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2008年9月13日 (土)

ゆれる

1000902
あの橋を渡るまでは 兄弟でした・・・・。

鑑賞中,何度も鳥肌がたった。
香川照之と,オダギリジョーの,息詰まるような演技バトル。作品中に描かれる,人間の心の中に秘められた深い謎と闇。・・・・間違いなく,これまで観た中でも最高と思える邦画のひとつ。

兄弟間に存在するライバル意識や嫉妬心は,やっかいなものだ。特に同性の二人兄弟の間のそれは。

私は女二人きりの姉妹で,おまけに年子だったので,「兄弟姉妹は,ライバル」というのは,よくわかる。きょうだいって,小さい頃は,お揃いの服を着せられたりして,親からも公平に扱われるのに慣れている。しかし成長するにつれて,それぞれ進む道によって,きょうだいでも人生の明暗が分かれることもある。

・・・・きょうだいの場合,相手に自分よりはるかに優位に立たれることは,赤の他人にそうされるより,悔しさが大きい場合もあるかもしれない。だって,「同等のはず」という思い込みが心のどこかにあるからだ,きょうだいの場合は。

田舎に住んでて,両親の世話や家の後継ぎを一手に引き受けるのは,今の時代は「貧乏くじ」という場合もあるだろう。男兄弟なら長男の役目。女姉妹の場合,私の周囲(立派な田舎です)では,上の娘から順に嫁いでしまって,残された末娘が田舎に残って両親の世話をする場合も多い。

Cap010_2
この物語の主人公である兄弟,稔と猛・・・・・。

田舎で家業のガソリンスタンドを継ぎ,父親と二人暮らしをしている,朴訥で優しい兄。東京でカメラマンとして活躍している,奔放で気ままな弟。

吊り橋での転落事故の犯人として逮捕されてから,それまでひたすら優しく人当たりのよかった兄が,少しずつその本心,というか,それまでのたまりにたまった鬱憤を弟にさらけ出すようになる。それは,ハンサムで女性にもてて,何のしがらみもなく,都会生活を謳歌している弟に対する嫉妬や,損な役回りを演じていることへの積年の恨みのようなものか・・・・。

Cap008_2
面会室での,兄弟のシーン。

彼が弟に対して,「実はどんな思いを抱いていたのか」告白する口調は,時には激しく,時にはぞっとするほど冷たい。もはや習慣となってしまっている作り笑いが突然こわばり,憤怒の形相にと豹変する,香川照之の演技は,見事としかいいようがなく,兄の豹変ぶりと,その本音を知って,激しく動揺するオダギリジョーの繊細な表情の演技からもまた,目が離せない。

いったい,あの吊り橋の上で,
ほんとうは何があったのか?

兄はわざと弟を暗示にかけて,有罪の決め手となる偽証をさせたのか?弟に「助けられる」ことを厭うほど,兄の恨みは深かったのか?それとも暗示をかけることで,弟を試したのだろうか?「弟は他人との関係が希薄で自己中心的な人間で,それゆえに他者との記憶が不確実である」ということを,証明したかったのか?

Cap016
最後の法廷で,証言した弟を見つめる兄の何とも言えない冷ややかな目つきを,一体どう解釈すればよいのだろう。

真実は,まさに藪の中。
解釈は,観客に完全に委ねられている感じだ。ラストがハッピーエンドなのかどうかさえ,感じ方は人それぞれだろう。「本音」というハンマーで粉々に叩き壊された兄弟の絆は,今度こそ,ゼロから築き直すことができるのだろうか?


「ゆれて」
いたのは,吊り橋だけではなかった。
登場人物の心,観客の心,
事件の真相,兄弟の絆・・・・


この世には,確実で不動だと言えるものは一つもないと思えるくらい,全てのものが,哀しいくらいにゆれていた。

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映画 や行」カテゴリの記事

コメント

ななさん、真っ先に訪問してくださってありがとう!!!!
オダジョーファンとしてこの作品は本当に誇れる出演作なんです。
香川さんの演技はもちろん素晴らしいのですが、西川監督は「主演のオダギリ君の演技がブレなかったから香川さんの演技が生きた」っておっしゃってくださったんですよ!

