タイタニック
これもまた太陽と月に背いて(記事はこちら)と同様に美しかったレオ様を偲ぶ作品(今のレオも男らしくて別の意味で好きだけど)
私がこれまで観たレオの作品で,好きな順は(彼の若い頃のばかり)タイタニック>仮面の男>太陽と月に背いて>キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン>ギルバート・グレイプ。このチョイス,レオが美しいかどうかという基準で選んでるかも。(汗)
さて このタイタニック,キャメロン監督がこだわりまくって作った大作だけに,見どころは山ほど。たとえば・・・・・当時はまだ 今ほど一般的でなかったCGの大胆な使用。迫力溢れる映像で,忠実に再現してみせてくれたタイタニック沈没の全貌。そして 胸を打つジャックと ローズの悲恋。
意に添わない婚約をした上流階級の少女が,身分違いの少年と恋に落ち,片方が死ぬという筋書き自体は,別に目新しいものではなく,日常の世界を背景に描かれていたら,いくらレオが主演でも凡庸なものになっていたかもしれない。
しかし,タイタニック沈没という世にも悲劇的で有名な事件を背景に持ってきたからこそ,二人の恋はかくも激しく,観る者の心を揺さぶったのではないだろうか。客船の中という限定された空間と,沈没までのタイムリミット。結ばれた次の瞬間から,甘い余韻に浸る間もなく,過酷なサバイバルゲームの渦中に投げ込まれる恋人たち。
生死にかかわる非常事態の中に咲いた悲恋の花は,その背景が修羅場であるからこそ、美しさが際立つような気がする。
それにしても,レオが演じたジャック・ドーソンというキャラの 何と魅力的なこと。容姿ももちろんだけど,その生きる姿勢に引き付けられる。何より自由で,誇り高く,勇敢であるところに。
金持ち連中との晩餐会でも,少しも臆するところなく,「どんなカードが配られても,それもまた人生」と胸を張るジャック。そして,惨劇が起こり,どんなに絶望と思われた時も,ローズへの愛と,生きる希望を絶対に放棄しなかったジャック。
・・・・これは,ローズでなくても惚れるでしょ~。
観ている間,ローズ同様に彼に恋をした人も多かったはず。彼とだったら,私だって,地獄の底までご一緒したくなりますよ。ジャックは,レオの持ち味が最も活かされ,彼が一番まぶしく輝いた役かもしれない。しかしジャックがローズを愛した理由は,いまいち説得力がないかな?
一目惚れ?ローズの美しさに惹かれたのかな?確かにローズは,体型はともかくとして,フランス人形のように綺麗だけど。ジャック・ドーソンのような個性的なキャラが,命を賭けて愛する理由としては,ちと弱いような気がする。彼は,ローズの内面の自由な精神に,自分と似たものを感じて惹かれたのかもしれない。
一番好きなシーンはやはり,あの肖像画を描く場面。ケイト・ウィンスレットのクラシカルな美しさにも目を奪われるけど,彼女を見つめるレオのまなざし(セクシー♪)に,こちらまでドキドキ。
ジャック・ドーソン。ほんとうに彼はまるで天から舞い降りてきたような,抗いがたい魅力があった。
だから、彼が死んだ時は,本当に絶望的に悲しかった。穏やかに目を閉じたジャックの身体が,凍てついた海の底に沈んでいく映像は,何度見ても「嘘でしょ〜,死ぬなんて」と叫びたくなる。これがもし連続ドラマなら,TV局に助命嘆願書を出す,絶対。そして私がローズなら後を追うかも。でも、ローズは彼の遺言に従って,生きる道を選ぶ。
あんなに愛した人を,その後何十年も,誰にも言わずに心の奥に秘め続けたローズは,やはり強い女性だなあと思った。(←したたかと言うべきか?)
音楽がまたすばらしく,主題歌を耳にする度に,あの日 タイタニック号と共に沈んでいった大勢の人々の,それぞれの物語と,ジャックとローズの愛に思いを馳せてしまう。
・・・・間違いなく,映画史上に燦然と輝く名作だ。
劇場で観たとき,エンドロールが完全に終了するまで,観客は 誰ひとりとして席を立つことができず,圧倒的な余韻に浸っていたことを,昨日のことのように覚えている。
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ななさんたら~『タイタニック』の記事なんか書いちゃって…泣けるじゃ~ないですか!!
実は、私はこの映画を劇場で1回しか観ていません。
DVDを持っているのに放りっぱなしです。
もう私のキャラをおわかり頂いていると思いますが、まさに『嘘でしょ〜,死ぬなんて』ってことですぅぅぅ~(号泣)
だってだって、死んじゃーいやよ~ジャック!!
ローズが沈めよ~~~なんて残酷なことまで考えた私。
ああ~でも、ホントにこの時のレオは美しかったですね。
ななさんに刺激されて観てみようか…という気になってきました。とりあえずレオの綺麗なお顔だけでも早送りで観ようかしら?(笑)
ところで、ななさんは『バスケットボール・ダイアリーズ』は観ましたか?
