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2008年8月27日 (水)

君のためなら千回でも

Kite789526
あらすじ: アミール(ハリド・アブダラ)は兄弟のように育った使用人の息子ハッサン(アーマド・カーン・マーミジャダ)との間にできた溝を埋められぬまま、ソ連侵攻の折にアメリカに亡命した。そのまま時は過ぎ、作家となったアミールの元に、パキスタンにいる知人から1本の電話が入り、故郷に向かうことになる。(シネマトゥデイ)

君のためなら千回でも・・・
なんという,無償の愛にあふれた美しい言葉だろう。
「君」の箇所に,愛するひとの名を入れて,
そっとつぶやいてみたくなる。


Cap021
この台詞は,少年時代のアミールが,使用人の息子ハッサンから受けたもの。1970年代,平和だったカブールの伝統的な凧合戦の場で,アミールのために糸の切れた凧を追いかけに行く時の,ハッサンの台詞だ。その言葉と,ハッサンの輝くような笑みから,彼らふたりの間には,身分の違いを越えた堅い友情があったことがわかる。しかし・・・・その直後に降りかかった悲劇は,二人の間の絆を断ち切ってしまう。

ハッサンは,宗教や顔立ちの違いから,差別を受けてきたハザラ人。そんな彼がアミールと仲良くするのを,快く思わない不良たちによってハッサンは襲われ,アミールは彼を見殺しにする。深く傷つきながらも,ひとこともアミールを責めないハッサンの態度は,かえってアミールの罪悪感をつのらせ,ついにいたたまれなくなったハッサン親子は,アミールの家を去ってゆく。

Cap029
やがてソ連軍の侵攻が始まり,反共産主義の父親はアミールを連れて,アメリカへと逃れ,そこで成人したアミールは,妻を迎え,作家としての道を歩み始める。そんな彼のもとに,アミールの屋敷を守っていたハッサンがタリバンによって命を奪われ,彼の息子がタリバンに囚われているという知らせが入る。

ハッサンと自分の隠された関係を初めて知り,ハッサンの手紙に書かれた,自分への変わらぬ愛に涙したアミールは,彼の息子ソーラブを救い出すべく,数十年ぶりに,荒廃したカブールへ戻る決心をする。

Cap002_3
・・・・これは,贖罪を描いた物語だ。
その点では,つぐないと似たテーマだが,「つぐない」では,贖罪が叶わない切なさを描いていたのに対し,この物語の贖罪はみごとに成し遂げられ,アミールの心は長年の罪悪感から解放されて,再生への道を歩き出す。その点では,とてもあたたかく,さわやかな余韻が心に残る,美しい作品だ。

贖罪とは,被害者の心を慰めるためよりもむしろ,
加害者の心を癒すためになされるのかもしれない。


成人したアミールの瞳に,いつも影のようにつきまとっていた罪悪感。臆病で,卑劣で,自分勝手な行いを恥じる思いは,ずっと心の奥底にあったろう。
Cap034_2
彼を演じたハリド・アブダラは,ユナイテッド93でテロリストを演じた俳優さんだ。あの作品でも,セリフはほとんどないにも関わらず,強烈な存在感を醸し出していたが,とにかく「眼で語る」ことのできる素晴らしい役者だと思う。

監督は,チョコレートや,主人公は僕だったマーク・フォースター監督。人間理解に関して,独特の視点と豊かな感性を持つ彼の作品は,大きな痛みや哀しみを描きながらも,しみじみとした優しさがにじみ出ている。


ソーラブの救出が簡単すぎたような気もしないではないが,この物語の贖罪は,やはり成功してくれて,心からよかったと思う。現実の世界では,いつもいつも贖罪がうまくいくはずはなく,「つぐない」のように,叶わないことの方が多いとは思うけれど・・・・。それでもこの作品は,大なり小なり,過ちや失敗を繰り返して生きている私たちに「人生は,やり直しがきく」という希望を与えてくれる。

