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2007年12月 3日 (月)

フランシスコの二人の息子

Cap369
なんてパワフルで愛すべき物語だろう。
鑑賞後に 心地よい余韻の残る作品はたくさんあるけど,この作品からは,まるで大地のような素朴な力強い温かさを感じる。これは,ブラジル音楽界きってのトップ・アーティスト,ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノの半世記を綴ったもの。彼らの父フランシスコが,息子たちをミュージシャンにするまでの物語だ。

彼らの故郷は,ブラジルのゴイアス郡の とある田舎の村。今の時代と思えないほど,本当に何もない,電気さえない,(学校さえ初めはなかった)素朴なブラジルの農家の暮らしに まず驚いた。フランシスコはこの村の貧しい小作人で,音楽をこよなく愛し,家の中はいつもラジオから流れる歌声が満ちていた。

彼は,長男のミロズマルと次男のエミヴァルを,うだつのあがらぬ小作人で一生を終えるのではなく,カントリー・デュオの歌手にしようという夢を抱く。そしてフランシスコ父さんは,食べていくのが精一杯の暮らしなのに,無理してでも子供たちにアコーディオンとギターを買い与える。
Cap363
面白いなあ,と思ったのが,フランシスコ父さんは音楽好きだけど,音楽を教える手だても,才能も全くないこと。どうやって教えるのだろう?と思って見ていたら,毎朝ナマタマゴを丸飲みさせてひたすら歌わすとか,ものすごい自己流。楽器に至っては,兄弟たちは まったくの独学で習得したから凄い。やはり,四六時中ラジオでも何でも,音楽を聴いて育つと,音感もよくなるのだろう。いや,こんないい加減な方法でも芽が出たのは,やはり生まれつきの才能だろうなぁ。

二重唱のことをデュエットというけど,ブラジルではこのデュオが人気の音楽なんだって初めて知った。二人の兄弟が歌うカントリー・デュオは,セルタネージョという,情緒的な旋律と,郷愁を誘う歌詞の音楽。ミロズマルもエミヴァルも,演技は初体験の少年たちというから驚く。歌は本人たちが歌っているのだろうか。

Cap356_2
映画「コーラス」のモニエ少年の声の魅力は,透明感と清らかさだったが,こちらのミロズマルの声の魅力は,込められた情熱と艶だ。どちらも一度聴いたら忘れられないくらい,見事な声である。特にこの兄弟のデュオは,力強い主旋律の兄の声に,弟の声がぴったりと寄り添って,まるで一つの声のように豊かに響き渡るのが心地良い。

村の祭りのイベントでのステージ。家計を助けるためのバスターミナルでの路上ライブ。エージェントのミランダに連れられての巡業。兄弟は様々な体験を通して確実に才能を伸ばしてゆく。音楽で身を立てるというのは,確かにフランシスコ父さんの意志でスタートしたのだが,ミロズマルもまた,音楽に対して,並々ならぬ愛と情熱を持っていたと思う。歌っているときの,そしてアコーディオンを奏でているときの彼の幸せそうな顔や,聴衆に認められ,父さんに喜ばれた時の誇らしげな顔を見ていると,フランシスコ父さんが息子のために選んだ道は,間違っていなかったんだなと思った。

それでも,この一家の上に次々と悲劇は襲いかかる。貧困,病気,自分の選択が子供たちにとってよかったのかという親の迷い,・・・・そして最大の悲劇はエミヴァルの事故死

ええ~?兄弟の片割れが死んじゃったらどうなるのよー
と,我が目を疑った。兄に比べたら,嫌々ながらこの道に進んだところもあった,ナイーブなエミヴァルが哀れだった。フランシスコ夫婦の嘆きと,片方の翼をもがれたようなミロズマルの哀しみ。音楽を捨て去る決心までするミロズマルだけど,時が心の痛みを癒すと共に,再び彼はアコーディオンを手に取れるようになる。そうそう,辛いだろうけど,アナタには音楽があるのよって,フランシスコ父さんに代わって言ってあげたくなった。
Cap379
で,エミヴァル亡き後,現在活躍しているゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノって,ミロズマルと,一体だれ?と思っていたら,10歳も年下の弟のウィルソンが後釜をつとめたわけで。それでも,初めはレコードの出版のめどがたたなくて,失望と挫折の苦しみを味わっていた彼らに,道を開いたのは,やはりこの時もフランシスコ父さんだった。

