題名のない子守唄
近くの劇場では 公開されなかったので,DVDを心待ちにしていた作品。これに限らず,私の観たい作品は,近くで劇場公開されないことが多い
「ニュー・シネマ・パラダイス」や「マレーナ」のトルナトーレ監督作品だが,それまでの彼の作品の特徴ともいえる優しさや爽やかさがなく,まるで深い深淵を覗き込んだ時のような,得体の知れない暗い雰囲気を持った作品だった。
あらすじ: 北イタリアのトリエステに長距離バスでやって来たイレーナ(クセニャ・ラポポルト)は、貴金属商を営むアダケル家のメイドになる。家事を完ぺきにこなす彼女は、アダケル夫人から瞬く間に信頼を得るようになる。また、4歳になるアダケル家の娘テア(クララ・ドッセーナ)とも心を通わせ合うようになるが……。(シネマトゥデイ)
冒頭から,サスペンスタッチで綴られる物語。一番の謎はヒロインのイレーナの過去と,彼女がアダケル家に近づく理由だ。地味な黒い服に身を包んだ,ミステリアスな漆黒の瞳のイレーナ。フラッシュバックで挿入される映像からは,彼女が何らかの売春組織に囚われて,苛酷な人生を送ってきたことが想像されるのだけど・・・・。そして,アダケル家の一人娘テアと彼女の関係も,最初からおぼろげに予想はつくのだけど・・・。
東欧からの密入国する女性たちが陥る罠の中に,こんな非人道的なものがあるなんて・・・。人身売買,性の奴隷,そして代理出産と,生まれる子の売買。想像を超えた卑劣な悪の世界に絶句した。「売る」ための子供を12年のうちに9回も出産させられたイレーナ。彼女の「母性」はそのたびに踏みにじられ,人生はもはや修復不可能なほどに深い傷を負っていた。
これは,そんな想像を絶する試練を体験した女性が,奪われた「母性」を取り戻すための闘いの物語なのだろう。しかし,この作品,「母子の絆を描いた物語」であるくせに,単純にしんみりとした感傷にひたりながら観ることができない内容になっているような気もするのだが。
物語は,センチメンタルな要素より,サスペンスの要素の方が断然勝っている。イレーナの過去に関する謎は,かなり残酷で暴力的な描写が多くて圧倒されるし,加えて現在の彼女の身辺にも,怪しげな事件が次々に起こるので,そちらも目が離せない。
監督は,「子供の売買や売春組織を告発したいのではなく,あくまでも『母の愛の強さ』を描きたかった」と述べているけど,私は,母の愛うんぬんよりも,イレーナが囚われていた,売春組織の存在の方に,強烈な印象を受けた。
イレーナの辿ってきた人生って,平和な世界に生きてる私たちには,想像もつかない恐ろしいものだ。だから,まずその事実に「驚愕」したり「戦慄」したりするのに忙しく,そちらの方がどうしても強く心に焼きついてしまったのかもしれない。
それでも,イレーナがテアに抱く「母の愛」のゆるぎなさと,彼女に心を開いていくテアの愛らしさは,暗鬱な物語の中で,唯一神々しい光のような輝きをもって,胸に迫ってくる。
イレーナの「行き場を求めていた母性」は,テアに惜しみなく注がれ,テアもまた,それを全身全霊で受け止めたのだろう。女は,子供を「生む」だけで「母」になるわけではなく,「愛する」という行為を経て初めて「母」になるのだろうか。この二人の間に一度生まれた絆は,のちに衝撃の事実が判明してもなお,消え去ることがなかった。
イレーナを演じた女優さんは,ロシア系ということだが,まるでバレリーナのような優雅な美しさを持ったひとだ。回想シーンでは金髪だが,黒髪のほうがずっと似合っていた。恐怖,悲しみ,愛情,暗い情熱・・・・彼女は,さまざまな感情を,その美しい瞳に込めてしっかりと演じていた。
ひりつくような緊張の糸がずっと持続していた物語のラストに,ふいに訪れた,ほのぼのとした癒しのシーン。艱難続きだったイレーナの人生だけど,贖罪を終えた彼女に,やっと再生の光がさしこんだのだろうか。
まさか,この物語が,
このようなあたたかなラストになるとは。
ここにきて初めて,私はためていた息を深々と吐き出した。・・・・と同時に,じんわりとした涙が,ゆっくりとこみあげてきた。
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北イタリアのトリエステ。この街にやって来た一人の女性、イレーナ(クセニア・ラパポルト)。ウクライナ
出身という彼女の過去も、ここへやって来た理由も、誰一人知らない。やがて、彼女はある家族に
近づいていく。それは、貴金属商を営むアダケル家。そして偶然を装い、アダケル家のメイドに
なることに成功、夫婦の一人娘テア(クララ・ドッセーナ)の子守役も兼ね、次第に家族の信頼を
獲得していくが・・・。
なにも前知識なしで見たほうがいいな、... [続きを読む]
こんにちは!
