ハンティング・パーティ ーCIAの陰謀ー
実話ベースだと聞いてたし,背景にボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争があるし,もっと重い感じの,シリアスな社会派作品かと思っていたら・・・。
サイモン(リチャード・ギア)が狙う,「とびきりの大物」フォックスとは,スレブレニツァの虐殺や,民族浄化を指揮したラドヴァン・カラジッチがモデルだそうで。かつては花形リポーター,今は落ちぶれて見る影もない彼は,再起を果たしたいという願いと,私的な復讐の意味もあって,無謀にもフォックス逮捕を目指す。
彼の仲間はかつての相棒カメラマン,ダック(テレンス)と新米プロデューサーの若者ベン(アイゼンバーク)。彼らは,半信半疑でサイモンに振り回されつつも,中盤からは本腰を入れてフォックス追跡の珍道中をともにする。
そう,「珍道中」と書いたとおり,彼らの追跡劇は,かなり笑えるジョークが散りばめられていて,シリアスなテーマ(訴えたいことはきちんとシリアスだ,一応)にも関わらずこの作品,軽妙なエンタメ作品になっているのだ。
「野放しの一級戦犯の存在」という深刻な問題を扱いながらも,まじめなのか,ふざけているのか,・・・製作の意図について迷ってしまうような作品。痛快アクションも冒頭シーンだけで,予告編で期待したようなジャーナリスト離れした鮮やかな活劇を,彼らが見せてくれるわけでもない。(ここが一番肩すかし)
彼らはCIAと間違えられたり,謎の情報源とこっそり接触したり,拉致されたりと危険な目に会いまくるのだが,すべて「運のよさ」だけを武器に切り抜けていくのだから。
それでも,実際にカラジッチを追ったレポーターの実話をもとにしてるから,ところどころに真実が入ってる,という構成が面白い。エンドロール前に出てくる「劇中のコレとコレはホントのことだから!」という種明かしに「へ~!∑ヾ( ̄0 ̄;ノ」と驚く。
しかし,CIAも国連警察も捕まえられなかった(というかその気がない?)フォックスを,彼ら3人が首尾よく捕獲できるはずはないのだか,そこらへんは「現代の神話だよん」とうまく煙に巻いて,フィクションであることを匂わせながらも,それでも極悪戦犯のその後の処置なぞは,胸がすくような場面でもある。(目には目を!という悲願も入ってる?)・・・・でも調べてみたら,カラジッチは実際に,この夏めでたく逮捕されたらしいけどホントかな?
中年の域を超えたリチャード・ギア。「最後の初恋」なぞで,まだまだラブロマンスの主役も張れる面も備えながら,こういう崩れた役もしっくりハマるようになってきた。肩の力が抜けた感じで,いいなぁ~。この作品では彼のお尻が拝めます。
そして,ほとんど主役と言っても過言ではないくらい,存在感のあるテレンス・ハワード。・・・この作品ではやけに若々しくカッコいいです。相変わらず瞳で語るいい演技をしていて,素晴らしい役者さんだな~。それにあんなに足が長いとはびっくり!
深刻すぎず,おちゃらけすぎず・・・締めるところとゆるめるところのさじ加減が,絶妙で,楽しく見ながらも,今まで知らなかった「国際社会のとんでもない本音と建前」についても知ることができる作品・・・かな?
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The Hunting Party(2007/アメリカ)【劇場公開】
監督・脚本:リチャード・シェパード
出演:リチャード・ギア/テレンス・ハワード/ジェシー・アイゼンバーグ/ダイアン・クルーガー
狙った獲物は《最上級》
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「The Hunting Party」2007 USA/クロアチア/ボスニア・ヘルツェゴビナ
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元敏腕TVレポーター サイモンに「綴り字のシーズン/2005」のリチャード・ギア。
サイモンとコンビのカメラマン ダックに「クラッシュ/2004」「ブレイブ・ワン/2007」のテレンス・ハワード。
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---THE HUNTING PARTY ---
2007年(アメリカ)
監督:リチャード・シェパード
出演:リチャード・ギア、テレンス・ハワード、ジェシー・アイゼンバーグ
実在の記者をモデルに、ボスニア紛争の大物戦争犯罪人を追跡する命知らずな3人のアメリカ人ジャーナリストの姿を描いた社会派サスペンス・アクション。
主演はリチャード・ギア、共演にテレンス・ハワード、ジェシー・アイゼンバーグ。
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こんばんは!
社会派ものでも、エンタメ系で逆に見やすかったです。
ほんと3人の危険な「珍道中」だったね。
真実と真実ではないところがいりまじって、うまくまとめてありました。
製作中は捕まってないわけで、こういう映画をつくってしまうところはさすがハリウッド!
テレンス・ハワードのファッションが気になったね。うんうん、スタイルのいい人だね。
投稿: アイマック | 2008年10月27日 (月) 23時29分
アイマックさん こんばんは!
いろいろ仰天するような事実を
さりげなく,面白く見せてもらえた気もしますね!
>真実と真実ではないところがいりまじって、うまくまとめてありました。
エンドロールの,「これは事実」という種明かしは面白かったですね。
思いもかけないことが事実だったりして~
何はともあれ,今は逮捕されてるようで,よかったです。
テレンス・ハワード,今まで地味な警官役とかしか知らないので
この作品ではおしゃれなファッションの彼にびっくりしました。
投稿: なな | 2008年10月28日 (火) 19時20分
いやいや〜私はこの作品、2008年に観た洋画ランキングの第3位に入れまし
まさに、深刻過ぎず、おちゃらけ過ぎない…面白い作品でした。
しかし…トダナツの翻訳、かなりいけてなかった…。
今どき、オ○ン野郎はいかがなものでしょう???
投稿: あなばなな | 2009年1月12日 (月) 21時33分
あなばななさん こちらにもコメントありがとうございます!
>いやいや〜私はこの作品、2008年に観た洋画ランキングの第3位に入れました
私もこれはかなり気にいったのですよ~
ランキングには惜しくも入れてないですけどね。
リチャード・ギアも好きですし~。
重めのテーマの割にはかなり痛快なお話でしたね。
>今どき、オ○ン野郎はいかがなものでしょう???
さあ,どうでしょうか???今ではなんていうのが旬なんでしょ~ね~?
投稿: なな | 2009年1月13日 (火) 22時07分