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2008年7月 4日 (金)

僕のピアノコンチェルト

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ラスベガスをぶっつぶせだの,奇跡のシンフォニーだの,最近多い天才もの。これもその一つだから,天才くんの感動のサクセスストーリーかと思いきや,ヒューマンドラマというよりは,なかなか痛快で面白い洒落たお話だった。

主人公のヴィトスは,ピアノだけでなくIQも測定不能なほどの天才児。幼児なのに難しい本を読みチェスで大人をまかし,幼稚園の先生をやりこめ,ベビーシッターの少女に,ませた恋心を抱く。

当然同年代のこどもたちからは浮きまくり。無理もない。両親,特に母親は彼に英才教育の機会を与え,将来の輝かしい成功を夢みている。

おじいちゃんだけが,ヴィトスのよき理解者だった。「普通の人間になりたい」とつぶやく彼に,おじいちゃんは「大事なものを一度手放してみてごらん・・・」とアドバイスするが・・・・。
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天才の気持ちって理解できんな~~」と天才映画を見るたびに思ってたけど。彼らにしかわからない苦労ってのも,あるのね・・・・と思った物語。幼い時に才能がわかる場合が多いから,本人がその価値とか,進む方向とかを判断できないままに周囲にコントロールされる危険性はあるんだよね・・・。

で,おじいちゃんのアドバイスをヒントに,
ヴィトスが取った手段とは・・・・

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基本はネタバレの私でも,この作品はネタばらししませんので,どうかご自分の目で確かめてくださいな。この作品,後半が俄然,面白くなりますよ~~。え?そっちの方向いっちゃうの~~?真面目な天才ものじゃなくて・・・?と,一瞬面食らうけど,先の読めない展開に,ちょっとはらはらするし,冒頭は,お高くとまってるようにも見えたヴィトス少年にもとっても親しみを感じるようになるから・・・。

で,結局,才能は自分の意志で使いこなしてこそナンボのもんだと,私はそのようなメッセージも受け取ったのだけど・・・・。
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それにしても,ヴィトス少年の演奏は素晴らしかったな~。演じたテオ・ゲオルギュー自身が天才ピアニストってのも,すごい。なかなか演技もうまかったし。

「人生はソロでなくコンチェルトのようなもの・・・」と銘打った感動作?それも間違いではないだろうけど,私にとっては,感動作というよりは痛快作の部類に入る。

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コメント

 ななさん、こんばんわ
 最近テニスのウィンブルドン見てて夜更かしばかししてま~す、負けちゃったけど錦織圭くんも18歳でテニスの天才ですよね。そんな子たちに見てもらいたい? 
 あ、この映画はななさんが仰る様に痛快だし(両親に対してねっ)主役の子は段々可愛く見えるし、同情しちゃいますね、やっぱり天才も普通の男の子のように色々遊びたいんですね。なかなか教訓になる映画ですよね、ななさんの教え子さんたちにもオススメできそうですね。おじいちゃんとの付き合いが微笑ましくて暖かいいい映画でした。
 あとあの男の子ピアノが上手でしたね、一緒に見たのが「4分間のピアニスト」だったのですが、どちらも素晴らしい演奏でした。作品は「僕の・・・」方が好きかも・・・

イニスJrさん,こんばんは
そう言えば,イニスJrさんはテニスをされていたのですよね~ そりゃ,寝不足になってもウィンブルドンは見逃せませんわね!錦織くんも,天才の悩みなんか,感じたことあるのでしょうかね~。
で,この映画ですけど,途中から天才君の反乱(ママへの)みたいになってきて,面白かったです。大人にまんまと一杯食わせたり,株式相場を操作してとんでもなく大きなことまでやってのけちゃうヴィトスは痛快でした!
私の教え子のなかには,幸か不幸か,ヴィトスのような天才児はおりませんでしたが,(教師にとっては,きっと扱いにくいタイプかと・・・)子供より親御さんに観てほしいかな~,これは。子供の進路は親だけが決めるものでないということとか,けっこう教訓がありますね。天才児の親の気持ちはなかなか共感しにくいでしょうけど・・・。
「4分間のピアニスト」とは,同じピアノの天才物語でも,まったく違った雰囲気の作品でしたね。私もこちらが好きかな~~

