ジェイン・オースティンの読書会
ジェイン・オースティンの著書はどれも未読。日本ではそんなに読まれていないのでは?欧米では広く親しまれている古典作家だそうで,作品のドラマ化,映画化も多い。映画「高慢と偏見」「いつか晴れた日に」は観た。
オースティンの物語は,どれも18世紀から19世紀の英国の田舎を舞台に,中流階級の家庭に起こる平凡な事件が淡々と描かれている。起伏の激しいストーリーではないが,丁寧で適格な人物描写や心理描写が魅力のひとつだと思う。(・・・実はオースティン原作の映画は,なぜかそんなに好きではない)
すごいな~と思ったのは,「オースティン(=いちおう古典文学)の読書会」なるものが,簡単に成立するってこと。アメリカ人って読書家?これが日本なら,「現代ベストセラー作家(東野さんとか)の読書会」ならあり得そうだけど,たとえば「夏目漱石の読書会」なら,難しい(そんなに人が簡単に集まらない)と思うから。
オースティンの物語に出てくる人物はその心理描写のリアルさ,巧みさのせいか,時代を超えて現代の人々の共感を呼ぶらしい。現に,読書会に集う6人の男女は,物語の登場人物の生きざまと,自分のそれとを重ね合わせて考えたり感じたりする。
読書会で取り上げる作品は,オースティンの代表作,「分別と多感」「高慢と偏見」「エマ」「マンスフィールド・パーク」「ノーサンガー僧院」「説得」の6つ。6人がそれぞれ一つずつ分担し,会場も持ち回り
・・・読書好きにとっては,なんだかすごく楽しそうな企画だわ。個人的には,宮部みゆきさんの作品とかでやってみたい。それよか,「お気に入りの監督作品について語る会」っていうのもいいんでは???
この作品の魅力って,等身大でそれぞれにチャーミングな登場人物の魅力が大きいと思う。・・・夫に捨てられたり,恋に臆病だったり,反対に秘めた思いを抱えていたり,パートナーに不満を覚えていたり,みんな悩みを持っていて,オースティンの物語に自分の思いを投影し,時には癒され,時には一歩踏み出して,ささやかな問題解決をなしとげる6人のメンバーたち。
彼らの一挙一動に,ちょっとはらはらしたり,くすっと笑ったり,ほろりとしたり・・・みんな平凡だけど素敵だ。それにファッションが全員,何気にすごくお洒落だし。
特に,メンバー内の唯一の男性グリッグを演じたヒュー・ダンシーがいい。このひと,いつか眠りにつく前にでは,不遇な役どころだったせいもあって,パッとしないな~,と思ったのだけど,この作品や美しすぎる母(ここではゲイ役)を観て「なかなかいいじゃん」と思った。しゃべったり笑ったりするときに,表情に何ともいえない魅力が出るひとだ。・・・それに綺麗に調整された筋肉が美しい。
あ,メンバーの一人,教師のプルーディーを誘惑する男子生徒の役で,トランスアメリカのケヴィン・ゼガーズ君も出てる。こちらはセクシーな正統派イケメン。しかし,セクシーすぎる美貌が仇になってか,こういう役が定着しても何だかな~~(ノ_-。) 相変わらず,なんとも色っぽい目つきにドキドキしたけど。
最後はなんだか,イケメン語りに落ち着いてしまった・・・・やれやれ。取り上げられたオースティンの6つの物語を読んでいたら,より楽しめる作品なんだろうな~~。
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