劇場に何度も通い、またDVDでも何度も見ていますが、そのたびに登場人物といっしょになってこちらもグラグラゆれてしまうのです。

>これまで観た中でも最高と思える邦画のひとつ
そう言って下さるなんて本当に嬉しい!(まるでこの映画の保護者みたいだわね?・汗)

ミチさん こんばんは~
最近「質の高い邦画」にハマっているななです。
ミチさんがお勧めしてくれなかったら,これスルーするところでしたわ。
なんてもったいない!(;ω;)

>主演のオダギリ君の演技がブレなかったから香川さんの演技が生きた・・・
そうですよね!まったくその通りだと思います。
香川さんがすごいのは百も承知ですけど,それを受け止める猛役のオダギリさんも,遜色のない演技をしていたと感じました。

>・・・そのたびに登場人物といっしょになってこちらもグラグラゆれてしまうのです。
そうそう,これは何度観てもそのたびに新しい「ゆれ」を体験する作品ですね。
白黒はっきりつけてないけど,こんな風に鑑賞後に
あれこれ考えこめる作品って,傑作だと思います。


ななさん、こんばんは~
先程はコメントを頂いてありがとうございますぅ~
実は、昨日から次男が40度も熱を出していて、、、連休の予定が全てパァー状態で看病しています(汗)
家の子はスグに熱を出すのですが、40.2度なんていうのは珍しくってビックリでした~

で、、、『ゆれる』ですが、、、未見なんです
『間違いなく,これまで観た中でも最高と思える邦画のひとつ』
なんてコメントを見たら、絶対観なくちゃーって気になりました。
以前『東京タワー、オカンとボクと時々オトン』を観て、オダギリさんの演技に感銘を受け、観たいと思っていたのですが、、、レンタル屋さんで邦画コーナーに足が向かないのよね~
ななさんの感想は読まずに、近いうちにレンタルします!!(宣言・笑)

ななさん、こんばんは。
役者陣の演技に思わず唸る作品でしたね。
兄弟(姉妹)って一番近くに当たり前にいるだけに全てを知っていると
思ってしまいがちですが、ふとした瞬間に
「本当は何1つ知らないのかもしれない」と思うことがあったりします。
ラストで猛が稔を呼ぶ「兄ちゃん」という声と稔の表情が忘れられません。

由香さん こんにちは!コメントありがとうございます!

>実は、昨日から次男が40度も熱を出していて、、
えええ~~、アワ((゚゚дд゚゚ ))ワワ!!40度も!それは大変ですね~
夏の疲れが出たのかな?お母さんとしては心配ですよね。
息子さん,早く回復されるようにお祈りします~
私も,実は週末に身うちに不幸があって,この連休はパアです(´Д⊂グスン
来週末はなんとか「ウォンテッド」を観にいけたらな~と思っていますが。

この「ゆれる」は激しくお勧めですよ~
白黒はっきりつけないと気持ちが悪いかたにはちょっと??ですが
鑑賞後にあれこれ考えにふけりたいタイプには超おすすめ。
それに香川照之さんの演技を観るだけでも価値はあります。
あ,もちろんオダギリさんも。
「東京タワー、オカンとボクと時々オトン」私はこちらは未見ですが
今作でオダギリさんに感動したので,またこれも観てみたいと思ってます。

ななさん、こんにちは☆
ななさんの映画についてのレビューもだけれど、少しだけ触れられているななさんご自身のこと(1コ違いの姉妹)とか、田舎の方では長女が嫁ぎ、末娘が残って親の面倒を見る傾向がある・・というのとかに、反応してしまいました。
私も田舎に住んでおり、長女ですが、自分の両親と同居しています・・・。(私には弟がいるんですが、転勤が多いので)

同性の兄弟・姉妹って、最強最愛の友人になれたり、または、あまりにも小さい頃より濃い関係のために反発したり・・色々ですよね。

家は両親それぞれ父も母も兄弟仲が悪くて・・・夫も兄と折り合いが悪くて・・・そういうのをずっと見てきて・・。私には子供が一人しかいないんですが、そういうのも影響してるかもしれません・。

ほんとにこの2人は魅せてくれましたよね~。
確かに質の高い邦画だと思います。
そう、まさしくみんな”ゆれる”作品でしたよね。
あの2人ももちろん、釣り橋も、そして見てる観客も。
同性の姉妹がいないんですが、弟がいて、やはり私も
彼には嫉妬していた部分が多々あり。今になって母に文句
言ったりしています。でも、その最中には言えないですしね~。
血縁関係ほど温かで、大切で、厄介なものはないのかもしれない
とも思います。
ラストの余韻も見事で、あ~いい物見たなぁ、と思える作品でした。

