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2008年12月 6日 (土)

私は貝になりたい

524
フランキー堺さん主演のオリジナルドラマは,中学生のとき,ハイライトシーンをテレビでちらりと見た記憶がある。(たしか懐かしの名作ドラマとかいう特集で)そのときに感じた,やりきれないほどの重さ,暗さ,そして哀しさは鮮明に覚えていて,フランキーさんの「生まれ変わったら私は貝になりたい」という声は,今でも脳裏に焼きついている。だから,リメイク版も,ぜひとも劇場で見たいと思っていた。

002
2時間半の長尺な物語にもかかわらず,すっかり物語に引き込まれて,長さはあまり感じなかった。中居くんも仲間さんも,ともに素晴らしい演技で,その健気な夫婦愛や,ひたむきに生きようとする姿には,何度も泣かされた。

しかし,こうしてリメイク版を今見返してみても,怒りや哀しみをどこへ持っていけばよいのかわからないくらい,残酷で理不尽な物語である。
戦争によってひき起こされる悲劇を描いた物語は,文学,映画を問わずたくさん接してきたが,これはそのなかでも,やや異色ともいえる,「戦犯の悲劇」にスポットを当てた物語だ。
017
主人公の豊松の不運さには言葉もない。
貧しくて,足も不自由で,それでも愛妻の房江と子供と,ささやかな人生を懸命に生きていた彼が,なぜこんな目に合わなくてはいけないのか?彼が法廷で断罪されたのは,捕虜の処刑。軍のトップから順送りに降りてきた命令。最終的には,部隊でもっとも「愚図」だと上官からにらまれていた,豊松と滝田の二人が実行命令を受ける。

法廷で,「捕虜を殺した」ことの責任や,そのときの気持ちをしつこく問いただされても,豊松は「上官の命令には絶対服従だから」「われわれ兵士は牛や馬と同じ」と訴えるしかない。しかし,そのような,「個」を全く抹殺した日本の軍国主義が,アメリカ側にわかってもらえるはずもなく,直接手を下したということで,豊松は直属の上官よりも重い極刑を言い渡される。
006
妻,房江の必死の署名集めも,冷たく拒否する人もたくさんいて,やりきれない思いになった。豊松のような,不当に過酷な刑を科せられた戦犯者のことを,当時,同じ日本人なのに知らない人の方が多い・・・というのもまた,激しく疑問を感じたことの一つ。

・・・敗戦後の混乱の中では,戦争が個々に残した爪痕はあまりに大きく,また生きていくのに精いっぱいで,他人のことなど構っていられなかったためか?それともやはり国民も「戦犯」という言葉を聞くだけで,当時の人々は拒絶反応を起こしてしまったのか?

それでも,200名の署名が集まり,もしかして希望が・・・・と誰しも(観客も)思っていた矢先に,いきなりの処刑執行命令。「助かる」と確信していただけに,一転して奈落の底につきおとされた豊松の茫然自失ぶりはものすごかった。ここ,中居くんの演技の正念場・・・・というか,うつろなまなざしと憔悴した様子は,鬼気迫るものがあって,鳥肌がたった。

事前にオリジナルの筋書きを知っている人は,この物語のキモである「私は貝になりたい」というセリフが,ハッピーエンドでは決して出てこない言葉だと承知して観ているから,ラストの衝撃も心の準備はできている。しかし,何の予備知識もなく観た人にとっては,もしかしたら到底受け入れがたいほど,ラストはむごい結末だ。
014
心に焼きついて離れない豊松の遺書
こんなにも深く考えさせられる哀しい遺書を,私は他に知らない。「もう人間には生まれ変わりたくない」とまで豊松に言わしめた深い絶望と悲嘆。

気安く慰めの言葉などかけられない・・・・ただ一緒に泣く
しかない・・・。そう感じるほど重い,重い,救いようのない絶望が,豊松の一句一句から,ひしひしと伝わってくる。

