おくりびと
納棺師という仕事に奇しくも就くはめになった主人公が,さまざまな葛藤を経て,次第に一人前の納棺師として,己の仕事に生きがいを持つようになるまでの物語。
同居家族の死を迎えた経験がなく,納棺の光景を最初から最後まで,まじまじと見たことがなかった私は,その行き届いた手順にまず目を奪われた。
本木雅弘が扮する主人公の,遺体を扱う手つきの美しさ。その,よどみなく流れるような無駄のない所作には,まるで茶道の点前のような品格すら漂う。清潔感のある端整な容貌の本木さんが演じたから,ことさらに,そう感じたのかもしれない。そこには,死者に対する深い哀悼と敬意,そして何より遺族への慰藉の思いが込められているように感じる。
生前にも体験したことがないくらい,心をこめて丁重に扱われる遺体。まるで眠っているかのように安らかな顔を目にした遺族は,どんなにか大きな慰めを得るだろう。
自分の家族も,そして自分も,大悟さんに納棺してもらいたいと思った。(うちはキリスト教だけど,納棺に宗派は関係ないし。)
しかし,遺体に触れる,という仕事なので,なかなか抵抗があるのも事実。大悟も,その妻も,それに関しては,並々ならぬ山を乗り越えることになる。就職したての頃の,大悟の戸惑いや失敗や試練の数々は,まことにコミカルに描かれていて,劇場ではあちこちで忍び笑いが起こっていた。
愛妻の泣きおとしにも関わらず,大悟はこの仕事を辞めなかった。経験を重ねるごとに湧いてくる,仕事に対する誇りもあったろうけれど,やはりこの仕事は,大悟に向いていたのだろう。痛みや挫折を味わったことのある人間のみが持つ優しさや細やかさが,この仕事には欠かせないと思うから。ほんとに誠実で,惚れぼれするくらい優しいひとなんだ,この大悟ってひとは。
飄々としているけれど重厚な存在感の山崎努と,仕上げに欠かせぬ隠し味のような味わいの笹野高史の演技が光る。とくに笹野さん。じんわりとした感動が,涙とともに込み上げてくるような名セリフを,いつもさりげなく言うんだ,このひとは。「死は門をくぐるようなもの」だというセリフが一番心に響いたなぁ。
死は誰にでも公平に訪れる,避けては通れないもの。キリスト教では,死は終わりを意味しない。天国での「再会」があると信じているから,遺族は悲しみのその先に希望の光をも見つめている。
でも,たとえ宗派は違っても,「死は終わりではない」という考えは遺族の誰もが持ちたい望みではないだろうか。
愛するひとが逝く時は,
そのひとの辿ってきた人生を心から慈しみ
安らかな気持ちで,希望をもって送り出したい。
「いってらっしゃい。また,会おうね・・・」と。
そんなことをしみじみと感じる作品だった。久石譲の流れるように美しいテーマ曲と,清冽な山形の大自然が心に沁みた。
それにしても,本木雅弘さん,いい役者だなぁ。エンドロール中に映し出される,彼の納棺のセレモニーにまたまた目が釘付けになって,席を立つことができなかった・・・。どうしてこのように美しいのか・・・よくよく振り返ってみると,一つ一つの所作をしながら,彼が常に故人に対して,厳かで優しいまなざしを注いでいることに気がついた。・・・単なる仕事という意識を超越した,「故人」に対する,また「死」というものに対する,深い尊厳の思いが感じられて・・・・。だからこそ,彼の執り行う「納棺の儀」には,見とれるような美が生まれたのではないかと思った。
同じ日本人として,世界に誇れる作品。
・・・・・まさにこれは,そうだ。
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映画館にて「おくりびと」
滝田洋二郎監督作品。第32回モントリオール世界映画祭グランプリ受賞作品。
おはなし:楽団の解散でチェロ奏者の夢をあきらめ、故郷の山形に帰ってきた大悟(本木雅弘)は好条件の求人広告を見つける。社長の佐々木(山崎努)に即採用されるが、業務内容は遺体を棺に収める仕事だった。
“納棺師”の仕事を初めて見ました。
遺族が見守る中、淡々と、流れるように、心を込めて、清め、死装束に着替えさせ、死に化粧を施す。そこにある張り詰めた空気に思わずこちらまで緊張してしまいます。納棺師の手... [続きを読む]