トルナトーレ監督にしては陰うつで、暴力描写も多くて
ラスト近くまで空しくなる展開だったけど、
最後は涙がでてしまって、幸せな気分にさせてくれて
やっぱりこの監督さんの映画は好きですよ。
テアの輝く笑顔が最高。
マレーナもそうだったけど、女性をよく知ってますよね。
クセニャ・ラポポルトという女優さん、美しい人でヘアスタイルでがらっと印象かわるね。
投稿: アイマック | 2008年6月 1日 (日) 11時52分
アイマックさん こんばんは
TB,コメントありがとうございます。
>ラスト近くまで空しくなる展開だったけど、
最後は涙がでてしまって、幸せな気分にさせてくれて・・
ほんと,そうですね。
それまでが不毛すぎたので,ラストの救いが際立っていました。
あの場面のテアは,後光が差していましたもん。
やはり,「この監督らしいな・・・」と心がほっこりしました。
主演女優さん,姿も顔も美しくて,2時間ずっと見とれていました。
テアの子役の子も素晴らしかったです。
投稿: なな | 2008年6月 1日 (日) 20時13分
こんばんは!
コメントありがとうございました!
こちらからのTBは届きましたでしょうか??
DVDになったのですね?
試写にあたって観て来た作品ですが、いや素晴らしかったですね!
>奪われた「母性」を取り戻すための闘いの物語なのだろう...
そうなんですが...映像的にはかなり強烈でしね。
観た後どっと疲れた記憶があります。
>ふいに訪れた,ほのぼのとした癒しのシーン...
このラストまじでは泣けましたわ。
投稿: margot2005 | 2008年6月 1日 (日) 21時47分
ななさん、こんばんは。
私もななさん同様、「母の愛云々」よりも、あの売春組織の強烈さに辟易してしまって・・・。少なくとも、あそこまで描写しなくても・・・と思ってしまうのです。女性としてはああいうのは辛いですね。
ただ、ラストはホッとさせられますけどね。というか、あのラストがなければ本当に辛い物語ですから・・・。
投稿: mayumi | 2008年6月 2日 (月) 01時10分
こんばんは^^
私が大好きなニューシネマ~の監督でしたので、
思いも寄らないオープニングからまさかと
驚きのシーン連続でした(^^ゞ
サスペンスとしてドキドキとさせられながらも
あまりにも重い内容に、息苦しさもありました。
その息苦しさから開放されたのがラストのシーン
です^^ななさんの、息を深々と~とのコメントに
じんわりとした涙が~と言うコメントに、私もそんな感じだったなあと思い出しました。
テアは天使のようにかわいかったでね^^
マレーナは観たい作品なのですが未だに未見で(^^ゞ
そのうちに観たいです(^_-)-☆
梅雨時期になるので、アンブレラにしたのかな?
