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2007年11月26日 (月)

マイティ・ハート/愛と絆

010 2002年にパキスタンで実際に起こった,テロリストによるアメリカ人のジャーナリスト誘拐,殺害の事件の映画化。夫を誘拐される妻,マリアンヌ・パールを,アンジーが演じると聞いてとても楽しみに劇場に行ったのだけど・・・。

ごめんなさぁぁい
・・・寝てしまいました。途中の一部分。
でも,これは映画が退屈だったのではなく,きっと私の体調のせいだ。風邪気味,微熱あり,おまけに仕事帰りの夜の鑑賞だったから(←馬鹿),夫の捜索が開始されてからの展開が やや平坦に感じられて,気がついたら 時々意識が薄れていって・・・・

夫の死を知ったアンジーの号泣(←ほとんど咆吼)ではっと我に返り,再度ウトウトしかかった時に,出産シーンの絶叫で またもや我に返った私。002 ウィンターボトム監督,ドキュメンタリー風に撮っていて,音楽もほとんど使ってないからまるで実際の記録映画を観ているような,生々しさと緊迫感があった。(←だったら寝るな!)

アンジーの演技は,絶賛されていただけあって,素晴らしかったと思う。色を使わず,ほとんど素顔に近いメイクの彼女は夫への深い愛や,今にも崩れ落ちそうな精神状態でいながらも,気丈に夫を待ち続ける妻の役を,完璧に演じていたと思う。夫の死を告げられるシーンの演技は,確かに圧巻だった。
012
ただ,一つ不満に思ったのが,彼女の心境の変化の描写。あれだけの苦しみを乗り越えて,冷静かつ公平なコメントを発言できるなんて嘘っぽいとまでは言わないけど,そこに至るまでは,相当な葛藤や,苦悩があったはず。

夫をあのように殺されて,犯人を憎まない妻なんていないでしょ!立ち直るまで,しばらくかかりますよね。それが自然よー。憎しみや悲しみをどうやって克服できたのか,そこんところを,もっと丁寧に描いてほしかった。(実はそこが一番知りたかったもんで)

・・・なんて,やや辛口になってしまいましたが,DVDになったら,もう一度体調を整えてじっくり鑑賞してみたいです。確かに,この時代にマッチしたタイムリーな作品ではありますね。

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映画 ま行」カテゴリの記事

コメント

こちらにも♪(TBとどいていますか??)

確かにー、すごい作品ではあったのだけど
眠くなってしまうのすごく分かります!
わたしもまさに「記録映画」だと思いました。
アンジーの演技はすごかったですね。
あれがなかったらもっと眠くなっていたかも、、ですね!

きららさん TBありがとうございます。
体調がよければ,眠くはならなかったかもしれないけど,
途中はやはり,淡々としすぎていて退屈に感じたかもしれません。
事実に忠実に,あまり過剰な味付けはしてなかったですね。
それが本当はいいのでしょうが
もっと強いメッセージも欲しかったような気もします。
演技派アンジーを堪能できた作品でした。

こんにちは!
TB&コメントありがとうございました。
体調は如何ですか?お大事に~

アンジーの演技は圧巻でしたね。
夫の死を知った時の彼女の慟哭には涙が溢れました。
でも、映画としては『実際の記録映画を観ているような』感じ過ぎでしたね~
それはそれでいいのですが、もっとジャーナリストとしての信念や夫への愛情を描いて欲しかった気がします。
マリアンヌの強さには頭が下がりますが、何だか強過ぎでしたよね。私も彼女のホントの心の叫びを観たかったです。

由香さん TBありがとうございます!
そうなんですよ,ジャーナリストとしての信念ね~、
それがあったから,個人的な恨みも超越できたのかしら?
マリアンヌさんは,きっと凡人とは違う高い志を持った女性なんでしょうね。
でも,凡人の私には,そこをもっと表現してほしかったなー。
「なんであんなに強いの?」と思いました。
その強さにも感動しましたが,本音も出せよ~って思いました。その方が共感できます。
まあ,このように衝撃的な実話の映画化は,淡々と撮ることの方が無難なのかもしれませんが。
体調,気遣ってくださってありがとうございます。
今日は早く寝まーす。

こんばんはななさん☆

この作品、確かにマリアンナさんは素晴らしいと思うんだけど、映画にすることもないのに、、、、って思っちゃいました、ドキュメンタリーでもないし
アンジーはハマっていたけど。。。。