オリジナルのフランキー堺さんのあの声も心に沁みたが,中居くんのやさしい囁くような声もまた,涙なしには聞けなかった。
Iv01
途中で草彅くんが出てきたのは(友情出演?)嬉しいおまけ。けっこう印象に残る美味しい役だったのでは?同じ戦犯でありながらも,悟りと静謐の境地に達している青年役の彼がつぶやく,「いやな時代に生きて,いやなことをしたものです・・・」というセリフもまた,心に残った。

そして,軍のトップで,「全責任は私にある」と毅然と言いきった矢野中将を演じた,石坂浩二さんの風格はさすが!だった。・・・・・名作のリメイク,ということでいろいろ危惧はあったけど,とても感動できる,そして考えさせられるよい作品なので,ぜひ一人でも多くの方に観てほしい。(←関係者ではありません( ̄▽ ̄)

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映画 わ行」カテゴリの記事

コメント

こんばんは!
ななさんも感動してくれてうれしいよ。
ブロガーさん、観ている人少ないから、、
もっとたくさんの人にみてほしいよね、特に若い人には。
長い映画なんだけども、中居くんに感情移入してしまって泣きっぱなしでしたよ。
理不尽さがやるせないし、どうして、こんなめにあわなくちゃいけないか苦しくなる。
風景が美しいものだから、よけいに悲しみが増します。
石坂浩二さん、よかったよね。
とってもいい映画だったわ。

そう植物園みましたー。
異国情緒たっぷりでとっても美しい映画でした。
後日感想かきまーす!

アイマックさん こんばんは
これね~,きっとあの遺書だけでも私は号泣する物語なのですけど
中居くんの演技・・・特にあの目の表情には泣かされました。
人権教育の「戦争教材」に入れてもよさそうな物語だなあと思いながら観ました。
風景の美しさはね,四国の人間だから特に馴染みがあって嬉しかった。
高知じゃないけど,高知はしょっちゅう遊びに行くから・・・。
石坂さんはさすがの名優だなぁって改めて思いましたが
ちょっと見ない間に太ってたけど,・・・役作り?
中居くんは10キロも痩せたそうですね。

「植物園」・・・?
ああ,あれか!ご覧になったの~,嬉しいわ。
美しい作品だったでしょ?DVD注文してるけど品切れでまだ届かないの・・・
記事アップ,楽しみにしてるねー!


こんにちは
TB&コメント、ありがとうございました

うーん…
私は幼少時代に観たオリジナル版の印象が強烈だったせいか
リメイク映画には物足りなさを感じました

あれだけ豊松を中心に描かれていたのに、
私の心に響いたのは草彅くんが言った
「嫌な時代に生まれて、嫌な事をしたモノです…」
という言葉くらいでした

私は「オチ」も分かっていたので
意外な所で登場した草彅くんの言葉に
心を動かされたのかもしれませんが、
オリジナル版を観ていない人には
衝撃的な作品なのかもしれませんね

ななさん こんばんは☆

>一転して奈落の底につきおとされた豊松の茫然自失ぶりはものすごかった。

そぉそぉ!あのシーンかなり観てるこちらも衝撃受けましたね。
中居クン、この撮影中はひたすら食べないようにしてたということで、なんだかボーッとしてたとも言ってますが、ラストの遺書を書くシーンなどは鬼気迫るものがあって凄い迫力でしたよね!

この映画を皮切りに、偶然なんですが私はここのところ反戦作品を立て続けに3本観ました。
今日はDVDで『紙屋悦子の青春』を観たのですが、ほのぼのとした中に戦争を生きた女性の姿がこちらもとっても良かったのです。

テクテクさん,こんばんは
オリジナル,サワリのシーンしか観てないけど
オリジナルには草彅くんの役に相当する人物って出てこなかったんでしょうねー。
彼のあの役,そしてあのセリフはインパクトありましたね。
>嫌な時代に生まれて、嫌な事をしたモノです…
これって,この作品のテーマのひとつだよね。
時代のせいですべて片づけられるわけではないにせよ
戦争が個人を絶対的に支配していた時代の最たる被害者ですよね,豊松は。
衝撃的なお話ではありますが,豊松を徹底的に悲劇の人として描き切ったことで
この物語は反戦というテーマをしっかりと伝えてくれたと思いますよ。
戦争を知らない世代にこそ(私もそうだけど)観てほしいです。