ななさん、こんばんは♪
私は公開時はスルーしちゃったんですが、
アンコール上映で観ることが出来ました。
これはねぇ~ホントねぇ~
観てる側の心も ぐらんぐらんゆれましたね。
演じるは、香川 VS オダギリ!!…って感じで、
主演2人の表情は一瞬たりとも見逃せない巧さでした。
しかもこの作品、女性の監督で脚本も書いているとは恐るべし。。
オープニングの映像とBGMも良かったなぁ~
ラストの何とも言い難い余韻を引き摺り劇場を後に・・・
ななさんの記事を読ませて貰って、又観たくなりました。

あっ… 因みに私には、兄が一人おります(笑)

sabunoriさん,こんばんは
兄弟姉妹って「血が繋がってるから分かり合えてる」という
思いこみが怖いんでしょうね。
実は全然知らない面を発見して驚くこともあるかも。
「血の繋がり」に甘えちゃいけないな,
別個の人格と人生なんだから・・・って思いました。
ラストシーンの稔さんの表情・・・・心に残りますね。
あいまいな終わり方でしたが,そこに希望を見出したいと思いました。

ななさん、こんにちは♪ コメントとTBをありがとうございました。
今夜は中秋の名月でしたが、お月見はできましたか?
こちらは朧月夜でした。お団子はしっかり食べましたよ(笑)。

さて。本作ですが、私も主演二人のガチンコ演技合戦には痺れました。
オダジョーはキャリア最高の演技ではないでしょうか?(全作品観てないですけど、そう断言したい)
そして香川さん。。そうそう、あの法廷での最後の表情!私もあの顔の意味が読み取れなかったんです。
複雑過ぎて、絡み過ぎていて。。。
原作(と言うか、監督の書き下ろし)があるようなので、読んでみたらわかるのかな。。
ではでは、また来ますね。

latifaさん こんばんは
田舎で親と同居している身分のものとしては,稔さんの境遇に共感するところもあるんですよね。
私の場合は,姉が先に結婚して大阪に出ちゃったもんで,私は地元で就職・結婚しなくちゃ,という雰囲気になって,当時交際していた相手(都会に就職が決まってた)と別れましたね~。
その当時は姉を少し恨みましたが,今は,現在の生活に特に不満があるわけでもないので,まったく遺恨なんかないですけどね。
あ,姉は姉で,私の方が成績がよかったので,実はそれに対してコンプレックスがあって,「親が,あんたの通知表だけ来客に自慢してて傷ついたのよ~」なんて,大人になってからぽろっと漏らしたことがあり,びっくりした覚えがあります。
兄弟姉妹って難しいです。うちはいろいろあっても仲は普通だと思ってるし,会えば話も弾みますけどね~,どんな兄弟でも,大なり小なり何らかの確執はあるんじゃないかなぁ・・・?

メルさん こんばんは~

>血縁関係ほど温かで、大切で、
>厄介なものはないのかもしれないとも思います。
そうですよね。そんなこともいろいろ考えさせてもらえる
とっても深い作品でした。
血縁関係があるからこそ,
他人は要求しないような我慢を強いられることもあるんですよね。
でも,反対に,血縁関係があるからこそ,
どんだけ壊れた関係でも修復可能という希望も,またあるかもしれません。
ラストシーンを観て,特にそう思いました。

お邪魔します~
この作品って、観た方がそれぞれ
自分の状況と照らし合わせることもできるので
より複雑な思いを感じるのですよね。同性の兄弟・姉妹の場合、
まるっきり同じ性質と言うわけじゃないのが多いですよね。
私も姉の立場だけど妹とは正反対だし、子も姉妹だけど
性格は正反対。どっちが得かとは思ったことないけれど、
その違いがもとで、こじれたり、もめたりすることは
多多あるかもしれないよね。
でもね~~血がつながっているからこそ、修復できるって
信じたいわ。個人的には。この映画のラストもね、
なにか希望に近いものを感じとったけど。きっといい方向に向かっていけるってね・・。
最近「キサラギ」みたけど
香川さんって全然違うのよね。すごく幅広いよね・・・