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ひょんなことから遺体を棺に納める“納棺師”となった男が、仕事を通して触れた人間模様や上司の影響を受けながら成長していく姿を描いた感動作。監督には『壬生義士伝』の滝田洋二郎があたり、人気放送作家の小山薫堂が初の映画脚本に挑戦。一見近寄りがたい職業、納棺師に焦点を当て、重くなりがちなテーマを軽快なタッチでつづる。キャストには本木雅弘、広末涼子、山崎努ら実力派がそろい、主演の本木がみせる見事な納棺技術に注目。[もっと詳しく]
「おくりびと」の原点にある青木新門の『納棺夫日記』のことなど。
「おくりび... [続きを読む]
ななさん、こんばんわ。
「おくりびと」私も観ましたよ~!しかも昨日。
私が行った時も、そろそろ「おくられびと」ご夫婦がとても多かったです。
本木さんがほんとうに美しかったですね。「天職」だと思いました。
あとヒロスエのお腹が素晴らしかったです。「人に見せられるお腹でいよう。」と思いました・・・努力が必要。
私も笹野さんの「死は門」という言葉がすごくよかった。ああ、その仕事だったのかあ~。って。
ななさん、納棺に立ち会った事ないんですね。でも核家族化が進んでいる現代ではそういう人多いでしょうね。私は父が長男なのでじじばばと住んでいましたし、私が小さい頃はひいおばあちゃんまでいました。父も母もきょうだいが多いので親戚も多く、何度となく納棺には立ち会っています。でも、こちらの納棺は、映画の中で大悟のお父さんの遺体を葬儀屋さんが棺に収める、あんなイメージです。もっと丁寧におごそかにやってくださいますが。私も大悟さんにやってほしいと思いました。
こういう映画が海外の映画祭で賞を取るのってすごくうれしいですよね。
投稿: むぎむぎ♪ | 2008年9月26日 (金) 22時06分
年配の人、多かったですね。でも、レイトショーでチャラチャラした連中がいないのは結構新鮮だし、居心地が良かったです。
死ぬことは門をくぐるようなものという考えと、心のこもった送り方をされることを承知していれば、案外と死をそれほどまでに怖れずに済むのかもしれません。
そういえば季節は奇しくもお彼岸。自分の行く末などまったく考えていない日常を送っていますが、たまにはこうした世界観に思いをめぐらすのもいいものです。
投稿: クラム | 2008年9月26日 (金) 22時48分
むぎむぎさん お久です!とっても嬉しい~~(◎´∀`)ノ
邦画のレベルが,ますますうなぎのぼりにアップしている昨今
洋画専門の私も,評判のいい邦画は進んで鑑賞するようになりました。
これはすごく感動しましたね。まず一人で鑑賞したのですが
間を置かずに,母やその友人などの「もうすぐおくられびと」たちを誘って
「おくりびと鑑賞ツアー」なるものを企画したくらいです。みんな大感激!
ヒロスエのお腹・・・確かに見とれるくらい綺麗なお腹で・・・
あれを目指すのは無理な気もしますが,がんばらなくっちゃ!と私も思いました。
私の住んでるとこは田舎・・・ということもあって「納棺師」なんてお目にかかったことはなく,死化粧も病院の看護師さんが施したり,葬儀屋さんや遺族が遺体を清めたりしてますね。私も親戚の通夜とかには参列しても「納棺前」とか「納棺後」しか見たことはなかったです。だから,この映画を観て「納棺の儀」の厳かさと美しさ,優しさにとても感動しましたね。
「日本古来の風習」として外国にも,誇れることですよね・・・。
投稿: なな | 2008年9月27日 (土) 18時02分
ななさん、こんばんは。
)

私もコレ観ました(かれこれ1週間前に
なかなか忙しくて自分のブログがUPできずにいます……
ある意味不謹慎な言葉かもしれませんが、
本当に「美しい」「綺麗」という言葉が似合う映画だと思いました。
感動することはもちろん、シリアスな部分あり、
笑いありと、暗い部分が余韻として残らなかったので、
とても気持ちよく鑑賞できました。
この映画は今年の邦画の中では、
No.1といってもいいぐらいオススメできますよね。
私が鑑賞したとき、
既に公開から1週間経ってたと思いますが、
大作でもないのに
近くの映画館の一番大きな劇場でかなり人が入ってて
(もちろん年配の方が多かったです 笑)、
ヒットしてるのが実感できました。
いや~、いい映画だったので、
褒めだすとキリがないですね
あとは自分のブログで褒めることにします(爆)
投稿: アキラ | 2008年9月27日 (土) 19時49分
クラムさん こんばんは
TB,コメントありがとうございます。