なぎささん,こんばんは!
中居くんの処刑前の演技はもう痛々しくって・・・
階段をよろよろと昇っていくシーンは正視できませんでした。
あの,目の前の縄を呆けたように見つめる目つきとかもね~(p_q*)
それにしても,激やせでしたね,中居くん。
もともとスリムな彼が10キロって,相当の苦労があったんじゃ?
そりゃ,飲まず食わずでしょうなぁ・・・
>この映画を皮切りに、偶然なんですが私はここのところ反戦作品を立て続けに3本観ました。
おお~,すごい!邦画の反戦映画も,昨今はいろいろ素晴らしい作品が出てますよね。
かく言う私は「明日への遺言」も「母べえ」も未見なんですが。
もちろん「紙屋悦子の青春」も・・・
また私もレンタルしてみようっと!

こんばんはー☆
ラストを知らなかったのでかなり衝撃をうけてしまったきららです。
戦争の悲惨さ、むごさなどを改めて考えてしまいました。こういう時代だから、って思いだけじゃやりきれないよね。
中居くんが「上官の命令は天皇の命令です
って行ったときアメリカ人達が笑ったじゃない?アメリカの人はどういう思いで戦ったのかなーなんて考えてしまいました。

ななさんこんばんわ♪TB&コメント有難うございました♪

よく続編やリメイクなどはオリジナルを超えられない・・・なんていう変なジンクスみたいなものがありますけど、中居豊松版の本作も超えるまでとは行かないものの、少なくともオリジナルに近い出来映えだったとは思いますね。そのオリジナルを観てない自分でも戦争の愚かさを伝える反戦作品として良く出来てると感じましたからっ。

でも中居くんの演技も鬼気迫るものがありましたが、自分は矢野中将を演じた石坂浩二も印象に残りましたね。BC級戦犯者という方たちをおそらく本作で初めて知ったと思うだけに、『国民はこの事を知ってるんだろうか・・?』みたいな事を言っていた中将の言葉は、当時の人達だけじゃなく、戦争を知らない今の人達にも言い聞かせてるような気がしました。

きららさん,こんばんは
横で鑑賞していた母親も,ラストを知っていながらも
「助かるかと思ってたのに~」と泣いていました。
「助かったら,貝になりたいって言えないじゃん」とつっこむと
「そりゃそうだけど・・・」とまだ納得がいかない様子。
>中居くんが「上官の命令は天皇の命令です
って行ったときアメリカ人達が笑ったじゃない?
あそこは私もカルチャーショックですね。
アメリカは個人の意志(愛国心とか)で戦争してる,というところがあったのかな?
でも日本兵の立場を笑わずに,せめて驚くぐらいのリアクションをしてほしかったな。


メビウスさん,こんばんは
>中居豊松版の本作も超えるまでとは行かないものの、少なくともオリジナルに近い出来映えだったとは思いますね。
そうですね~,私はハイライトしかオリジナルは観てないので
はっきりとしたことは言えませんが
リメイクはオリジナルとは毛色の違った感動があったのでは?と思います。
でもおそらく伝えたいものは同じで,中居くんが演じてくれたからこそ
若い世代も映画館に足を運んでくれて,この名作がより多くの人に観てもらえたのじゃないかと・・・
>戦争の愚かさを伝える反戦作品として良く出来てる・・・
まったくその通りで,戦争に対する怒りはひしひしと感じましたよね!

石坂浩二さんは私もものすごく印象に残りました。
それは誰が何と言っても,往年の名優の貫録で
若い者には到底太刀打ちのできないような名演技だったと思います!