赤いアンブレラがすっごく素敵です^^
それに映画のブログって言う感じが
すっごくします(*^_^*)
投稿: ひろちゃん | 2008年6月 2日 (月) 01時14分
ななさん~こんにちは。その後体調の方はいかがでしょうか? 私も3週間ほど前に寝込んだばかりなのに、扁桃腺炎が完全に治ってなかったみたいで、またぶりかえして週末ダウンしてました。
>これに限らず,私の観たい作品は,近くで劇場公開されないことが多い
↑私もなのよ~~。酷いよぉ・・待ちくたびれちゃいますよね。お気持ち良く解りますっ!
私もあの組織の恐ろしさが一番印象に残った映画でした。ヒロインとテアちゃんとクルクルヘアが似てるので、すっかり騙されました(^^;)
投稿: latifa | 2008年6月 2日 (月) 08時39分
ななさん、こんにちは! コメントとTBをありがとうございました。
体調はもう大丈夫ですか?
お休み連絡記事にも、丁寧に個レスされていて心配していました。
まとめレスでも十分ですよ、ご無理のないように。。
この映画に描かれていた代理出産や子どもの売買って、事実なんですよね。。
あまりにも衝撃的でした。酷すぎる・・・。
同じ女として、考えさせられるものがありますよね。
謎も多く、なかなか消化するのに時間がかかる映画でした。
でも、こういう作品も嫌いじゃないです。
ではでは、また来ますね!
投稿: 真紅 | 2008年6月 2日 (月) 09時39分
ななさん、お加減いかがですか~~
これから暑くなりそうですし、のんびりまいりましょうね♪
>まさか,この物語が,このようなあたたかなラストになるとは。
ここにきて初めて,私はためていた息を深々と吐き出した。
こんなに後味の良い終わり方をしてくれるとは思っても見ませんでしたよね。だってあの二人の関係はああだったんですもの。
見終わったあと、心がじんわり暖かくなる感じでした。
>母の愛うんぬんよりも,イレーナが囚われていた,売春組織の存在の方に,強烈な印象を受けた。
ショックでしたね~
スラブ系の女性は美しいですものね。
先日試写会で見てきた「イースタン・プロミス」もこういう売春をつかさどるマフィアのはなしでしたが、これもすごく良かったですよ♪
そのうちレビューアップしますので(汗)覗きにいらしてくださったら嬉しいです。
投稿: jester | 2008年6月 2日 (月) 10時27分
こんにちは
TB&コメント、ありがとうございました
この映画は、映像も物語も、本当に痛々しかったです…
「マレーナ」もそうだったのですが、
女性が受けるリンチシーンは、
何度見ても、思わず顔をしかめてしまいます
唯一、救いだったのは、
やはり、あのラストシーンですよね
出来れば二度と見たくない映画ですが、
私の中に強烈なインパクトを残した作品でした
投稿: テクテク | 2008年6月 2日 (月) 12時59分
ななさん、こんにちは。
ななさんの記事で気持ちがぶり返した感じです。
でも、救われるラストである作品は、穏やかな気持ちで思い出せるので助かりますw
>恐怖,悲しみ,愛情,暗い情熱・・・・
迫真の演技でしたよね。見事に感情移入させてくれましたね。
投稿: たいむ | 2008年6月 2日 (月) 17時31分
こんにちは。
劇場鑑賞時はとっても大きい音と音楽に心臓バクバク;(爆)サスペンスなモリコーネはちょっとコテコテに思えちゃったりもして;どうも演出にはノレませんでしたわ;
でも物語的には、昨年日本で公開された映画は特に逞しい女性像が多かったのですが、本作もその女性の本質を追ったものの一つでとても共鳴度が高かった作品でした。
世界にはまだまだ私の知らないことがたくさんまかり通ってるんだなって思ったら心が痛みます。そんな事実を知らないではいられないというか、知ってしまったら何ができるというものでもないのですけど、この映画を観れた事に何かまた自然と感謝できるのでした。。。
投稿: シャーロット | 2008年6月 2日 (月) 21時53分
