愛する人を亡くす/ブロークバックマウンテン番外編3
愛する人がある日突然,,この世を去ってしまったら,どんな気持ちがするのだろう。
ヒース・レジャーにとっては,一介のファンにすぎないわたし。それでも,彼のこれからの活躍をどんなに楽しみにしていたか。これまでの作品の中では,彼に会えても,これから未来に向かって羽ばたく彼を,応援することは もう叶わない。 あまりにも早すぎた彼の死に 残されたものは,ただ呆然とするしかない。ヒースの家族や,友人,知人たちのショックと悲しみは,どれほどのものだろう。・・・・・特にジェイクは,どんなにか辛いだろうな。
愛する人が,ある日突然いなくなる。
明日も,そしてあさっても,ずっと一緒だと思っていた絆が,いきなり 予告もなしに断ち切られる。どんなに望んでも,もう二度と会えないのだという哀しすぎる現実に 言葉を失う。
最後に会ったときに交わした会話や,表情などをくりかえし反芻しながら,「ああしてやれば,よかった。」「こうしてやれば・・・・」と,忸怩たる思いに包まれる。
BBMの物語の中で,ジャックの死を知ったイニスの気持ちもきっと,こんなものだったのかな。
この時のイニスの気持ちを,これまでさんざん想像したり,記事に書いてきたりした。そして,ある程度わかった気になっていた。しかし,実際にヒースに死なれてみて初めて,今まで私が思い描いていた悲しみは,絵空事にすぎなかったと悟る。
訃報を聞いてから,ジャックの実家を訪ねる決心がつくまで,イニスはどれくらいの時間を要したのだろう。眠られぬ夜に,どれほど涙を流したのだろう,ジャックのために。後悔の思いも湧いただろう。特に,最後の会話があんな哀しいものだっただけに。
取り返しのつかない思い。
それは今回のヒースの死に対して,私たちも抱かずにはいられなかった思い。ちょっとした心遣いがあれば・・・・そしてちょっと運があれば彼は死なずにすんだのではないか。もはや思っても仕方のないことだけど。 それでも時が巡るにつれて,
歳月は悲しみを静かに癒し,思い出はやがて,いつまでも朽ちることのない美しい宝物となる。クローゼットの中のシャツに触れながら,誓いのことばを静かに囁くイニスのように。
今は悲しみに暮れる私たちにも,そんな日が必ず訪れるに違いない。その時が来るまで,ある時は涙し,ある時は静かに思いを巡らせながら,彼のことを悼み続けていこう。
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