。

少し,誇張してるんじゃないの?現実の世界では,ほんとにここまでやるの?
という違和感は最後までぬぐえなかったけれど,意図的に大げさに演出しているのかもしれない。

マスコミと警察の車が繰り広げるカーチェイスなんぞ・・・・警察はともかく,マスコミがあんなに高度な運転技術を持ってるなんて・・・・?それに,匿名が基本のネット人間って,あそこまで集団で行動するかしらん?とかね。

そうは言っても,冒頭からラストまで,緊迫した息もつかせぬ矢継ぎ早な展開で,観客をぐいぐい引き込む作品だ。
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逃げても逃げても,執念深く居所を突き止めて現れる野次馬やマスコミ。ネットによって瞬時に広まる情報は,規制しようがない。容疑者逮捕の瞬間から,家族は一瞬にして崩壊,いや消失というべきか?それはもう見事なくらい,跡形もなく木っ端微塵になる。

突然,問答無用で家族も学校も友達も奪われ,見知らぬ刑事と逃げ回らなければならなくなった沙織。彼女がまだ15歳だということを考えると,「何であたしがこんな目に!」といわんばかりの反抗的で無礼な態度や言動も,もちろん見てて気持ちのよいものではないが,この場合は仕方ないのかな,とも思える。
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保護されてしかるべきは容疑者の家族ではなく,被害者の家族では?と誰もが考えがちなこの問題に対して,せめて犯人の妹の沙織に可愛げがあり,兄の犯した罪を悲しんだり,勝浦刑事をひたすらに頼みにしたりでもすれば,好感度もアップしたのかもしれないが,沙織には「保護の目的はしょせん家族の情報提供」「警察は母親の自殺を阻止できなかった」等のさまざまな思いもあったのだろう。

終盤に至るまで勝浦に心をゆるさなかった沙織が,ようやくラストで「今までありがとう」という言葉を口にすることができたシーンでは,こみ上げてくるものを感じた。
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役者はみな,心に迫る素晴らしい演技を披露してくれていた。
目力が印象的な志田未来さんは,これからの活躍も楽しみだし,佐藤浩一さんの演技をじっくり観たのは初めて だけど,さすがだなぁ,と感激。

そして,過去の犯罪の被害者の家族を演じた柳葉敏郎さんの存在感。年月を経て,怒りや悲しみを穏やかに封印したかのように見えた彼が,一度だけ本音を叫ぶ,あのシーンには言葉を失った。

松田龍平さん・・・・短髪が似合ってカッコよかった。彼が演じる三島刑事と勝浦刑事とのやりとり,頻繁に出てくる「背筋が凍る」という合言葉のような台詞が気に入ってしまった。

どの立場に立って鑑賞するかで,賛否両論の作品だろうけれど,それにしてもネットは怖いなぁ~,時には恐ろしい凶器になると,ブログをやる身としては人事ではなく,それこそ背筋が凍った

猫の色鉛筆画

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これは,セミプロのイラストレーター,荻荘聖子さん(本業は骨董屋さんだそうです)が描いてくださった色鉛筆画です。

モデル用の猫の画像を探していて,ブログに載せていた(たしか猫のおねしょ)うちのななの画像を気に入ってくださったようで・・・・。先日,依頼のメールがあり,「どんな風に描いてくれるのかな~」と楽しみにしていたら,こんなに素敵に仕上げてくださいました!

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そしてもう一枚,これも・・・・。

いやー,まるでうちの猫でないみたいな美猫shineに描いてくださって,荻荘さん,ほんとにありがとう!私も,もちろん家族も大感激!

