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2007年11月 5日 (月)

ブレイブ ワン

Poster1_2 今日珍しく平日にも関わらず仕事が休みだったので、劇場で観てきた。一口に言うと、これはリベンジもののジャンルに入る物語なのだけど,リベンジものにありがちな痛快さはかけらもなく,とにかく痛々しさが心に残った

劇場を出てみれば、いつのまにか外は冷たい雨が降りしきっていた。帰宅途中、雨の中を車を運転しながらずっと,ヒロインのエリカの選択は許せるのかどうか考え込んでしまった。

エリカ(ジョディ・フォスター)は,ラジオのパーソナリティー。結婚を間近にして,幸福の絶頂にあった彼女と,婚約者のディビットは,ある夜,セントラルパークで数人の暴漢に襲われる。因縁をつけ,財布を奪い,エリカとディビットに殴る、蹴るの暴行を加え,それを笑いながら携帯の動画に撮影する犯人たち。ディビットは殺され,エリカも3週間も意識不明になるほどの重傷を負う
Pic6big
ようやく退院したエリカの心の傷は深く,彼女は外出もままならないくらい激しい恐怖感にさいなまれる。口先ばかりで親身になってくれない警察。彼女は自分を守るために,違法な手段で一丁の銃を手に入れる。

彼女が初めてその銃を撃ったのは,正当防衛だった。しかし2度目からは,自分の命を守るためではなく,次第に悪漢たちを制裁する目的になってゆく。最終的にはディビットを殺した犯人たちにたどり着くのだが,それまでエリカは,何人もの自分とは無縁の悪党を,その手で始末する。

彼女の行動や選択を
私は許せるのだろうか?

もし私的制裁を許したら,この世界はたちまち無法地帯の修羅場となる。エリカの場合だけが例外として認められるわけはなく,どんな悪党も,絶対に更正不可能だと,人間には断定できまい。だから,・・・・

許すべきではない。許してはいけない
そう,頭では判っている。だけど,果たして本当にそうなのか,私には答えは出なかった。なぜなら,私は,彼女の体験したような,想像を絶するむごい目に遭っていないから。
010_2
もし,愛する人が目の前で,無惨になぶり殺されたら?
そして警察は全くあてにならず,犯人は今も野放し状態だとしたら?もし,見慣れた街の全てのものが,耐え難いほどの恐怖となって,いつも自分を怯えさせるとしたら?

エリカの心の傷がどんなに深かったか,
一体誰にわかるというのだろう。


彼女の蒼白な顔は頬がこけ,目は落ちくぼみ,正視できないほど痛ましかった。恐怖と哀しみの中で,絶望感を味わっていたときに彼女が手にしたのは一丁の銃であり,たまたま悪漢を倒す機会が与えられた

エリカが,自分とは関わりのない悪党をも制裁したのは,世の中をよくしたいとか,悪者に復讐したいとか,そんな理由ではなく,ただ,自分の恐怖心を克服したかったためではないのか。
008
どんな方法でもいいから,彼女は立ち直りたいと願っていただろう。そうでないと,このまま生ける屍となってしまう。銃を手にして相手を倒す方法を身につけ,苛酷なトラウマを克服したかったのだ。同じアパートの黒人女性がエリカに向かって「死ぬ方法はいくらでもあるわ。生きる方法を見つけなさい。」と言うが,あの時のエリカは,処刑人の役を演じることで,なんとか
生きる方法を見つけていたのかもしれない。

とはいえ,彼女の選んだ道は,もちろん許されることではなく,いずれは彼女自身をも破滅に追い込む道だから,
もっと他の道はなかったのか,と暗澹とした気持ちになる。 エリカのしたことを「許される」と言うつもりはないが,私は少なくとも,彼女を責めることはできない。あのときはああしなければ,彼女はきっと壊れていたのではないかと思えるから。

そしてラストのあのシーン,エリカをずっと見守って来たマーサー刑事のとった驚愕の行動と,エリカの究極の選択は,これまた許されるのか?というものだが,私は最早そんなことを考える余裕はなく,ただただ涙がこみ上げてきた。
001闘う女戦士の役柄がピタリとはまるジョディだが,この作品の彼女は,今まで観た中で一番美しく,素晴らしかったと思う。

