奇跡のシンフォニー
見よ!この可愛さ!
(フレディ・ハイモア君ね)
音楽の天才(ほとんど神童に近い)の家なき子物語。と~っても純真で,かわいらしくて,優しいお話ではありました。ただし,期待してたほど,泣けなかったけど。(実はちっとも泣いてない)
あらすじ: 孤児院で育ったエヴァン(フレディ・ハイモア)には豊かな音楽の才能が備わっていた。ある晩、エヴァンは不思議な音を追い、施設からマンハッタンへと導かれる。さまざまな出会いにより、エヴァンの音楽の才能は開花。同じころ、離ればなれとなっていた両親も、それぞれの思いを胸にニューヨークへと赴いていた。(シネマトゥデイ)
ハイモア君演じるエヴァンは,演奏が上手い,とかいうレベルじゃなく,自然に心に音楽が湧きあがるようなモーツァルト級の天才らしい。身の周りのあらゆる音が,彼には音楽に聞こえ,誰に教わらなくても,どんな楽器でもいつのまにか弾きこなす。
彼の両親もまたミュージシャン。
母のライラ(ケリー・ラッセル)はジュリアード出身のチェリスト。父のルイス(ジョナサン・リース・マイヤーズ)はバンドのヴォーカリスト。彼らはロマンスに導かれて一夜を共にした後,別れることを余儀なくされるが,ライラはすでにエヴァンを身ごもっていた。出産は演奏活動の邪魔になると考えたライラの父は,交通事故で早産したエヴァンを,ライラには死産と告げて勝手に施設に預けてしまう。
今でも愛しているかつての恋人が自分の子供を産んだことを知らないルイス。自分の産んだ子が死んだと思っているライラ。そして,いつの日か両親に巡り合えると信じているエヴァン。
巡り合うべき家族である彼らは,いつどのようにして出会うことができるのか。賜物として天から彼らに与えられた音楽は,どのような再会の奇跡を起こすのか。まるで「君の名は」のような,はたまた韓国ドラマのような,出生の秘密と,やるせないすれ違いが描かれていたのだが・・・。
エヴァンの音楽の才能が認められていきなりジュリアードで成功って,いくらなんでも不自然・・・とか,エヴァンもライラもルイスも,純情すぎて嘘っぽいとか,耳に残るほどの曲がなかった(あくまでも私の場合)とか,細かいところはけっこう気になった。(あと,ハイモア君のギターはうまかったけど指揮はイマイチだとか・・・)
一番じ~~んとしたのが,街角でギターを弾いてるエヴァンと,ルイスが互いのことを知らないままギターを通した交流をする場面。
父子ということはお互いまだ知らないのだけど,心が通じ合って二人でハーモニーを奏でるさまは,胸が熱くなった。ここは場内でも,鼻をすする音がたくさん聞こえたなぁ。観客はおばさま連中が多かったし。・・・・え,私?いや,ここでもやっぱり泣くほどではなかった。
ジョナサン・リース・マイヤーズは,アクの強い役が多いし,またそれが似合うのだけど,この作品の彼は,爽やかで一途で,程よい哀愁も感じられて,素敵だった。彼自身,わけありの子供時代を送ってきたから,この作品にはもしかしたら思い入れがあるかもしれない。それにしても,彼は歌もギターも上手い。(歌い方はちょっと癖があるけど,そこがまたいい。)
ロビン・ウィリアムズが,「オリバー・ツイスト」のフェイギンのような,家なき子たちの面倒も見ながら食い物にもしているストリート・ミュージシャンを演じていて,異彩を放っていた。いまいち説明不足のキャラではあるが,さすがの貫録で作品を締めていたと思う。
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