当の猫だけはまったく,われ関せずですが。(ななちゃん,飼い主が勝手に自分の写真を世間に公開してることも知らないもんね~。)
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実物はこの程度up

いやしかし,色鉛筆だけで,
ここまで繊細で豊かな表現ができるのですね~

毛並みといい,瞳の光といい,まるで生きてるようです。

荻荘さんのブログ,色鉛筆な絵日記には,猫の他にも,美少年や美少女など,素敵な画がいっぱいで,癒されますよ~。

2009年2月14日 (土)

チルドレン・オブ・ホァンシー 遥かなる希望の道

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劇場未公開作品らしいし,DVDもリリースされたばかりなので,皆さんご存じない方が多いかも。私は,中国も,ジョナサン・リース・マイヤーズも,実話ものも好きなので,まよわずレンタルしてみたが,これがなかなかよかった。実話,という点にとくに驚いたし,感動もした。皆さんに紹介して,一人でも多くの人に見てもらいたいのでレビューをアップ。

その知られざる実話とは・・・・
1930年代,日本統治時代の中国で,日本軍の勢力が黄石(ホァンシー)に迫ったことを知った英国人記者ジョージ・ホッグが,世話をしていた児童養護施設の中国人孤児60名を連れてシルクロードを横断し,700マイル離れた山丹まで逃避行を成し遂げた,というお話。酷寒の山や砂嵐の襲う砂漠を,ホッグ率いる孤児たちの一行は,ほとんど徒歩で進んだ。この奇跡の旅は、のちに“小さな長征”(※「長征」とは、1934年から1936年に共産党が行った大移動)と呼ばれたらしい。
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未見の方ばかりだと思われるので,あらすじをくわしく。

ジョナサンが演じたジョージ・ホッグは,当初は写真を撮るために南京に潜入,そこで日本軍による民衆の大虐殺を目にし,その写真を撮ったことを理由に日本軍から処刑されかかる。危機一髪の彼を助けてくれたのが,共産党の戦士,ジャック(チョウ・ユンファ)。彼の友人だという看護師のリー(ラダ・ミッチェル)の勧めで,ホッグは中国語を学ぶため,黄石(ホァンシー)の,とある施設に滞在することになる。
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訪ねてみるとそこは,廃墟のように荒れ果てた建物に,賄いの老婆と,数十人の身寄りのない少年たちが生活する,貧しい児童養護施設だった。食べ物にも事欠き,衛生も教育も最悪の状態の彼らに対し,ホッグは最初こそ,「早くここを出て帰国したい」と願うが,自分の他に頼れる大人が一人もいない彼らの現状を捨て置けずに,そこに踏みとどまる決心をする。

時折訪ねてくるリーが行う衛生指導。
ホッグが街まで種を買い付けに行って,作った家庭菜園。
自家製の発電機のおかげで,明るく電気が灯った施設。
ホッグが教えるバスケットボールに興じる少年たちの笑顔。

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最初は,外国人に対する猜疑心や反発をむき出しにしていた孤児たちの心に,次第にホッグに対する信頼や尊敬が芽生え,ホッグもまた彼らの「教師」であるという自覚と責任感を強くするようになり,互いの絆は深まってゆく。

奇跡のシンフォニー以来,なんだか「善いひと」役が板についてきたジョナリスが,高潔で自己犠牲精神の塊のような熱血青年を,サワヤカに好演している。彼自身,何度も書いたけど,訳あって施設で育った経験もあるそうで・・・・。この作品もまた彼の思い入れってあっただろうなぁ,と勝手に想像してしまった。
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この作品中で彼は,英語と中国語と,なんと日本語(!)を駆使している。彼が愛人を殺す役を演じたマッチポイントでも,日本人の取引相手に「アリガトゴザイマース」と一言だけ日本語をしゃべるシーンがあったが,この作品ではもっとたくさん,それも長いセンテンスの日本語を披露してくれている。日本軍を相手に,「タイヘン,シツレイデスガ・・・」などと言っているのだ。発音はお世辞にもよいとは言えないけど,まあ,そこはご愛敬で。しかし,ジョナリスの片言日本語は,彼が英国人という設定だから不自然ではないけど,日本の軍人役の俳優さんも(きっと中国の俳優さんだ)片言の日本語だったのが哀しかった・・・・。