  

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映画 は行」カテゴリの記事

コメント

こんにちは!
TB&コメントありがとうございました♪
エリカは痛々しかったですね~
ジョディの演技が素晴らしいので、何度も涙がこぼれました。
こういう映画って、自分がどう感じたのか文章にするのは難しいですよね。なのに、ななさんの文章はスゴイです。お気持ちが伝わってきました。
『ただ,自分の恐怖心を克服したかったためではないのか』―エリカはそういう気持ちだったのでしょうねぇ~
それにしても切ない話です。

私は、この映画のテーマが何だか微妙にズレズレだった気がします。
エリカの受けた悲しみと、その後の行動、そしてラストがイマイチ噛み合っていなかったように思えました。
境界線を越えてしまう事を描くのか、悲しみによる報復を描くのか、悪を処刑するのを描くのか、、よく分かりませんでした。どの点でも中途半端に思えたんです。
乱暴に言ってしまえば、エリカ自身には復讐や処刑の意志は最初は全くなく、行き当りバッタリで人を殺してしまったようなところがあったと思いました。
だとすると、あのラストではエリカの重荷は相当なものになるだろうなぁ~と思いました。多分、彼女は自分を許せなくなるのではないでしょうか。

ななさま、こんにちは。拙記事にコメント&TBをありがとうございました。
私も、声高にエリカを「許せない!」とはとても言えません。
彼女がしたことは「許されざる行為」だというのは頭ではわかってはいるのですが、心がそう呼ぶのを拒んでいる感じです。
「処刑人」は男だと思われていたこと、エリカが内にこもらず外へ外へと向かったこと、この辺りにもこの映画のメッセージがあると感じました。
人によって、感想は様々ですね。それがまた面白いのですが。。
ではでは!

こんにちは~~~
TB&コメントありがとうございます。

ななさんの素晴らしい文章に、また色々なシーンが蘇り、考え込んでしまいました。

私は、あの驚愕の?ラストは~
これからの2人を案じてとても苦しくなってしまいました。
彼女も彼もこれから一生“生き地獄”を歩んでいかねばならないだろうし・・・
彼に至っては、今まで「よい刑事」「よい人間」であったのに~「共感」してしまったことで、自分が犯してしまったことを 絶対後悔する日が来ると思う。
彼女には「復讐」という「理由」もあるけど・・・それでも自分を許せない日がきそう。
そう考えると、2人の未来は一体・・・

映画を観て~許せますか?と聞かれたら、迷わず
「許せる」と答えてしまうけど
それは、なんて第三者的意見なんだろ・・・

この作品は、本当に“後味の悪い映画”だなぁと改めて思う。
そして、そういう作品が嫌いじゃない私です。。。

ジョディの迫真の演技とテレンス・ハワードの温かさも心に残りました。


TB&コメントありがとうございました。
許せるか許せないかというのは、非常に難しいですね。
心と頭じゃ違いますから・・・。
おっしゃるように、エリカは銃を持たなければ壊れていたかもしれませんよね。
身寄りのない彼女には、それしか方法がなかったのかもしれません。
でもエリカが遭ったような事件が日常茶飯事になっているアメリカも怖いです。