息子への愛と,不屈の精神と,型破りのアイデアが炸裂。
知人や通りがかりの人や同僚にコインを渡して息子の曲をラジオにリクエストさせる作戦。給料を全部コインに替え,してやったりと笑うフランシスコ父さんからは,いささか過保護で強引だけど,今の日本ではお目にかかれなくなった,
アツイ父親像の魅力を感じた。

最後に,ご本人たちのライブの様子も収録されてて,その聴衆の多さと熱狂ぶりに度肝を抜かれたが(ホントにカリスマ的なアーティストになったのね・・・・)ここに至るまでの彼らの決して平坦ではない道のりを今一度思い返すと,やはり熱い感動がこみ上げてきた。

ミロズマルが夢を叶えるために,ひたすら前進できたのは,フランシスコ父さんの執念や,エレナ母さん,弟妹たちの支えがあったから。物が豊かになった国では,忘れ去られがちな家族の絆や,家長としてのありかたを,この映画で見せてもらえた気がした。

余談ですけど,フランシスコ父さんも,ミロズマルも,エミヴァルも,(実物じゃなくて,役者の方ね)とても美形でした。

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コメント

ななさん~こんばんは!
うふふ~☆ やっぱり、ななさんも、あの息子2人、そしてお父さん、なかなか美形だって思われたのね~~~~(*^_^*)
そうなのよー!!もし、あの少年2人が、不細工だったら、たぶん、ここまで感情移入はできんかったかもしれん。
そして、あの父も、同様。
でも、あの少年が素人とはね・・・。いやはや、ブラジルには、素敵な一般人が、わんさかいそうだわ~。是非行ってみたいものです~(*^_^*)

この映画での少年の歌声、コーラスの時とはまた違った意味で、胸に響くというか、ガツンと来ました。大人になってからの歌声よりも、少年2人のハーモニーが特に良かったわ。
滅多に、ブラジル映画とかは見れないし、物珍しさもあって、なかなか楽しんで見れました♪

latifaさん,こんばんは。
>あの少年2人が、不細工だったら、たぶん、ここまで感情移入はできんかったかもしれん。
うわ~正直!でも言えてる。二人とも,目力が凄かった。あの兄役の子,「歌が歌いたかったから応募したけど,演技はまったく初めてで・・」とかコメントしてたから,きっと歌もあの子自身の声なのだと思う。少年なのに,爽やかな色気が声にあって,当分あの声は耳について離れません。
弟もだけど,ちょっと陰のある感じがいいね。
父ちゃんは,セクシーで,男らしい美形だったし。
ブラジルって,サッカーしか知らんかったけど

あら,途中で送信おしちゃった。(←馬鹿)
で,続き,サッカーしか知らんかったけど
なかなか魅力的な国ですね。特にブラジルの音楽にこれから
注目しそうです♪
あ,もちろんブラジル美男子にも。

こんばんは。TB&コメント、ありがとうございました。
破天荒なフランシスコだけれど、息子に対する想いがすごく伝わってきました。悲劇もあったけれど、それを乗り越えてあそこまで有名になった息子達は彼にとって誇りだろうし、逆に息子達にとっても、父親は自分達を導いてくれた人なんだろうなーと、ラストのコンサート風景を見て思いました。
あと確かに、出演者、皆美形揃いでしたねー。私の好みはパパさんです。

mayumiさん おはようございます。
ラストシーン,兄弟と両親が抱き合って涙を流すライヴのシーンは
私も泣けてきました。その時の歌がまたよかったですね。
親子,家族って,なんていいものだろうと思わされましたね。
日本にも,子供に自分の夢を託して英才教育する親はたくさんいますが
フランシスコはひと味もふた味も違うのよね~。

mayumiさんもパパさんが好みですか。うふふ,パパさん,人気ですね。
私はミロズマル君かな?彼は美しく情熱的な若者に成長しそうです♪ 

苦しい生活の中、最終的には頑張って成功して行く
ストーリーだと思ってたんですが、ある意味それはそうでしたが、途中であのような事故があるなんて、想像してなかったので、ビックリでしたし、悲しかった・・
お兄ちゃんや家族の悲しみはいかばかりかと・・。