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彼らが平穏に暮らしていたホァンシーにも,戦火は次第に忍び寄り,施設が奪われる恐れが生じたことがきっかけで,ホッグは普通なら到底不可能な逃避計画を考えつく。それは,シルクロードを横断し,700マイルも先の山丹を目指すこと。それも子どもたちが家畜を連れ,荷車を押しながら徒歩で。
極限状態で見せる勇気と冷静な判断力。
決して失わない希望。

出発前に,ホッグは子どもたちを集めて,計画を説明し,彼らの心をひとつにまとめる。
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吹雪の中の山越え,砂嵐の吹き荒れる砂漠,
日本軍との遭遇・・・・
さまざまな試練をくぐりぬけて,彼らはまさに3ヶ月もかけてシルクロードを横断するのだ。さながらモーセの出エジプトの一行のように。

彼らを手助けするジャック役のチョウ・ユンファは,さすがの貫録とオーラを放っている。ついでにいえば,ミシェル・ヨーも,美しくてカッコイイ!中国陣営も一流の俳優さんをそろえている作品なのだ。(これがなんでDVDスルーなのか・・・勿体ない)

無事に山丹の僧院にたどり着き,孤児たちの新しい生活が始まったのもつかのま,ホッグは道中でうけた手の怪我がもとで,破傷風にかかり,血清も間に合わずに息を引き取ってしまう。中国の習慣なのか,葬儀の際に揚げられる凧と,彼の遺体を包んだ布に墨書された孤児たち全員の名前が哀しい。
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エンドクレジットで,今は老年となった実際の孤児たちが,ホッグの思い出を語るシーンが挿入されている。ホッグについて,「欠点のない人だった。いつも笑顔で接してくれた。」「愛すべきものと,憎むべきものの線引きは非常にはっきりしていた」という証言が心に残っている。このエンドクレジットを観て,「ああ,これは実話なんだ・・・ホッグという一人の名もないジャーナリストによって,この人たちは実際に命を救われたのだ」という感慨が押し寄せてきた。そう,まるでシンドラーのリストのラストに感じたのと同じような感動が。

日本軍のことはあくまでも悪者に描かれているので(史実だから仕方ない)ちょっと抵抗はあるかもしれないけど,観て損はない作品だとお勧めします。

2009年2月10日 (火)

ベンジャミン・バトン 数奇な人生

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この1月に,81回アカデミー賞に,多数ノミネート(作品賞・監督賞・主演男優賞など)されたこの作品。封切りと同時に劇場に駆け付け,・・・・・鑑賞後は「これは受賞もしてほしい」と思った。なんとも言えない感動の余韻を今でもひきずっている。

あらすじ: 80代の男性として誕生し、そこから徐々に若返っていく運命のもとに生まれた男ベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)。時間の流れを止められず、誰とも違う数奇な人生を歩まなくてはならない彼は、愛する人との出会いと別れを経験し、人生の喜びや死の悲しみを知りながら、時間を刻んでいくが……。(シネマトゥデイ)
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原作は,F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説だそうな。予告編を観た地点では,お話の設定や雰囲気が,なんだか大人のファンタジーっぽいなぁ〜と思い,監督がフィンチャーと聞いてびっくり!フィンチャーとブラピのコンビって久々だけど。

80歳の身体を持って生まれたベンジャミン。
その奇怪な外見ゆえに,裕福な父親から生後すぐに捨てられるという不運な目に合うが,老人ホームで働く心優しい黒人女性に拾われて,ホームで成長することになる。
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心は普通の人間となんら変わることなく,子供から大人に成長するベンジャミン。それに引きかえ,彼の身体の方は,皺くちゃでちぢこまった老人から,徐々に若返り,髪が増え,背が伸び美しくたくましくなってゆく。・・・・観ていてなんだかとっても不思議な感じ。昔から彼と身近にいた人々は,そんな彼を違和感なく受け入れていたけど。

