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2007年12月17日 (月)

「危険な情事」と「運命の女」

エイドリアン・ラインの世界Cap038 実はこの二つの映画,ものすごく好きだ。二つとも、描かれているテーマは 不倫とその代償について。

「危険な情事」で描かれているのは夫の不倫,
「運命の女」の方は妻の不倫


かなり間隔を空けて 製作されたにも関わらず,この二つの作品は まるで対のような面白さがある。設定の共通点も多い。どちらの物語も,夫たちはエリートといってもよい成功した職業を手にしていて,夫婦は,何不自由のない幸せな暮らしをしている。「危険な情事」のダン(マイケル・ダグラス)は弁護士だし,「運命の女」のエドワード(リチャード・ギア)は会社社長だ。

美しい妻たち(アン・アーチャーと,ダイアン・レイン)と愛くるしい子ども。夫婦仲もよく,不倫の原因も,配偶者に対する不満や愛の欠如からではない。いわゆる出来心,魔が差したというやつか。
Cap041 「危険な情事」で ダンが浮気をしたのは「一夜限りの情事」のつもりだった。相手のアレックス(グレン・グローズ)は,クールで大人の魅力あふれる女性に見え,彼女となら,割り切った関係が持てると考えていたのだ。ところが,それはとんでもない間違いで,ダンが関係を清算しようとすると,アレックスはみるみる豹変し,まるで狂ったように執拗にダンを求め始める。

この映画が公開された当時は,確かストーカーという言葉は一般的でなかったような気がするから,アレックスのダンへの執着ぶりや,異常な行動(特に覚えているのはダンの娘の兎を鍋で煮るシーンとか)は,観客の目にはすごく衝撃的に映り,これまでにない恐怖を覚えたことだろう。
Cap043  一方,「運命の女」で夫を裏切る妻のコニーは,買い物先で強風にあおられて転び 手当をしてくれた若者ポールと関係を持つ。彼女もまた,それまでは夫を愛し,子供を愛し,人生に何の不満もなかった。彼女は特に浮気っぽいタイプには見えないのに,そして夫とも愛し合っているのに,若い恋人のミステリアスでセクシーな魅力に惹かれる気持ちを,抑えることができない。そしてこの物語にもまた,悲劇が訪れる。真実を知ってポールを訪ねた夫が 衝動的に彼を殺害してしまうのだ。

二つの物語は,いずれも 偶然の出会いと一瞬の気の迷いが平穏な人生の歯車を狂わせてゆく恐ろしさを描いているが,もしかしたら自分の世界でも起こりそうな出来事,犯しそうな過ちに,観客は人事とは思えない怖さを感じ,その代償の大きさに戦慄する。

どちらにも,可愛い子ども(危険~は女の子,運命~は男の子)が登場するが,父や母の情事のツケがまわってきて,家庭が崩壊を始めると,「一番の被害者は子ども」だということも,感じ取れるような演出がされている。(どちらの子も まだ小さくて素直ないい子だから,余計に痛々しく感じるのだ)

ほんの少しの選択の過ちが,堅牢だと思っていた夫婦の絆をいとも簡単に脅かす。誰の心にもある人間としての弱さと,それが原因で引き起こされる悲劇。スタイリッシュともいえる,美しく洗練された映像の中で,描かれる世界は やけに生々しく,辛辣でクールである。
Cap055 二つの物語は,最後に夫婦の絆が修復されるのが,一応救いにはなっている。「危険な情事」は,夫婦で力を合わせてアレックスを撃退する。「運命の女」のコニー夫婦の場合は,もっともっと切ないラストだ。

しかし,この二つの物語,セットにすると
最強の不倫防止映画である。

これから結婚しようとするカップルが鑑賞するのもよいだろうし,「もしかしたら夫(妻)が浮気してるかも・・・」と疑わしいときに,適切な方を選んで,相手にわざと鑑賞させるのも いいかもしれない。

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映画 か行」カテゴリの記事

コメント

危険な情事はだいぶ記憶が薄れかけておりますが
「運命の女」はまだかなり印象に残ってます。
(「運命・・」のほうでTBさせていただきましたm(_ _)m)

そう、まさしくななさんのおっしゃる通り
この二つは最強の不倫防止映画ですね~(^^;;)
不倫の代償が大きいです。
考えもしなかったようなすごいことになっちゃうわけで・・・
恐いですよね~・・
自分も含め(ってもうチャンス?はないなぁ~、笑)不倫
絶対ダメダメと肝に命じる映画ですね。