こんにちは♪
TB&コメント、ありがとうございました!
この映画は、ホントに色々と考えさせられましたよね。

もしも、自分がエリカの立場だったならば…と考えると、
簡単には答えを出せそうにありません。

自分がマーサー刑事の立場であったならば、
きっとエリカの心情を汲み取る事が出来たと思うので、
エリカを見逃すような行動に出てしまったかもしれません。

凶悪な犯罪者と被害者の立場を考えさせられると同時に、
アメリカの銃社会についても深く考えさせられる作品でした。

由香さん,こんばんわ
この物語のテーマは?と言われると,そういえば私も珍しくテーマにまで考えが至ることなく観ていましたね。「許せますか?」と言う問いがまず頭にあって,そのことばかり考えて観てました。
きっと由香さんの仰るようなこと(境界線を越える,とか,報復や私的制裁の是非とか)がテーマで,一つではなかったのでしょうが,絞りきれてない気がしますね,今にして思うと。
いや,絞り切れてない,というよりは,観る人によって感じ取るテーマが異なるように,作ったんじゃないかなとも思ったりして。
個人的な報復は許されるのか?とか,法の力の限界とか,極限状態で壊れてしまう人間のもろさとか,きっと観る人の人生経験や価値観で,一番心に強く感じるものも違うと思うから。
ニール・ジョーダンさんの作品って,けっこう複数のテーマを(それもどれも重くて暗い)ごちゃごちゃ絡めてあって,一見わかりにくいような気もします。
ラスト,私は個人的に,人間をいたぶりながら殺してそれを楽しむような犯人たちが心底許せなかったので,エリカの手で銃弾を撃ち込ませてあげたのは,嬉しかったです。しかし,そのあと罪を償う道を用意してあげてほしかったですね。彼女は今後どのように生きていくのかと釈然としない思いはしました。8人も殺した事実は,彼女の心に一生つきまといますからね。どちらにしても,救いがないです。

真紅さま こんばんわ
真紅さまは「許せるかどうか」はあまり考えずにこの作品をご覧になったそうですね。
考えてみれば「許せるか?」ってとても難しい質問ですね。(答えに責任持てません)「共感できるか?」ぐらいにしてほしかった。
この作品を観て,なぜか「親切なクムジャさん」を思い出しました。あえて警察に任せずに被害者が私的な制裁をした,という点が似てますね。でも,あちらはあまりにも非現実的な設定だったし,観客に無理に共感を求めてなかったから,そんなに痛々しさや切なさは感じなかったのに,エリカの物語は,すごくリアルで,それだけに,観ている間中,「彼女を許せる?共感できる?」とずっと問われ続けているような気がして,苦しかったです。

マリーさん いらっしゃいませ~
ラストはちょっと泣きました。(脱力した方も多かったそうですが,私は救われました。少なくともあの一瞬は)後ろの席のおばさんも泣いていました。
でも,エリカとマーサー刑事のこれからの人生を考えると,隠匿した罪を背負って生きるというのは,また新たな十字架を負っていくようなもので・・・。たしかに二度と心から笑うことはない人生でしょうね。
理想を言えば,憎しみを捨ててこそ救われるのは事実。(スパイダーマン3の世界だね)しかし,この物語はそんなの綺麗事にすぎないと言っているような感じがしました。報復を許したくなるような悪は存在する,しかし,人の手による報復は,しょせん諸刃の剣のようなもので,報復した方も深い手傷を負うものだと,改めて感じましたね。

こでまりさん こんばんは
エリカに他の立ち直る道があれば,本当にどんなによかったかと思いました。(ただし,そうなれば物語はそこで終了していたでしょうけど)
こんな場合,転地療養とか,家族(特に母親とか)の支えが不可欠ですよね。それらが何一つなかったゆえに起こった悲劇かもしれませんね。
それにしても,確かにアメリカの銃社会や,危険が一杯の街の様子はぞっとしました。犯罪を取り締まったり,犯罪者を更正させたりするシステムがうまく機能してないことに対する危機感も伝わってきましたね。犯罪者の凶悪化も想像をはるかに凌ぐものでしたが,それに関しては日本も人ごとではありませんね。

テクテクさん こんばんわ
本当に,考え込ませてもらいました,この映画には。
帰り道,運転誤りそうでした。
エリカのような立場なら,私も気持ちはエリカと同じように感じると思います。でも,きっと実行できないと思いますけど。
マーサー刑事の立場なら・・・。自分のそれまでの価値観を180度変えた選択ができるかどうか,あの殺害の動画を観て,そして自分自身も,法の力の限界を感じていたとしたら,そうするかもしれませんね,私も。
でも,大きな罪の意識をずっと墓場まで持って行く覚悟が必要な決断ですよね。衝動的にできることじゃありません。
そう思うと,あのマーサー刑事,穏やかで爽やかな表情を見せてはいましたが,本当にすごい決断をしたと思います。
そうそう,犯罪が少しでもなくなればいいのに,とか,警察もっとがんばれ!という気持ちにもなりました。

