MY FAVORITE BLOG

BBM関連写真集

  • 自分の中の感情に・・・
    ブロークバックマウンテンの名シーンの数々です。

« グレイズ・アナトミー,観始めました | トップページ | 映画・俳優・雑記 索引 »

2008年4月20日 (日)

イノセント・ラブ

Cap037
原題は「この世の果ての家」。そのまま訳せばいいのに,どうしてこんな,内容と合ってない陳腐な邦題をつけたのだろう。
性別を超えた愛とは,家族とは,死とは・・・・
いろいろ考えさせられる深い深い作品。原作はもっと深いそうだが,未読なので映画から受けた印象しか語れない。

ジョナサンとボビー。
彼ら二人の間の絆や,はぐくまれた愛情とは,いったいどんなもので,どのような旅路を経て,どんな終着点を迎えたのか。冒頭からラストまで,私はずっとそのことばかり考えながら,切なく物語を追っていった。

Cap003
ジョナサンはゲイで,少年時代からずっとボビーを愛していたと思う。ひとつの家で,兄弟のようにいっしょに過ごした少年時代から,死ぬまでずっと。
そしてボビーは・・・・・。ボビーの愛は,果たしてジョナサンと同じものだったのだろうか。確かに少年時代に,ためらいがちに肉体的な接触を求めてきたジョナサンを,ボビーは拒むことなく受け入れる。

しかし,数年間の別離を経て,成長した二人が,ニューヨークで再び同居を始めたとき,昔の関係を「覚えてるかい?」と遠慮がちに尋ねたジョナサンに,ボビーは「あの時は,子供だったからね」と,さりげなくはぐらかす。それを聞いたジョナサンは,ボビーにそれ以上肉体的な関係は求めず,ゆきずりの相手とアバンチュールを繰り返し,ボビーがクレアと恋仲になってからは,二人を残してアリゾナへと去る。
Cap016
二人の男性を愛したクレア

奇抜なファッションやメイクで装いながらも,無尽蔵の包容力を持った,懐の深い女性。彼女がまず愛したのはジョナサンで,その愛が報われないことを知って,ボビーを愛するようになる。子供が生まれてからは,ボビーとジョナサンと3人で,子供のために新しい家庭を築こうとするが,結局,彼らの間の絆には入り込めないことを悟った彼女は,子供を連れて去ってゆく。

傷つきやすい子犬のような瞳の,ピュアで優しいボビー。
ボビーという人間を理解するためには,きっと彼の生い立ちを考慮する必要があるのだろう。たてつづけに愛する肉親を失った孤児のボビー。彼が内面に抱える孤独感は,いかほどのものだったのか。
Cap022
彼の人生は,ずっと自分の「居場所」探しの旅だったろう。クレアが彼のことを,「どこへ行っても,何をしても生きていける器用なひと」と評したけれど,どんな形の器に入れられても,自在に形を変えて満たすことのできる水のように,寄る辺のない境遇のボビーもまた,どんな相手にでも寄り添って生きてゆける順応性を,身につけざるを得なかったのだと思う。

だから彼はあんなにも優しく,あんなにも控えめで優柔不断だったのではないか。ひとりぼっちになりたくないから,相手との関係を崩したくないから。

ボビーはゲイではないように描かれているが,ジョナサンへの愛は,私には,単なる友情や兄弟愛を超えているように思えた。彼は成人になってから同性愛行為の経験はないので,肉体的にはノンケのようだけど,精神的にはゲイに近いものも持っているのでは?とも思う。
Cap005_2
ジョナサンを抱きしめて踊るボビー。「兄弟のキスだよ」といってジョナサンにくちづけするボビー。あれは,単なる優しさゆえだとは思えない。彼もまた,葛藤していたのだろうか

ボビーと,ジョナサンと,クレア。
世界の果てに,彼らだけの理想の家庭を作ろうとしたこの三人は,いっしょにいて,互いに慈しみあいながらも,それぞれが,やるせない片思いを抱えているように感じられて仕方がなかった。

ジョナサンのボビーへの愛。思いとは裏腹に,踏み出せないままの切ない関係。そして,クレアのジョナサンへの報われない思い。・・・・二人の間で揺れるボビー

どんなときも相手に合わせているようにも見えた彼は,ジョナサンとクレアの,どちらも愛していたのだろうか。「私と一緒に来る?」というクレアの誘いを断ってジョナサンとの人生を選んだボビーは,やはりジョナサンを一番愛していたのだと思う。