こちらからお邪魔しようと思っているうちに,先を越されてしまいました~
レイトショーでも年配の方が多かったですか?そうですね,これは真摯な気持ちで観る作品でしょうね(・・・の割には笑えるシーンも盛りだくさんで,なかなか洒落た作品でもありましたね)
おお,お彼岸でしたね,そう言えば・・・。帰り道,田んぼのあぜ道に鮮やかに咲いている彼岸花を目にしながら,無常観を噛みしめました・・・。
もうすぐ「おくられる」ひとも,「おくる」立場になるひとも,それぞれが「死」というものについて,優しい平穏な気持ちを抱くことができる,「癒し」の物語だと思いました。
投稿: なな | 2008年9月27日 (土) 21時59分
アキラさん,こんばんは
アキラさんも絶賛ですね!私も一人で感動するのはもったいなくて
2度目の鑑賞は,母や近所のおばちゃんたちを連れていきました。
みんな「よかったぁ~~」と感激していましたね。
>この映画は今年の邦画の中では、
>No.1といってもいいぐらいオススメできますよね。
まさにそうかもしれません。世界で認められたのも納得です。
うちの県の劇場も,一番大きな会場が満員でしたね,・・・年配の方で。
「死」を扱ったテーマでありながら,ほんとうに美しく,清冽なものを感じましたが
そのような感覚で「死」をとらえることができたら,どんなに心癒されるかと思います。
そして,葬送に対する日本人独特の美意識もまたちりばめられており,
そういう面を世界に紹介することもできる素晴らしい作品だと思いました。
アキラさんのレビューも楽しみにしております。
投稿: なな | 2008年9月27日 (土) 22時26分
ななさん、こんばんわ
確かにこの映画1000円で観ていると思われる人が多かったですね。
うーん、皆さん大絶賛ですね。
僕は(邦画に絞ってみても)この作品よりいいと思う映画5本はあるんですが...。
個人的には笹野高史のセリフちょっと長すぎるなあと...。
そこから後の展開が周波数あいませんでした(^^;
でも、それ以前は素晴らしかったです!
投稿: moviepad | 2008年9月28日 (日) 01時33分
ななさん、こんにちは♪
2度目も鑑賞済みなんですね~
私は後がつかえているので(笑)、残念ながら次回はDVDかな? 舞台裏というか特典映像を期待してるんです。
俳優としてのモックンはあまり知らなかったんですが、いい役者ですね~ 器用でセンスがあって男前(笑) 目がいいですね~彼は。
>生前にも体験したことがないくらい,心をこめて丁重に扱われる遺体・・・・。
まるで眠っているかのように安らかな顔を目にした遺族は,
どんなにか大きな慰めを得るだろう。
ほんと、まさにそう思います。私は義父母の納棺の際は見守るのみ・・あとは好きだったものをお棺に入れてあげる位しか出来ませんでした。しかも葬儀屋さんの場合、納棺の儀というより作業的。 大悟や社長の様に、心をこめて旅支度を施してもらえたなら遺族にとっては大きな慰めになるでしょうね。この映画は、きっと自分や家族に引き寄せて観ると又印象も違ってくる様に思います。
>同じ日本人として,世界に誇れる作品。
他国の方にも理解され評価されたことは嬉しい限りですね。
同じ日本人として、モックンなら世界に出しても恥ずかしくないしね~(笑)
それに比べて日本の首相は・・・(^^;)
投稿: Any | 2008年9月28日 (日) 16時40分
ななさん、こんばんは。
毎年、年末になると届く、「喪中葉書」。
同級生や友人、知人の高齢の親御さんが多いですが、
時折、同級生自身の訃報も届くようになり、
まだ、両親が健在であるとは言うものの、
いつ自分が「おくられびと」になってもおかしくない年代になったと、
全く他人事ではない思いで、この作品を観た部分もありました。
若い人にも是非、観ていただきたいと思う作品だけれど、
どうしても、中高年以上が中心になるのも当然なのでしょう。
日頃、映画館に足を運ぶことがない方が、
ご覧になれる映画があったことこそが、
この作品の素晴らしいところじゃないかと思います。
ただ、もう少し、公共の場に来ていることを自覚してくだされば、
一映画ファンは、とても嬉しいんですけれどね。
投稿: 悠雅 | 2008年9月28日 (日) 19時40分
moviepadさん こんばんは
>この映画1000円で観ていると思われる人が多かったですね。
ぷぷぷ・・・そうでした。シニア料金ですよね?