margotさん こんばんは
TBは無事に届きましたよ~,ありがとうございました。
これは,確かに感動する作品ではありましたし
よくみれば緻密にも構成されていて
見せ方がうまいというか,おっしゃるように見事な作品でしたね。
でも疲れる・・・というのもわかります。
主人公の運命があまりにも壮絶すぎて・・・。
ラストはほんとによかったです。
感動させかたのさじ加減が,絶妙でしたね。
投稿: なな | 2008年6月 3日 (火) 01時32分
mayumiさん こんばんは
たしかに,女性の立場で見れば
現代でもあんな女性の人権が蹂躙されている世界は
それが事実であったとしても,あまりまじまじとは直視したくはないですね。
本能的に拒絶感がわきます。
男性の鑑賞者はどう感じたのか興味もありますね。
あのラストがなければ,多くのひとに受け入れられない作品になっていたかも・・・。
投稿: なな | 2008年6月 3日 (火) 01時36分
ひろちゃん,こんばんは
ひろちゃんは,「ニュー・シネマ・パラダイス」がお好きなのですね。
あれとは180度異なる趣の作品でしたね。
私も,息を止めて観ていたから,息苦しかったですね,鑑賞中。
だからこそ,ラストの開放感,というか安堵感は心地よかったです。
テアはほんと,お人形さんのようでしたね。
舌足らずのイタリア語,語尾を伸ばす響きが愛らしいですね。
「マレーナ」もまた宝石のように美しい,そしてほろ苦い物語です。
残酷シーンも出てきますね。人間の心の醜さも・・・・。
トルナトーレ監督さんって,美しいものと,醜いものとを同作品の中に描くのが上手いです。
モニカ・ベルッチの美しさもまた必見です。
テンプレは梅雨仕様にしてみました。
真紅のアンブレラが似合う粋な女性をめざしま~す!(無理だって・・・)
投稿: なな | 2008年6月 3日 (火) 01時46分
latifaさん こんばんは
心配してくれてありがとうね~。
仕事に行くとやはり血圧が安定しないので
またお薬を変えてもらいました。そしたらやっと安定したかな・・・,やれやれ。
でもおかげで体重は減ってなんだか嬉しいです。
latifaさんも扁桃腺?あれは高熱が出ませんか?
けっこう癖にもなるので,気を付けてくださいね。
でも最近みんな体調崩してるなぁ・・・ブログ管理って案外エネルギー使うのかな~,一番いけないのは睡眠不足になることかな?(おいおいもう夜中の2時・・・)
で,この手の映画大好きなのに,ミニシアター系だから
まずうちの県の劇場には来ないですね。エンタメ優先だから。
DVD待ちの作品,まだまだ山のように待機してますわ。
投稿: なな | 2008年6月 3日 (火) 02時01分
真紅さま こんばんは
体調はまぁまぁ・・・といったところでしょうか。
万全ではないけど,職場のみんなに支えられて
何とか頑張っています。
ご心配おかけしました。優しい言葉,ありがとうございます
ところで,この作品の目を覆いたくなるような
売春組織のあれやこれやって,真実に近いのですか~~。
物語の感動よりも,その事実に驚愕したりして・・・
女性としては,許せない事実ですよね。
でも,私もこんな作品は嫌いじゃない・・・というか好きかも,です。
ではまたお邪魔しますね~!
投稿: なな | 2008年6月 3日 (火) 20時42分
jesterさん こんばんは
体調はなんとか大丈夫です。
そうですね~,暑くなると,またしんどいですぅ
夏は嫌い・・・
この作品,ラストの意外性がよかったですね。
あの二人の関係が,実は・・・なのに,
それでも深い絆が生まれていたというのが泣かせどころでしたね。
「イースタン・プロミス」は未見ですが,そういう問題を扱った作品って
いろいろ考えさせられるので,興味がありますね。
痛くても,同じ女性として知っておかなければいけないような・・・。
また記事をアップされたら,遊びに伺いますね!
投稿: なな | 2008年6月 3日 (火) 20時48分
テクテクさん こんばんは!