彼の生涯の伴侶となるデイジー(ケイト・ブランシェット)。
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出会ったときは二人ともほんの子供。
ただし,精神年齢は同年代でも,ベンジャミンのほうは70年才代の老人だったけど。青春時代,デイジーはダンサーとして活躍する道を進み,ベンジャミンは船乗りとして世界を巡る。二人の間の精神的な絆は友情から愛情へと形を変えてゆく。
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だんだん若さと強さを増してゆくベンジャミン。
計算上,彼の年齢と身体の若さがちょうど釣り合うのは,40歳のあたりか。脚の怪我がきっかけで,ダンサーの夢をあきらめたデイジーとベンジャミンは,ちょうどその頃,一緒に暮らし始める。身体がやっと年齢に追い付き,愛する女性と同じ身体年齢になったベンジャミン。それはまさに,彼の生涯で最も幸せなとき。
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しかし,彼らには,わかっていた。
二人の外見が釣り合っているのは現在だけ。これから先は,再び容赦ない時の流れに従って,デイジーは老いの道をたどり,ベンジャミンは子供へと帰ってゆく運命であることを。ベストカップルとも言える,現在の寄り添った姿を鏡に映し,「今のこの姿を覚えておこう」とつぶやく恋人たち。外観はともに老いてゆくことができないことを,二人とも百も承知なのだ。それでも,「相手がしわくちゃになっても,オムツをするようになっても愛したい」と願う気持ち。
・・・・このあたりから,これってなんて残酷な物語なんだろう,と一気に切なくなる。
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特にやるせないのが,二人の間に子供ができたときのベンジャミンの苦悩。
子供はどんどん成長していくというのに,反対に自分はこれからも若返っていく運命であることがわかっているからこそ,子供の父親となることを,手放しでは喜べないその複雑さ。「いつまで父親でいられるだろうか」と悩み,「一緒に年を取れるちゃんとした父親が必要だ」と,妻子の前から姿を消すベンジャミン。彼が世界各地の滞在先から娘に寄越す葉書が切ない。

彼は,娘がティーンエイジャーになったころに,一度妻子を訪ねてくる。初老を迎えたデイジーと,二十歳そこそこまで若返ったベンジャミンの再会シーン。
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二人を見比べたときの感慨を,なんと言いあらわせばよいのだろう。ああ,やはりベンジャミンの哀しい決断は間違っていなかったんだと思った。二人の外見上の年齢差は広がるばかりなのだ,そう,これからも容赦なく。

それでも夫婦として,ましてや子供の両親として,ともに生きることはやはり不可能だったし,ベンジャミンが,それを,冷静に見通していたのが哀しい。

愛する気持ちを押さえられずに,それでも二人が抱き合うシーンは痛々しい。もうそれからラストまでは,涙なしでは見れなかった。ベンジャミンが可哀想すぎて。最後まで彼を愛し続けたデイジーもまた。

ベンジャミンのような人生を送るひとは,実際にはいない・・・・それはわかっていても,やはりこの物語は,人生の途上で出会う愛や別れや,それに伴う喜びや痛みについて,私たちに様々な示唆を与えてくれる。
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自分の運命を受け入れ,精一杯に喜びも悲しみも享受したベンジャミンが愛おしい。運命を恨むことなく,愛することを諦めることもなく・・・しかし,未来の状況をも畏れることなく冷静に見通して,愛する者の幸せを優先した彼の生き方。

そして,そんな彼を,生涯をかけて愛し,その死まできっちりと見届けたデイジーを,うらやましくさえ感じるのだ。もし,自分がデイジーの立場なら・・・。ベンジャミンとの間に,子供なぞ到底望まないのではないか。老いてゆく自分と,幼児にまでかえってゆく彼との間に,家庭や子供などを望むことは,無謀としか言いようがないのだから。
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これは,生と死,人と人の絆,消えることのない愛情
・・・そんな大切で普遍的なものがいっぱい詰まった,それでいて限りなく哀しく切ない,素晴らしい物語だと思う。
人生は素晴らしい・・・なんて言うのとは,少し違う。テーマは,そんな単純なひとことで片付けられるものではない。

人生は,得ることも確かに多いけれど,それと同じくらい,失うことも多いもの
だ。それでも,人は愛さずにはいられない生き物であり,愛した相手と絆を結び,人生を過ごす。しかし,この世の絆は永遠に続くものではなく,限られた時間というものが必ず存在する,その無情さ。