カリフォルニアの大空に
凧が舞うラストシーン・・・・。

Cap049
30年前にハッサンが言ったあの美しい言葉,「君のためなら千回でも!」を,今度はアミールが,ソーラブに向かって高らかに叫ぶ。


アミールにとって,それまでは辛い思い出と結びついていただろうこの台詞を,ようやく彼は胸を張って,ハッサンの息子に返すことができたのだろうか。

アミールの晴々とした笑顔と,心の傷が少しずつ癒されている証のように,明るさを増してゆくソーラブの表情を見ていると・・・・最後の最後で,不覚にも涙が溢れた。

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映画 か行」カテゴリの記事

コメント

ななさん、こんにちは。
この作品、間違いなく今年のベスト10に入れる映画です。
なんか凄く私のツボにハマってしまう作品でした。
その後原作も読んだので、思い入れがなおのこと深くなっちゃったのかもしれない。

>これは,贖罪を描いた物語だ。その点では,つぐないと似たテーマだが,「つぐない」では,贖罪が叶わない切なさを描いていたのに対し,この物語の贖罪はみごとに成し遂げられ,アミールの心は長年の罪悪感から解放されて,再生への道を歩き出す。その点では,とてもあたたかく,さわやかな余韻が心に残る~
 そうですねー!!その通りだわ。つぐないは、なんだか後味が悪かった映画だけれど、こちらの映画は、後味がとても良かったわ!

やばい、読んでて思い出し泣きしそうです。
映画の中で2度しか出てこないタイトルになっている
「君のためなら千回でも」
とても印象的な友情の言葉でしたね。
こうゆう慣用句が生まれたアフガニスタンという国、
今ちょっとタイムリーですが彼のためにも
早く平和になってくれるといいですよね。

リンクの件ですがとても嬉しいお申し出をいただきありがとうございます。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

latifaさん 
ベスト10入りですか~,私もかなりお気に入りです。
できすぎたお話のような気もして,へそまがりな私は
本来は「つぐない」のようなアンハッピーエンドの方を好むのですが
これは素直にね,感動できました。ああ,よかったねって・・・。
「絶望」や「無常観」について考えるのも好きですが(←ネクラ)
やはり「救い」のあるお話には泣かされます。
「つぐない」は主人公の少女が,どんな方法で贖罪をするのかと期待してたら
あんな肩すかしの手段だったので,不完全燃焼な感がしましたが
こちらはすっきり爽快で,後味がとてもよかったし。
原作,読まれたのですね。私も読んでみようかな。

miyuさん 
「君のためなら~」というセリフ,日本人が言うと気障かしらね。
でも,物語のあのシーンで聞くと,とってもよかったです。

>こうゆう慣用句が生まれたアフガニスタンという国・・・
私もこれをきっかけにアフガニスタンについても
いろいろ知りたくなってきました。
世界から忘れられていたような不遇な目に合っていたそうで・・。
ほんと,早く平和になってほしいと思います。

リンク,早速させていただきました
これからしょっちゅうお邪魔するかもしれませんが
よろしくお願いします。


TBありがとうございました。
今年のテーマは、アフガニスタンですわ。
まったくもうです。
映画館で、映画歴史講座をやっているのですが、これは今年一回目のテーマに選ばさせていただきました。
難しいかもしれませんが、映画は問題点に目を向けさせ、興味をもたせ、見た人に、強く心に訴えることができる。
その力をなんとか生かせたらと、いつも悶もんと悩んでおります。
でも、こうやって、映画にしてくれると、本当に多くの人が目を向ける。感じる。映画の力ですね。
さて、「君のためなら千回でも」・・・、重く、辛い映画でしたが、人間はそう捨てたもんじゃない、希望を持って構わない、、、そんなことを思わせる素晴らしい映画でしたが、今回の事件で、またまた奈落の底に突き落とされてしまいました。ショックです。
「ある愛の風景」なんてのも、今年見た、ショッキングなアフガンものですが、これもつらかったです。
一体、世の中、どこに行ってしまうんでしょうね。

sakuraiさん こんばんは

>映画館で、映画歴史講座をやっているのですが・・・・
おお,素晴らしい!私も聴いてみたいです。
歴史や世界情勢になんの関心もない人たち(それはわたし)にも
映画を通せば,知識や感動が容易に入っていきますよね。
映画の与える影響って,すごいなぁといつも思います。

>今回の事件で、またまた奈落の底に突き落とされてしまいました。
私も,この作品を観て感動した矢先に,あのようなショッキングな事件をニュースでみて
言葉もありません・・・。
アフガンの平和は夢物語に終わるのでしょうか?
この作品が与えてくれたささやかな希望を打ち砕くような現状に哀しくなりますね。