テクテクさんは,そう言えば暴力ものが大の苦手だと
お聞きしたような記憶が・・・。
「マレーナ」もそうですけど,女性に対する暴力的な描写が
この監督さん,容赦がなくて,意外だな~といつも思います。
ハードボイルド派じゃないのにね。
艱難に打ちのめされる弱者を描くのがお好きなのでしょうか?(サド?)
ラストの救いの秀逸さが,この映画に光を与えていましたね。
そこらへんは,さすが名匠!という感じでした。
投稿: なな | 2008年6月 3日 (火) 20時53分
たいむさん,こんばんは
感動がよみがえってきましたか~!
たいむさんは,イレーナに感情移入できたのですね。
私は感情移入はともかく,彼女の迫真の演技には
終始釘付けでしたね。
怒涛の展開の物語なのに,後味が言いようもなく穏やか・・・
大河ドラマのようなスケールの大きさも持った作品だったと思います。
投稿: なな | 2008年6月 3日 (火) 21時08分
シャーロットさん こんばんは
>サスペンスなモリコーネはちょっとコテコテ・・・
ふふふ,そう言われてみれば,音楽よかったけど,ちょっとクドかったかな・・・。
本来はサスペンス向けの音楽家じゃないですね。
>世界にはまだまだ私の知らないことがたくさんまかり通ってるんだなって思ったら・・・。
ほんとそうですね。アフリカが舞台の作品でもこういう戦慄を覚えるものが増えてきましたね。
でも東欧とかも,平和な日本人には想像もつかない犯罪が見逃されているんだなぁ・・・。
なんだか暗澹としちゃいますね。
投稿: なな | 2008年6月 3日 (火) 21時34分
こんにちは♪
その後お身体の調子はいかがですか?
テンプレが梅雨らしいものに変わりましたね!
昨年末に見たのですが、内容を思い出しながらレビューを読ませていただきました。
サスペンス性の強い話はとても好みです。
彼がかかわっていた組織については私も興味を持ちました。
女性という性がいろんな商売になること、とても哀しいです。
女は子供を産む性だから、男性が「父」になるよりはスムーズに「母」になれるはずなんですけど、それもやはり一気にってわけには行かないですよね。
徐々に、子供からも教えられて、「母」になっていくのかなと思います。
投稿: ミチ | 2008年6月 3日 (火) 23時13分
ミチさん,こんばんは!
おかげさまでお薬を変えたら,血圧も安定しました。
仕事中はどうしても無理はしてしまいますが
そんな日はPCを閉じて早めに寝ることを心掛けたいと思います・・・。
ところでこの作品ですが,同じ女性として
痛みややりきれなさを感じる点も多々ありましたが
母性とは・・・とか,いろいろ考えさせられて
それに私もサスペンスタッチの作品大好きなので
お気に入りです!
投稿: なな | 2008年6月 4日 (水) 22時20分
こんばんわ。
≫女は,子供を「生む」だけで「母」になるわけではなく,「愛する」という行為を経て初めて「母」になるのだろうか。
ああ・・・とても奥深い一文でございます。
私自身ね、子供嫌いだし、出産するつもりもいまだにないので、「自分には母性はない」と思っていたんですが。
でも母性の矛先って決して子供だけに向けられるものじゃないんですよね。好きな男性とか、動物とか・・対象がなんであれ、普通の愛情とは全く別物の感情が湧き上がってくる瞬間を、こんな私でさえ感じたことがある。たぶん、それが母性かもって思ったりして。
母の強さ、母性愛の深さを、ここまでダーキーなサスペンス要素と融合させてしまうあたりは、さすがトルナトーレ監督の手腕だなあと感じました。
素晴らしい1作だったと思います♪
投稿: 睦月 | 2008年6月 5日 (木) 23時11分
睦月さん こんばんは
おお,そうですね~,女性の潜在的に持っている母性って
なにも子供にだけ向けられるものではないですね,そういえば。
恋人にも,ペットにも,よく言えば報いを望まない,
悪く言えば暑苦しい愛し方をしてしまう時