そうそう、特に後半から面白くなってきましたね~♪
これを現実の物として見ちゃうとちょっと・・と思いますが
寓話もまざったお話として見たら、と~っても面白いもの
だったなぁって。
ななさんが書いてらっしゃるように、先が読めなくなってきて
ワクワク感も増したし、ヴィトスに親しみも感じました♪
そう!まさしく感動作というよりも痛快作でしたね~^^
何か1つに秀でてるような天才だったら、なってみたいな、って思うけど
彼のようにIQも高く、なにもかもができちゃうような天才は
やっぱりならなくってもいいかも・・って思いました。
おじいちゃんに、チェスに負けるのが一番難しかった・・と
言った彼。きっとそうだっただろうなぁ、と思いました(^^ゞ
お父さんとお母さんが(特にお父さんが)、わが子天才児を
あまりにもかけ離れた普通と違った育て方をしてなかったところも好感が持てました。
あのくらいならしょうがないかな、と思える範囲の子育てでしたから^^
TB&コメント、どうもありがとうございました~

メルさん こんばんは
そう,確かに寓話的な雰囲気もありましたね。
そういう方向だと,途中で気づいて楽しめたのでよかったです。

天才って,大変だなぁ~,同年齢に話が通じる友がいないし,
親は多大な期待をするし・・・
ヴィトスのパパはごく普通のパパでしたが
ママは教育ママの要素もありましたね。
彼が凡才を装ったとき,かなりショックを受けていましたが
凡才であっても,息子への愛情は変わりない,ということが自分でも確認できて
よかったと思います。

こんばんは~。

私も、この映画楽しめました(-^□^-)
少年の取った手段は、現実的には有りえない方法だとは
思いますが、その根底には愛がありましたね、愛が!
ひつこいな私(笑)

爺ちゃんが居て、この天才君の精神はバランス保たれてた
と言っても、過言ではないような
素晴らしい爺ちゃんでした・・父母も少年を愛してるけど
爺ちゃんのように導けない。人生経験の差ですかね。

ラストに、爺ちゃんは、少年だけでなく、父母にも
道を示して逝く・・あ~良い映画でした。

アニーさん こんばんは
そうですね~,この物語,影の主役は爺ちゃんですね!

>父母も少年を愛してるけど
>爺ちゃんのように導けない。人生経験の差ですかね。
人生経験も豊富だし,少年のような夢も持ち続けていた
かわいらしい素晴らしい爺ちゃんでしたね。
あの爺ちゃんいてこその,ヴィトス少年の成功があったかと。
エンタメの要素も,ヒューマンドラマの要素も
音楽の要素もバランスよく楽しめた,いい映画でした!

予告からの印象とは違っていましたね。
そうそう、私も真面目な天才もの、切ないストーリーかと思っていたら、意外な方向に展開するほのぼの映画でした。

爽快でしたね~♪

hitoさん,こんばんは
いつもTBありがとう!
みなさん,途中からの展開に,びっくりしつつも
それを楽しんじゃうかたが多いですよね!
いい意味で観客の予想を裏切る作品でした。
いやみのない天才映画で,(いやみのある天才映画,というのもないけどね・・・)確かに後味がとてもよかったです。

ななさん、こんにちは!
ほんと、後半からの方が面白くなって来ましたよね。
前半は、実はベビーシッターの子とダンスを踊る辺りで、ウトウトしかけちゃって・・・(^^;)

なかなか面白いお話だったのですが、幼少時代のヴィートスは、生意気なガキやなぁ~と思ったりもしちゃいましたw
途中から配役が変わって、ちょっと前歯の目立つビーバーっぽい顔の男の子、本当にピアノが上手かったですね。
歯を矯正したら、かなりハンサムに成長しそうです^^

latifaさん こんばんは
タイトルや予告だけ観ると,爽やか教育映画っぽいのかな~と思ったのですが
意外や意外,後半はしっかりエンタメしてましたね。

>幼少時代のヴィートスは、生意気なガキやなぁ・・・
ピアノだけでなく,知能指数も高いから
まったく子供らしくなくて,可愛げがなかったですよね。
後半は彼なりの苦労が感じられて,親近感が湧きましたよ。
ヴィトス役のコ,確かに歯を矯正するといいかも~
瞳とか,キュートでしたもんね~。


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