こんばんは^^マークマーク・フォースター監督の作品は
派手さはないのですが、観終った後にスーッと心に染みて
きます。ネバーランドもそうでしたが、映像もとっても
美しいですよね^^

>最後の最後で,不覚にも涙が溢れた。
え~~!ななさん泣いたのはそこだけですか?
最後の最後なの?(笑)
私は手紙のシーンとか、かなり泣かされ、ラストも
もちろんそうですが、号泣させられた映画でしたよ(^^ゞ

つぐないは後味が良くはなかったですが、こちらは
後味は良かったです^^

>「君」の箇所に,愛するひとの名を入れて,
そっとつぶやいてみたくなる。

で、ななさん、つぶやいてみましたか?(笑)
どなたの名前か想像はつきますが(笑)

予告だけでも泣きそうになっていた映画です。
タイトルの言葉がとても印象的な場面で使われていましたよね。連呼しないのもいいな~と思いました。

幼い頃のハッサンもとてもいい子で、見ていてアミールに対してイライラしてしまうこともあったのですが、そんなアミール全てを受け入れているハッサン、大人になってからも会えない時間に関わらず全て許してその上で変わらぬ友情を持ちつづけていたことに感動しました!

地味ですが、心に響くとてもいい映画でしたね~

こんにちは
この映画は、悲劇や惨劇だけで終わる事なく、
その先に続く未来への明るい予感を与えてくれる作品でしたよね

内容的には、かなり痛い部分もありましたが、
それを払拭してくれるような温かいラストシーンで、
今でも私の心にも残り続けています

単館上映の作品でしたが、多くの人に見てもらいたい
素晴らしい映画のひとつですね

ひろちゃんへ
マーク・フォースター監督の作品は,ほんとにしみじみとした味わいがありますね。
彼の他の作品に比べると,これはまだ躍動感があった方かもしれません。

>え~~!ななさん泣いたのはそこだけですか?
>最後の最後なの?(笑)
あはは,私はめったに泣かないのですよ~途中では。
最後まで泣かない作品がほとんどなので,最後に泣けた,ということは
大泣きと同じくらいの感動度です。(ドライアイなのかしら?)
そんな私がこれまでに一番泣けた作品って,
「ひまわり」なんですよ。ソフィア・ローレンの。(古っ!)
あと韓ドラのいくつか・・・韓ドラは男優さんがおいおい泣いてくれるので
ついついもらい泣きしてしまう・・・。

「君」の箇所に愛するひとの名を入れて・・・
そーね,愛するヒースのためなら千回でも劇場へ通いたいわ~。


hitoさん こんばんは!
「君のためなら・・・」というキメ台詞を安売りせずに
ここぞ!というところで効果的に使っていたのが巧いなぁ・・・。
特にラストでアミールに叫ばせたのは,ぐっときました。
あと,ハッサンの美点も,さりげなく押しつけがましくなく描いていて
よけい心を打たれました。
彼の心の広さって,ほんとうにすごいと思いました。
これは後を引く感動作ですよね。

トラコメありがとうございました。

そうか~、どこかで見たことある俳優さんだと思っていたら、あの『ユナイテッド93』のテロリスト役の彼ですか。
確かに眼で演技する力のある俳優さんですよね。

テクテクさん こんばんは!
とてもいい作品なのに,上映館が少なかったのか,
ご覧になってる方が少ないのね。
もったいない話だわ。
レビューされてるブロガーさんもそんなに多くないですね。
DVDになったから,今からでも少しでも多くの方に
観てもらいたい作品ですよね。
おっしゃるように,残酷なシーンもあったからこそ
ラストの温かさが心に沁みました。

にゃむばななさん こんばんは

そうです,アミールはあの気弱なテロリストでしたの。
エジプト系のアラブ人だそうですよ。
「ユナイテッド」の時は
「この作品のテロリスト役ってマイナスイメージにならないのかな」と心配しましたが,
今作ではいい役でしたね。