ななさん、こんばんわ。
私も観ましたよ。この映画。
かなり泣いちゃったわりに、戦争音痴の私にはいろいろとわからない事もたくさんあって。あんなに足が悪い人でも兵役に行かなくてはいけなかったんですかね。

それから軍事裁判のシーンで「あなたは命令された時、本当に殺したいと思ったんですか?」って言われた事。アメリカ兵は「殺したくない」って思った時は、殺さなくてもよかったんですかね。

ううむ、わからない。

NO MORE WAR
ですね。絶対に。

中居君目当ての若い女の子がいっぱい観てくれるといいなと思いました。

むぎむぎさん こんばんは!
きゃー,ご覧になったのね~
これ,案外観てないブロガーさん多いよね・・・もったいない。
>あんなに足が悪い人でも兵役に行かなくてはいけなかったんですかね。
うーん,私もそれはちらっと思いましたよ~。
訓練の様子を見ても,豊松は大変そうでしたね。
でも,そんな豊松まで駆り出されるくらい
戦局は追い詰められていたのかなぁ?
>アメリカ兵は「殺したくない」って思った時は、殺さなくてもよかったんですかね。
そんなはずはないと思うけど~???
あの法廷での質問は,変な質問だな~屁理屈だなって私も思ったわ。
一般の殺人事件のように「殺意の有無」をはっきりさせたかったのかな?
でも戦争犯罪に「殺意の有無」を問いただしても意味ないよね。
それだけ戦争って理不尽なことばかりなんですよね。
SMAP目当てでもいいから,たくさんの人に観て,知ってもらいたい物語ですね。


こんにちわ。
少し不在にしておったので、ウチにいただいた
コメントへのお返事が出来ておりません。
あしからず・・・・。

私、戦争映画を観るたびに思うことや感じる
ことって同じなんです。

戦争映画のレビューを書くたびにいつも同じ
内容になってしまうことがなんだか情けなく
思えてきて。なのに、昔から進歩もなくいまだ
に殺し合いが繰り返されている世界の現状にも
さらに悲しくなってしまいます。

きっと、豊松のような戦争の理不尽さを味わっ
た人って、日本だけじゃなく他の国でも多く
いたと思うので。

≫うつろなまなざしと憔悴した様子は,
鬼気迫るものがあって,鳥肌がたった。

でしたね・・・本当にそうでした。
中居くんの俳優としての底力が光る1作だった
なあと思います。

睦月さん こんばんは
お出かけだったのですね~ お忙しいところすみません。

戦争の描く悲劇って,立場を変えればいろんなものがあると思います。
兵士の立場,銃後を守る立場,空襲などで傷つく立場・・・考えたらキリがないけど
それでも根底に訴えたいことは戦争の愚かさや虚しさであることは変わりがないですね。
これほど手を替え形を変えて訴え続けられてきたことなのに
未だに地球上から戦争がなくならないというのは
どうしたものでしょうか・・・哀しいことですね。

中居くんの演技は私は前から高評価なんですが
今作では特にその実力を見せてもらえたって感じですね!

ななさん、こんばんは^^
私も観てきましたよ~
オリジナル版は見ていないんですが
結末は知っていたので心の準備だけは何とかかんとか。。。
それでも、やっぱり、徹底的に悲劇として描いた、
残酷で理不尽な結末には言葉も出ませんでした。
私が観た劇場は、大半が御年配の方でしたが
この映画は是非とも若い世代の方達にも観ていただきたいですね。
中居くんの全身全霊の演技も必見ですが
脇を固める俳優陣の巧さも光ってました。
そうそう、石坂さんが素晴らしい!
最期の言葉を遺すシーンには沢山のメッセージが詰まっていたと思います。

Anyさん!ご覧になったのですね!嬉しいわ~感動を共有できて!m9(^Д^)プギャー
他のブロガーさんたちももっともっと見てほしいですよね!
確かにあまりの悲劇に言葉もない物語ですが
ひとりでも多くの方に知っていただきたい物語でもありますよね。
私が観たときも,半分は年配の方でしたね。
戦争を体験された世代の方は,感無量だったかもしれませんね。
>脇を固める俳優陣の巧さも光ってました。
>そうそう、石坂さんが素晴らしい!
映画の大画面で石坂さんを観たのは
もうはるかむかしの「ビルマの竪琴」以来ですけど(古っ!)
やっぱり品格と貫録が違いますわ~
台詞ひとつでもずしーんときましたもん。

