アフタースクール
いやー,これもキサラギと同じく,ネタばれ厳禁なので,レビューは書きにくいが,とにかく面白かった。
主要登場人物のうち
キーパーソンになる3人の男性。
中学教師の神野(大泉洋)と,その同窓生の木村(堺雅人)。
そして,島崎と名乗る探偵(佐々木蔵之介)。
謎の女性と一緒にいるところをフォーカスされたまま,行方がわからない木村を探す探偵と,それに付き合う神野を中心に,物語はなんだか怪しげな雰囲気で進んでいく。
探偵や背後で糸を引く人間たちの狙いは何??いかにも善良そうな教師,神野は本心は何を考えているのか?そして神野いわく「まじめでいい奴」のはずの木村の正体はいったい・・・?彼はほんとうに,臨月の妻をないがしろにして浮気をしている
ヒドイ男なのか?
中盤になって,ある場面がきっかけになり,
いきなり事件の様相が半分ほど明らかになる。
「えっ!・・・そういうこと?」と
驚く間もなく,どんどん真実が明らかになってゆくにつれ・・・・・
「そっかー,あのヒトは実は○○だったんだ~!うわ~,あのヒトも,このヒトも~~~」と,それからは劇中の出来事や人物が,まったく違うものに見えてくる。
そう,まるでだまし絵のような面白さのある作品だ,これ。正しい見方がわかると,すべてが違ってみえてくるのだ。今まで別の見方をしていた過去のシーンが,まったく別の絵となって腑に落ちる。
「甘く見てるとダマされちゃいますよ。」と警告はあったけど,いやはや,こういうダマし方とは思わなかったので,すっかりやられちゃった。隠された本当の「絵」が見えてきたときには「なるほど,なるほど,なるほどね~!」と膝を打ち,騙されたのに嬉しくなってしまう,この不思議なカタルシス。
特に印象に残るのは,やっぱり飄々とした木村クンのキャラだ。その正体が見えてないときも,謎めいたところがとっても気になる存在感を出していたが,真実がわかってみても,やはり心惹かれる人物像となっていた。・・・・・健気でもあり,天然っぽくもあり,不器用でもあり。
エレベーター内の出来事の真相がわかるラストシーン(蓋を開けてみれば,ホントなんてことない真相)は,あまりにもかわいらしくって大好きだ。劇場でもここでクスクス笑いが起こっていた。
クライマーズ・ハイ以来注目している堺雅人,ますます好きになってきた。いつも微笑んでいるような優しげな眼も好きだけど,確かな演技力がすごいと思う。あと,声がとてもいいね,このひと。篤姫は観てないので,DVDになったら観てみよう。
爽やかで楽しくて,観終わった後,絶対もう一度見直したくなる作品だ。2度目は「だまし絵」を,正しい見方で確認しながら観なくっちゃ・・・・。
最近のコメント