わたしは自分の中に母性を感じてしまいます。
女性ならではの,特権というか,因業というか・・・。
女性であることが,嬉しいような,やっかいなような・・・。
>母の強さ、母性愛の深さを、ここまでダーキーなサスペンス要素と融合させてしまうあたりは、さすがトルナトーレ監督の手腕・・・
いろんな要素をつめこんでいたのに,うまくからみ合わせて,
ラストを爽やかに閉める・・・って,やっぱり名人芸ですね。
投稿: なな | 2008年6月 6日 (金) 01時11分
TB&コメント、どうもありがとうございました~
ほんと、イレーナ役のクセニャ・ラポポルトって
綺麗でしたよね~!私も金髪の彼女よりも、あの
くちゅくちゅ癖毛の方がずっと似合ってると思いました。
見てるのも辛いような過去があった彼女だけど
ラストは救われましたよね。
テアが彼女と過ごしたのは、ほんのちょっとの
間だったのに、その間がとても濃密だったんですよね~。だからあのラストに繋がったんでしょうね。
母があの後いなかったというのも、イレーナのことを
忘れずにこれた要因のひとつかもしれませんが。
(あ、でもお父さんがあの後再婚してないともかぎりませんね(^^;;) )
イレーナにもっと感情移入して見たかったという
自分がいた・・と思われ、そう言う作りになってなかったようなところが、わたしにとってはもうひとつだったかな~、と感じてしまいました。
が、最後まで惹かれて見ることができました♪
投稿: メル | 2008年6月 7日 (土) 12時21分
こんばんは
イレーネ役の女優さん、凄かったですね
>彼女は,さまざまな感情を,その美しい瞳に込めてしっかりと演じていた。
見てる側が彼女の表情だけで、今の感情を読み取れて
見事な演技でした!ブラボー
イレーネの人生は、真っ暗のまま、終わってしまうのかと思うと、悲しくなってしまったのですが
最後にあんな、素晴らしいプレゼントが用意されてる
なんて・・・見てる側も嬉しくて、目頭が熱くなり
救われて気がしました。
ただ、本当の母親は、可愛そうな(-_-)
トラバ2作品送ってみましたが、反映されなかったら
ゴメンなさい<(_"_)>ペコッ
リングの件ありがとうございます。
私、小躍りして喜んでます。こちらもリンクさせて
くださいね(^_^)v
投稿: アニー | 2008年6月 8日 (日) 20時14分
メルさん こんばんは
たどった人生が,自分には想像もつかないものだから
イレーナに感情移入って,私も難しかったかな。
目的のために手段を選ばない闘争的なところとかもね
あんな体験をしてないものには,共感できないですよね。
でも,彼女の演技から目が離せませんでしたね。
確かに黒髪の彼女の方が金髪よりずっと似合っていて美しかった・・・。
テアと彼女の絆が短期間であんなに強固なものになっていたのは
驚きでもあり,救いでもありました。
テアのパパは,奥さんと諍いが絶えなかったこともあるけど
イレーナに対して,思いやりの気持ちをずっと持っていましたよね。
もしかしたら彼は,イレーナが服役中,
テアの心からイレーナを消さないように
さりげなく配慮してくれたのでは?とも思いました。
投稿: なな | 2008年6月 8日 (日) 21時34分
アニーさん こんばんは
イレーナ役の女優さんの美しさと演技力が
この作品の大きな魅力の一つにもなっていましたよね。
ほんと,彼女の表情だけで心情が伝わってくるから
余計なセリフは必要なかったわ。
余計なセリフがなさすぎて,解けない謎も残りましたが・・・。
ラストは思いがけない贈り物のような感動でした。
あれほどむごい世界を描きながら,人間賛歌で幕を閉じたような印象すら受けました。
テアの養母はたしかに気の毒・・・災難に巻き込まれたようなものでしょう。
そちらにもリンク,ありがとうございました!
どうもお互いにTBは送信しあえない相性のようですが
コメントだけでも,素敵なおつきあいをお願いします。
投稿: なな | 2008年6月 8日 (日) 22時12分