レオの初主演映画ですが、天才的な演技力です。
お話は暗いのですが・・・息を飲む迫真の演技にはいつ観てもドキドキさせられます。
最近感想を書いたのでTBさせてもらっちゃおうかな~♪
投稿: 由香 | 2007年11月20日 (火) 23時24分
由香さん うふふ,美しいレオにどうしても会いたくなったのですよ。これほどレオが魅力的に描かれている作品はないと私は思ってます。
>ローズが沈めよ~~~なんて残酷なことまで考えた私。
(↑同じこと考えました。記事に書こうかと思ったくらい。)
あの板,一人しか乗れなかったのよね。ローズを助けて死んでいったレオ様がいとおしくてなりません。(ローズ,後を追え!)
バスケットボールダイアリーズは未見ですが,由香さんちの記事はちゃんとチェック済みですよ~。この作品のレオも美しいわ~。ぜひTBお願いします。私もレンタル屋で探してみようと思います。
投稿: なな | 2007年11月20日 (火) 23時34分
こんにちは、はじめまして。
10年ぶりにレオさんとケイトさんが再共演するというニュースを聞いて、あれからそんなに経ったのかと懐かしくなりました。でもあの映画で真っ先に思い出すのはセリーヌ・ディオンの歌...
この映画男と女で観る視点が違ってましたね。男はこの有名な海難事故の再現が見たくて、そしてJ・キャメロン監督自身も本音はそっちを撮りたかったんじゃ?でもそれじゃ観客偏っちゃうし、そうすると興行収入が...で、女性客用に悲恋物語を突っ込んだのじゃないかな、と下衆の勘繰り。
私は2人のラブラブより、氷山まだ~(最低!)とか、細野正文さんは出ないかな~とか(出ませんって)ひどい観客でした。
ケイトさんの立派な体格ですが、あの腕じゃないと手斧は振れません(アレは重い!)それに肉厚な身体でないと、海に落ちた時点で凍死...
監督さん自身、強い女性が好きなんだと思います。ターミネーターでもエイリアンでも女が強かったもの。
そうそう先週の「スマステ」大人が選ぶ泣ける映画ベスト30の栄えある第1位でした。
投稿: garagie | 2008年1月14日 (月) 21時53分
garagieさん,はじめまして,いらっしゃいませ。
レオとケイトは今でも親友だそうですねー。
でも,このあいだ二人のツーショットを見て,このタイタニックの頃の二人と比べて
時の流れをひしひしと感じました。
この映画は海難事故も忠実に再現されていて,特に船が沈没するまでの様子はとても詳しかったから
男性の観客も満足できたのではないでしょうか?
私はやはり,レオとケイトの悲恋のほうに注目して観ましたね~^^
とにかくレオが魅力的で,本気でケイト演じるローズが羨ましかったです。
レオが小顔なので余計にローズが大女に見えたのですが
なるほど、生き残るためには脂肪も必要だったのですね。(笑)
投稿: なな | 2008年1月15日 (火) 00時19分
本当この頃のレオって最高に素敵だよね~♪
音楽も良かったし、細やかなエピソードも
素晴らしかったですね!
投稿: miyu | 2008年9月15日 (月) 23時42分
miyuさん こんばんは
最近のレオも,苦み走った味わいが出てきましたが
このころの「美しい」レオがやっぱり懐かしいですよね。
この映画のレオの美しさと,素晴らしい音楽は,
まさに絶品といえるでしょう!
投稿: なな | 2008年9月17日 (水) 20時54分
こんばんは タイタニックという夢の豪華客船は いつ沈んでもおかしくないクズ船だったんですΣ( ̄ロ ̄lll)。
というのも 乗組員は双眼鏡を持参していないわ、(ちなみに乗組員になる条件として2.0以上の視力がなければなりませんが それでも夜の氷山は肉眼では発見しにくいそうです)
通信係はホワイトスター造船社から派遣されていた社員で 乗組員としての現場経験はぜんぜんなかった。しかも 「この先、氷山あり」の無線連絡があったのに 無視していたΣ(゚д゚;)、
そして なな様...これが一番ひどい 手落ちですので驚いてください!
はじめタイタニック号は乗客は半分くらいしか予約がなかったそうなのですが ホワイトスター社の社長が 乗客が半分では面目がたたないということで ホワイトスター社のほかの客船をすべて欠航にして、欠航になった乗客をタイタニック号に乗せろ!と
と、まあ ホワイトスター社のメンツの巻き添えをタイタニック号の事故という最悪の形でむかえてしまいました。 そのわりには 避難用の救命ボートは定員人数分 用意しなかったという お粗末さ...
どうです?なな様も ここまでひどいとあきれて物が言えんと思ったのでは。
夢の豪華客船もこれだけ手落ちがそろえば ただの 「鉄クズの泥船」と化すものあたりまえですね
投稿: zebra | 2010年12月 5日 (日) 00時56分
zebraさん こちらにもどうも。
タイタニック号の詳しい情報をありがとうございます。
乗客の安全よりも虚飾や虚栄を優先したがために
起こるべくして起こった悲劇なのかもしれませんね。
いつの時代になっても肝に銘じたいものですね。
投稿: なな | 2010年12月 6日 (月) 22時13分