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2007年9月25日 (火)

ブロークバックマウンテン(9)

裁かれた愛のかたち
Cap114

ジャックの突然の死の真相は 映画の中では,イニスの想像の中で フォビアたちからの殺害であると匂わされている。原作の中ではもっと確信に近いようなものを イニスは抱いたとされている。

・・・「そうではない」と 「本当にラリーンの言ったとおり事故だった」と信じたいのはやまやまだが,やはりジャックは,フォビアたちからリンチされて死んだのだ。

Cap116
それはイニスが最も 恐れていたこと
幼少より刷り込まれて,片時も脳裏から離れなかった恐怖。この恐怖ゆえに,彼は二人の生活を諦めたのに,あろうことかジャックの上に,惨劇はふりかかってしまった。

農場経営を持ちかけていたランドールとの関係が,このような事態を招いたのか。それとも無防備なジャックは,前々からフォビアたちに目をつけられていたのか。・・・本当のことは語られていないけれど はっきりしているのは,彼がゲイゆえに無惨にもなぶり殺されたという事実。そして,遺族たちは彼の死の真相を公言できず 犯人たちはお咎めなしという,信じられないくらい許し難い事実だ。

Cap021
日本ではあまり考えられないことだけど,同性愛者に対する迫害が,現在でも根強い国や,地域は存在する。アメリカでは 数年前にワイオミングで,ゲイの若者が,集団リンチによって命を落としている。イスラムの国では 同性愛者は死罪に定められているらしい。

ジャックとイニスの物語から 40年がたった今でも,同性愛者が自らの愛に忠実に生きようとすることは,場合によっては,命がけの覚悟がいるときもあるのだ。

旧約聖書のレビ記には,イスラエルの民にあてた神からの掟が記されているが,その中に「女と寝るように男と寝てはいけない」とある。しかし,神が同性しか愛せない人間を造ったのもまた事実だとしたら,同性愛を禁じるのは矛盾してはいないだろうか。それは
天より翼を与えられた鳥に対して
「飛ぶな」と命じているようなものではないのか。

Cap605
アイルランドが舞台の映画,
「司祭」を観た時も同じような疑問を感じたけれど,イニスとジャックの物語を知ってから,その疑問は私の中でますます強くなり,未だに答えは出ていない。それに,レビ記の掟よりももっと大切なモーセの十戒の中に「殺してはいけない」とあるのを,忘れてはいけない。ジャックの命を奪った男たちの罪が,断罪されないことに激しい怒りを覚える。

ジャックのしたことは,死に値するようなことなのか。
報いとして,あんなに無惨に痛めつけられて,
道ばたにうち捨てられるような
どんな罪を彼が犯したというのか。

ただ イニスと一緒に生きたかっただけ・・・。Cap004
彼の望みはそれだけだったのに。
望んだものは何一つ手にはいらないまま
孤独と血の海の中で,息を引き取る間際にジャックの胸中に去来したものは,いったい何だったのだろう。

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