コメントTB,ありがとうございます♪

migさん こんばんは♪
たしかに,映画にするなら,もっとメリハリというか,
強く訴えるものを全面に出してほしかったかと。
こういうあっさり味でわざと仕上げた作品なら
それはそれでいいと思うのですが
世間の評価が高すぎると,「そんなに~??」と思っちゃいますよね。
マリアンヌのすばらしさ(マイティ・ハート)を,もっともっと観客にも感じさせてくれる演出はできたと思うのですが・・・。

ななさま、こんにちは~。
体調はどうですか? 実は私も、体調は悪くなかったのですが眠気を催しましたよ・・・。
(読経の場面でビックリして目が覚めましたが)
↑でmigさまが「映画にすることもない」とおっしゃっておられますが、確かに難しい題材ですよね。
映画のオファーが殺到したらしいですけれど、原作者の方の「エンタメ作品にはしたくない」という思いはもっともだと思いますし。
ミニシアターで、ひっそりと公開される方がよかったかもしれないですね。
ではでは、また来ますね~。

ななさん、こんにちは。
淡々で遅々として進まない内容では眠気もきますよねw
私はわからないことだらけでいろんなことを考えながら見ていたので、じっくりと観てましたけど、正直なところ、納得はいかない、と言う感じです。

確かにアンジーの出産シーンはすごかったです!(^^)

真紅さま TB,コメントありがとうございます。
ご覧になったのですね~。そしてやはり眠気を・・・。
私だけじゃなかったのねと,安心しました。
私もアンジーがイキナリ「南無妙法蓮華経~!」と変なイントネーションで叫んだときは「へ!?」と開いた口がふさがりませんでした。
遺族の方は,「エンタメ作品にしたくない」とおっしゃったのですか・・・。もっともですね。それならやはり,「ユナイテッド~」みたいに,ドキュメンタリー風に淡々と事実を綴る方法になるのでしょうが,ミニシアターで無名の俳優さんを使った方がよかったかも。
アンジーを使い,「アカデミーうんぬん」のお話が出てくると,観客はやはりエンタメ性というかドラマティックさを期待しますからねえ,その結果
「・・・こんなもん?」となっちゃいます。
体調,お気遣いありがとうございます。仕事が休めないのと,懲りない夜更かしのせいで,なかなか完治せずにおります。(←やっぱり馬鹿)

たいむさん こんばんは
私は実はパール氏が結局殺されるってことも
事前に知らずに観たので(←無知すぎ?)
「助かるの?駄目なの?」とハラハラもしたのですが・・・
それでも眠くなりましたねー。今考えると,大袈裟な効果音や台詞,音楽を使ってないから脳が刺激されなかったのですよ。
だから,アンジーの慟哭シーンの声の大きさに飛び上がったのですけど・・・。
納得いきませんか~?そうですね。私も納得いかないというか,期待とは違った映画でした。題材はいいので,別の視点,別の役者で観てみたいかな。

ななさん、こんばんは、コメトラどうもでした。
話が進まないので眠くなる所ありましたね。
頑張ってアンジーに注目していたので耐えられました。
ホント素晴らしい演技でした。
リンクも有難うございます、こちらもリンクさせて頂きました。今後とも宜しくお願いいたします。

ななさん、トラコメありがとうございます!

うう~~~ん…
こちらからは、またトラバが上手くいかないようです…
(ゴメンナサイ)

寝ましたかっ!!(爆)
私は夕食後、レイトで行きました(シネコンがほんの数分の目の前なんで)
広い劇場、オジサンとふたりだけでしたぁ~笑(ー_ー)!!

眠気は恐れてましたが、何だか引き込まれてしまいました。
でもアカデミーとか言うと、チト違いますね…
アンジーの演技は良かったけど、
あくまでも“映画”とすれば、
観る側が求めるものとは少し違うかなぁ~と…
記録として冷静に見た自分です(苦笑)

くまんちゅうさん こんばんは
そうか,アンジーの美しさや凛々しさに注目してれば
眠気も防げたかもですね。
私も時々「この人,すっぴんでも綺麗やな~」なんて
ストーリーと全然関係ない方向に思考が彷徨っていったりしました。
リンク,こちらこそありがとうございました。
また たびたび寄らせていただきますね。