私も2度目にみんなを連れていったときは自分以外の3人は
みんな1000円でしたよ~
moviepadさんにはイマイチ「最高!」とまではいかなかったようですね。
>個人的には笹野高史のセリフちょっと長すぎるなあと...。
>そこから後の展開が周波数あいませんでした(^^;
わたしも,あの「石」を握りしめてた・・というくだりは
出来過ぎのような気がしないでもないですが
大悟の技で,父親の在りし日の面影がよみがえる場面は
やはり感動してしまいましたよ。
投稿: なな | 2008年9月28日 (日) 21時24分
Anyさん こんばんは!
特典映像とか,私も楽しみです・・・ってことは
DVDを購入すべきだな・・・レンタルのには入ってないかも。
この「納棺師」の映画化は,もっくん自身がすごく思い入れがあったそうで
そこらへんの経緯や,役作りの苦労話なども詳しく知りたいですよね。
「納棺師」の職業,この映画をきっかけに世に知られることになって
従事される方が増えてくれると嬉しいですよね。
私の周囲じゃ,まだお目にかかれませんもん。
葬儀屋さんのお仕事は,どうしても事務的になりますよね。
この物語のように,丁重に,美しく,心をこめて旅立たせてもらいたいです。
もっくんは素晴らしい俳優さんですね。アイドル出身とは思えない・・・。
なんというか・・・気品があるのですね。真摯な感じもします。
>同じ日本人として、モックンなら世界に出しても恥ずかしくないしね~(笑)
>それに比べて日本の首相は・・・(^^;)
ほんとだ~。今度はしっかり責任を全うしてくれないと
外国に対して恥ずかしいよ~~
投稿: なな | 2008年9月28日 (日) 22時19分
ななさん、TBありがとうございました。
こういう上質で真摯な作品が世界で評価されるのは嬉しいですね。
きっと国や宗教を越える共通のメッセージがこの作品には
込められているからでしょうね。
納棺のシーンはもちろんですが、食事のシーンもまたステキな作品でした。
投稿: sabunori | 2008年9月28日 (日) 22時21分
ななさん、こんにちわ。
日本はほとんどの場合宗教観念が薄く、
そういう意味では実に奔放な一面を持つ国だなあと思っている私。
(私自身は無神論者ですが、実家にはお墓とか仏壇とかはあります。)
しかし、この納棺師というのはある意味、日本が誇れる文化
とも言えるのかもしれないなあと感じました。
それは宗派を超えたところで成立する『おくる』という儀式。
大変神秘的なものを感じました。
本木さんは、プロの方からも「あなたは役者をやめても納棺師として
十分にやっていける」というお墨付きをいただいたようですね。
チェロ演奏のシーンもこなし、納棺師の技術も体得し・・・本木さんの
役作りへの熱意は素晴らしいなあと感じました。
本当によい映画だったと思います。
投稿: 睦月 | 2008年9月29日 (月) 11時54分
ななさん、こんにちは!コメントとTBをありがとうございました。
劇中、キリスト教会での葬儀のシーンもありましたね。
ロザリオをそっと置く大悟が印象的でした。
私は宗教を持っていないのですが(でも常に自分だけの神様にお祈りはしています)、「死は終わりではない」という感覚、わかります。
笹野さんの「門番」、よかったですよね。。彼のセリフ、演技がとっても心に残りました。
助演男優賞候補ですね!
ではでは、また来ますね。
投稿: 真紅 | 2008年9月29日 (月) 14時38分
悠雅さん こんばんは
>時折、同級生自身の訃報も届くようになり・・・・
>いつ自分が「おくられびと」になってもおかしくない年代になったと・・・・
そんなぁ,悠雅さん,まだまだそんなこと!