おっしゃる通り、もう日本ではなくなったのでは?と
思うくらいの家族の絆と家長のありかたなどがしっかり
描いてありましたよね。描いてあった・・と言うよりも
実話ですもんね。重みも違いますよね。

歌声の素晴らしさにうっとり、あの少年たちの可愛らしさにも
うっとり、とても素敵な映画でした♪

TBどうもありがとうございましたm(_ _)m

今晩は、「ラ★バンバ」もそうだけど実在したもしくは実在する
方達の人生を描いた作品は素晴らしいですね、この作品でも二人の
デュオが完成するまでが実に重かったです。
今では成功して国民的スターになった二人だけどそれまでの道のりは
決して平坦でははなかったことがわかりますね・・・

ブラジルはフットボールのイメージがあるんですが・・・この親子は音楽に一生懸命で個人的にはすごく嬉しい♪笑
歌がホント上手でしたよね。子役ちゃんたちブラボー♪
ブラジル映画はたまにしか目にしないですが、結構いい映画があったりしますね。今年もブラジル映画祭では数本見ました。

メルさん こんばんわ
私も まさか,あの可愛い弟が死んじゃうなんて予想もしてなかった。
エミヴァル君は,一番最初から,辛い巡業の時期もお兄ちゃんと頑張ってきたのだから,
今の栄光も味わってほしかったなぁ。
この映画は,家族はエミヴァル君に捧げたい思いもきっとあると思います。
実話ですが,そう思えないくらい,波瀾万丈でしたよね,この一家の物語は。
世界一,素敵な家族ですね。でもやっぱり,鍵となるのは父親と母親なんでしょうね。

せつらさん TB,コメントありがとうございます。
実話のすばらしさは,作り物ではない感動が込められているということですね。
実際に,こんな素晴らしいことがあったんだ,という驚き。
人生も,捨てたもんじゃないと思う瞬間です。
俳優さんも,実物に雰囲気が似てる人を起用していましたね。
そりゃ,俳優さんの方がみんな美形ではありますが・・・。
そう言えば,フリーダム・ライターズも実話でしたね。

シャーロットさん こんばんわ
これまでは南米音楽はみんな同じに聞こえて,区別がつかなかったのですが(汗)
これからはデュオを聞く度にこの映画を思い出すでしょうね。
サウンドトラックも買おうかと思いましたが
歌っているのが成人したご本人たちなんですね。
それはそれでいいのですけど
あの子供時代の声が聞きたいなあ・・・。
バスターミナルで歌った歌声が,今も耳に残っていますよ。

子役ちゃんたちも美系でよかったし、音楽もなかなかよくて、拾い物の1作だったと思います。
悲しい事が入っているのも映画の楽しさの中では必要なんだと思いました。

chikatさん こんばんは
そうですねー,案外皆さん観てらっしゃらない作品ですけど
勿体ないですね~。沢山の人に観てもらいたいですよね。
ブラジルの音楽についても触れていただきたいし・・・。
監督さんも,これが初監督作品だというから、驚きです。

ななさん、トラコメ有難うございました★
これからも宜しくお願いしま~す♪

X’MAS仕様で素敵なテンプレートですね。
私は変えないまま年を越しそうです(笑)

少年時の役を演じた2人がとても上手かったですね(^.^)
歌もとっても素晴らしかったですъ( ゜ー^)イェー♪


とんちゃんへ お越しいただきありがとうございます♪
こちらこそ よろしくです。
テンプは季節ごとに変えたりしています。
(落ち着きのない性格なもので・・・)
少年役の子供たち,演技が素人だなんて思えませんでしたね。
繊細な表情は,もしかしたら素なのかも知れませんが・・・。
歌もメロディがシンプルで,かえって訴えかけてくるものを感じましたね。

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