確かに同姓の兄弟は大変ですよね・・・
私は弟ですが、母が弟に甘くて弟のほうが
絶対にかわいいんだろうなあって嫉妬しましたが(笑)
異性だからとも思えました。同姓だったら、なんで?と言う
思いが強くなったと思います。なので、同姓二人で年もたいして
違わないと、兄弟ってやっかいなものなのかも?(笑)

邦画にもオダギリジョーにもあまり興味はなかったのですが
お友達に薦められて観に行って良かったと思いました。
香川さんが上手いのはわかっていても、やはりすごい演技だと
思いましたし、オダジョーに関しては、こんな繊細な演技が
できる人だったの?と驚きました。

この映画を観て、ゆれていた私の心、観客、ななさんが
言われているように「確実で不動だと言えるものは一つもない」
と私も感じました。。。

Anyさん こんばんは
TB,コメントありがとうございます。
アンコール上映があったのですね,これ。
やはりそれだけ評価が高かったのでしょうね~
香川さんとオダギリさんの演技バトルは,ほんとに
一瞬も目が離せませんでしたよね。
あまりにもそちらに気を取られて,
実はBGMが,私は記憶に残ってないのですよ
また観直すときにBGMも確認しなくちゃ。
ほんと,監督恐るべしですね。
深い余韻にまだ身をゆだねている状態です。

Anyさんはお兄さんがおられるのですね。
私も異性のきょうだいが欲しかったですね~,どんなものなんでしょう?
同性のきょうだいは,話も合いますが,ライバル心は強いですよ~ 

真紅さま こんばんは
おお,昨夜はそう言えば中秋の名月でしたね!
四国はよく晴れていて,綺麗なお月さまが楽しめましたが
あいにく昨夜は身内の不幸でお通夜だったので
月見団子ではなく,通夜饅頭をいただきましたわ(;´▽`A``

>オダジョーはキャリア最高の演技ではないでしょうか?
たぶんそうでしょうね~、と言っても私は彼の作品ほとんど観てないので
これからいろいろ観て比べてみようとおもいます。
香川さんの法廷でのあの表情はミステリアスでしたね。
・・・・よくあんな表情ができるなぁ・・・
確かに高度すぎて,読み取れませんでしたわ。
原作,私も読んでみたいですね。

みみこさん こんばんは

そうですね,この作品のテーマは万人にも共通のものなので
誰もが自分と照らし合わせて,いろいろ身につまされたり・・・
そんな見方ができる深い作品ですよね。
その点,とっても奥行きのある作品だと思いますし,こんなの大好きです。

>・・・血がつながっているからこそ、修復できるって信じたいわ。個人的には。
ほんとに,そう。それこそが,血縁のいいところですものね。
ラストは,希望を感じさせてくれたと,私も思います。
香川さんの「キサラギ」での怪演もご覧になったのですね。
あちらの香川さんも,すごいインパクトあって好きです!

ひろちゃん,こんばんは

異性の兄弟の場合は,どうしても弟さんの方が贔屓されてるように
お姉ちゃんとしては感じますよね。
それと年の離れたきょうだいの場合,下の子はどうしても甘やかされますし・・・。
うちみたいな同性の年子の場合,親は「公平にしなくちゃ」と
神経をつかったそうです。子供の方は少しの差でもすごく敏感に傷つくので。
服のお下がりもそんなになかったですね。年子だと,体の成長も大差ないので。
でもそれだけに,少しでも相手が得してるように見えると
気になっちゃうんですよね,不公平が許せない

オダギリさんの作品はこれからも注目していこうと思いました。
ルックスだけではなく,確かな実力のある役者さんですよね。

>確実で不動だと言えるものは一つもない・・・
人間の心の危うさはもちろんのこと,確かだと信じていた事実さえも
それが人間の心を投影するものである場合,視点によってどんなにでも
「ゆれる」ことがあり得るんですよね・・・怖いです。