・・・といいつつも,私自身も,若いころは自分が死ぬ日が来るなんて
考えたこともなかったですが,この年になると,時折考えることもありますね。
まぁ,やはり先に両親の「送りかた」の方を考えてしまいますが。
若い人にも是非観て,いろいろと考えてほしい作品でしたよね。
>日頃、映画館に足を運ぶことがない方が、ご覧になれる映画があったことこそが、この作品の素晴らしいところじゃないかと思います。
そうですね。その功績は大きいと思います。
・・・にしても,今まで経験した劇場鑑賞体験の中で
最も私語が多かったですけどね~。
投稿: なな | 2008年9月29日 (月) 22時23分
sabunoriさん こんばんは
そうですね,「死」は万国共通のもので
故人に対する遺族の思いもまた,国籍や宗教を超えるものであるから
この作品は世界中のひとの心に届くと思いますよ。
>納棺のシーンはもちろんですが、食事のシーンもまたステキな作品でした。
「死」と対極にある「生」の象徴のように
「食べる」ことそのものも,また愛おしくなるような,そんな美味しそうな場面が多かったですよね。
投稿: なな | 2008年9月29日 (月) 22時29分
睦月さん こんばんは
そうですね。日本って,もとが八百万(やおろず)の神の国だけに,一神教のような「深い」宗教は定着しないんですよね。
お寺は多いですが,仏教は冠婚葬祭のときだけ持ち出されることが多いでしょうし・・・
でもこの「納棺」の儀という,「死者を厳かに弔う」というセレモニーは
日本古来の様式美や,日本人特有の奥ゆかしい精神を感じて
同じ日本人として誇らしく感じてしまいますね。
もっくんの「納棺師」としての技は,玄人はだしですよね。
プロの方から絶賛されるとは,素晴らしいです。
ほんと,いいものを見せてもらったって感じです。
投稿: なな | 2008年9月29日 (月) 22時39分
真紅さま こんばんは
キリスト教式のお葬式でも,
遺体を綺麗にして送り出す納棺は,きっと同じだと思います。
・・・お数珠は持たせませんけど。
カトリックの場合はロザリオになるのでしょうね。
うちはプロテスタントなので,ロザリオはなしですが
納棺のあと参列者が「献花」といって棺のなかにお花(白菊)を入れます。
宗教は違っても,故人をおくる思いは同じだとつくづく思わされた作品でした。
社長も「ウチはどの宗教にも対応してるから」って言ってましたよね。
「武士の一分」でも思いましたが,笹野さんってほんとに味のある役者さんですね。
投稿: なな | 2008年9月29日 (月) 23時50分
ななさん、こんばんは~。
しみじみ、良い作品でしたよね。
あのモックンの美しい動作は忘れがたいです。あれでどれだけ畏敬の念をこめているかが判るから。もちろんきれいなだけでなくて、腐乱死体も扱うハードな仕事だというのもちゃんと描写されているのも良かったです。
>飄々としているけれど重厚な存在感の山崎努と,仕上げに欠かせぬ隠し味のような味わいの笹野高史の演技が光る。
めちゃくちゃ同意です!老齢といえるあの二人がどれだけ存在感があったことか。いろんな人生を背負って今が在る老人のいぶし銀のような渋さがありました。
あ、それからわたしが観た回も、周りはシニアの方々ばかりでしたよ(笑)。
投稿: リュカ | 2008年9月30日 (火) 20時07分
リュカさん こんばんは!
素晴らしい作品でしたね。
今でも,あの美しい流れるようなチェロの音と
もっくんの凛とした仕草がよみがえります。
>もちろんきれいなだけでなくて、腐乱死体も扱うハードな仕事だというのもちゃんと描写されているのも良かったです。
そうですよね,あの仕事のハードな面もきっちり描いているところも高く評価したいですよね。
そしてさすがの存在感と演技の老翁ふたり・・・。
彼らの生きてきた人生の重みや深みが行間を読むように伝わってきました!
投稿: なな | 2008年9月30日 (火) 22時45分
ななさん こんにちは(゚▽゚*)
今作は本当に感動して2回観ました。
>同じ日本人として,世界に誇れる作品。
まさしく仰る通りです!
NKの社長が「ウチはどんな宗派に対応してる」と言ってましたよねぇ。
私もここで納棺を頼みたいくらいです。
全てのキャストがマッチしていたし、無駄なところが一つも無いそんな完璧な秀作でしたね!
投稿: なぎさ | 2008年10月 1日 (水) 17時00分
ななさんコメントありがとう
いい映画でしたよね。
おっしゃるとおりもっくんは若く見えますね。
小さいけど、筋肉りゅうりゅうでしたね。(^^♪
>まるで茶道の点前のような品格すら漂う。
僕もそれを感じましたよ。見事なおてまえでしたね。
投稿: ケント | 2008年10月 1日 (水) 17時31分
こんにちは♪
母を連れて初日に鑑賞したのですが、やはり年配の方が多かったです。
ウチの母は私の教育が行き届いていて(?)モックンファンなのですが、彼のオムツ姿にウケ過ぎなほどウケてまして、あまりに笑うので殴ろうかと思ったほどです(ウソ)
笹野さんのセリフで死は終わりではないと示してもらってなんだかホッとした自分がいました。
ただし、その素敵なセリフのあと、銭湯の息子が焼ける母親を見て号泣するのはちょっとウーンと思ってしまったのですが・・・。
モックンが影響を受けたという「納棺夫日記」を読み始めたところです。
投稿: ミチ | 2008年10月 1日 (水) 19時14分
こんばんは!