こんばんは。

お久しぶりです。
コメント&TBありがとうございました。
こちらにお伺いして、
とても白熱しているのに感激しました。

フランキー堺版、
もうラストの13階段のシーンしか覚えていませんが、
おそらくあの作品は、
当時の日本人の心に深く
突き刺さったのでしょう。
でもいまはあれから50年もの月日が経ち、
戦争が行なわれた時代からはさらに遠く、
それに加えて時代の空気も違う。
そんな中で、この映画は多くの人の心を打っている……。

その時代その時代ごとの
反戦の訴え方というものがあるのだなと、
改めて感じました。

えいさん,こんばんは
>フランキー堺版、
>もうラストの13階段のシーンしか覚えていませんが、
そうですね,あのシーンは強烈でした。一度だけ観たのに
今でも鮮明に記憶に焼き付いています。
あのドラマが放送された時,視聴者の多くが
戦争体験者で,だからこそあれほど重い内容でも
ずっしりとした共感と感動を与えたのでしょうね。
でも,戦争を知らない世代ばかりの現代に
あの雰囲気のままリメイクしても「暗すぎる」と
今の若者たちには敬遠されてしまったかもしれませんね。
そう思うと,中居版の「貝になりたい」の軽やかさは
今風のアレンジとしては成功したのかもしれません。
家族愛,夫婦愛という,現代人にも共感しやすい点を強調したのもよかったかと。
>その時代その時代ごとの
>反戦の訴え方というものがあるのだなと、改めて感じました。
まったく同感です。受け止める側は自分の体験に照らし合わせて感じますから
その時代にマッチした言葉で反戦を訴えていくのは大切なことですよね。


登場人物が、みーーんないい人で、豊松の苦難が余り伝わらなかったような・・・。
まあ、貧しくてもひょうきんな性格で皆から可愛がられる主人公・・・というキャラは中居君にはぴったりだとは思います。

ななさんこんにちは
あの面会シーンには、ななさんも号泣でしたか。僕も同じでしたが、遠路はるばると、渋谷の闇市風景にも感慨深さがありましたね。もちろん経験しているわけではありませんが、東京オリンピックまでは、東京風景も日本のインフラもどこか似たような雰囲気でしたからね。
またオリジナルのダイジェスト版も観ていたのですね。僕が小さい頃観たのは、確か生放送だったような気がします。

TB、コメントありがとうございます。
オリジナルの素晴らしさを越えることはできない云々といった意見は、この映画の場合当てはまらないような気がしています・・・
なにしろ、俺の場合、フランキー堺版より所ジョージ版のほうが泣けたくらいですし・・・
リメイクの重要なところはその時代時代にマッチした役者を起用して感情移入しやすくすることもありますよね。わかりやすいという点も良かったです。

ひらりんさん こんばんは
>登場人物が、みーーんないい人で、豊松の苦難が余り伝わらなかったような・・・。
故郷の人たちや,獄中で出会った人たち,確かにみんないい人で
豊松はみんなに愛されていましたね。
でもだからこそ,いい人たちの力を持ってしても
避けられなかった豊松の悲劇の理不尽さが際立ったような気もします。
中居くんのキャラはたしかにひらりんさんのおっしゃるような意味でも,ぴったりだったかもしれません。


ケントさん,こんばんは
そう,あの面会シーン,子供の指にキスするシーンは
泣けてしかたがありませんでしたよ。
>遠路はるばると、渋谷の闇市風景にも感慨深さがありましたね。もちろん経験しているわけではありませんが・・・
当時の混乱ぶりがよくうかがえましたね。ケントさん,経験してらしたら,かなりの年配ということになりますよ~(爆)
オリジナルのダイジェスト版,たしか捕虜の処刑シーンと豊松の逮捕シーン,そして絞首刑の階段を昇っていくシーンと,あの遺書のシーンだったと思いますが,それだけでもものすごく印象に残っています。

kossyさん,こんばんは!いらっしゃいませ!
>オリジナルの素晴らしさを越えることはできない云々といった意見は、この映画の場合当てはまらないような気がしています・・・
そうですね,オリジナルと比べずに,リメイクならではの感動を味わうべき作品なのかもしれませんね。
>俺の場合、フランキー堺版より所ジョージ版のほうが泣けたくらいですし・・・
おお!∑ヾ( ̄0 ̄;ノそうなんですか~
所ジョージ版,未見なんですよ。所さんも味のある演技しますからねぇ。
観たくなりましたが,もう今更無理かな?
今回の中居版は,確かに現代の人たちが感情移入しやすいキャラでしたし
強調するポイントもまた理解しやすかったですね。
そういう点ではとても意義のあるリメイクだったと思います。