「危険な・・」はかなり前に、それも一度見ただけなので
あれから何年も何年も経って、自分も年を重ね、今見たら
どういう気持ちになるのか、また見てみたくなりました。

メルさん TBありがとうございました。
エイドリアン・ラインの作品って,テーマも深いし
映像や雰囲気がオシャレで好きなんです。
私はこの2作に「幸福の条件」を足して
「夫婦の危機3部作」と勝手に呼んでおります。
妻役の女優さんがみんな魅力的だし。
(夫はどれもややヘタレですが)
日常生活に待ち受ける落とし穴というテーマは
小説でも大好きです。(人が悪いのか?自分)
「危険~」は公開当時センセーションを引き起こしました。
夫の立場、妻の立場、愛人の立場・・・それそれ自分に一番近い立場で見ることができますね。
「運命~」は、幸福でも若い恋人に溺れるコニーの気持ち
わからなくもないです。
リチャード・ギアはひたすら善い人の役でしたね。

グレン・クローズ怖かったですねぇ。ラストなんてもろにゾンビで…。
ところでメールお送りしましたので、チェックしてみてくだされ。ぬふふ。

kikiさん,こんばんは
グレン・グローズは,この役で一躍有名になりましたね~。
今考えてみると,彼女の演じたアレックスって,精神を病んでましたね。単なるストーカーだけじゃなくて。
まあ,不倫は相手をよく選ばないといけませんわ・・・ってそんなテーマじゃなかったですわね。
メール,ありがとうございました。
不器用なもんでうろうろしてしまいましたが
無事に再入国いたしましたよん。

ななさん、こんばんは。

不倫賛同者ではありませんが、
男女の純愛よりドロドロが大好きな私には、この2作品は大好物です(笑)
アップしてません~そのうち、しようかな…(笑)

「運命の女」は、特にラストが切なかったですね。
ここらが男の不倫と女の不倫では抱える代償の違いがあると思いました。
妻次第だけど、男の不倫は、結局一番の悪はその相手女性にするでしょう(苦笑)
夫の事は許そうとして家庭に留まらせますね。
男もそれを選びますから。

ギアさん、咄嗟にあんな行動を取ってしまったけど、
そうさせてしまったコニーのこれからは、物凄く辛いものと思います。

オリーブリーさん こんばんは
おお,オリーブリーさんもドロドロ話がお好きですか?私もです。
「運命の女」のほうが,確かに代償は大きかったような。
妻の不倫のほうが高くつく,というのは,どこの世界でも同じなのかな?
それに比べると,「危険~」の方は「めでたし,めでたし」っぽいムードがありましたね。
不倫した夫が一番悪いのにねぇ。おっしゃるとおり,妻は不倫した夫より愛人の方に憎しみを抱くことが多いですね。
無意識のうちに,種の保存の本能が働くのか,夫をたたき出そうとは思わない妻が多いそうです。やれやれ。
・・・そこらへんも,この監督はこの2作品で描き分けていましたね。
オリーブリーさんも是非記事をアップしてくださいな!

はじめまして なな様

「運命の女」「危険な情事」 ふたつとも 不倫が テーマになっています。

 う~んthink まず 「運命の女」のケースから。

 ダイアン・レイン演じる 若い男と不倫した場合 僕が夫でしたら...
 
不倫自体は 冷静な態度で 声を荒げずいったんは 許します。ただし...裏切られて以降は妻以外の 女性との関係を持ちますね。

 文句があるなら 離婚するし 別居したら 最低限の生活費しか 出しません。怒鳴り散らすことはないけれども ただで許すほど 甘くもありませんよgawk

 そして「危険な情事」...これは もう マイケル・ダグラス演じる夫の裏切りのため 妻が危険にさらされることになったので 僕は「この、大バカ野郎!」といってぶん殴ります。

 下手したら 奥さんは殺されていたかもしれないんですよ。その後は弁護士として身を粉にして働いて稼いで奥さんに管理を握らせるべきかなmoneybag

 自分の時間は もう 持つなと...こんなことを感想コメントを書く僕は 非情でしょうかcatface

 

 