この映画、週末は満席が多くてね。
予告編見て、ぐっときてしまってみたいのですが・・
ななさんやみなさんの感想読んで、ますます期待してしまう。
モックンの所作が美しいと評判らしいね。
いついけるか考え中・・・うーむ
投稿: アイマック | 2008年10月 1日 (水) 23時09分
なぎささん,こんばんは
なぎささんも2度鑑賞されたんですね~
2度見ると,初回では見逃してた表情とか
行き届いていて美しいもっくんの手つきの完璧さとか
いろいろ深く堪能できましたよね。
テーマといい,演技といい,世界に誇れる作品ですが
一番誇りたいのは,日本人として受け継いできた「葬送」の儀式や
故人を弔う思いの美しさでしょうか・・・。
どこの国にも形は違えど葬送のしきたりはあると思うけど
この「納棺師」の仕事ぶりを知って,それを「美」にまで高めている日本人の感性ってすごいと思いました。
投稿: なな | 2008年10月 2日 (木) 20時21分
ケントさん こんばんは
もっくん,華奢に見えるけど,脱いだらけっこう筋肉質でびっくりしました。
・・・まさかこの映画で,もっくんの全裸(風呂屋のシーン)が
見れるとは期待してなかったので
おおいにびっくりしましたね~。(*゚▽゚)ノ
・・・いや,映画の本題とは関係ないけど・・・
投稿: なな | 2008年10月 2日 (木) 20時30分
ミチさん こんばんは!
お母さまは,モックンファンなのですね。
・・・母性本能くすぐるタイプかもしれません。
どこから見ても折り紙つきの好青年ですもんね,彼。
>彼のオムツ姿にウケ過ぎなほどウケてまして・・・・・
あそこは,場内でも爆笑の渦でした。
困った顔がなんとも可愛かったですね。
>モックンが影響を受けたという「納棺夫日記」・・・
私も読みた~い!書籍化されているのですか?
私がこの映画を見て思い出した本は,
津村節子さんの「葬女(とむらいめ)」という連作短編集です。
こちらは葬儀屋に嫁いで未亡人になり,
納棺の仕事もするようになった女性の物語でしたが
モックンのような美しいセレモニーはしてなかったですが
十人十色の故人を弔う時のこまやかな心遣いが心に残っています。
投稿: なな | 2008年10月 2日 (木) 20時43分
アイマックさん こんばんは
いいですよ~~~,これ!感動すること間違いなしです。
週末は満員・・・そうでしょうねぇ,これからも口コミで
年配の方の鑑賞が増えるんじゃないかな。
もっくんの美しさは,何度でも見たくなります。
また観賞されたら,お話しましょうね~~。
投稿: なな | 2008年10月 2日 (木) 20時47分
こんばんは

TB&コメント、ありがとうございました
この映画は、心に沁みる物語と納棺師の立ち振る舞いの美しさが
バッチリと合った作品でした
コミカルな部分もありましたが、
それすらも白々しく感じられなかったのは、
やはり俳優陣の演技が素晴らしかったからでしょうね
日本の儀式を題材にした映画が
世界的にも高い評価を受けたという事は、
この国に生まれ育った日本人として
私も誇らしく思います
そして、自分の中の偏見に気づかされた劇中の人たちのように、
私自身もこの映画を通して
自分を見直す機会を与えられたようにも感じました
投稿: テクテク | 2008年10月 2日 (木) 22時38分
テクテクさん こんばんは
>この映画は、心に沁みる物語と納棺師の立ち振る舞いの美しさが
バッチリと合った作品でした。
未知の世界を覗くという面白さと,エピソードに感動する,という
二本柱の魅力がありましたよね。
そう,コミカルな部分もたくさんありましたが
「不謹慎」と思えず,かえって「死は日常のもの」という親近感がわきました。
わたしもこの作品を観て,自分の死生観や,家族への思いについて
あらためていろんなことを考えてしまいました。
投稿: なな | 2008年10月 3日 (金) 19時41分
こんにちは♪ TB、コメントありがとうございました☆
私も幸いにも身近な不幸に遭遇したことがないので、
納棺師さんのお仕事というのは全く知りませんでした。
モックンや山崎さんの所作も素晴らしかったけど、
つくづく崇高なお仕事ですよね。。。