私たちは,普通とは違う数奇なベンジャミンの人生を通して,改めてそれを感じることができる。これは崇高な愛と,これ以上ない哀しみ・・・・それらが同時に味わえる物語だ。
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ストーリーだけでも心打たれる物語であることは間違いないが,その他にも見どころは,CG技術その他で再現された,ブラピの20代の容貌。
・・・・これは必見ですよ~。中年になって風格と味の出てきたブラピもよいけど,やはりみずみずしいブラピの美しいこと!ブラピ本人も若い頃の自分に戻れたような,不思議な嬉しい気持ちがしたんじゃなかろうか。
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そしてフィンチャー監督。
これまで,ダークでヘビーな作品を得意としてきた彼が,このような色合いの作品を撮れるとは!しかし,ノスタルジーの漂う凝った映像や,さりげなく見えても計算しつくされた家具や小物の配置の芸術的な美しさなどには,やはり彼らしさがうかがえる。・・・・そして,決してハッピーエンドの香りがしないところもまた彼らしい。彼の他作品に比べると,確かにしみじみとした物語かもしれないが,私にとっては,これは実に哀しい後味の物語だった。しかし,決して不快な哀しさではない。上手く言えないけど,なんと言うか・・・そう,癒しを伴った哀しさ・・・・とでも言えばいいか。

与えられた人生を,悔いなく,精一杯生きよう。
今,このひとときを大切に,愛すべき相手を全力で愛そう。
そんな気持ちにさせてもらえる素晴らしい作品だ。

2009年2月 9日 (月)

いま,再びイニス/ブロークバックマウンテン番外編6

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いつごろからだろう・・・・?BBMを鑑賞するたびに,以前と違ってジャック・ツイストより,イニス・デルマーの方に感情移入するようになったのは。それはやはり,ヒースの死がきっかけだろうか。

もともとこの物語は,イニスが主人公の物語なのだけど,ジャックのほうが可哀想に思えて,ついついイニスに関しては醒めた目で見ていたのに,今となってはイニスが可哀想でたまらない思いに襲われる。
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ジャックの一生とイニスの一生・・・・どちらが可哀想かなんて,比べられるものではもちろんないと思うけれど。それでも叶わぬ夢と,望んだ形では報われなかった愛情を抱えて死んでしまったジャックのほうが,それまではいじらしくって,いとおしくってたまらなかった。でも,考えてみれば,自分のセクシャリティを長年受け入れられずに,暗闇の中でもがいていたイニスの人生もまた,なんと可哀想なことか。

Cap048
彼がその人生を通して,
少しずつ,そして確実に失っていったもの・・・・

平穏な結婚生活,世間からの信用,
仕事,収入,ガールフレンドとの関係。

それらを失ったからといって,その見返りに,ジャックとの生活を得たわけでもなく。そして,自分でもなぜこうなったかわからないままに,気がついたら最愛のジャックから「いっそ別れられたらいいのに」と愛想づかしめいたことを言われて逆上し,「お前のせいで俺の人生,ドツボだよ」とヤツあたりのように泣いたイニス。
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ジャックを思いきることも,居直って一緒に生きることもできなかったイニスの人生
は,中途半端の極みで,どんなにか辛かったろうと思う。そしてようやく一番大切なものに気づいた時には,それはもはや思い出となっていた,という悲劇。

