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ブロークバックマウンテン(11)

イニスの誓い
Cap130 おそらくこの映画の中でも、もっとも観客の涙を誘ったと思われる、
イニスが「Jack, I swear…」と、涙ぐんで誓うあのラストシーン。

クローゼットの中の二人のシャツは、
ジャックの部屋で見つけた時とは,重ね方が逆になっていて、
イニスのシャツが,ジャックのそれを抱くような形になっている。

この重ね方を変えるアイデアは、イニスを演じたヒースから出たそうだ。
彼が,どれだけ深くイニスの心を理解していたかを物語る 素敵なエピソード。     
Cap679
どんなに思いを馳せてみても,
逝ってしまったジャックは,二度と彼の元へ帰ってこない。

「ジャック、誓うよ…」
途切れた言葉のこの後,イニスは何を言いたかったのか。
もうお前への愛を 恥じたりはしない。
そう誓いたかったのか。  
ジャックへの愛を認めることは、
自分のありのままの姿をまるごと受け入れること。
それまでの不器用な人生を通して
真実から目を背け、偽りつづけてきたイニスは
やっと本来の自己を肯定し,心を解き放つことができたのだ。

Cap339
愛を告げてやることなく,逝かせてしまった相手を 想い続ける切なさは 
時には身を切られる程辛いことだろう。
その痛みに耐えながら,イニスはジャックの魂を抱きしめて
これからの長い歳月を,たった一人で生きてゆくのだろう。

出逢ってから20数年間の 苛酷とも言える歳月を経て
ジャックとイニスは,初めてお互いのものとなったのだ。
  
彼らの間に確かに存在した愛の記憶。

Cap129
あの遠い夏の日,ブロークバックマウンテンで紡いだ
きらめくような思い出の数々。
気の遠くなるような回り道のあげくにたどり着いた真実の愛
決して色あせることなく,これからも深く静かに燃え続け,

・・・いつかイニスがこの世を去るその日まで,
彼の心に鮮やかに生き続けるに違いない。 



Cap677_2
イニスの侘住まいのトレーラーハウスを包み込むように、 
風が音を立てて吹きすぎる。  
イニスの誓いに くり返し,くり返し,優しく答えるかのように。

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