苦しい修行を終え、魂の故郷に帰る人への旅支度のお手伝い。
あんな風に手厚く飾ってくれたら、心おきなく旅立てそうな気がします。
役者さんそれぞれの演技も素晴らしかったですね。
大いに笑い、大いに泣いた素敵な作品でした♪
投稿: non | 2008年10月 4日 (土) 06時44分
nonさん こんばんは
この映画を見て「納棺師」の仕事について知ることができたことが
まず一番の収穫かもしれません・・・。
>つくづく崇高なお仕事ですよね。。。
>苦しい修行を終え、魂の故郷に帰る人への旅支度のお手伝い。
ほんとにそうですよね。
「遺体」に触れるということから,敬遠したり偏見を持ったりするのは
とても失礼なことだと思います。感謝しなくちゃいけないですよね。
>大いに笑い、大いに泣いた素敵な作品でした♪
涙もまた爽やかな味のする涙だったように感じました。
投稿: なな | 2008年10月 4日 (土) 21時51分
この作品がアカデミー外国語賞の日本代表に選ばれたのは、素晴らしいことですね。是非とも審査を通過して、ノミネート5作品に残って欲しいです。
気になったのですが、この納棺師って、海外にもいるんですかねえ?宗派は問わず・・・だったので、海外にいても良さそうなものですが、なんとなく日本独自のもののような気もしますね。
投稿: mayumi | 2008年10月 5日 (日) 02時41分
mayumiさん こんばんは
そうですね,アカデミーにまで行くのですよね,この作品。
がんばってほしいです!まさに日本の誇り!
>気になったのですが、この納棺師って、海外にもいるんですかねえ?
「納棺」専門の仕事って,どうなんでしょうかねぇ?
遺体をきれいにするのは,国や宗教が違っても同じのような気もしますが。
ここまで見事な仕事ぶりは,日本独自のような気も・・・。
遺族の見守る前で儀式のように粛々と遺体を清める・・・というのは
西洋にはないかもしれませんね。
投稿: なな | 2008年10月 6日 (月) 00時17分
ななさん、こんばんは!
本木さん良かったですよね。
僕も納棺師という仕事は初めて知りましたし、納棺という儀式もまざまざと見たことがありませんでした。
あのように美しい所作で行われるものなんですね。
ななさんが書かれているように、亡くなった方への敬意ももちろんですけれど、遺族の方への思いやりもある所作なんですよね。
投稿: はらやん(管理人) | 2008年10月 7日 (火) 20時22分
ななさん、すみません。
名前のところに(管理人)って入っちゃいました。
ココログ同士だと自動で入ってしまって。
ごめんさない・・・。
投稿: はらやん | 2008年10月 7日 (火) 20時24分
ななさんこんばんわ♪TB&コメント有難うございました♪
納棺師の洗練された所作は劇場で観てても凄い魅入ってしまい、匠の正確な技と死者を労わる優しさなども感じましたね。
葬儀の場は亡くなった方との別れの場でもあるため『悲しみ』が多いですけど、納棺師という方が亡くなった方に生前以上の美しさを施して送ってあげる所作を見ると、悲しみよりも感謝の方が上回る気がするんですよね~。
どんなに忌み嫌われようとも、その職業は崇高であると共にとても優しさに満ちたものだと感じました。
投稿: メビウス | 2008年10月 8日 (水) 19時28分
はらやんさん こんばんは!
納棺師の存在も知りませんでしたが
日本人ってなんてこまやかな美意識と,優しさを持った民族だろう!と
なんだか嬉しくなる素晴らしい作品ですよね!
この作品がアカデミーに挑戦することもまた素晴らしい。
たとえ賞は取れなくても(もちろん取ってほしいですが)
世界じゅうに,日本のこの「納棺師」の仕事ぶりを知ってほしいですね。
>名前のところに(管理人)って入っちゃいました。
いえいえ,そんなこと,ちっともかまわないですよ~(◎´∀`)ノ
でも,ココログ同士だと自動で入っちゃうんですか~
私も気をつけなきゃ・・・。
投稿: なな | 2008年10月 8日 (水) 22時36分
メビウスさん こんばんは!
ほんと,モックンの所作の美しさと正確さには
思わず見入ってしまいますよね!