こんばんは!
この映画は子供たちが素晴らしかったですね。特にハッサン役の男の子が健気で可愛いかったですね。
アミール&妻とハッサンの息子とのラストシーンはほんとジーンと来ましたわ。
この映画を観た後で”テロリスト”役見たのですが...
彼はテロリスト役は悩んで出演したようですが、なんか臆病な(優しいのか??)テロリスト役中々似合ってました。

 ななさん、こんばんわ~
 この映画は年間パスポートで見たので予備知識なくて、見る前はラブストーリーかな?と思ってました、ただ見終わったらとても感動できたいい映画でした、ハッサンのあの健気さがとても泣けましたよ、兄弟の様に育てられ、仲の良かった二人に訪れた悲劇、暴力・・・許せません、それなのにアミールの態度はまるで逆に・・・、それも許せなかった・・・アミールがハッサンの息子を育てようと思った動機もハッサンと特別な関係だったからというのも何か納得いかない、卑怯だな?アミール!と感じましたが・・・(ハッサンが普通の使用人だったら息子を救わなかったの?贖罪しないのか?)と感じてアミールにはちと違和感が・・・まあでも動機がそれでもハッサンの息子を救ったし、ハッピーエンドなので良かったですかね、早く息子の笑顔が復活して欲しい!
 アフガンの難しい情勢や封建的な国ということは良く理解できました。僕も何度か泣けてきました。
 あと年間パスポートで先日見た「ジェイ・オースティンの読書会」も素敵な映画でした、イケメンいっぱい出てたし・・・

margotさん 
ほんと,子役(特にハッサン)の熱演には涙を誘われました。
カブール在住の演技は初めての子供たちらしいけど
素晴らしかったですね。
ハリド・アブダラさんは「ユナイテッド」でも
冷酷な,という感じではなくて,葛藤や苦悩も感じられるテロリストで
なんだか彼もまた可哀そうに見えてしまったのを覚えています。
テロリストを徹底的な悪役に描かなかったのが新鮮な作品でしたが
そう言う意味では,彼の起用は適役だと思いました。

イニスJrさん
この邦題,確かに熱烈なラブストーリーみたいな題でもありますよね。
少年時代のアミールには腹立ちを感じた方も多かったと思います。
私は弱い人間なら誰でも取ってしまいそうな行動にも見えて,かえってリアルさを感じましたが,彼が卑怯であればあるほど,ハッサンの偉さが心に強く残りました。
そして私も,彼らが実は・・・だった,という箇所はない方が感動できたかもです。肉親だとわかったから助ける気になったのかと思いますよね。ハッサンが他人であっても,差別されていた民族であっても,昔の罪を償うという動機だけで行動した方がより感動は深まったと思うのですが・・・。まあ,身うちだったほうが,アミールが自分の過去の仕打ちを悔いる気持ちは強まったとは思います。
アミールと妻とソーラブの新しい家族が,これから幸せになってほしいと,心から思える物語でした。アフガンの現状には,今でも心は痛みますけどね~。
「ジェイ・オースティンの読書会」またDVDになったらチェックしてみますね!イケメンがたくさんと聞いたら,絶対観たくなりました


ななさん、こんにちはー☆
これね、、、予告見てはベタベタなのかな?
って思っていたんだけどとても素直に感動しちゃった作品でした♪

わたしもラストでうるっときちゃったー。
あのセリフも良かったですぅ。
そして凧揚げも、、、ホントの親子みたいでいいシーンでしたねぇ。。。

遅くなりました;
凧上げと子供達の躍動感と音楽には魅せられましたー。
正直に言うと、さほど詳しい歴史を知るわけでもなく政治や宗教の事も複雑でアフガニスタンに関してはたやすく語れない私;
ただ映画ならいくつか見てきたこともあって、素直に後半部分は見れなかったのでした;できるだけ良いと思ったことしか記事に書かない私のスタンスだとご理解くださると助かりますぅ。
それにつぐないもそうだけど、私はこういった贖罪を描いた物語はあまり好きではないんですよ;
ちょっと本作は感動的すぎてしまったかなあ;汗
というと、音楽は出来すぎかも?って思ったりも。
まあ鑑賞中は素直に泣いてきましたけれど。笑