冒頭からラストに至るまでの
イニスの表情の変化,ただよう雰囲気の変化。

不器用で無骨な感じは,若い頃から一貫して変わらないが,年を経るに従って,悩みのせいか,どんどんみじめでくたびれた感じになってゆく。彼の全身から,「後悔」や「葛藤」や「引け目」がにじみ出ているような哀れさに胸が詰まる。そして終盤になって,ジャックへの愛を自認してからのイニスは,ようやく悟りの境地に達したかのように,一種の枯れた雰囲気を漂わせる。
・・・・こんなイニスを,いったいヒース以外の誰が,こんなふうにしみじみと,演じられるというのだろう。本当に,ヒースの演じたイニスのように,心に訴えてやまない演技を他の誰ができるというのか。
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BBMの地点で,ヒースにオスカーをあげてほしかった。
もし今年,ダークナイトのジョーカー役でオスカーを受賞したとしても,もらって一番うれしい本人は,もうこの世にいないんだもの。とは言え,やはりヒースのジョーカーの素晴らしさが世界的に評価されるのは,なんと喜ばしいことか。・・・・・ジョーカーとの出会いが初ヒースという方は,これをきっかけに,ジョーカーの名演技に勝るとも劣らない,BBMのイニスの演技もぜひご覧になっていただきたい・・・・。

2009年2月 3日 (火)

007/カジノ・ロワイヤル

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慰めの報酬」を観たら,もう一度「カジノ・ロワイヤル」が観たくなった。
「慰め」の物語は,「カジノ」の直後につながるそうなので,ほんとは「慰め」を観る直前にちゃんと予習しておくべきだったのだけど・・・・なんせ忙しくてねぇ〜。

ダニエル・クレイグが,
ボンド役に抜擢されて初の007作品。

彼がニュー・ボンドに決まったときは一部,バッシングもされたらしいけど,仕上がった作品には皆が拍手を送った。私はダニエルは好きだったので,彼がボンドになってから007を初めて観たし,イアン・フレミングの原作もよく知らない。
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これは確か劇場で観たような記憶があるけど(なのに記事は書いてない)今,あらためて観直してみても,お話は面白いし,ヒロインとの悲恋は切ないし,ドラマとアクションのバランスはいいし,やはり「慰め」よりこちらの方が好きかな。ヒロインのエヴァ・グリーンの,美しさもセクシーさも知的さも(ミステリアスさも)もちろん文句なし。

でも,ダニエルのアクションは,さすがに一作目はまだ粗削りかも。「慰め」では動きもずいぶん洗練されてきた。この「カジノ」の細部を思い出すと,「慰め」の冒頭のカーチェイスで,ボンドの車のトランクに入っていたのはこいつだったのか~とか,CIAのフェリックスは,前作でも出てたのね~とか,合点することが多かった。

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ボンドがル・シッフルに毒を仕込まれたマティーニbar,「慰め」でも登場してたけど,「ジン3(オンス),ウォッカ1,キナ・リレ2分の1をシェイクしてレモンピールを入れて」という,ボンドこだわりの細かいレシピがかっこいい。ボンドが「一度飲んだら他のものは飲めない」というその特製マティーニ。 なんだか苦そうなんだけど,彼はその酒に,恋人ヴェスパーの名前をつけた。
Kina_lillet ←キナ・リレ
ヴェスパー・マティーニは,ボンドファンの間で流行したそうだが,キナ・リレというアペリティフワインが,現在では手に入らないらしい。最近,ウィスキーやジンの味を覚えた私も,ヴェスパー・マティーニを試してみたいが,アルコール度数が高すぎて,二日酔いになるのが関の山なので,ジントニックやジンフィズにレモンピールを入れて,雰囲気だけでも味わってみようかな。
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そして悪役のル・シッフル。
灰色に濁った片目から,時折流れる血の涙が不気味。彼とのポーカーの一騎打ちは,自分が賭けポーカーに詳しければ,もっと楽しめただろうと思う。(レイズとかコールってどういう意味よ?)演じるのは,アフターウェディングの誠実なヤコブ役や,キングアーサーの鷹を連れた騎士トリスタンを演じたマッツ・ミケルセン。(作品によって雰囲気ぜんぜん違う)・・・・ガタイもよく,悪党としての迫力は十分だけど死に方はあっけなかったなぁ。
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お気に入りのツーショットup

あと,印象に残ったのが,あのヴェニスでの建物の水没シーン。ヴェニスの家ってあんなカラクリで浮いていたのか〜,と目からウロコだった人は多いはず。ヴェスパーがボンドを見つめながら溺死するシーンは,何度観ても可哀想。
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あくまでも人間臭く,身体を張ってアクションするワイルドで硬派なダニエル・ボンド。・・・・しかし,三作目以降は,従来のエンタメ色が加味された,スマートでお茶目なボンドを演じるダニエルも見てみたい。とりあえず,あと二回はダニエルのボンドに会えるわけだ!いまから三作目が楽しみ!
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2009年2月 1日 (日)