二人の間の愛は,きっとひとくちには言えない,複雑でいろんな要素の絡み合ったものかもしれない。ジョナサンがクレアに「あなたの本命はボビーでしょ?」と問われたときに,ジョナサンが「・・・そんなに単純じゃない」と口ごもったように。
Cap033 
紆余曲折を経た二人の愛は,「この世の果ての家」に静かな終着点を見出したのだろうか。暮れなずむ雪景色の中,二人の家の窓のあたたかな光が,いつまでも優しく切ない余韻を残す。

たとえ,どんな愛し方でもいい。常人には理解できなくても,そこに存在するのが愛であり,100組の恋人たちがいれば,100通りの物語があるのが愛である。そして,あらかじめ愛し合うように運命づけられた二人,というものもまた存在するものだと思うから。人間の作ったルールに当てはめることができないのが愛というものではないだろうか。
この美しく騒々しい世界には,
そう,どんなことも起こりえるのだ。

« グレイズ・アナトミー,観始めました | トップページ | 映画・俳優・雑記 索引 »

映画 あ行」カテゴリの記事

コメント

 ななさん、こんばんわ~
 とても好きな映画だし、この時のボビー役コリンは作者の理想であったように?僕の理想でもあります。こんなにゲイ(ジョナサン)を理解してくれるノンケって少ないんですよね、でもたま~にいたりするようです。ボビーは確かに肉体面ではゲイかバイですが、精神面ではどうなんでしょう?性別を超越して人を愛せるタイプじゃないでしょうか?優しいんですよ、ボビーは・・・この優しさが嫌いな方もいるんでしょうが、僕には理想です、何か優しく包んで、頷いてくれる感じが、でもジョナサンは辛かったのかな?ノンケなのに自分に優しい、でもやはり肝心なところはノンケらしくかわす、やはりいくらボビーが優しくても「どこか違う」ことに気ずいてしまうんですよ、きっと。クレアも入れた3人が一時過ごしていた時は幸せそうだったのに・・・でもクレアもやはり「違和感」を感じたのでしょうね。あとローラ・ニーロの音楽も良かったし、映像もキレイでした。好きな映画です。
 ところでフジTVの「ラストフレンズ」というドラマご存知ですか?僕は宇多田ヒカルの主題歌が気に入って初回を見たのですが、何と女の子同士のキスシーンがあり(といっても一方的でしたが)、びっくりでした、しかも第2回目には劇中ヒースの「キャンディ」が映ったらしいのです(2回目は見れなかったのです)どうです、何か見たくなりました?
 

イニスJr さん こんばんは

「ダブリン上等!」とは180度反対の繊細で優しいコリンも,確かによいですね。
この作品,すごく惹きつけられるし,鑑賞後の切なさと深い余韻はBBMと似てなくもないんですが,とにかく,「あの二人の愛は何だったんだろう」と考え出したらキリがなかったです。特にボビーのキャラや,彼がジョナサンをどんな風に愛していたのか・・・という点が。
ボビーは性別を超えて愛せるタイプ・・・というのは正解かもしれませんね。ジョナサンのママにも,愛や癒しを与えていましたもん。どうしてあんなに優しいのか?きっと彼の「孤独感」からきている優しさなのかもしれませんが,生来のものもあったのかな?私も,ボビーのようなタイプは好きです。ただ,みんなに優しいから,独占できない気がしたり,たまには本音を言ってほしかったりするかも。
ジョナサンは,彼と一体になれないことは,辛かったと思いますよ。クレアとボビーの関係も彼にとっては,実はとっても辛かったかも。私はジョナサンにもかなり感情移入して観ていたから,最後にボビーがジョナサンを選んでくれたのは嬉しかったですね。
「ラストフレンズ」は宣伝をどこかで見た覚えがありますが女の子どうしのキスはともかく,ヒースの「キャンディ」が出たのは興味ありますね~~。

 もう寝なきゃ!の時間ですよね~
 「クローバー・・・」と「LOST」の制作にJ・J・エイブラハムが関わってるらしいです。「クローバー・・・」はとにかくオススメなので機会があればぜひ!なるべくDVDでなく劇場鑑賞をオススメしますが・・・