ななさんの記事を読ませてもらって、そうだ、これは贖罪の物語だったなぁ~・・と改めて思いました。
それにそれは罪を犯したほうの人のために行われる行為なんだな、と。
あまりにも印象に残るシーンと言葉が多くて、頭の中でまとまりませんが、本当に見て良かったなと思える映画でした。
ハッサンがあまりにもいい子だったし、彼のザクロを自分にぶつけるシーンも心打たれました。たまらなかった・・。
お父さんも立派で、あの行動にはもう後光が射して見えました。でも、そういう人が、”あんな”行動をかつてとったことがあったのか?とちょっとそのあたりが疑問でした。それとおっしゃる通り救出が割りとあっさりだったので、そんなもんなのか?と思ったり。
原作を読んで見たいなぁ、といますごく思っています。

きららさん こんにちは
予告はちょっとあらすじをバラし過ぎだったかな?
本編は,たしかにベタなお話ではありましたが
爽やかに感動できるように上手く作ってありましたね。
監督の視線の優しさかなぁ?
ラストはほんとにほのぼの,しみじみとした気持ちになりました。
少年時代の凧上げのシーンと重なるものがあって
あのキメ台詞を言われたときは,涙が・・・

シャーロットさん こんばんは

>正直に言うと、さほど詳しい歴史を知るわけでもなく政治や宗教の事も複雑でアフガニスタンに関してはたやすく語れない私;
私もですよ~。大変だな~くらいしか認識がなかった自分がちょっと恥ずかしいです。
>それにつぐないもそうだけど、私はこういった贖罪を描いた物語はあまり好きではないんですよ;
嘘っぽいとか,自己満足の世界とか,感じてしまうからかな?
私は本来は「完全な贖罪は不可能」だと思っていますが
贖罪をしようとする人間の気持ちは,大切なものだと思ってます。
本作は,ほんとうなら「あんなにうまくはいかない」物語だと思いますが,もしかしたら理想(や願望)を描いて見せたのかな?この殺伐とした世界で。

メルさん こんばんは
ほんとうは犯した罪って,償えないものだと思います。
時間の巻き戻しができないのと同じように。
だから贖罪って,そりゃ償ってもらうほうも気が済むケースもあるかもしれないけど
一番の目的は,罪の意識に苦しんでる加害者の心の癒しのためではないかと・・・
アミールは少年時代はその良心の呵責に耐えかねて
さらにひどい仕打ちをハッサンにしてしまうのだけど
大人になって贖罪の機会が与えられ,それに成功したのだから
幸せなケースかなって思いました。
彼の父親は彼と正反対の強い(そして愛情深い)人間だけど
若気の至り・・・ということもあったのかな?奥さんはアミールの誕生とともに亡くしてるので,魔がさしたのかな。
そう思うとハッサンだけでなく,ハッサンのお父さんも偉いですね!
黙ってハッサンを育てたのだから。
なんだか,登場人物がみんな素晴らしいのよね。このお話。ありえないくらい。
私も原作読んでみたいです。


ななさん、こんばんわ

>贖罪とは,被害者の心を慰めるためよりもむしろ,
加害者の心を癒すためになされるのかもしれない

なんと鋭い指摘でしょう!
この映画ではアミールの内面が少しずつ変わっていく
そのぎこちなさがとってもよかったです。

アミールを決して恨まないハッサンの姿に感動しました。

moviepadさん,こんばんは!

今年はたてつづけに「贖罪」がテーマの作品を観て
いろいろと考えさせられました。
「贖罪」の難しさを痛感するとともに
「贖罪」の必要な罪を犯さないのが一番だな・・・とも。
でも人間って弱くて愚かな生き物だからなぁ・・・とか。
アミールが変わってゆく過程もよかったし
ハッサンの強さや愛情深さに感動しましたね!


こんにちはー!見ましたよ♪

インセン(©アイアンマン)のところで、こちらに出てるとご紹介があったので、苦手そうな作品と思いつつ、見てみましたー。

良かったですねーインセン、もとい、ラヒム。
相変わらず、彼は慎ましくて、物静かで、受容的な人ですね。
アミールはお父さんの期待するような子どもじゃなかったわけですが(私も「何か欠けた子」だと思った)、そんなアミールをありのまま愛してくれたわけだし、彼がいつまでもハッサンのことを引きずっているのを心配してくれていたんでしょうね。