こんにちわ。

皆様おっしゃられてますが・・・
私も同様にななさんの文章、
素晴らしいと思いました。

恐怖心の克服・・・そっかあ。
なんだか開眼させてもらった気持ちです。

≫あの時のエリカは,処刑人の役を演じることで,なんとか生きる方法を見つけて
いたのかもしれない。

ああでもしなきゃ生きられないほどの
苦しみとつらさ・・・想像を絶します。

受け捉え方は人によって
さまざまだと思いますが・・いずれにしろ
法律と私情の狭間で苦悩するような作品でした。

ななさん、こんばんは。
トラコメありがとうございました(^^)

ラストが違っていたら。。。
まだ許せた(と言うか、納得できる)かもしれませんし、
この主演のお二人が、例えば自分の苦手や嫌いな役者さんだったらどう感じたか?など(身も蓋もないような)事を考え、少し後味の悪さは残りました。

でも実に考えさせられる作品であります!
そして仰るように、
当事者になってみないと、本当に解らない事が世の中には多々あるんだ…と。
だから一概に彼らを責めたりは出来ない…そう思いました。

睦月さん こんばんは
感想を褒めていただいて,穴があったら入りたいくらいです・・・。
私の感じたことなんて,間違ってるかもしれませんが,どうも犯罪被害者に過剰に感情移入してしまいました,今回は。
エリカがあの事件から,体だけでなく心も生還するためには,あの道しか彼女には見えなかったのではないかと思えたのです。暴力で傷ついた彼女が立ち直る方法が同じく暴力だったという点がやりきれないけれども,決して彼女がすすんで選んだ道ではなく,いつも誰かに止めて欲しいと願っていたと思います。
法律がなければ,私たちの生活は即破綻するのだけど,そして法律はもちろん守らなくてはいけないのが大前提だけど,法律は万能ではないということも,考えさせられる作品でした。

オリーブリーさん いらっしゃいませ。
>主演のお二人が、例えば自分の苦手や嫌いな役者さんだったらどう感じたか?
おおお~,そんなこと,思いつきもしなかったけど,そういえばこの二人(ジョディとテレンス)はとてもハマリ役で,好感度も高い人たちでしたね。苦手や嫌いな俳優さんが演じていたら・・・うーん,私の場合は,キルスティン・ダンストとかが苦手です(ファンの方すみませんね)俳優さんは真田弘之さんが苦手です(なんで日本人?)このお二人が主演のブレイブワンを想像しようとしましたが・・・無理でした。
主演の魅力というのは大きいですね。テレンスのマーサー刑事の,人間としての温かさが,とても救いに思えました。ラストの決断は置いといて。

こんばんは♪
TB、コメントありがとうございました。
とても切ないお話でした。
許すべきではないとは思っていても考えてしまいますよね。でもエリカの立場だったら同じような状況になってしまうかもしれませんし。
このエリカはジョディだからこそできる役でしたね。

やりたい事はわかりますが、どうにも噛合わない印象でした。
やはりマーサー刑事の選択が、あまりにも唐突で理不尽に感じてしまいます。
エリカのキャラクターにはそれなりに説得力を感じたのですけど。

ゆかりんさん こんばんわ
TBありがとうございました。
ほんとうに切ないというか,痛かったです。
エリカのしたことは確かに正しいことではありませんが,
じゃあ,誰が悪者を裁いてくれるの?(それも犯罪を楽しんでいるような連中)
と言いたくなりました。
エリカを許せないというなら,警察でも神でも何でも,
エリカの代わりにきっちりカタをつけてほしい!とまで思いました。
おっしゃるように,エリカはジョディ以外に考えられませんね。
美しくて,強くて,痛々しくて,孤高の女戦士という感じがよく出ていました。

ノラネコさん,いらっしゃいませ。
私はあのラストは好きなのですが
確かに唐突でしたね。法の番人として節を曲げないつもりだった彼が
あんな行動を取ってしまった原因はやはりあの動画でしょうか?
彼の心情の変化がもっと詳しく描かれていたら
共感できる人も増えたかもしれませんね。

ななさん、こんばんは!
コメント、TBどうもありがとうございました!