イニスJr さん
そう,「もう寝なきゃsleepy」の時間です。
「クローバーフィールド」,劇場で観ないと迫力が100パーセント体験できないみたいですね~。
29日あたりにやっと劇場に行けそうなので,鑑賞候補のトップに入れておきます!情報,ありがとうございましたhappy01おやすみなさい。

こんにちは! 子ども二人が、幼稚園に通うようになったので、この時間が、ママのフリータイムです♪(たいていPCをいじってる)
夜中に起き出さなくても良くなったので、健康にもいいでしょう、多分。

拙記事にコメント&TBありがとうございました。
こちらからも、TB送信してみましたが、届きましたでしょうか?(汗) あまり人目について欲しくないような記事なのですが、一応...(; ̄▽ ̄)ゞ

そうそう、ななさんはお疲れ気味ということですが、大丈夫ですか? やはり仕事をしていると、精神的にも肉体的にも疲れるでしょうね。

さて、この作品はゲイの男とそうでない男の微妙な関係性を描きつつ、人生についても考えさせられるものがあって、いい作品だと思います。

ボビーは、間もなくジョナサンを失うと知りつつ、寄り添って生きていきますよね。人間は魂と魂で結ばれるけれど、肉体は有限で、ボビーの癒しがたい孤独を考えると、痛々しく感じます。

『フィラデルフィア』を最近見たのです。こちらはトム・ハンクスがジョナサンのような立場で死を迎えるわけですが、どこまでも愛しつくして寄り添っていたアントニオ・バンディラスの姿が印象的でした。

愛する人を失うことは、本当につらいし、その後の喪失感は、大変なものがありますよね。

ヘンなコメントでごめんなさい。ではではまた。 (*^^*)/~

ゆきちさん,こんばんは
お子さん,お二人とも幼稚園に通われるようになって
昼間はずいぶん一息つけますね~~
小学校入学も,あっという間にやってきて,少しずつ手が離れていって,ママは楽になっていきますね。
ゆきちさんのリラックスタイムも,昼間になってなによりです。

私は精神的にはそんなに大変ではないですが,肉体的に疲れる仕事内容になりました。sweat01
朝がなかなか起きられないです。(起きますけどね。しかたなくsweat02

この作品は,複雑な心の繋がりや,すれ違いが,とても切なく,何度でも観たい作品です。(とはいえ,2回しか観てないけど)
きっとこれからも何度も観なおすだろうと思います。
「フィラデルフィア」・・・懐かしい。トム・ハンクスがゲイを演じた作品なんて,貴重ですよね。
観た記憶はあるのですが,大昔すぎて,あらすじをすっかり忘れてますけど,機会があったら再見したいですね。
ハンクスの恋人役って,バンデラスだったのか~~coldsweats02・・・・・・似合う!

こちらにもお邪魔します。

激しい役柄があるかと思えば、こんなピュアな役柄も似合うコリン、巧いですねぇ。
わたしはファンじゃないけれど、
この作品や『ジャスティス』『タイガーランド』のような静かな役柄の彼は好きです。

長編小説を深々と読んだような、たくさんの思いが胸に残り、
何かの拍子にふと、いくつかの場面を思い出すような、
未公開なのが残念な、本当にいい作品でしたね。
この邦題、安っぽくて合わなさすぎです。。。

悠雅さん TBありがとうございます
わたしもコリンのファンではなかったのですけど
イニスJrさんの影響でしょうか,最近なんとなくファンのような気持ちが・・・・
未見の彼の作品を制覇してみたいと思う今日このごろです・・・confident
(『ジャスティス』も,『タイガーランド』も未見です。)
静かなコリンも,やんちゃなコリンもどっちもいいですね~~。
この「イノセント・ラブ」,未公開だし,内容と合ってない邦題はつけられるし
ほんともったいないですよね。
原作がいいから,映画もきっとこんなに素晴らしいのだろうと思うと
そのうち原作も読んでみたいです・・・・。


コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/447026/20395183

この記事へのトラックバック一覧です: イノセント・ラブ:

» イノセント・ラブ [悠雅的生活]
この美しく、猥雑な世界で… [続きを読む]

« グレイズ・アナトミー,観始めました | トップページ | 映画・俳優・雑記 索引 »