上のコメントでイニスJrさんと話しているのを読みましたが、たしかにハッサンの子であれば、自分の甥でなくても助けに行ってしかるべきだと思いました。

TB送ってみましたが、今回はどうでしょうか? 前回(プロヴァンスの贈りもの)はダメだったみたいですが...。

ではでは、また。

ゆきちさん こんばんは!
ご覧になりましたねー,こういう作品,苦手分野ですか?
でもこれは,あの「主人公は僕・・・」の監督さんですし
観終わった後のしみじみとした余韻がいいですよね。

インセン・・・もといラヒムは地味な役でしたが
彼がいなかったら,あの救出劇は実現していなかったので重要な役どころですよね。
そう,たしかに,彼の優しく受容的なまるで賢い黒子(くろこ)のようなキャラは
この役にぴったりで,心に残りました。

>ハッサンの子であれば、自分の甥でなくても助けに行ってしかるべきだと思いました。
そうなんですよね。きっと自分の甥でなくても助けにいったとは思うんですが
「甥だからだろ?」って思う観客もいるので,そういう設定にしなかった方が
純粋な「贖罪」もしくはアミールの成長物語として感動がより深まったような気もしました。

TBは今回はダメでした~。ここしばらく,調子悪いようです(´Д⊂グスン

ななさん、こんにちは。
この邦題、いいですよね? 私も、ちょっとベタやな~とは思うのですが、原題よりいいと思います。
賛否ある映画のようですが、私も号泣でしたよ。。
「アミールが酷い!共感できない!」という意見が多いようなのですが、私は「かわいそうな子だなぁ」という思いのほうが強かったです。
ああいう子の気持ちって、なんかわかる気がするんですよ。
彼のやったことは酷いと思うんだけど・・・、子どもって複雑で、自分で感情を制御できないところもあるから・・・。
それから、贖罪は、加害者のために・・・、とありますが、アミールは「加害者」というより「傍観者」ではないでしょうか。
と、なんか「アミール寄り」みたいな私ですが(笑)、いい映画だったと思います。
ではでは、また来ます~。

真紅さま こちらにコメントありがとうございます。
「ぼくを葬る」や「太陽と月に背いて」と同じくらい好きな邦題ですね。
邦題に惹かれてつい観たくなります。
私も実はアミールには怒りを覚えなかったです。
子供特有の「自己防衛」本能とか「気の弱さ」とか
案外よくありがちな欠点で,もしかしたら誰でも陥りそうな過ちにも思えました。
アミールは普通よりちょっと弱い面をもった子で,
それに対してハッサンが偉大すぎたような気もしました。

>アミールは「加害者」というより「傍観者」ではないでしょうか。
うん,暴行を加えた少年たちに比べるとアミールは「傍観者」といえるかもしれませんね。
でも「見殺しにした」ことや,時計事件などで「ハッサンの心を傷つけた」という点では
やはりアミールは「加害者」ではないかとも思います。


こちらもおじゃまします。

確かに贖罪を大罪にした作品ではあるけどあんな
大人になるまでしかもおじさんが危篤だからと無理矢理
帰らせられてそれからだからなんか彼の行動を見てると
贖罪と言っても説得力がなんかないんですよね
少年時代のハッサンへの仕打ちからしても主人公に対する嫌悪感は
最後まで持ち続けました。結局は自分の後ろめたさを
これを機会に打ち払おうとし自己満足していたように
映りました。
その辺演出下手だったように思います。
原作は本当にすばらしい作品と聞いているので是非手に入れて
読み比べたいです。ちょっと今のままだと納得できないので

せつらさん こんばんは
せつらさんも反アミール派ですね~
アミールに関しては,確かに叔父さんの勧めがなかったら
腰をあげてなかったかもしれませんが
そこらへんにやはり彼の「弱さ」はあるわけですね。
でも,その「弱さ」がなかったら,そもそも少年時代に
あんな仕打ちをハッサンにしてなかったでしょうし
この物語のテーマのひとつにアミールのそんな「弱さ」が描かれていて
それは裁かれるためではなく,
誰でも持ち得る「弱さ」でもある・・・と作者は言いたかったのかなと思いました。
せめてもの罪滅ぼしに,ハッサンの願いを叶えようと
命の危険を冒して行動したアミールの行いは,
私には自己満足には思えませんでした。
原作はそこらへん,どう書かれているのかな。

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