私は特に,彼がお布団の下からスーッと,衣類を抜き取る手際の鮮やかさとか
着物を着せる前に,自分の両腕に通して広げるしぐさの美しさに感嘆しました。
美しい仕草で扱われると,ほんとに心からの敬意を感じますものね,遺族は。
遺族が納棺師に対して感謝する場面は,劇中でもありましたが
実際,決して大袈裟ではなかったと思いますね。
投稿: なな | 2008年10月 8日 (水) 22時44分
こんばんわ!TB&コメントありがとうございました♪
この映画を見て、自分も納棺師に納棺して貰いたい、と遺言を残す人が増えるんじゃないかと思えるような映画でした。
私もそうして欲しい・・・
というよりは、自分の身近な人がなくなった時には、ぜひお願いしたいと思いました。
最初は自分の目の前で、他人が亡くなった人の体に触れるというのは遺族としてどうだろう?と思ったのですが、
あの美しい所作を見たら、そんな気持ちは吹っ飛んでしまいました。
外国の方にもこの映画を見て貰って、日本人の細やかな気遣いや美しい所作をもっと知って欲しいと思います。
投稿: こでまり | 2008年10月 8日 (水) 23時09分
こでまりさん こんばんは
>この映画を見て、自分も納棺師に納棺して貰いたい、と遺言を残す人が増えるんじゃないかと思えるような・・・・
そうですね!わたしもあんな風に美しくしてもらいたいです。
・・・自分で自分の死に顔は見えないわけですけど・・・。
そうそう,自分もですが,肉親もぜひ納棺してもらいたいですね,
でも「納棺師」なんて近辺で聞いたことない・・・
この映画に触発されて,「納棺師」さんが増えてくれるといいなぁ・・・。
あの美しいしぐさは,ひとつの芸術とまで言えるのでは?と思いました。
投稿: なな | 2008年10月 9日 (木) 20時07分
ロングランのおかげで今頃見てきました。
山崎努と教本ビデオで思い出したのが故伊丹十三監督の「お葬式」
あの時は納棺士さん出てこなかったです。
NKコーポレーションて会社名は安直すぎて笑えました。
本木さんの所作は、噂どおり見事なものでした。プロからのお墨付きを頂いただのも頷けます。
笹野さんはそうくるか!でしたが、あのカッコはJRマンみたい(「お葬式」では係の人は作業着でした)。
峰岸さん、その役シャレになりません~!
広末さんについては好き嫌いが分かれるところでしょう。ま、パンツ見してくれたから許そ。
この映画で一番あっぱれなのは数々のご遺体さん役です。あんなことやこんなことやされても眉一つ動かさないんだから。
でも最初のご遺体さん、そういう理由で死んでくださいますな。そこは笑いどころなのか客も笑ってましたが私は笑えなかったです。
投稿: garagie | 2008年11月 3日 (月) 23時27分
garagieさん こんばんは
まだやってましたか~,幅広い客層の間でヒットしてますね,この作品。
笹野さんの格好,確かにJRマンのようですね。帽子が立派すぎ。
うちの町の火葬場の職員さんも作業着ですよ~
>峰岸さん、その役シャレになりません~!
・・・・この作品の撮影のときはご自分が亡くなるなんて思ってもいなかったでしょうね・・・合掌。
ヒロスエは,好感も持てる役柄でしたが,あのしゃべり方はなんとかならんのかね~
>この映画で一番あっぱれなのは数々のご遺体さん役です。
たくさんの役者さんがご遺体さんの役をされてましたね~
モックンに撫でさすられるのも,なかなか悪くはないと思うのですが・・・。
投稿: なな | 2008年11月 5日 (水) 19時49分
ななさん♪こんにちは~


オススメ頂いていたこの映画ですが、地上波でやっと観ました~
でね、やはりいい映画だと思ったんだけど、、、どうも私の好みって感じではなくて、、、
で、でも!!本木さんは素晴らしかったなぁ~と思います。いい役者さんになりましたよね~
私ね、大きな声じゃー言えないんだけど、広末さんが苦手なんですぅ~~~
だから彼女が言った「汚らわしい」の一言が引っ掛かっちゃって、、、最後まで彼女を三白眼で睨んじゃった
投稿: 由香 | 2009年10月 9日 (金) 09時12分
由香さん こんばんは
これ,ご覧になってなかったのね~
まあ,ドラマ部分はベタなので,それにわたしもヒロスエは苦手です。この物語自体に似合わないキャラのような気が・・・(だったら何なら似合うのか?と聞かれると返答に困りますが)
そう,彼女の台詞はドン引きでしたね~~
私はストーリーよりも何よりも,モックンの「納棺」の手付きの一連の美しさにやられました。この「日本的様式美」が,アカデミーでの勝因だったと思ってます。
投稿: なな | 2009年10月 9日 (金) 20時06分