古典と言われる名作のリメイクなので、最低保証はついている様なものですが、それを差し引いても良く出来た映画でした。
主演の中居くんは代表作を得たといえるのではないでしょうか。
ただ、草薙くんや他の出演者のゲスト的な扱いは、個人的にはいちいちテレビの世界に引き戻される様で苦手でした。
もちろん本人たちの罪ではないのですけどね。

あ、名前忘れました↑

ノラネコさん,こんばんは!
うふふ,お名前を入れ忘れるコメント
私もよくやっちゃいます~
>古典と言われる名作のリメイクなので、最低保証はついている様なものですが
そうですね,私はあの遺書の文面だけで泣けてしまいます。
物語そのものが,衝撃から感動を呼ぶ内容なのですものね。
>主演の中居くんは代表作を得たといえるのではないでしょうか。
そうですね~,きっとそうだと思います。
しかし,いつもの彼の番組の常連たちが脇を固めると
ついつい現代に引き戻されてやや興ざめになるのもわかりますよ~。
ま,みないい役者さんなのですが。
獄中で,差し出されたカップのその先に
草なぎ君の顔が現れたときは,軽く噴きそうになりましたもん・・・。


こんばんは。
コメントいただきありがとうございました。
戦争がもたらす悲劇が伝わるような映画でした。
絞首刑のシーンなんかリアルすぎて・・・。
もう、二度と戦争など繰り返してはいけないと強く思いました。
今年の紅白は中居・仲間コンビですが、紅と白のどちらが「下位になりたい」のか見物ですw

FREE TIMEさん こんばんは
レスが遅れて申し訳ありません。
>絞首刑のシーンなんかリアルすぎて・・・。
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を少し思い出してしまいました。
あのシーンで目を覆っている観客の皆さんもいたようですね。
今年の紅白の司会・・・そうですね,中居くんと仲間さんですね!
どうしても映画を思い出してしまいそうです。

ななさんこんにちは!
台風は大丈夫でしたか?

昨日はこの映画を見ました。
私はフランキー堺さんの作品は知らなかったので当然、ストーリーも知りません。なので最後はショックでした…。

写真も見れないまま刑になってしまい、最後までやりきれない思いでいっぱいでした。
戦争だけでなく、無実の罪で死刑になってしまうのって言葉がありません。「かわいそう」なんて言葉は通用しないというか。そんな軽いもんじゃないというか…。

今生きてる私たちが後世まで平和が続くように努めて行きたいですね…!

石坂さんサイコー!最初誰かわからなくて…でも声も話し方も石坂さん?と思ったらやっぱそうでした。上に立つ人の役だけある貫禄があり、誠実さも伝ってきました。


メルセデスさん こんばんは!
台風は思ったほど被害もなく(四国なんですが西部なので海沿いに比べるといつも被害は少ないです)拍子抜けというか安堵というか・・・メルセデスさんのほうはいかがでしたか?

さてこの作品,ストーリーに関してまっさらの状態で見ると,ラストの救いのなさにうちのめされますよね。一緒に鑑賞した母などもそうでした。
あのような哀しいラストで,戦争の悲惨さ,理不尽さを切々と訴えたかったのでしょう。それにしても哀しい・・・。

>今生きてる私たちが後世まで平和が続くように努めて行きたいですね…!
ほんとにね!戦争によって一般人がどれだけ傷つくか,このような反戦映画を通して私たちは肝に銘じたいですよね。
石坂さんの存在は,若手俳優の中で重鎮として作品に風格を与えていましたね。やっぱりお声も素敵です。

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