 

zebraさん はじめまして,いらっしゃいませ。

古い記事にコメントいただいてありがとうございます。

>こんなことを感想コメントを書く僕は非情でしょうか?
いえいえ,非情だとは思いませんよ。
とても冷静で正義感の強い方なのではないでしょうか。
(違っていたらごめんなさい)
特に「危険な情事」に関するご意見から感じることですが
zebraさんの伴侶となる方はきっと幸せだと思います。
こと不倫に関しては,考え方も対処の仕方も
千差万別だと思うので
実際にはその身になってみないと自分の反応って
予測のできないものだとは思いますが。


 なな様 返信コメントありがとうございます。

 この「危険な情事」・・・ アメリカでこの映画と酷似した事件が実際に発生しました。

 事件発生は1989年1月  
小学校の男性教師が 同じ学校で働いている女性教師と不倫しておりました。

 男性教師...ポールは 女性教師...キャロライン との不倫を続けるうちに キャロラインはポールを手に入れるために ポールの妻を拳銃で殺害。

 ポールは妻が死んだにもかかわらず 葬式の後は 新しい恋人女性とプエルトリコへ旅行に行きました 

 これに腹を立てたキャロラインは 探偵を雇い ポールがプエルトリコにいることを知るとただちに彼を追ってホテルへメッセージを残しました。「予定通り着いたわ。あなたのCより」

 身の危険を感じたポールは警察に「キャロラインに殺される たぶん 妻を殺したのも彼女だ 彼女を逮捕してください。」

 彼女の自宅を調べた結果、警察は彼女が35口径サイレンサー付きの銃を入手していたことを突き止め、逮捕に踏み切った。キャロラインは懲役25年の刑となりました。

 なお、この事件はポールが映画製作会社に事件の体験を売り お金を手に入れます。いまなお 事件のあった家に住んでいます。

 なな様...このポール どう思いますか?自分の不倫がきっかけで奥さんが殺されたのに
事件が終われば 映画製作会社に 体験を売って映画化すると 大金を 手に入れたんですよ!

 その後のポール キャロラインはどうなったかは知りませんが キャロラインは服役中でしょうが ポールも おそらくは 事件の責任で教師を辞めたか 解雇されたか あるいは 教師を続けても 待遇はかなり悪くなったはずです。

 映画タイトルは「魔性」VHS 日本未公開。現在は廃盤。レンタルビデオショップで 運よく置いてあれば借りれるかもしれませんね。

 
 

 


 

zebraさん 再度ありがとうございます。

>アメリカでこの映画と酷似した事件
そういう事件があったのですね。
拳銃が許可されている国らしく
刃傷沙汰も派手ですね。
日本では・・・不倫が引き起こした犯罪といえば
愛人にそそのかされて保険金目当てで
夫や子供を手にかける,というのがたまにありますが。
そういう心理は理解しがたいですね。

>このポール どう思いますか?
…根っからの悪人だと思います。
法に触れてないので野放しですが
究極の自己中なんじゃないでしょうか。
いつか天罰が下るといいですね。
しかしそういう人間が教育に携わることは
私もやめてほしいですね。

50代男子です。
2本の映画とも好きです。たまたま最近、運命の女をみて当ブログにたどり着きました。

見方によっては賢く不倫を行うためのバイブル的映画だと思いました。この映画を反面教師にして、です。

また、私には関係ない、私は不倫などしない、と思っている人にも、これらの映画のようなことは起こりうると思います。

chusanさん こんばんは はじめまして。

コメントありがとうございます。
私もこの二本はお気に入りですが
エイドリアン・ラインの作風が好きというのが理由のひとつですね。
出てくる俳優さんも彼らの演技も好きですし・・・・。

>私には関係ない、私は不倫などしない、と思っている人にも、
>これらの映画のようなことは起こりうると思います。
どんなときも不倫をしないタイプの人間と
いとも易々とその垣根を超えることができるタイプの人間がいるのでしょうけど
たしかに前者だと思って生きていても,突然落とし穴に落ち込んだかのように
自分の意志とは関係なくそういう感情に翻弄されるようになることも・・・
あるとは思いますね。
そこで行動に移すかどうかでまたそれぞれの運命は変わってしまうのでしょうが。
「危険な情事」の夫は不倫を肯定とまではいかなくとも
絶対不倫なんてやらない!というタイプではないように見受けられましたが
「運命の女」の妻の方は,「私に限って」というごく堅実なタイプに見えました。

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