オリーブリーさん こんばんは
トラバ,着いてましたよー,ありがとうございます。
私は夕方の6時始まりのを観ましたが
私の他はカップルが一組だけでしたぁ。平日だったし・・・。
記録映画として観ると,よくできているし
マリアンヌさんが成長した息子さんに,彼女のコメンタリーつきで見せるためには,最適でしょうね。
でも,仰るとおり,これでアカデミーはちょっと・・・。
他にええの,ないんかいな?あるやろ,って言いたくなっちゃいます。

こんにちは♪
そーですか…寝ちゃいましたか(^^;
確かに、全体的に観ても淡々としていて起伏も少なくて、
特に前半はセリフのやり取りが中心でしたよね。

やはり、アンジー演じるマリアンヌは、
自身もジャーナリストという事もあってか、
現実に起きた事に対する受け止め方が、
一般人とは違う感じがしました。

2004年にも、イラクで、
日本人ジャーナリストが殺害される事件がありましたが、
テレビで取材を受けていた彼の奥様の
気丈に振舞っている姿が印象的でした。

「ジャーナリストの妻」という人は、
取材中の何事に対しても、ある程度の覚悟を持ち、
夫の意思を尊重するという、
心の奥底に秘めた強い信念を持っているのかもしれませんね。

テクテクさん,TBありがとうございます。
そうかぁー,ジャーナリストの使命感っていうのも
マリアンヌの強さの秘訣の一つだったかもしれませんね。
2004年の事件,鮮明に覚えています。
そうそう,彼の奥様の毅然とした強さが印象的でした。
あの姿を見て「冷たいなあ」などとは思わず
ジャーナリストの妻としての一種の潔さに感動を覚えたものです。
マリアンヌ自身もジャーナリストだったし
危険な国に滞在するには,覚悟をちゃんと持っていたのでしょうね。
それに,彼女の強さは,彼女の信仰(仏教)のおかげもあったのかなと
最近思ってます。映画でももっと強調して描いてほしかったけど。

ななさん、こんばんは♪
私も夫の捜索が開始された辺りに
不謹慎ながらストンと眠りにおちました。
アンジーの演技は圧巻だったし、惹きこまれてた筈なんですが..
仰る通り、時代にマッチしたタイムリーな作品でしたね。
でも、もし自分なら...って考えると、
まだ5年しか経っていない 家族の身に起きた悲惨な事件を
映画化して世に出すなんて考えられないかなぁ~(気持ちの整理が..)
そこは やはり、ジャーナリストとしての視点が強いからでしょうか。
それとも息子さんに遺したかったから?
私もななさんと同感で、憎しみや悲しみを
どうやって克服できたのかを詳しく見せて欲しかったですね。

Anyさん、TB,コメントありがとうございます。
ね,ね,やっぱり眠くなったでしょー?
映画評論なんかには「すごい緊張感」とか絶賛されていたけど
あれは絶対お世辞だよね。
まあ、眠くなったからって,この映画の出来が悪いとまでは思わないのですが
せっかく伝えたいことは素晴らしいのだから
もっときっちり伝えてほしかったです。
ドキュメンタリーに徹したかったのなら、別に過剰な演出をしなくてもいいから
マリアンヌの心境くらいは語ってほしかったわ~。
だって,本当にわからないのよ,凡人には。
わかりたいと,思ってるのにね,そこんとこ。

非常に真面目に作られてる真実の物語だな、と思いました。
が、マリアンヌの感情のほとばしりは、あの慟哭の場面だけで
もうちょっと彼女の心理描写などが描いてあったらなぁと思いました。
アンジーがすごく頑張ってて素晴らしい演技をしていただけに
ちょっともったいないな、と。
あまりにも淡々と・・だったので、真実を描くという意味では
完成度が高い映画だったのかな、と思いますが、映画として
もうちょっとなんとかなったのでは?と思ってしまいました。

メルさん,こんばんは!

これね,封切られたときは「アカデミー有力候補」とか騒がれたけど
結局そんなものにはならなかったですね・・・。
地味~~~~な作品で終わってしまいました。
実話だから,原作者のマリアンヌが「こういう風に撮ってほしい」とでも望んだのかなぁ。
彼女の息子に引き継いでゆく「記録映画」としてはいいのかもしれませんが
映画そのものの出来としては,裏目に出ましたね。
だって,伝わってくるものが,弱かったですよ。
エンタメにしろとは言わないけれど,せっかくあのような題材を使いながら,
メッセージが伝わらないなら,やはり駄作といっていいかもしれません・・・。

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