>・・・・許すべきではない。許してはいけない。そう,頭では判っている。

理性ではわりきれないもの、それはその目にあってみないとわかりませんよね。
知的なジョディ・フォスターが演じるからこそ、説得力がありました。
恐怖を克服するため、生きるためにこうするしかなかったのかと思うと辛いですよ。
人間の心理がよく描かれていて秀作でした!
久々のジョディは美しくてすばらしかったですね。
またおじゃまさせていただきます☆

アイマックさん ようこそです。
単なるアクションやリベンジものと違って
本当にいろいろなものがずっしりと織り込まれていましたね。
社会を支配している不条理な面と,人の心の細やかな動きや葛藤を描いているところが
やはりニール・ジョーダン監督らしいのかも知れません。
ボーイッシュなヘアのジョディは,まるで若い男の子のように見えるときもあって
「この人,いくつだったっけ?」と感心してしまいました。
私のほうこそこれからもよろしくです♪

こんにちは♪
今回のジョディ、いつもに増してキレイでかっこ良かったですねー。
確かに、、、あんなひどい目に遭遇したことないから、エリカの身に降りかかったことって想像もつかないくらいつらい出来事だと思いますー。
そしてああいう「復習行為」を許してはいけないってのもわかる。
でも私が彼女の立場になってしまったら
同じようなことを考えるんじゃないかな、、、って思います!
ただ、ラストのあの刑事の行動には納得いかなかったなー。
そこまではとっても見ごたえあって素晴らしい作品だったと思います☆

きららさん こんにちは
コメント ありがとう!
どんな形であれ,犯人たちには死の制裁が下ってほしかった・・・と思う自分は過激かな?と自問自答しながら観ました。
エリカのことは皆許せるのですが,マーサー刑事のあの選択は微妙。物語の中では勢いで許せちゃう部分もあるのですが,実際に彼が知り合いや同僚だったら,「やめろ!そんなこと!」と絶対止めると思います。
自分が警察を信用できなくなるのが嫌,という理由や,一生後悔するのをみたくない,という親切心から。
罪を償ってこそ,エリカの復讐が正しかったという印象があるかも。

 こんばんわ~
 今日やっと見てきました、感想は割りと良かった!ですね、特にラストの刑事とエリカの選択はまるで御伽噺のように感じました(普通ではありえないだろうし)ニール・ジョーダンらしいというか・・・、後味良くて・・・エリカ的には満足なのでハッピーエンド?なんでしょうか?
 ただ黒人女性に言わせてたセリフも重くズシっと来ますし、正論だとも思うし・・・、イラク戦争以降“報復の連鎖”はよく議論されますが、「スパイダーマン」でも「バットマンフォーエヴァー」でも“復讐は自己満足”と言われ僕も復讐は嫌いですが、ただ頭ではわかっていても・・・というのもあるでしょうね、特に刑事もあの動画シーンを見せられた訳だし、エリカは当事者だし・・・、
 まあジョディは強い女性を演じきって何か男より凛々しく見えちゃいました、それと刑事とエリカの信頼と尊敬で結ばれた友情はとても感激しました、エリカも刑事を立派で尊敬してると言うセリフの裏には、自分が良くないことをしてる自覚の表れかな?と思います、
 最後にジョディもカッコ良かったけど、T・ハワードもカッコ良かったですね!