007/慰めの報酬

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あらすじ: 愛する人を失ったジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、彼女を操っていたミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)を追及するうち、新たな悪の組織の陰謀を知る。(シネマトゥデイ)
今日やっと観ることができた。
いや~,すっかり板についてきましたね~
ダニエル・ボンド!

前回よりさらにしっくりとハマり,彼のやることなす事すべてが,やけにカッコいいのだけど,ところが・・・始まってすぐにお話がわからなくなった(汗)。
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これでも,カジノロワイヤルは予習に何度も観たんだけどね,この作品では,ボンドやMや,悪党同士の会話についていけない。目まぐるしく変わる世界各地の地名に混乱する。wobbly ・・・・そんなこんなで途中,完全に眠っていたsleepy箇所があるので,あらすじについて語るのはよそう。(←語れないsweat01)

まあ,私はもともとスパイものは好きなくせに,スパイもののあらすじについて理解するのは苦手。007シリーズは,ダニエル・ボンドになってから観始めたので,ダニエルがカッコよけりゃそれでいいのである。(←居直り)

そして,その点では大満足!
もうもう,渋くて,クールでニヒルで,ワイルドで,アクションのキレも速さも最高!お話の理解は曖昧でも,立て続けにバラエティーにとんだアクションがてんこ盛り(ちょっと強すぎ?人も死にすぎ~?のような気もしないでもないが。)なので,そのうち眠気もふっ飛んだ。まぁ,あまりにもアクションが多すぎて,かえってメリハリに欠ける気もしたけど。
以上,感想終わり~!と行きたいところだけど,さすがにそれでは簡単すぎ?
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ではとりとめなく感じた印象を,アトランダムに。

今回,監督がマーク・フォースターだから,やはりトラウマを抱えた人間が,行い(この場合は復讐)によって,傷を癒していくところとか,しんみりした空気が漂う場面もあった。この雰囲気をボンドシリーズには場違いと感じるか,こういうボンドもいいよな~と感じるかで,また評価は分かれるのだろう。007はあくまで楽しくなくちゃ!と思ってるファンの方は,辛気臭く感じるかもしれないな~と思った。

今回の悪役は,『潜水服は蝶の夢を見る』のマチュー・アマルリック。こんな悪役もできるのね~。ちょっと迫力と怖さに欠けるが,卑劣な雰囲気がいかにもイヤな感じ。彼の末路は悲惨だったなぁ~・・・・自業自得とはいえ。こういう死に方を与えるあたりは,ボンドはホントに非情な面もあり,それでなければ007なんか勤まらないのだろうけど。

ボンドシリーズにつきものの,ヒロインを演じたオルガ・キュリレンコもなかなかいい感じ。ちょっとボーイッシュなところが,ボンドガールとしては,強さにもお色気にも欠けるが,まだまだ死んだ恋人の影を引きずってるボンドが,お次のセクシーガールと早速ラブラブになっちゃうのもナンなので,男と女というよりは,兄と妹のような二人の関係はよかった。
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暴走しまくるボンドを手厳しく牽制しつつも,彼に絶大の信頼を置いているのが伝わってくる上司のM。彼女とボンドの絡みも,味があってよかった。ジュディ・デンチ,「鉄の女」という感じで,さすがの貫録だなぁ。顔に刻まれた皺やタルミのひとつひとつがなんともいえず迫力があるのよね~。

作中のボンドのセリフ,さりげなく笑わせてくれるものも多かった。(笑うと撃ち殺されそうな気もしたが)特に,「宝クジの当たった学校教師」のところはお気に入り。coldsweats01

DVD出たら,もう一度ストーリーや人物を確認しながらダニエルのアクションを堪能したいと思う。面白かった~!(寝たくせに)

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