こんにちわ。

この作品の監督がまだ30代前半の可愛らしい女性であることを
知ったときは大変驚愕でございました。

もしかしたら男性監督でさえ、ここまで骨太に、しかし繊細に
刺激的に撮ることは出来ないのではないか?というほどの
細やかな心情劇。本当に素晴らしい。

女性だからこその目線を生かした、ジョーさんのエロティックな
描写など・・・ジョーさんファンじゃなくともドキドキしました
ですよ(照)。


ラストに見せる弟の涙と兄の笑顔。
あの真意たるやいまだに計り知れずにいる私。

ななさんの記事でまたこの映画を見たいなあという衝動に駆られましたです。

睦月さん こんばんは
私も,この監督さんの年齢とお顔を知って吃驚!w(゚o゚)w

>男性監督でさえ、ここまで骨太に、しかし繊細に
刺激的に撮ることは出来ないのではないか?・・・
まったく同感ですね~,末恐ろしい監督さん・・・
今後の作品も注目したいですね。

オダジョーのベッドシーン,生々しくて,セクシーすぎましたね。
なんだか目のやり場に困ってしまいましたよ。

兄弟の「ゆれる」表情の演技を,穴があくほど凝視し続けたのですけど
私も真意が測りかねる場面が多々あります。
それでも消化不良の気持ち悪さはなくて
鑑賞後の余韻に素直に身をまかせたくなる・・・そんな作品です。


こんばんは。
この作品は良かったですね~。劇場鑑賞して、あまりにも胸がいっぱいになってしまって、未だに感想が書けない映画のひとつです。だからななさんのレビューを読んで、かなりすっきりしました(笑)。
人の心情がゆれまくりの作品ですよね。お兄ちゃんの哀しいまでのやさしさと、後半に見せる卑屈な表情のギャップがせつないです。彼の何が本質なのか、そして弟への感情、裁判所での表情もななさんの云うとおり藪の中で。
ラストは個人的願望もこめてハッピーエンド(弟と家に帰った)だと思います(思いたい…)。

リュカさん こんばんは!
こちらにコメントありがとうございました。
素晴らしく深い人間心理がじっくり描かれていた
恐るべき傑作だと思います!

>お兄ちゃんの哀しいまでのやさしさと、後半に見せる卑屈な表情のギャップがせつないです。
考えてみれば一番かわいそうなのはお兄ちゃんのような気も・・・
あのまま「いいヒト」を演じ続ける人生も望ましいものではなかったと思いますが。
リュカさんがおっしゃるように,罪を償って出てきたラスト,
今度こそ,猛さんと本当の兄弟の絆を取り戻してくれると
信じたいですよね!

ななさん
「ゆれる」の記事をちゃんと書いていなかったので、コメント・トラックバックしていませんでしたが、今日、ついでに書いて行きます~(ついでかよ・・・)

http://mugimugikomugi.tea-nifty.com/mugimugi/2006/12/post_d8e0.html

この映画素晴らしかったですね。香川照之さん、大好きなんですよ。もちろん、オダギリジョーも。

ななさん、オダギリジョーの「メゾン・ド・ヒミコ」はご覧になりましたか?これは好き嫌いが分かれると思うんですけど、私はとても好きです。時間が出来たらぜひご覧ください。もー、お話も好きですが、オダギリジョーが美しい!肩から背中、腰までのラインが完璧です!←そこかよ!

さて「ゆれる」で初めてオダギリジョーをスクリーンで観ました。テレビではあきるほど見ていたけど。何でもないシーンなのに溢れるばかりの色気を感じました。ブログにも書きましたが、「舌出せ」という台詞にグッと来ました。そんなヤツは私だけだろうと思ったのですが、時々「オダギリジョー 舌出せ」で検索してくれる人がいるんですよ。やっぱりグッと来た人がいるんだな~、お友達~!って思ってうれしかったです。←私って変なヤツ?

意味のないコメント、すみませんでした~。

むぎむぎさん こちらにもコメントありがとうございます。
これは素晴らしい邦画だと思います。
キサラギに続いて,香川さんのただものではない演技力に唸りました。
オダギリジョーはあまりなじみがなかったのですが,これを観て
なぜ彼がこんなに人気があるのかわかりました。
演技も凄いけど,セクシー・オーラがすばらしい~~

「メゾン・ド・ヒミコ」は他のブロガーさんからも強くプッシュされてて・・・
またレンタルしてみようと思います。
オダギリさんの「舌出せ」というセリフは監督さんの指示だそうですが
すごい演技指導ですね。・・・・監督さん若い女性なのに(=´Д`=)ゞ
彼が言うと余計にくらくらしちゃいますよね。