イニスJrさん おはようございます。
ご覧になりましたか~。面白かった(不謹慎?)でしょ。
ラストは御伽話・・・うまいこと言いますね,そう言われてみれば、そうかもしれません。現実にはあり得ないけど,あって欲しいというような・・・。エリカの視点から見た,御伽話なのかもしれませんね。
ニール・ジョーダン監督は不条理を描くんですが,ラストがほっとできるというか,あたたかい終わり方をするんですよね。そこが好きなんですけど。
復讐の是非は難しい永遠のテーマだと思います。私は,映画の復讐ものは好きだけど,自分が復讐劇に巻き込まれるのはごめんですね。(当たりまえか)復讐心を捨て去ってこそ,救われるのは頭ではわかっていますが,そこに至るまでの苦悩や葛藤は体験したくありません,というか,そんなに割り切れる自信がなくて。復讐したい相手がいない,ということは(大半の人がそうですけど)幸せなことだなあ,とあらためて思います。ジョディは,過去最高にカッコよかったと思います。テレンス・ハワード,「クラッシュ」でもよかったけど,人情あふれる表情がとてもいいですね。

結局彼女は救われなかったんじゃないかな~・・と思いました。
私刑を実行し、恨みを晴らすという行為をしても
あのような温情をラストに受けても、また彼女の
手に震えが戻ってきたように、彼女の魂までは
救われなかったってことだったんだろうなぁ、と思いました。

監督は、私刑を実行しても、温情で無罪となっても
あのようなことをすれば心底救われることは
ないんだよって言いたかったのかも・・?!

でも、彼女にふりかかったあの不条理な、許せない出来事を乗り切って生きていくためには、彼女はああやって生きていくしかなかったんですよね~・・・。
でも、結局は救われなかったのでは・・。
哀しすぎる・・・。

ジョディ・フォスターの演技が素晴らしかったですよね~♪ほんと、近年の彼女の映画の中ではぴか一の演技だったし光ってました♪

メルさん,こんばんは
リベンジものとしては,とても難しいテーマを中心に据えた,ヒューマンドラマみたいな重い作品でしたね。
犯人だけをやっつけて終わって観客もスカッとするのがリベンジものの王道ですが・・・
これは復讐という負のスパイラルにはまってしまった
救いのないお話で,その上にもうひとつ,刑事の見逃し行為の是非まで問われるのですから
後味はよくないですね。
復讐を遂げた爽快感はなく,エリカは罪を背負って生きると思います。
それでも,犯人たちを制裁された点だけは,よかったと思いました。

こんにちは~。雨ですね。雨のテンプレがしっくりきますね!(o^-')b☆

復帰第2作目がこれって、キツ過ぎたかな?と思いつつ、書いてみました♪
(TB、しばらくやらないことにしてるので、送れません。すいません)

「許せますか、彼女の“選択”」ってやられちゃ、許せるかどうか考えちゃいますけど、そこはあまりこだわらないで見ました。
だって、「エリカ、復讐は許さん!」って言ったところで、どうなるもんでもなし。私も、ななさんのいうように彼女には、選択肢はなかったと思います。
逆に誰が彼女を許しても、彼女自身は救われないし。彼女の傷は消えないし(痛みが和らぐことはあるかも)、彼女の犯した罪も消えないから。

自分の記事で書き損なったのですけれども、死んだ恋人。死人は語らないって、後半にはすっかり忘れ去られた感があり、可哀想じゃなかったですか?
マーサー刑事との関わりの方に焦点がいっちゃったから、仕方ないかな。
彼がもっと彼女の心に生きていたら、怒りじゃなくて愛が彼女を救えたかも、なんて、思ったりして。

ではでは、また。とんでもない作品で(?)お邪魔させていただきます。

ゆきちさん こんばんは
ご覧になったのですね~,けっこう後をひく,ヘビーな作品でしたね。

「許せますか,彼女の~」というキャッチコピー,なかった方が素直に見れたかもしれません。
あれがあったから,みんなエリカに賛成するか否か,どちらかの立場を選ばなければいけなくなって
賛否両論まっぷたつになりましたよね。
ゆきちさんのようにこだわらないで鑑賞されたのは正解でしたね。
確かに,観客が許さなくても,エリカはやっちゃってたと思います。
他人の励ましや慰めや忠告って,何の役にも立たなかったですよ,このケースは。
彼女の恋人・・・確かにあれだけのことを彼女にさせる原動力となったひとなのだから
もっと見せ場もほしかったかな。後半はたしかに忘れ去られてましたね,作品の中では・・・。
今日はもう,疲れたので,明日お宅にコメントにお伺いしますね~。

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