ななさん
再びすみません。
香川照之さんについて、もう一度書いてもいいですか?
私が書くまでもないんですが、彼はほんとうにすごい役者さんですよね。「ゆれる」みたいに複雑な心理描写も天才的に上手。私、あとから考えると、「ゆれる」で、彼が洗濯物たたんでいるところとかものすごく恐かったですもん。「キサラギ」みたいなコメディ?もできる。

それがものすごく普通の人の役も上手なんですよ。あたりまえだけど。

「クイール」っていう盲導犬のお話で、盲導犬を子犬の時から1歳くらいになるまで育てるパピーウォーカーっていう役目の人がいるんです。犬は人間と楽しく暮らす事を覚えて、そのあと訓練士さんのもとで一人前の盲導犬になります。「クイール」という映画では、なんと香川照之さんと寺島しのぶさんがパピーウォーカーの夫婦を演じています。2人とも「怪演」で有名な、どちらかと言えばアクの強い方なのに、犬をかわいがって育てるあたたかい夫婦の役なんです。ベッドシーンなどもちろんありません。ごくごく普通の夫婦役です。盲導犬が年をとり、また2人の元に戻って来るんですが、その老犬を2人が看取ります。この映画もとてもステキな映画でした。
ななさんの趣味には合わないかもしれませんが、香川さんの演技の幅広さがわかる一本です。何も見るものがない時があったら見てみてください。

それから・・・

私はTOKIOの長瀬智也が大好きなんです。彼はけっこう「おバカキャラ」なんですが、演技がとても上手なんです。私もそれに気づいたのがつい1年前なんですが。TOKIOはデビューしてもう15年目に入ったと言うのに。

で、長瀬の出ているドラマを片っ端から見て行きました。そしたら、その中に「彼女が死んじゃった」というドラマがありました。平均視聴率7%くらいのあんまり有名じゃないドラマ。
そこに香川さんが出ていました。

長瀬と木村佳乃が出会い、一夜を過ごした翌日、彼女が自殺してしまう。なぜ自殺したのかわからない・・・(長瀬は彼女が死んだことさえ、もちろん知らない)、「おねえちゃんが金魚をあなたに渡してほしいとメールして来た」と、彼女の妹と婚約者が長瀬のところに来る。彼女の死因を探るためにケータイのメモリーに登録してある人を順々に尋ねて行く・・・というドラマです。

その婚約者の役というのが香川さんです。彼はすごくまじめで、ださくて、気が弱そうで「豆知識さん」と呼ばれていて、すぐに「ご存知ですか?」といろいろと豆知識を言うの。それが、「またかよっ」ってうざいんだけど、聞いているうちに、だんだんおもしろくなって来て「第一話からの豆知識を全部メモしておけばよかった~!」なんて思っちゃうほどでした。たとえば人間の体は素材として計算すると5000円くらいの価値しかない・・・とか・・・うーん、もう思い出せないけど、とにかくいい味。

http://mugimugikomugi.tea-nifty.com/mugimugi/2007/10/post_633a.html

http://mugimugikomugi.tea-nifty.com/mugimugi/2007/10/post_7126.html

このドラマの長瀬は、すごいチャラ男なので、きっとななさんには好きになってもらえないと思うんですが、香川照之さんの新しい一面を発見できちゃうドラマです。ほんと、このドラマの役、かっこ悪いけどcuteなんですよ。

お忙しいのでドラマ見る時間はないかもしれませんが、心の片隅にでも留めておいてくださーい!足を骨折したら?(元気だけど出歩けない・・・みたいな事態が起きたら)見てください~!TSUTAYAでも、ぜんぜんレンタルされずにいつも棚にある感じなんです。しょぼん・・・。

きゃー、すごく長いよ、すみませんでした・・・。

ちなみに、私、旧姓が「香川」。香川照之さんを他人とは思えません。・・・でも、他人です

むぎむぎさん こんばんは
香川さんに関するアツい再コメント,ありがとうございます。
「キサラギ」や「ゆれる」でその演技力に目を見張りましたが
彼については今まで予備知識が皆無で・・・日本の俳優さんについて
そもそもそんなに詳しくないので,お恥ずかしい限りです。
彼って,浜木綿子さんの息子さんで,東大出なんですってね?
他のブロガーさん宅でそれを知って驚きました。
イケメンとは言えない彼は,才色兼備・・・とは言わないのでしょうが
俳優としての才能と知性がトップクラスの方なんだなぁ・・・と改めて感心しました。

「ゆれる」の,あの洗濯物を畳む「背中の」演技は,静かな凄みがありましたね。
私は彼が法廷で見せた複雑な表情もまた,すごいな~と思いました。
この作品は,彼の演技とオダジョーのエロスが,大きな勝因のひとつだと思います。

長瀬さんは,これまたバラエティでしか目にしたことがなくて・・・
え?待てよ・・・ドラマ「マイボス・マイヒーロー」の主役って彼でしたっけ?
姪が泊まりに来たときに彼女が観てたのをちらりと見た覚えが・・・
私はあれは,オリジナルの韓国映画のファンなので
「ふ~ん,主役が長瀬くんかあ,なかなかいいじゃん」と思ったのを覚えています。
お勧めのビデオ,また機会があればチェックしてみますね。

こんばんわ!私もこの映画好きですね。香川さんのあの洗濯物をたたむシーンは、怖わすぎです。背中は怖いですよ・・背中は。洗濯物という何気ない、日常の些事な行為が余計にリアルさを覚えます。この映画にも出ていた、新井浩文(この字かな?)とキム兄さん(弁護士に見えんなあ・・)が、松ヶ根乱射事件という作品で共演しています。この映画観て、ゆれる以来の衝撃を受けました。オトナのどぎついユーモアです。暇なら見てみてください。こういう映画をセンスとおもいます。(殺人の追憶の監督も大絶賛していますよ)

みちしるべさん,こんばんは!

背中の演技って,なかなか誰でもできるものではありませんね。
やっぱり香川さんならではの名演技なのでしょう。

>この映画にも出ていた、新井浩文・・・・
この方はお顔と名前が一致しませんでしたが
調べてみるとこの「ゆれる」のほかにも,,
ついこのあいだ観た「剱岳」でも香川さんと共演されてますね。
新聞記者の役でしたが。
松ヶ根乱射事件というのも初めて聞きました
また機会があれば観てみたいと思います!


ななさ~ん♪
やっぱりこの映画を観ていらしたんですね~
私は今頃のこのこ観ましたよ(汗)
いい映画だと聞いていたんだけど、、、、

で、、、鑑賞後悶々しました。
短気なもので、一体殺したのか?殺していないのか?あの後はどうなった?って悶々悶々・・・
観た人それぞれに思いはあるのでしょうが、脚本の妙、オダギリ&香川さんの演技で、なかなかお目にかかれない名作だと思います~
西川監督の他の作品も未見ですが、観てみようかな♪

由香さん こちらにもありがとう。

これは心理的なミステリーですね。
西川監督はかわいらしい女性なのに
こういったなんともいえない人間の業のような
根の深い物語を撮りますね。

だいぶ前に観たので細かいところを忘れてて
あのつり橋の上の事件の真相について
自分がどんな解釈をしたのか思い出せませんが
そのことより,兄が実はそれまで弟をどう思っていたのか
そちらの方がずっと気になったのを覚えています。
何度も観直すことで
新しい発見がある作品かもしれませんね。

西川監督作品,「ディア・ドクター」もオススメですよ。
こちらももやもやします。

ななさん、こんにちは!

なんというか人の心の奥底までえぐっていく感じがすごかったです。
それは本人ですら自覚できていないようなことで。
その闇の部分を見せるというのは、なかなか作る側としてはエネルギーがいることだと思いますよね。
それをしっかりとできる西川監督は、わかりやすい映画ばかりが多い邦画において貴重な人材だなと思います。

はらやんさん こんばんは!

>人の心の奥底までえぐっていく・・・
本人も自覚できていない奥の奥の深層心理といいますか
たしかにそれを語り過ぎないセリフと背景説明で
あそこまで深く表現するには
練りに練られた脚本力と
最高峰の演技力の俳優さんが必要なわけで・・・。
いやはや,稀有な才能の監督さんですよね。

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なんとなーーく、邦画のレビューが続いてるひらりん。 本作は、鶴瓶主演の「ディアドクター」も評判の良かった西川美和監督作。 もちろんこの作品の評判も耳にはしてましたが、 兄弟ドラマはあまり興味なかったので敬遠してました。 ... [続きを読む]

» 「ゆれる」 「檻」の囚われ人 [はらやんの映画徒然草]
「ディア・ドクター」の記事を書いたとき、同じ西川美和監督の「ゆれる」を未見と書い [続きを読む]

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